2018-09-03(Mon)
経産省の公文書 国民に目隠しの発想だ
公文書管理の理念をねじ曲げる指示 「文書隠し」よりも悪質
----「議事録のように個別の発言まで記録する必要はない」
経済産業省が省内外の打ち合わせ記録について、職員に説明していた内容だという。
各紙は厳しく批判している。
毎日新聞2018年9月1日
社説:発言記さぬ経産省文書 理念をねじ曲げる運用だ
----森友・加計学園問題を受けて、公文書管理の指針は昨年12月に改正された。政策立案や事業方針に影響する打ち合わせは記録を文書に残す。他の省庁や政治家とのやり取りや発言は、相手の確認を取り、正確に記録する。そう求めている。
----ところが、経産省の内部文書は、発言そのものを記録させないような指示だ。同省の職員は毎日新聞の取材に「誰が何と言ったのか分からないよう議事録を残してはいけない」とまで言われたと証言している。
----この通りに運用されれば、すべての発言を公文書から消し去ることになる。残すべき文書の中身が骨抜きにされかねない。公文書管理の理念をねじ曲げる指示であり「文書隠し」よりも悪質だ。
朝日新聞デジタル2018年9月2日05時00分
(社説)公文書管理 経産省の「骨抜き」指導
----この1年余り、社会から厳しい批判を受けながら、公文書管理のあり方は改善されるどころか、懸念された道をたどっていると言わざるを得ない。
----公文書の中身を充実させるのではなく、自らが関与した文書が後で政治問題になるのを避けることを、何より優先させる。そのために文書そのものを作成しない。やむなく作らなければならない場合は、情報公開請求の対象にならないように「個人メモ」扱いとする――。
いま霞が関に漂うのは、そんな空気だ。未来に対する責任や自覚に欠けること甚だしい。
中日新聞 2018年9月3日
社説:経産省の公文書 国民に目隠しの発想だ
---- 「政治家発言の記録は残すな」-経済産業省が公文書管理でこう指示していた。驚くべき事態だ。
---- 現在や将来の国民に説明する責務を全うする-。それが公文書管理法の意義であり、公文書は「国民共有の知的資源」でもある。政治家の発言は記録に残さないという同省の運用は、この法の理念に真っ向から背いている。「記録は残すな」という発想には主権者たる国民を置き去りにし、重要な情報を隠蔽(いんぺい)する意図さえうかがえる。論外である。
----こんなでたらめを直す改正が骨抜きになれば、また同じことが繰り返されよう。
経産省は四月以降の文書について、どの政策について、どの政治家が何と言ったのか、正確に文書を作り直すべきである。発言まで記録しなければ事実の検証が十分にできない。行政のブラックボックス化はただちにやめよ。
----「議事録のように個別の発言まで記録する必要はない」
経済産業省が省内外の打ち合わせ記録について、職員に説明していた内容だという。
各紙は厳しく批判している。
毎日新聞2018年9月1日
社説:発言記さぬ経産省文書 理念をねじ曲げる運用だ
----森友・加計学園問題を受けて、公文書管理の指針は昨年12月に改正された。政策立案や事業方針に影響する打ち合わせは記録を文書に残す。他の省庁や政治家とのやり取りや発言は、相手の確認を取り、正確に記録する。そう求めている。
----ところが、経産省の内部文書は、発言そのものを記録させないような指示だ。同省の職員は毎日新聞の取材に「誰が何と言ったのか分からないよう議事録を残してはいけない」とまで言われたと証言している。
----この通りに運用されれば、すべての発言を公文書から消し去ることになる。残すべき文書の中身が骨抜きにされかねない。公文書管理の理念をねじ曲げる指示であり「文書隠し」よりも悪質だ。
朝日新聞デジタル2018年9月2日05時00分
(社説)公文書管理 経産省の「骨抜き」指導
----この1年余り、社会から厳しい批判を受けながら、公文書管理のあり方は改善されるどころか、懸念された道をたどっていると言わざるを得ない。
----公文書の中身を充実させるのではなく、自らが関与した文書が後で政治問題になるのを避けることを、何より優先させる。そのために文書そのものを作成しない。やむなく作らなければならない場合は、情報公開請求の対象にならないように「個人メモ」扱いとする――。
いま霞が関に漂うのは、そんな空気だ。未来に対する責任や自覚に欠けること甚だしい。
中日新聞 2018年9月3日
社説:経産省の公文書 国民に目隠しの発想だ
---- 「政治家発言の記録は残すな」-経済産業省が公文書管理でこう指示していた。驚くべき事態だ。
---- 現在や将来の国民に説明する責務を全うする-。それが公文書管理法の意義であり、公文書は「国民共有の知的資源」でもある。政治家の発言は記録に残さないという同省の運用は、この法の理念に真っ向から背いている。「記録は残すな」という発想には主権者たる国民を置き去りにし、重要な情報を隠蔽(いんぺい)する意図さえうかがえる。論外である。
----こんなでたらめを直す改正が骨抜きになれば、また同じことが繰り返されよう。
経産省は四月以降の文書について、どの政策について、どの政治家が何と言ったのか、正確に文書を作り直すべきである。発言まで記録しなければ事実の検証が十分にできない。行政のブラックボックス化はただちにやめよ。