2022-09-03(Sat)
法制審 区分所有法改正諮問へ 築40年超のマンション116万戸⇒20年後425万戸
時事通信 2022年09月03日07時14分
老朽マンション、建て替え容易に 多数決要件の緩和検討―葉梨法相、区分所有法改正を諮問
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022090200738&g=eco
----葉梨康弘法相は2日の閣議後記者会見で、分譲マンションの建て替え条件を緩和するため、区分所有法の改正を12日の法制審議会(法相の諮問機関)に諮問すると発表した。所有者の5分の4の賛同を必要とする建て替え決議の要件を引き下げることが柱。今後予想される老朽化マンションの増加に対応する狙いがある。
朝日新聞デジタル 2022年9月2日 21時33分
老朽マンション、「所有者不明」で工事できず 決議要件緩和を検討へ
https://digital.asahi.com/articles/ASQ926SG9Q80UTIL02H.html
----老朽化したマンションの建て替えや共用部分の工事を円滑に進めるため、葉梨康弘法相は2日、区分所有法の見直しを法制審議会に諮問すると明らかにした。所有者が多数決で決議する要件の緩和を検討する。
背景には、老朽化マンションの急増がある。築40年超のマンションは昨年末時点で116万戸あり、20年後には3・7倍の425万戸が見込まれている。さらに、部屋の所有者の高齢化が進み、死亡後に誰も住まないなどの「所有者不明」事例が増える恐れもある。
毎日新聞 2022/9/2 17:40(最終更新 9/2 17:41)
マンション建て替え要件緩和、法相が諮問へ 「所有者不明」対策で
https://mainichi.jp/articles/20220902/k00/00m/040/085000c
----建て替えに必要な「全所有者の8割以上の賛成」という要件の緩和が焦点で、葉梨法相は「マンションの老朽化や所有者の高齢化を背景として、所有者不明や空き家化が進行している。法制審で、充実した審議がなされることを期待したい」と述べた。
国土交通省によると、老朽化の目安となる築40年以上のマンションは2021年末現在、全国に115万戸(全体の約17%)あるとされるが、20年後には425万戸に急増すると見込まれている。住民の高齢化も進み、亡くなった場合に相続人が分からず新たな所有者が不明になるケースの増加も想定されている。
NHK 2022年9月2日 17時25分
“マンション法”見直し 法制審諮問へ 老朽マンション増へ対応
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220902/k10013800161000.html
----老朽化したマンションが増える中、葉梨法務大臣は、建て替えの手続きなどを円滑に進めるため、いわゆる「マンション法」の見直しを法制審議会に諮問することを明らかにしました。
築40年を超えるマンションは、20年後には全国で都市部を中心に現在の4倍の425万戸に増える見込みで、老朽化への対応が課題になります。
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2022-09-02(Fri)
改修費用の捻出が壁に/古い耐震基準のマンション 7割で耐震化工事行われず
日本経済新聞 2022年9月2日 2:00
耐震不足、全国に1100棟
大規模建築、震度6強で倒壊恐れ 改修費用の捻出が壁に
----全国の大規模な建築物の耐震化の遅れが目立っている。2021年4月時点で約1100棟が震度6強以上の地震で倒壊する恐れがある。いずれも40年以上前の旧耐震基準に基づいて建てられ、商業ビルや宿泊施設などでは改修費用の捻出や営業・利用との両立が壁となっている。関東大震災から1日で99年。100年の節目が近づく中、大地震への備えが求められている。
NHK 首都圏 NEWS WEB 2022年09月01日 06時25分
古い耐震基準のマンション 7割で耐震化工事行われず 都調査
----東京都がことし発表した新たな首都直下地震の被害想定では、最大で6000人に上る死者の半数以上が建物の倒壊によるものとされ、耐震化をいかに進めるかが課題となっています。
こうした中、都が都内にある耐震性が不十分とされた昭和56年以前の古い耐震基準で建てられたマンションを調べたところ、7割で耐震化工事が行われていないことがわかりました。
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2022-06-29(Wed)
総務省消防庁と国土交通省の有識者検討会 今後の対策をまとめた報告書を公表
総務省消防庁
大阪市北区ビル火災を踏まえた今後の防火・避難対策等に関する検討会
https://www.fdma.go.jp/singi_kento/kento/post-109.html
<報告書>
大阪市北区ビル火災を踏まえた今後の防火・避難対策等に関する検討会報告書
https://www.fdma.go.jp/singi_kento/kento/post-109.html
(別添)「大阪市北区ビル火災を踏まえた今後の防火・避難対策等に関する検討会報告書」の概要(PDF形式)
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001488371.pdf

朝日新聞デジタル 2022年6月29日 8時00分
階段一つの「不適格」ビル、改修制限緩和へ 北新地放火事件で報告書
----26人が犠牲になった昨年12月の大阪市北区のクリニックでの放火殺人事件を受け、総務省消防庁と国土交通省の有識者検討会は28日、今後の対策をまとめた報告書を公表した。避難経路となる階段が一つしかない建物で安全な避難ができるようにするため、全ての基準を満たさなくても増改築を認めるよう求めた。国交省は同種の建物向けの改修ガイドラインをつくる。
事件は昨年12月17日、8階建て雑居ビル4階のクリニックで発生。逃げ遅れが多くなった原因の一つに、地上に下りる一つしかない階段の近くで火災が起きたことが指摘されている。
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2022-06-23(Thu)
「既存不適格」老朽ビル一部改修容認 防火規制不適合巡り検討会
総務省消防庁
令和 4年 06月21日
大阪市北区ビル火災に係る消防庁長官の火災原因調査結果報告書の公表(令和4年6月21日)
https://www.fdma.go.jp/laws/tutatsu/items/756bd60789b6b9473a15582d90ce597916472445.pdf
大阪市北区ビル火災を踏まえた今後の防火・避難対策等に関する検討会
https://www.fdma.go.jp/singi_kento/kento/post-109.html
第3回 令和4年5月17日(火)
第4回 令和4年6月21日(火)
朝日新聞デジタル 2022年6月22日 5時00分
ビル放火、60秒で煙充満 焼損は待合室のみ 消防庁報告書
----大阪市北区のクリニックで昨年12月、26人が犠牲になった放火殺人事件で、総務省消防庁は21日、調査結果報告書を公表した。出火場所の待合室は天井まで焼け落ちたが、被害者が倒れていた奥の廊下や診察室は焼損していなかった。消防隊が着いた出火5分後には最も奥の診察室まで、数分で死に至る一酸化炭素(CO)濃度になっていた。
日本経済新聞 2022年6月22日 2:00
老朽ビル一部改修容認 防火規制不適合巡り検討会 大阪の放火事件受け
----26人が死亡した大阪・北新地のビル放火殺人事件を受け、国の有識者検討会は21日、防火規制などの基準に適合しない「既存不適格」と呼ばれる老朽ビルについて、全面改修を求めてきた従来方針を改め、一部改修を容認するなどの改善策をまとめた。部分的でも防火対策を促すことで、ビルの安全性を高める狙いがある。
時事通信 2022年06月22日16時02分
出火直後に室温460度 大阪ビル火災で報告書―総務省消防庁
----総務省消防庁は22日までに、大阪市北区の雑居ビルで26人が死亡した放火殺人事件の火災調査報告書を公表した。報告書に盛り込んだシミュレーション結果では、ガソリンがまかれたクリニック出入り口付近の待合室の温度が、出火直後に約460度まで上昇。数分で致死量の一酸化炭素(CO)濃度に達していたことが分かった。
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2022-06-07(Tue)
余った生コンに新しいものを混ぜる 自治体や国が実態調査 神奈川県22カ所 東京都8カ所
読売新聞 2022/06/05 05:00
生コン不正再利用、東京・神奈川の住宅で強度不足の恐れ…70件が違法建築か
----川崎市の生コンクリート製造販売業者が日本産業規格(JIS)に反する生コンを製造し、この生コンの使われた神奈川県や東京都内の住宅など約70件が違法建築になる恐れがあるとして、各自治体が調査していることがわかった。JISに適合しない生コンを建物の主要部分に使うと、建築基準法に抵触するだけでなく、安全性に影響が出る可能性もある。調査対象の一部の住宅は引き渡しや工事の停止を余儀なくされている。
朝日新聞デジタル 2022年6月7日 5時00分
生コン不正、30現場か 自治体や国が実態調査
----川崎市の生コンクリート製造業者が不適切な作り方で生コンを出荷していた問題で、国土交通省は6日、神奈川県と東京都の計30の建築現場で、問題のある製品が使用された可能性があることを明らかにした。各地の自治体や国交省が使用実態やコンクリートの強度について調査を進めている。
毎日新聞 2022/6/7 14:44(最終更新 6/7 17:54)
生コン不正利用、神奈川や東京の30カ所で使用か
----川崎市の生コンクリート製造業者「小島建材店」が、余った生コンに新しいものを混ぜるなどして出荷していた問題で、国土交通省関東地方整備局は、神奈川県や東京都の一戸建て住宅など30カ所で使われた恐れがあると明らかにした。同社から報告を受けたとしている。
整備局によると、報告があったのは神奈川県22カ所、東京都8カ所。住宅の他、雑居ビルなどもあった。一部では基礎や柱といった主要構造部に使用されたが、同社からは「安全性に問題はない」と説明を受けたという。
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2022-02-11(Fri)
階段が1つしか設けられていないビル 今後取り組むべき防火・避難対策
大阪市北区ビル火災を踏まえた今後の防火・避難対策等に関する検討会
第1回 令和4年2月8日(火)
https://www.fdma.go.jp/singi_kento/kento/post-103.html
開催要綱
1 目的
令和3年12月17日に大阪市北区において多数の死傷者を伴うビル火災が発生した。この火災の原因調査の結果等を踏まえ、今後取り組むべき防火・避難対策等について検討する。
2 検討事項
検討会は、以下に掲げる事項について検討する。
(1)階段が1つしか設けられていないビルにおいて今後取り組むべき防火・避難対策
(2)危険物の取扱い
(3)その他
・・・・(以下略)
時事通信 2022年02月08日21時19分
防火・避難対策へ議論開始 大阪ビル火災受け―総務、国交省
----総務省消防庁と国土交通省は8日、大阪市北区の雑居ビルで25人が犠牲になった放火殺人事件を受け、防火・避難対策に関する検討会の初会合を開いた。6月をめどに報告書をまとめる。
テレビ朝日 [2022/02/08 19:48]
大阪ビル火災を受け“再発防止”検討会議が初会合
----去年12月、大阪市で25人が犠牲となったビル火災を受け、総務省消防庁は防火避難対策に関する検討会を設置し、その初会合が開かれました。
会合は、国土交通省と共同で開催され階段が一つしかないビルで今後取り組むべき防火と避難の対策や、危険物の取扱いについて検討されました。
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2022-01-19(Wed)
大規模火災のたび、規制強化 建基法 2カ所以上の階段 排煙設備の設置 義務付け
日本経済新聞 2022年1月19日 2:00
大阪ビル放火、安全規制の抜け穴露呈 「不適格ビル」やガソリン購入 不審者対策、ICT活用も
----大阪・北新地のビル放火殺人事件で被害が拡大した一因として、防火や防犯など安全規制の抜け穴の存在が指摘されている。現場のビルは古く、2カ所以上の階段や排煙設備の設置を義務付ける法律の適用外だった。ガソリンの購入規制も効果がなく、専門家は最新技術を活用した対策の必要性を指摘する。
事件現場となったクリニックは、8階建ての「堂島北ビル」の4階にあった。市消防局によると、ビルの延べ床面積は約700平方メートル。ビルに排煙設備はなく、階段も1カ所しかなかった。建築基準法は現在、3階建て以上で延べ床面積500平方メートル以上の建物に排煙設備の設置を義務付けている。6階建て以上になると、地上に通じる階段を2カ所以上設けなければならない。2つの規定はそれぞれ1971年と74年に設けられ、それ以前に建てられたビルは適用の対象外だ。70年に建築された堂島北ビルのように、違法でなくても現在の基準を満たさない建物は「既存不適格」と呼ばれる。・・・
朝日新聞デジタル 2022年1月18日 5時00分
25人犠牲、孤立深めた末に 容疑者のスマホ、半年前からメモ 大阪ビル放火殺人1カ月
----■大規模火災のたび、規制強化
事件の現場となった大阪市北区の雑居ビルは「建築基準法、消防法のルール内」(松井一郎市長)だった。しかし、階段は一つしかなく、火元とは逆の方向にも逃げられる「二方向避難」ができなかったことで被害が拡大したとの指摘もある。スプリンクラーは設置されていなかった。
防火体制の強化や避難経路の整備などに関する法令は、大規模な火災が起こるたびに改正されてきた。
消防庁は「昭和40年代~平成初期には大規模集客施設で多数の犠牲者を伴う火災が発生した」とする。118人が死亡した大阪市の千日デパートビル火災(1972年)後には建築基準法施行令が改正され、二つ以上の階段設置を義務付ける対象が広がった。
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2022-01-05(Wed)
逃げ場ない非常階段1カ所 全国に3万棟 スプリンクラーもなかった 既存不適格建築物
日本経済新聞 2021年12月20日 19:00
[社説]ビル火災の犠牲を防ぐために
----大阪・北新地にあるクリニックで放火事件があり、多くの尊い命が失われた。・・・クリニックが入居する雑居ビルは階段が1カ所、エレベーターも1基で、スプリンクラーは設置されていなかった。いずれも法令上の基準に適合していたというが、こうした構造が被害を拡大させた可能性はないだろうか。しっかりと検証し、課題を洗い出すことが求められる。同じように階段が1カ所しかない構造の雑居ビルは全国に約3万棟あるという。雑居ビルは不特定多数が利用し、誰もが被害に遭う可能性がある。
・・・私鉄車内での刺傷事件など、無関係な第三者を狙った犯罪が続いている。政治的背景がないとはいえ、もたらされる結果は無差別テロと変わらない。そうした危険と隣り合わせにいることを認識し、社会を挙げてリスクを減らす手立てを考える。それもこの事件の教訓といえるだろう。
朝日新聞デジタル 2021年12月19日 5時00分
(社説)大阪ビル火災 犠牲者の無念を思う
----市消防局によると、入居していたビルは小規模でスプリンクラーの設置義務はなく、消火器などの設備に不備はなかった。・・・専門家は、離れた場所に複数の出入り口を確保する「2方向避難」の重要性を指摘する。スプリンクラーがあれば素早く消火できたのではないか、との思いも消えない。既存のビルの改修は容易ではないが、まずは新築から可能性を探りたい。
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日経クロステック/日経アーキテクチュア 2021.12.28
25人死亡の大阪・雑居ビル火災、やはり「2方向避難」は欠かせない
----大阪・北新地で発生した雑居ビル火災は、25人の死者を出す大惨事となった。2方向避難が確保されていなかったことが、被害を拡大した可能性がある。総務省消防庁は類似のビルの調査を全国に要請した。
・・・建築基準法施行令121条では、用途と面積に応じて避難階や地上に通じる直通階段を2つ以上設けるよう求めているが、堂島北ビルには北側に階段室とエレベーターが1つずつあるのみで、2方向避難は確保されていなかった。
・・・防耐火に詳しい早稲田大学の長谷見雄二名誉教授は、「既存不適格建築物の可能性が高い」と指摘する。
「仮に30人がいたとして、計算上は避難を始めてから30秒もかからずに出火階から逃げられる。放火犯がどういう行動をしたかにもよるが、唯一の避難経路である階段付近が燃えたため、逃げられなかったのではないか。2方向避難の重要性が浮き彫りになった」(長谷見名誉教授)
水野准教授は次のように指摘する。「やけどを負ってでも火元を越えて避難をしなければ助からない場合もある。しかし、心理的にそれは難しいだろう。建築実務者は利用者の避難行動を予測し、安全な建物や避難手段を提供しなければならない。2方向避難はその1つだ」
・・・火災を受けて総務省消防庁は21年12月19日、全国の消防本部に対して、火災時の避難経路などについて緊急立ち入り検査をし、結果を報告するよう要請した。
対象は、消防法施行規則で定義している「特定一階段等防火対象物」。堂島北ビルと同様に、階段が1つしかなく、劇場や商業施設、ホテル、診療所など不特定多数の人が出入りする施設が3階以上に入居するビルだ。同庁によると対象の建物は、全国で約3万棟に上るという。
日本経済新聞 2021年12月25日 2:00
ビル防火規制、実態とズレ
古い建物、適用の対象外 大阪ビル放火 被害拡大の指摘も
----25人が死亡した大阪・北新地のビル放火殺人事件は、古い雑居ビルでの火災が大惨事となる潜在的なリスクを突きつけた。過去の大火災を機に防火規制は強化されてきたが、適用対象外となる古い建物では現行基準を満たしていないことも少なくない。規制と実態のズレを埋めるため、改修の促進など議論すべき課題は多い。
時事通信 2021年12月25日22時01分
非常階段1カ所、全国に3万棟 火災現場ビル、逃げ場なく―専門家「犯罪考慮し法整備を」
----大阪市北区の雑居ビル4階で起きた放火殺人事件は、25人もの犠牲者を出した。脱出口となる非常階段は火の手に阻まれ、全員が逃げ場のないフロア奥で発見された。総務省消防庁によると、直接外への避難が難しい地上3階以上で、非常階段が1カ所しかない商業ビルは、全国に約3万棟あるとみられる。専門家は「事件も考慮し、法整備すべきだ」と警鐘を鳴らす。
朝日新聞デジタル 2021年12月24日 7時30分
放火事件の雑居ビルは階段設置義務の適用外 違法ではないが不適格
----25人の命が奪われた大阪市北区の放火殺人事件から24日で1週間。現場となった雑居ビル内には、階段が一つしかなかった。火元とは逆の方向にも逃げられる「二方向避難」を可能とするため、建築基準法施行令で二つ以上の階段の設置を義務付けているが、この雑居ビルは適用外。「違法」ではないが、「不適格」な建物だった可能性が高いという。
時事通信 2021年12月21日11時35分
ビル防火対策の点検要請 大阪放火事件受け―斉藤国交相
----斉藤鉄夫国土交通相は21日の閣議後の記者会見で、大阪市北区の雑居ビルで起きた放火殺人事件を受け、消防による全国のビルの緊急点検に合わせて、建築基準法に基づく防火対策も点検するよう自治体に要請したと明らかにした。
NHK 2021年12月20日 (月)
解説アーカイブス これまでの解説記事
「大阪 ビル放火 命を守るためには」(時論公論)
----閉じられた空間が放火され、多くの命が奪われる大惨事が繰り返されてしまいました。
大阪・北区のビルに入るクリニックで24人が死亡(※20日時点)した放火事件。
被害はなぜここまで大きくなってしまったのか、不特定多数を狙った放火などから身を守る方法はあるのか、考えます。
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2021-12-18(Sat)
なぜこれほどの惨事になった 全容解明を急ぎたい 被害抑える基本の確認を
読売新聞 2021/12/18 05:00
社説:大阪ビル火災 なぜこれほどの惨事になった
----不特定多数の人が出入りする繁華街の雑居ビルで一体何が起きたのか。警察と消防は、ビルの防火体制を含めて、全容を解明せねばならない。
大阪市北区の8階建てビルで17日午前10時過ぎ、4階に入る心療内科クリニックから出火した。約80平方メートルのうち25平方メートルを焼き、約30分でほぼ消し止められた。
この火事で、4階にいた多くの男女が心肺停止状態で病院に搬送され、亡くなった。警察は現場の状況から、放火の疑いがあるとみて捜査している。
毎日新聞 2021/12/18 東京朝刊
社説:大阪のビル火災 惨事招いた原因の究明を
----大阪市内の中心街でビル火災が起き、多数の死傷者が出た。大阪府警は放火事件とみて、捜査を進めている。
火事は約30分間で消し止められた。にもかかわらず、多くの犠牲者が出た。なぜ、これほど被害が拡大したのか、原因の究明が急がれる。
市消防局によると、8階建ての雑居ビル4階にある心療内科のクリニックから出火した。犠牲者は4階にいた可能性が高い。
クリニックは患者らの職場復帰を支援するプログラムを実施していた。大部屋で開かれ、20人ほどが参加していたという。この日も多くの患者が集まっていた可能性がある。
産経新聞 2021/12/18 05:00
主張:大阪ビル火災 被害抑える基本の確認を
----大阪市北区のビル火災で、28人が死傷した。火元のクリニックでは、男が持っていた紙袋付近から出火したとの情報があり、大阪府警は放火の疑いで調べている。
火事は8階建てのビルの4階フロア約25平方メートルを焼失し、出火から30分足らずで消し止められた。この間に多くの人が犠牲となった。なぜこれほど被害が拡大したのかについては、今後の捜査を待たなければならない。
東京新聞 2021年12月18日 07時55分
社説:大阪でビル火災 全容解明を急ぎたい
----大阪駅近くの北新地に立地する八階建てビルで火災があり、多数の犠牲者が出た。四階にある心療内科や精神科のクリニックで起きた惨劇。放火の疑いが持たれており、二年前の京都アニメーション放火殺人事件をも想起させる。
北新地は西日本屈指の繁華街。出火直後にはビルの窓から助けを求める人の姿もあり、百台近い消防車両が出動するなど街は一時、騒然となった。はしご車で高い階から救出された人もいた。
毎日新聞 2021/12/18 東京朝刊
大阪ビル放火事件 有数の繁華街、騒然 避難路塞がれたか 有識者
----大阪市北区で17日午前に発生した雑居ビル火災では、甚大な人的被害が出た。災害や建築などの有識者に、今回の火災の特徴などについて見解を聞いた。・・・建築物の火災安全設計が専門の萩原一郎・東京理科大教授は「建物の安全対策は、基本的に失火や漏電による火災を想定している。しかし、今回の建物の構造では、入り口付近で放火されると階段から逃げることができない。4階では飛び降りることもできず、多くの人が避難できない状況に陥ったのだろう」と話し、対応の限界を指摘する。出火元となった部屋の広さなどからスプリンクラーの設置は義務づけられておらず、萩原教授は「古いビルではスプリンクラーを後から付けることも難しく、どのような対策が必要なのか検証する必要はあるだろう」としている。
「電車内での火災と同じで逃げ場がない。放火であれば極めて悪質だ」。東京理科大の関沢愛教授(建築・都市防災)は憤りを見せる。「強いて言えば、反対側にもう一つ避難経路があれば助かった人もいたかもしれない」と指摘するが、現場のビルには2方向避難やスプリンクラー設置などの義務はなく、防火上の違反はなかった。「火の気のあるテナントも入っていないようなので、これ以上の防火対策を求めるのは現実的ではないと思う」と話し、犯罪防止の視点からの対応を求めた。
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2021-12-08(Wed)
建築物省エネ法や建築基準法など関連法改正案の提出めざす
日本経済新聞 2021年12月8日 2:00
省エネ改修促進へ規制緩和案示す 国交省、ビルの高さなど
----国土交通省は7日、省エネルギー性能の高い住宅・建築物の普及を促す新たな制度案を示した。ビルなど建築物の省エネ改修を対象に高さや容積率の規制を緩和する。2025年度から原則として住宅を含むすべての新築建築物に対して省エネ基準の適合を義務づけることも明記した。
社会資本整備審議会の関係部会で素案をまとめた。22年の通常国会に建築物省エネ法や建築基準法など関連法改正案の提出をめざす。
朝日新聞デジタル 2021年12月8日 5時00分
省エネ木造住宅促進、国が高さ規制緩和案 3階建て造りやすく
----国土交通省は7日、省エネ性能の高い3階建ての木造住宅を建てやすくするための、高さ規制の緩和案を公表した。成長段階で二酸化炭素(CO2)を吸収する木材の利用を促すことで、住宅分野でのCO2削減につなげる狙い。来年の通常国会に向けて関連法案をまとめる。
住宅は、省エネ性能を高めるために断熱材や空調設備を施すと、通常より高さが増す。国交省によると、3階建ての標準的な省エネ住宅の場合は高さ15・5メートルになり、現在の高さ規制13メートルを超えてしまうという。規制を超えても建築はできるが、安全性を確かめるために追加の構造計算が必要になり、コストや工期が施主の負担になっている。国交省は7日の専門家部会で、高さ規制を13メートルから16メートルに引き上げる方針を示し、おおむね了承された。
日本経済新聞 2021年11月27日 22:21
省エネ改修に低利融資制度 国交省、住宅の脱炭素支援
----国土交通省は住宅の省エネルギー改修を支援する融資制度を創設する。戸建てやマンションの断熱工事などに必要な資金を銀行よりも低金利で貸し出す。民間では住宅ローンに比べ、改修向けの金融商品が少ない。公的金融によって需要を掘り起こす。住宅分野の脱炭素を後押しする。
政府は2050年までに温暖化ガス排出量を実質ゼロにする目標を掲げる。住宅分野の二酸化炭素排出量は19年度時点で全体の約15%を占める。特に5000万戸超の既存住宅の取り組みが課題となっていた。金融面からテコ入れし、省エネ仕様の住宅を普及させる狙いだ。
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