2018-07-28(Sat)
JR北海道 国が支援策 5線区廃線容認
2年間で総額400億円超 北海道の基盤支える支援こそ
JR北海道に対する国の支援策の枠組みが公表された。
19年度と20年度の2年間で総額400億円超の財政支援を行うという。
鉄道路線を維持するための支援であれば、当然のことだと思うが、どうもそれだけではなさそうだ。
国交省が、支援策にあわせて、JR北海道に対して、経営改善に取り組むよう強く求める監督命令も出している。
その方法として、例えば、札幌圏内での非鉄道部門、つまり不動産事業などの拡大など、JR九州のようなやり方を奨励している。
一方で、JR北海道が維持困難とした13線区について、国交省は、鉄道よりも他の交通手段が適している線区はバスなどへの転換を進めるよう求めた。
うち、輸送密度(1キロメートルあたりの1日の輸送人員)200人未満の5線区は、JR北海道が国の支援を求めず、鉄道以外の交通手段に転換する、つまり廃線にする意向を「経営再生見直し案」として示していた区間だ。
国交省の方針は、5線区の鉄道路線維持について、国は支援せず、JR北海道の意向を認めたことを示している。
JR北海道の5線区を廃線する「経営再生見直し案」について、沿線自治体の首長らが憤りの声を上げているという。
高波被害で不通が続く線区の復旧や一部区間の運行再開をJR側に求めてきた日高線の沿線7町でつくる日高町村会は、事実上の廃止方針に「地域の声を把握していない」と反発している。
そもそも、JR北海道を支援する本筋は、鉄道部門以外の収益確保を奨励することではないはずだ。
地域住民の足をまもり、地域経済社会の基盤を支えるため、鉄道路線の維持、存続、再生に向けての支援であるべきだ。
北海道全体の経済社会は、札幌圏一極集中が進む中、他の地方は厳しさを増している。
輸送密度200人未満などを基準に、廃線を容認するなら、経営改善を口実に、さらなる廃線が広がるのは目に見えている。
「本来ならば、国が北海道全体の振興策に力を入れ、その中でJR北海道をどう位置づけるかを考え、北海道経済を回復させる中での重要なインフラにしていかなくてはならないのだが、その考えはおそらく国にはないだろう。」「北海道自体の置かれた厳しさに対する支援がない限り、JR北海道の置かれた状況は解決しないだろう。」(Yahooニュース 小林拓矢氏)
そもそも、JRが資金難に陥った責任の一端は国にあることを忘れてはならない。
国鉄分割民営化の際に導入した経営安定基金の運用益は、低金利の影響で当初想定を大きく下回った。民営化31年間の制度疲労を正すには、それに見合うだけの腰を据えた関与が求められる。」(北海道新聞社説)
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■事業の適切かつ健全な運営に関する監督命令
JR北海道の経営改善について(平成30年7月27日 国土交通省)
1.JR北海道の経営改善に向けた取組
北海道新幹線の札幌延伸の効果が発現する平成43年度に、JR北海道が経営自立することを目指す。この目標の達成に向けて、JR北海道は、次の事項をはじめとする収益の増加とコストの削減に取り組み、徹底した経営努力を行うものとする。
(中略)
●地域の関係者との十分な協議を前提に、事業範囲の見直しや業務運営の一層の効率化
事業範囲の見直しについては、鉄道よりも他の交通手段が適しており、利便性・効率性の向上も期待できる線区において、地域の足となる新たなサービスへの転換を進める。(以下略)
JR北海道に対する国の支援策の枠組みが公表された。
19年度と20年度の2年間で総額400億円超の財政支援を行うという。
鉄道路線を維持するための支援であれば、当然のことだと思うが、どうもそれだけではなさそうだ。
国交省が、支援策にあわせて、JR北海道に対して、経営改善に取り組むよう強く求める監督命令も出している。
その方法として、例えば、札幌圏内での非鉄道部門、つまり不動産事業などの拡大など、JR九州のようなやり方を奨励している。
一方で、JR北海道が維持困難とした13線区について、国交省は、鉄道よりも他の交通手段が適している線区はバスなどへの転換を進めるよう求めた。
うち、輸送密度(1キロメートルあたりの1日の輸送人員)200人未満の5線区は、JR北海道が国の支援を求めず、鉄道以外の交通手段に転換する、つまり廃線にする意向を「経営再生見直し案」として示していた区間だ。
国交省の方針は、5線区の鉄道路線維持について、国は支援せず、JR北海道の意向を認めたことを示している。
JR北海道の5線区を廃線する「経営再生見直し案」について、沿線自治体の首長らが憤りの声を上げているという。
高波被害で不通が続く線区の復旧や一部区間の運行再開をJR側に求めてきた日高線の沿線7町でつくる日高町村会は、事実上の廃止方針に「地域の声を把握していない」と反発している。
そもそも、JR北海道を支援する本筋は、鉄道部門以外の収益確保を奨励することではないはずだ。
地域住民の足をまもり、地域経済社会の基盤を支えるため、鉄道路線の維持、存続、再生に向けての支援であるべきだ。
北海道全体の経済社会は、札幌圏一極集中が進む中、他の地方は厳しさを増している。
輸送密度200人未満などを基準に、廃線を容認するなら、経営改善を口実に、さらなる廃線が広がるのは目に見えている。
「本来ならば、国が北海道全体の振興策に力を入れ、その中でJR北海道をどう位置づけるかを考え、北海道経済を回復させる中での重要なインフラにしていかなくてはならないのだが、その考えはおそらく国にはないだろう。」「北海道自体の置かれた厳しさに対する支援がない限り、JR北海道の置かれた状況は解決しないだろう。」(Yahooニュース 小林拓矢氏)
そもそも、JRが資金難に陥った責任の一端は国にあることを忘れてはならない。
国鉄分割民営化の際に導入した経営安定基金の運用益は、低金利の影響で当初想定を大きく下回った。民営化31年間の制度疲労を正すには、それに見合うだけの腰を据えた関与が求められる。」(北海道新聞社説)
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■事業の適切かつ健全な運営に関する監督命令
JR北海道の経営改善について(平成30年7月27日 国土交通省)
1.JR北海道の経営改善に向けた取組
北海道新幹線の札幌延伸の効果が発現する平成43年度に、JR北海道が経営自立することを目指す。この目標の達成に向けて、JR北海道は、次の事項をはじめとする収益の増加とコストの削減に取り組み、徹底した経営努力を行うものとする。
(中略)
●地域の関係者との十分な協議を前提に、事業範囲の見直しや業務運営の一層の効率化
事業範囲の見直しについては、鉄道よりも他の交通手段が適しており、利便性・効率性の向上も期待できる線区において、地域の足となる新たなサービスへの転換を進める。(以下略)
【別添1】JR北海道の経営改善について (PDF形式)
http://www.mlit.go.jp/common/001247327.pdf