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2021-02-21(Sun)

ウーバー運転手は従業員 英最高裁 仏に続く

「ギグワーカー」労働者 会社の雇用責任を求める流れ強まる

しんぶん赤旗 2021年2月21日(日)
ウーバー運転手は従業員 英最高裁 最賃・有休へ道
----【ベルリン=桑野白馬】英最高裁は19日、米配車サービス大手のウーバー・テクノロジーズの元運転手2人が最低賃金や有給休暇など従業員としての権利を認めるよう求めていた裁判で、元運転手が従業員として扱われるべきだとの判断を示しました。英BBCによると、この判決で、数千人の運転手に対し最低賃金の支払いや有給休暇の取得が認められる可能性が出てきました。


日本経済新聞 2021年2月19日 23:10 (2021年2月20日 4:40更新)
英最高裁、ウーバーの運転手は従業員と認定 仏に続く
----【ロンドン=佐竹実】英国の最高裁判所は19日、米ライドシェア大手のウーバーテクノロジーズの運転手は従業員だとする判断を示した。ウーバー側は個人事業主だと主張していたが、退けられた。運転手は最低賃金や有給休暇が認められることになり、ウーバーの負担が増す可能性がある。フランスの最高裁も2020年に同様の判決を下している。


毎日新聞 2021/2/20 21:08(最終更新 2/20 21:08)
ウーバー運転手は「従業員」 英最高裁判決とギグワーカーの現状
----インターネットなどを通じて単発の仕事を請け負う「ギグワーカー」に対する企業の責任が問われている。英最高裁は19日、米配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズの運転手を同社の「従業員」と認定した。ウーバー側は「個人事業主」と訴えていたが、これを退けた。コロナ禍で世界的に広がった宅配サービスなど他のギグワークにも影響を与える可能性がある。



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2019-08-16(Fri)

個人事業主 どう守る 法に遅れ

多様な働き方ウーバーイーツ配達員が労組結成へ

ギグワーカーどう守る? 多様な働き方 法に遅れ ウーバーイーツ配達員が労組結成へ(日本経済新聞2019/8/15 20:30)
「ギグワーカー」(インターネット経由で仕事を受け、自由に働く)という働き手の保護の問題を取り上げている。

政府は、企業で働く人の副業・兼業を促進する体制づくりに乗り出し、フリーランスの増加を加速している。
「副業、フリーランスで柔軟に 法的保護ないリスクも(日本経済新聞 2019/8/11 5:00)」

総務省や厚生労働省によると、
「特定の発注者に頼る個人事業主は170万人程度に増えている。ウーバーの配達員のようなギグワーカーを含む。」という。
こうした個人事業主には労働者とみなされないことから、最低賃金、有給休暇、労災保険などが適用されてない。

そのため、海外ではウーバー運転手などの保護を巡り、裁判や立法が相次いでいるという。
◇英国----2018年12月に控訴審が運転手を「就労者」という、自営業者と労働者の中間に位置づけた。
「日本法にはない分類で最低賃金などが保障されるとした」(東洋大学の鎌田耕一名誉教授)
◇フランス----16年にウーバーのようなプラットフォーマーに義務を課す法律が成立。働き手が労働者かどうか判断しない。
「プラットフォーマーのサービスで一定の収入を得る人には、労災保険、職業訓練費を負担する責任を定めた」(穂高弥生子弁護士)。
◇日本----厚労省の検討会で議論が始まる。6月に中間整理、ルール整備の時期定めていない。
雇用に近い形態で働く人のために契約ルールの整備や報酬の適正化などを検討する方向が示された。

労働者ではない個人事業主が連携して、雇い主側と賃金など交渉することは、現行法制の下では難しい問題がある。
個人事業主らが労働組合を結成することは自由にできるが、団体交渉権など雇い主側を拘束するだけの強制力はまだ認められていない。
コンビニフランチャイズ加盟店主の労組の交渉要求に、コンビニ本部が応じていない状態が続いている。

その理由として、アメリカの事例が参考になる。
----米シアトル市は15年に個人事業主が団体を通じて企業と協議し、報酬を決められる条例を制定した。これに全米商工会議所が独占禁止法違反だとして条例無効の宣言と施行の仮差し止めを求めて係争中だ。「個人事業主が連携して賃金交渉するのは価格カルテルで違法か、理由が正当で合法かなどを裁判所は検討する」(早稲田大学の土田和博教授)

要は、あくまでも、労働者ではない個人事業主との報酬・賃金契約については、独禁法上の取引ルールが適用されるから、まとまって交渉するのは価格カルテルだ、という主張だ。

もともと、競争法上のカルテルなどは大手資本による価格調整を排除することを前提としている。
それを、零細な個人事業者に当てはめるのは間違いだ。
独禁法など経済ルールは、名の通り大手資本による市場の「独占」を禁じ、中小零細企業が大手に伍して公正公平な取引ができるようにしたものだ。

個人事業主を守るためには、団体交渉権などの権利を事業主の労働組合に認めるか、
事業主の協同組合に報酬・賃金交渉を独禁法の適用除外として認めるなど経済の民主的ルールを明確にする必要がある。

「ギグワーカー」に限らず、フリーランス、一人親方、コンビニオーナーなど個人事業主として働く人々の「働き方改革」は待ったなしだ。


日本経済新聞2019/8/15 20:30
ギグワーカーどう守る? 多様な働き方 法に遅れ ウーバーイーツ配達員が労組結成へ
----インターネット経由で仕事を受け、自由に働く「ギグワーカー」という働き手の保護が問題になっている。不安定な状況を脱しようと米ウーバーテクノロジーズの宅配代行サービス「ウーバーイーツ」の日本の配達員が労働組合結成に動き出した。ただ日本では法で守る議論が海外より遅れているのが実態だ。


日本経済新聞 2019/8/11 5:00
副業、フリーランスで柔軟に 法的保護ないリスクも
----政府が「働き方改革」の一環として、企業で働く人の副業・兼業を促進する体制づくりに乗り出している。だが多くの企業は所定外労働時間の管理で課題が多いとして解禁には後ろ向きだ。副業を容認している先進企業にアンケートを実施し、働き手にとって望ましい副業のあり方を探った。



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2019-07-14(Sun)

フリーランス 先進国で権利保護 広がる

経済的に取引先に従属する 労働法制による一定の保護を導入

フリーランス、個人事業主の権利保護については、独禁法の不公正取引の問題として扱われている。
実際には、労働時間の拘束など労働者と変わらない働かせ方をしていても、労働者ではないため労働法制の対象外扱いだ。

フリーランス、個人事業者は、建築・土木やサービス業が多く、170万人になっているらしい。
運送業でも軽貨物運送なども多い。
なかには、会社が、雇用保険などの支払いを避けるため、同じ仕事をさせながら、個人事業者扱いにするケースもあるようだ。

厚生労働省はこうした働き方を「雇用類似」と位置付けて、労働法制による一定の保護を導入する方向を検討中だ。
契約内容を書面化し、報酬の支払い遅延や減額を禁止するルールなどを検討しているらしい。

この「雇用類似」というのがわかりにくい。
雇用契約を結んでいなくても「経済的に取引先に従属する」場合は、「労働者とみなす」ぐらいの規定が必要ではないか。

日本経済新聞 2019/7/12 11:44
フリーランス、社会保障受けやすく 先進国で権利保護
---従来の労働法制で対象になりにくかったフリーランスの権利を保護する動きが先進国で広がってきた。韓国政府は2020年までに失業中の自営業者らが求職手当を受給できるように検討を始めた。フランスも20年までに、フリーランスが健康保険の給付を受けやすくする。働き方の多様化を受けた新たな経済の担い手を支援する狙いだが、国家の社会保障負担が膨らむ懸念もある。
----「経済的に取引先に従属するフリーランスもいる。一定の保護をし、法的な懸念を取り除くべきだ」と指摘する。
 厚生労働省はこうした働き方を「雇用類似」と位置付け、労働法制による一定の保護を導入する方向だ。早ければ年度内にも有識者検討会で対策をまとめる。契約内容を書面化し、報酬の支払い遅延や減額を禁止するルールなどを検討している。


日本経済新聞 2019/4/13 0:24
フリーランスなど170万人、個人で仕事請け負い
----独立行政法人の労働政策研究・研修機構は12日、フリーランスなど個人で仕事を請け負う人の数が170万人にのぼるとの試算を公表した。就業者全体の約2.5%に当たる。公的な機関による試算は初めて。
国内に住む20~69歳の人を対象に、1~2月にかけて調査した。170万人のうち、個人で請け負う仕事を本業とする人は130万人、副業とする人は40万人にのぼった。仕事内容は建築・土木やサービス業が多い。

○「雇用類似の働き方に係る論点整理等に関する検討会」中間整理 概要
https://www.mhlw.go.jp/content/11911500/000523663.pdf




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2019-07-09(Tue)

5カ月連続で賃金減 名目と実質ともに 物価高響き

勤労統計 19年5月速報 名目27万5597円(0.2%減)、実質賃金は1.0%減

共同通信2019/7/9 12:19
5カ月連続で賃金減、勤労統計 名目と実質ともに、5月
 厚生労働省が9日発表した5月の毎月勤労統計(速報、従業員5人以上の事業所)によると、基本給や残業代などを合わせた1人当たりの現金給与総額(名目賃金)は前年同月比0.2%減の27万5597円だった。物価の影響を加味した実質賃金は1.0%減で、名目、実質ともに5カ月連続のマイナスとなった。


厚生労働省
毎月勤労統計調査 令和元年5月分結果速報
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r01/0105p/0105p.html
概況 [854KB] https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r01/0105p/dl/pdf0105p.pdf
報道発表資料 [136KB] https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r01/0105p/dl/houdou0105p.pdf



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2019-02-28(Thu)

統計不正再調査 真相解明にはほど遠い

ウソをついたと認めながら、意図的な隠ぺいとは言えない・・・ とても理解も納得もできない

 「事実と異なる虚偽の説明があった」と認定する一方、「隠す意図までは認められない」として、・・・組織的な隠蔽(いんぺい)を改めて否定した。
(北海道新聞の社説)

隠ぺいとは、
大辞林では、「ある物を他の物で覆い隠すこと。物事を隠すこと。」
広辞苑では、「人または物が目につかないようおおうこと。かくすこと。」

常識的に考えれば、真実を隠してウソをつくことを「隠蔽する」というはずだが・・・。
検証した監察委員の方々の「常識度」は地に落ちる一方だ。

朝日新聞デジタル2019年2月28日05時00分
(社説)統計不正検証 これでは納得できない
----事実に反すると知りながら職員はうそをついていた。しかし意図的に隠そうとしたとまでは言えない――。毎月勤労統計の不正調査問題を検証した厚生労働省の特別監察委員会が、そんな追加報告書を発表した。
 こんな言い訳が通るのであれば、本人の主観次第で隠蔽(いんぺい)はすべて否定されてしまう。とても納得できない。

毎日新聞2019年2月28日 東京朝刊
社説:統計不正の原因は 政府が解明を阻んでいる
----そもそも政府は統計不正問題を解明し、体制を改革する気があるのだろうか。そんな疑問が募る。
 厚生労働省の特別監察委員会はきのう、毎月勤労統計の不正調査問題に関する再調査結果を公表した。しかし組織的にも職員個人としても隠蔽(いんぺい)の意図は認められないと結論づけるなど、先月の調査とほとんど変わらない内容だった。

北海道新聞 2019/02/28 05:05
社説:統計不正再調査 真相解明にはほど遠い
----毎月勤労統計の不正問題を巡り、厚生労働省の特別監察委員会が再調査結果の報告書を発表した。
 「事実と異なる虚偽の説明があった」と認定する一方、「隠す意図までは認められない」として、1月の報告書と同様、組織的な隠蔽(いんぺい)を改めて否定した。
 不正に関与した担当職員が問題を深刻にとらえず、その場しのぎの事務処理をした。統計の意義や重要性への理解不足が原因であり、怠慢だったとしても、悪意はなかったというのである。
 だから、隠蔽には該当しないという驚くべき論法だ。厚労省側の言い分をうのみにしたような内容で、真相解明からはほど遠い。
 国民の理解は到底得られまい。

西日本新聞 2019年02月28日 10時40分
社説:統計不正再調査 独立した機関で調べ直せ
----改めて調べ直してみましたが、やはり組織的な隠蔽(いんぺい)は認められませんでした-。そんな安直な結論で国民が納得すると本気で思っているのだろうか。



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2019-02-06(Wed)

統計不正 政権与党 「参考人隠し」 各紙社説

担当幹部の招致なぜ拒む  国民にはさっぱり分からない

与党の「参考人隠し」。なぜ拒むのか。
さっぱり分からない。なにか都合の悪いことでもあるのか、と疑念が深まる。

朝日新聞デジタル2019年2月5日05時00分
(社説)統計不正解明 政権与党の本気を疑う
----国会の予算委員会の論戦が始まった。最大の焦点は統計不正である。しかし、与党は、厚労省の大西康之・前政策統括官(局長級)ら、野党が求める関係者の参考人招致を拒否した。
 大西氏は昨年末に部下から不正調査の事実を知らされ、根本厚労相に報告した。厚労省の初動対応のカギを握る人物だ。
 しかし、別の統計におけるルール違反の報告漏れを理由に、先週末に根本氏に更迭された。これを受け、与党は現職の担当者でないことを理由に、国会招致に応じなかった。
 政策について責任をもって説明するなら現職である必要もあろうが、目的は過去の経緯をつまびらかにすることである。
 政権与党は森友問題でも同様の理由で、財務省の理財局長だった佐川宣寿(のぶひさ)氏の国会招致を拒み続けた。大西氏の更迭を「参考人逃れ」という野党の批判が当たらないというのなら、与党は堂々と応じるべきだ。


毎日新聞2019年2月5日 東京朝刊
社説:政府の統計不正と与党 担当幹部の招致なぜ拒む
----政府の自浄能力が期待できないのであれば国会の出番だ。両統計の責任者だった厚労省幹部の参考人招致を野党が求めるのは当然だろう。
 ところが、与党は招致を拒んだ。今月1日、政策統括官から官房付に更迭され「現在の担当ではない」との理由だ。これでは政府・与党が示し合わせ、国会で答弁させないために更迭したとみられても仕方ない。
 勤労統計不正を調査した厚労省特別監察委員会の樋口美雄委員長の招致は与党も受け入れた。ただし、樋口氏は厚労省所管の独立行政法人の理事長を務めており、その肩書で招致するから監察委に関する答弁は認めないという条件付きだ。そこまでして何を隠したいのだろう。
 森友・加計問題で揺れた昨年の通常国会は、関係者の国会招致をめぐる与野党の駆け引きに多くの時間を費やした揚げ句、財務省の公文書改ざんは未解明のまま残された。
 今回の統計不正も官僚が勝手にルールを変えていた点で重大な問題だ。これを正すのに与党も野党もないはずだが、与党は昨年と同じ過ちを繰り返すつもりなのか。


東京新聞 2019年2月5日
【社説】統計不正追及 与党は責任を忘れるな
----大西氏は昨年七月から今年一月まで統計などを担当する政策統括官を務め、一月に衆参両院の厚生労働委員会で行われた閉会中審査でも、同省の統計責任者として統計不正について答弁に立った。
 毎月勤労統計に続いて発覚した賃金構造基本統計の不正に気付きながら総務省への報告漏れが問題視され、今月一日付で事実上更迭されて大臣官房付となった。与党側が野党の参考人招致要求を拒んだのは現職でないからだという。国民にはさっぱり分からない。
 直接の担当者にたださなければ実態解明は難しい。歴代政策統括官ら統計担当者を参考人として国会に招致すべきだ。なぜ不正に手を染め、受け継がれたのか、その解明なしに再発防止はできない。
 安倍政権の与党はこれまで、国会の場での真相解明をことごとく拒んできた。例えば森友、加計両学園を巡る問題である。


西日本新聞 2019年02月06日 10時49分
社説:統計不正究明 政権与党は責任を果たせ
----私たちは社説で今こそ国会が国政調査権を駆使して行政監視機能を果たすべきであり、統計不正の追及と解明に与党と野党の別はない-と主張してきた。
 改めて問いたいのは、政権与党の姿勢である。衆院予算委員会で野党は、統計担当の責任者だった厚労省の前政策統括官(局長級)の参考人招致を求めたが、与党が拒否した。
 この前政策統括官は、毎月勤労統計に続いて発覚した賃金構造基本統計の不正を知りながら統計一斉点検をした総務省へ報告をしなかった-として1日付で大臣官房付に異動となり、事実上更迭されていた。与党は「新たに任命された者が適当だ」というが、野党は「参考人隠しだ」と強く反発している。
 真実を知り得る立場の関係者を国会に呼んで事情を聴き、記録の提出を求める。憲法が定める国政調査の基本だ。与党はなぜ拒むのか。理解に苦しむ。



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2019-01-26(Sat)

勤労統計不正 検証ずさん やり直せ 各紙社説

基幹統計56のうち22統計で不適切処理 消費税増税強行の根拠崩れた

勤労統計の不正調査を検証した厚生労働省の特別監察委員会。
検証に用いた同省職員への聞き取り調査の約半数が、実は「身内」の職員によるものだった。

不正の組織的関与が疑われるなか、肝心の検証自体が疑義とは、あまりにお粗末。
検証のやり直しが決まったのは当然だ。

安倍政権の経済政策「アベノミクス」は、こういう不正、ずさんな統計処理のもとで、政権の都合に合わせ操作されていた。
消費税増税は、賃金などの「上昇」を根拠にした「景気回復」を前提にしてきた。
「賃金上昇」は偽りで、実際は低下していたのだから、増税は中止すべきだ。


中国新聞 2019/1/26
社説:統計不正 検証ずさん、異常事態だ
----毎月勤労統計の調査不正を巡り、厚生労働省の特別監察委員会(有識者会議)による検証のやり直しが決まった。おとといの国会の閉会中審査で与野党双方から、その中立性を疑問視する指摘が相次いだためだ。
 不正を巡る組織的関与の有無がグレーであるまま、肝心の検証自体に疑義が出るとは、あまりにお粗末ではないか。いったん報告書を出した後の再調査は異常事態というしかない。

朝日新聞デジタル2019年1月26日05時00分
(社説)勤労統計不正 客観的な検証やり直せ
----1週間足らずで取りまとめた検証報告のほころびが、早くも露呈した。
 「毎月勤労統計」の不正調査について、厚生労働省が設置した特別監察委員会が検証に用いた同省職員への聞き取り調査の約半数が、実は「身内」の職員によるものだったことが、衆参の厚労委員会の閉会中審査で明らかになった。報告書の素案を作ったのも職員だった。
 身内同士の調査をもとに、監察委が「組織的な隠蔽(いんぺい)は認定できない」と結論づけて、どうして国民の理解が得られよう。

毎日新聞2019年1月26日 東京朝刊
社説:不適切な統計の拡大 恥ずべきデータ軽視体質
----景気の動きなどを調べる政府の統計は政策の重要な土台である。にもかかわらず、おろそかにしてきた政府の姿勢があらわになった。
 政府が特に重要と指定する基幹統計56のうち、約4割の22統計で不適切な処理があったことが総務省の調査で判明した。勤労統計の不正を受けて行ったもので問題が一気に拡大した。ずさんな扱いが横行していたというのは恥ずべき体質である。
 建設工事の統計で企業が誤って報告した数値をそのまま使ったり、小売店などの販売統計で調査対象を変えたことを総務相に申請しなかったりした。不適切な統計の大半の21統計で統計法違反の疑いがある。

しんぶん赤旗 2019年1月26日(土)
主張:勤労統計不正・偽装 消費税増税強行の根拠崩れた
----厚労省が「下方修正」した数値によれば、----実質賃金が下がることになることは確実です。
 とりわけ安倍政権が21年5カ月ぶりの高い水準だと盛んに自慢してきた18年6月の現金給与総額は、公表してきた3・3%の伸びから2・8%の伸び(修正値)へと、0・5ポイントも低下しました。この時の不自然な上振れは、発表当時から問題視されていました。経済政策「アベノミクス」の成果を強調するための操作だったのではないかとの疑いも消えません。
 安倍政権はこれまで、賃金などの「上昇」を根拠に、「景気回復」は「戦後最長」になったなどと言って、10月からの消費税増税を正当化してきました。しかし、その「賃金上昇」は偽りであり、実際は低下していたのですから、増税の前提は成り立ちません。



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2019-01-12(Sat)

勤労統計偽装問題 民主主義の根幹に関わる 各紙社説

どれだけ背信重ねるのか 組織ぐるみの不正では 速やかな解明が必要だ

朝日新聞デジタル2019年1月11日05時00分
(社説)勤労統計不正 速やかな解明が必要だ
----賃金や労働時間の動向の指標となる毎月勤労統計の調査が、長年にわたって決められた方法通りに行われず、データに誤りがあることがわかった。統計法に基づく政府の基幹統計での信じがたい不正で、行政に対する信頼を揺るがす行為だ。
 なぜこんなことが起きたのか。過去のデータにどれだけの誤りがあり、その影響はどこまで及ぶのか。徹底的に調べて速やかに公表するべきだ。・・・

毎日新聞2019年1月12日 東京朝刊
社説:厚労省の不正統計 どれだけ背信重ねるのか
----厚生労働省の「毎月勤労統計」で本来と違う不適切な調査が行われ、延べ約2000万人の雇用保険と労災保険が過少給付されていた。総額は567億円に上るという。
 統計法で定められた「基幹統計」の一つで、国内総生産(GDP)の算定根拠にもなる。重要な政策の基になる統計でなぜこんなことが起きたのか。徹底した調査が必要だ。・・・

神戸新聞 2019/01/11
社説:ずさんな統計/民主主義の根幹に関わる
----賃金などの労働実態を把握する厚生労働省の「毎月勤労統計調査」で、調査対象のうち東京都内の約1400事業所について、実際は約3分の1しか調べていなかったことがわかった。
 このところ、政府統計の不祥事が相次いでいる。統計の信頼性が揺らげば政策立案に影響するだけでなく、政策が効果を上げているかの検証も難しくなる。民主主義の根幹にも関わるゆゆしき事態といえる。・・・

中国新聞 2019/1/12
社説:勤労統計の不適切調査 組織ぐるみの不正では
----行政への信頼を揺るがす問題が新たに発覚した。今回は政策を練り上げる土台となる政府の調査がずさんだった。霞が関の職員はモラルを失ってしまったのか。あきれるほかない。
 賃金や労働時間の動向を把握する厚生労働省の「毎月勤労統計調査」で、不適切な調査が2004年から続けられていた。国内総生産(GDP)算出など重要な経済指標から、雇用保険の失業給付の金額の算定まで幅広い分野で用いられる国の「基幹統計」である。不適切な調査が及ぼす影響は計り知れない。・・・


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2019-01-12(Sat)

勤労統計偽装問題 過少給付567億円 保険1,973万人分

毎月勤労統計 組織的データ偽装 動機・隠ぺい 徹底解明を

「毎月勤労統計」が不適切な手法で調査されていた問題で、厚労省が調査結果を発表した。
雇用保険等の追加給付は、567億円、対象人数は1973万人だという。
確実に支払うことができるのか疑問だが、支払えば済むという問題ではない。

東京に集中している500人以上の大企業を全数調査すべきだったのを3分の1の抽出調査で済ませていた。
結果として平均給与が低く抑えられていた統計に基づいて保険給付が行われ、追加給付が必要になった。

厚労省は、2004年からやっていたらしい。
さらに、昨年1月分の調査から全数調査をしたように見せかける工作もしていた。
統計上の処理が自動的に行われるようプログラムしたソフトを作成していたという。

厚労省ぐるみの組織的偽装工作。当時の大臣にも報告されていたのではないか。
徹底解明が必要だ。

------------------------
○ 雇用保険、労災保険等の追加給付について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_03208.html
(抜粋)
2 追加給付の概要 
 (1)追加給付の計算
   ・ 追加給付の計算は、本日公表を行った「再集計値」及び「給付のための推計値」を用いて行います。
 (2)追加給付の一人当たり平均額、対象人数、給付費の現時点の見通し
   ・ 一人当たり平均額等の現時点の見通しは次のとおりです。
    【雇用保険】
      一つの受給期間を通じて一人当たり平均約1,400円、延べ約1,900万人、給付費約280億円
    【労災保険】
      年金給付(特別支給金を含む):一人当たり平均約9万円、延べ約27万人、給付費約240億円
      休業補償(休業特別支給金を含む):一人一ヶ月当たり平均約300円、延べ約45万人、給付費約1.5億円
    【船員保険】
      一人当たり平均約15万円、約1万人、給付費約16億円
    【事業主向け助成金】
      雇用調整助成金等:対象件数延べ30万件、給付費約30億円
   ・ 以上については、お支払いに必要となる事務費を含め、引き続き精査します。

朝日新聞デジタル 2019年1月12日05時00分
統計不正、過少給付567億円 保険1973万人分、支払いへ
----「毎月勤労統計」が不適切な手法で調査されていた問題で、同統計をもとに給付水準が決まる雇用保険や労災保険などの過少給付額が約567億5千万円に上るとの検証結果を、厚生労働省が11日公表した。ただ、本来の調査手法に近づける補正を昨年1月からしていた動機など解明されていない点も多く、厚労省は弁護士ら外部の有識者らの協力をえて検証を続けるとしている。・・・・



○ 毎月勤労統計調査において全数調査するとしていたところを一部抽出調査で行っていたことについて
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_03207.html
(抜粋)
2.確認された事実
(1)全数調査するとしていたところを一部抽出調査で行っていたことについて
「500 人以上規模の事業所」については、調査計画及び公表資料で全数調査することとしていたところ、平成 16 年以降、厚生労働省から東京都に対し、厚生労働省が抽出した事業所名簿を送付し、当該名簿に基づき抽出調査を行うこととしていました。具体的には、東京都における「500 人以上規模の事業所」の平成30 年の調査対象として抽出した事業所数は、全数調査であれば 1,464 事業所でしたが、実際に平成 30 年 10 月分の調査対象事業所数は概ね3分の1の 491 事業所でした。
なお、平成 30 年6月に、神奈川県、愛知県、大阪府に対し、「500 人以上規模の事業所」について、平成 31 年から抽出調査を行う予定である旨の連絡をしていましたが、既に撤回しました。

しんぶん赤旗 2019年1月12日
「勤労統計偽装」深刻 動機・隠ぺい 徹底解明を
----「国民にご迷惑をおかけし、心からおわびする」。失業給付の過少給付などをもたらした毎月勤労統計のデータ偽装問題で根本匠厚生労働相は11日、こう謝罪しました。一方で、職員が誤った手法をとった動機や原因については調査中だとして明らかにしませんでした。問題はどこまで広がるのか。安倍政権の責任が問われています。
昨年1月から偽装 3府県にも調査切り替え指示
----見過ごせないのは、安倍内閣・厚労省が不正調査を早くから知りながら隠ぺいし、調査データの偽装まで行っていたことです。
 同省は、昨年1月から「全数調査」に近づけるような統計処理を行ってきました。さらに、昨年10、11両月のデータについては3倍化する修正を行っていましたが、いっさい公表していませんでした。
 調査を受ける企業などには正確な報告が義務付けられ、違反には罰金もあるのに、不正な調査が行われてきたことは重大です。
 11日の発表では、神奈川県、愛知県、大阪府に対して、500人以上の大企業に対する全数調査をやめて抽出調査に切り替える連絡を行っていたことが判明(現在は撤回)。不正をごまかすために組織ぐるみで隠ぺい工作を行っていた疑いは濃厚です。



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2018-12-09(Sun)

外国人労働者問題 改正入管法の成立 各紙社説2


来年4月施行 場当たり的な対応に追われ、現場は混乱 熟議重ね根本から法律作り直せ

「来年4月から新制度が実施される。だが、多くの課題や制度上のあいまいさが山積している。このまま施行すれば政府や社会の混乱は避けられまい。」
「このまま施行されれば場当たり的な対応に追われ、現場は混乱しよう。法律は安易な社会実験の道具ではない。改めて熟議を重ね、根本部分からの法律の作り直しを強く求めたい。」

どこの新聞社の主張かというと、産経新聞だ。
内容をかいつまんでみる。

【主張】改正入管法の成立 2年待たずに見直し図れ 外国人受け入れ数の法定化を(産経新聞 2018.12.9 05:00)

----日本は今後、勤労世代人口の激減時代に入っていく。受け入れ業種は現在の14にとどまることなく、いずれ底なしに拡大していくことになろう。
 安い労働力の受け入れを続ければ産業構造の変革を遅らせる。生産性向上にブレーキがかかり、日本は衰退しかねない。

----改正入管法は、これまで認めてこなかった単純労働者の在留資格を新設し、実質的な永住に道を開く内容だ。来年4月からのスタートはあまりに問題が多い。具体的な対応策を示さないまま、政府・与党が強引に成立を図ったことは極めて遺憾である。

----新在留要件は一定の技能を持つ外国人を対象とするが、その水準は明示していない。運用上のばらつきが生じることはないのか。

----肝心の規模もあいまいだ。政府は来年度から5年間で最大34万5千人余との概数を示したが、法律には業種や人数は明記されていない。

----人手不足が解消されれば受け入れを停止する仕組みだというが、何を基準に「解消」と判断するのかも不明確だ。

----人口減少社会で重要なのは、安易に外国人で数合わせすることでは決してない。産業構造や社会構造の変革を急ぐことだ。ニーズや消費規模の変化を見通して、どのような仕事を、どれほどの期間と規模で外国人に委ねるのかを定めることが先決である。

----人手確保の順番もおかしい。国内には働く意欲があるのに機会を得られない女性や高齢者がいる。非正規雇用に苦しむ若い世代も少なくない。なぜ日本人の処遇や労働環境改善を優先しないのか。

----一時的な人手不足が解消するとしても、日本人を含む労働者の賃金水準が押さえ込まれてしまうことへの目配りがなさすぎる。

----外国人の受け入れ体制にも疑念が残る。国会審議では技能実習生への人権侵害が次々に明らかになった。低賃金や違法残業、賃金未払いに加え、暴行も発覚した。政府は技能実習生と新設する在留資格は別物とするが、そんな理屈は通用しない。
 現状を改善した上で、新資格で来日する人々を含め外国人が安心して働き、暮らせる環境を整える必要がある。だが来年4月に果たして間に合うのか。




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