2018-09-02(Sun)
ヤマト 3億円水増し 引っ越し不正 一部で組織ぐるみ
「赤信号みんなで渡れば…」 常態化した過大請求 無責任で澱んだ組織風土
ヤマトホールディングス(HD)が、引っ越し料金を過大請求していた問題で、社内調査委員会がまとめた報告書を公表した。
報告書は、顧客企業に提示した見積額を「悪意で上乗せ」した例が計3億円弱(16%程度)あったとし、一部支店では組織ぐるみで水増しが行われていたことを指摘している。
ヤマトは、水増し分を含めた17億円全額を被害企業に返金するという。
組織ぐるみについては、一部支店に押し付けている感じがする。
報告書は、水増し請求は全国11の統括支店のうち、5カ所で行われ、このうち、ある統括支店長は不正を認識しながら黙認。
統括支店の傘下にある支店の一部では支店長自ら水増しを指示していたとする。
一方、ヤマトHDやYHCの経営陣による指示は認められなかったとしているが、知っていて黙認したり、ノルマ達成を求めたり、間接的な関与はあったのではないだろうか。
山内社長が、過大請求について「全社的にまん延していた。恥ずべき事態だ」と謝罪したということからもうかがえる。
今回の調査は、2010年からの8年間にとどめているが、約20年前にNTT東日本も同様の被害に遭っていたというから、さらなる調査が必要だと思う。
日経新聞は、「ヤマト、無責任で澱んだ組織風土」 「お粗末。その一言に尽きる」と手厳しく批判している。
「よくも約款を意識せず商取引(引っ越しビジネス)が行われたものだ。何をよりどころに顧客と商談していたのか。家財道具の機能の変化やライフスタイルが多様化する中で顧客に対して十分なサービスを提供することができなかったことを経営層が見逃した。だから約款が軽んじられた。」
「ヤマトは昨年、サービス残業でも厳しい視線にさらされた。社内の問題から今回は取引先を騙(だま)していたことになる。金額の多寡よりも根が深いはずだが、報告書を読んでも従業員が不正に加担しているような罪の意識があまり感じられず、業務として淡々とこなしていたことがわかる。組織の風土が感覚をまひさせていたのだろう。」
さらに、「澱(よど)んだ組織風土はヤマトだけではない。」
と中央省庁などで広がりを見せる障がい者雇用水増し問題や、昨年から続く日産自動車などによる不正検査問題を指摘。
「平成が終わりを迎える中で日本社会の澱んだ組織風土が至る所であぶり出されている。隠し通せないし対応を誤ると組織の存続にまで発展する。法律や約款は社会の背骨だ。ヤマトは来年創業100年を迎える。澱んだ組織を棚卸ししないと次世代はない。」
*******************
ニュースリリース 2018年8月31日
法人のお客さまの社員向け引越サービスにおける不適切な請求に関する調査委員会による調査結果、および再発防止に向けた今後の対処について
http://www.yamato-hd.co.jp/news/h30/h30_40_01news.html
ヤマトホールディングス(HD)が、引っ越し料金を過大請求していた問題で、社内調査委員会がまとめた報告書を公表した。
報告書は、顧客企業に提示した見積額を「悪意で上乗せ」した例が計3億円弱(16%程度)あったとし、一部支店では組織ぐるみで水増しが行われていたことを指摘している。
ヤマトは、水増し分を含めた17億円全額を被害企業に返金するという。
組織ぐるみについては、一部支店に押し付けている感じがする。
報告書は、水増し請求は全国11の統括支店のうち、5カ所で行われ、このうち、ある統括支店長は不正を認識しながら黙認。
統括支店の傘下にある支店の一部では支店長自ら水増しを指示していたとする。
一方、ヤマトHDやYHCの経営陣による指示は認められなかったとしているが、知っていて黙認したり、ノルマ達成を求めたり、間接的な関与はあったのではないだろうか。
山内社長が、過大請求について「全社的にまん延していた。恥ずべき事態だ」と謝罪したということからもうかがえる。
今回の調査は、2010年からの8年間にとどめているが、約20年前にNTT東日本も同様の被害に遭っていたというから、さらなる調査が必要だと思う。
日経新聞は、「ヤマト、無責任で澱んだ組織風土」 「お粗末。その一言に尽きる」と手厳しく批判している。
「よくも約款を意識せず商取引(引っ越しビジネス)が行われたものだ。何をよりどころに顧客と商談していたのか。家財道具の機能の変化やライフスタイルが多様化する中で顧客に対して十分なサービスを提供することができなかったことを経営層が見逃した。だから約款が軽んじられた。」
「ヤマトは昨年、サービス残業でも厳しい視線にさらされた。社内の問題から今回は取引先を騙(だま)していたことになる。金額の多寡よりも根が深いはずだが、報告書を読んでも従業員が不正に加担しているような罪の意識があまり感じられず、業務として淡々とこなしていたことがわかる。組織の風土が感覚をまひさせていたのだろう。」
さらに、「澱(よど)んだ組織風土はヤマトだけではない。」
と中央省庁などで広がりを見せる障がい者雇用水増し問題や、昨年から続く日産自動車などによる不正検査問題を指摘。
「平成が終わりを迎える中で日本社会の澱んだ組織風土が至る所であぶり出されている。隠し通せないし対応を誤ると組織の存続にまで発展する。法律や約款は社会の背骨だ。ヤマトは来年創業100年を迎える。澱んだ組織を棚卸ししないと次世代はない。」
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ニュースリリース 2018年8月31日
法人のお客さまの社員向け引越サービスにおける不適切な請求に関する調査委員会による調査結果、および再発防止に向けた今後の対処について
http://www.yamato-hd.co.jp/news/h30/h30_40_01news.html
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