空自F15戦闘機 那覇で管制違反、滑走路に進入
自衛隊戦闘機、対中国スクランブル急増 3年前にも空自ヘリが滑走路進入
那覇空港で、14日夜、航空自衛隊F15戦闘機2機が管制指示に反して滑走路に進入、民間機の着陸が取り消されたトラブルがあった。
国土交通省が、重大インシデントに認定し、運輸安全委員会の事故調査官を現地に派遣して調査している。
このF15戦闘機は、対領空侵犯措置のため緊急発進(スクランブル)の指示を受けて滑走路に向かっていたようだ。
琉球新報によると、空自那覇基地は最初に進入したパイロットは「管制官の指示を明確に認識していなかった」、続いて進入したパイロットも「聞き逃した」と話しているという。
管制の指示を2機ともに正確に把握せず「認識していなかった」「聞き逃した」というのは深刻な問題だ。
いかなる場合でも、官民問わず、「指示」を把握できないなどあってはならないし、自衛隊機ならなおさらだ。
朝日新聞によると、近年、東シナ海で中国機の領空侵犯を防ぐためスクランブルが急増しているという。
「2000年代はおおむね数十件で推移していたが、日本政府が尖閣諸島を国有化した12年度に300件を突破。ここ5年間は400件を上回り、16年度は803回、1日平均2回以上」に及んでいるという。
さらに、「『スクランブルは1秒を争うため管制官に優先的に対応してもらっている』(防衛省関係者)といい、こうした背景から、戦闘機側が民間機の着陸を待たずに滑走路に入れると誤認した可能性もある。」と指摘している。
3年前、空自ヘリと民間機2機による離着陸トラブルがあった。
昨年4月、運輸安全委員会が出した事故調査報告書によると、空自ヘリが滑走路に進入したのは、管制官から民間機への離陸許可をヘリが自機への指示と誤認したとしている。
このトラブル後、航空自衛隊は「管制指示の確認や滑走路上にいる航空機について目視確認の徹底を指示」(日経新聞)など対策をとっているとしていたが、同様の誤認が繰り返されている。