2018-10-14(Sun)
台風21号 関空冠水で考える 本格運用に戻るが
安全対策 責任不明確 空港民営化は万能薬なのか 公共財の自覚どこへ 経営陣
台風21号で大きな被害を受けた関空。
本格運用に戻る見込みと国交省が発表した。
浸水で故障した重要機器の修理のめどがついたという。
ひとまず安堵するべきだろうが、貨物取扱量など、まだ元に戻っていないという。
ただ、災害対策に誰が責任を持っていたのか、あいまいなままだ。
運営会社の関西エア、民営化後、安全対策に責任を持つ態度が希薄に映る。
「空港民営化は万能薬なのか 公共財の自覚どこへ」(日経ビジネス)との記事も出ている。
共感できる指摘だ。国交省の検討会では、民営化も議論の対象にすべきだ。
◇関空が本格運用に戻る 設備も従来通りに
----国土交通省は10日、台風21号で大きな被害を受け一時閉鎖に追い込まれた関西国際空港が11日に本格運用に戻る見込みだと発表した。ターミナルビルは既に全面運用を再開しており、浸水の影響で故障していた機器の修理のめどがつき設備面でも従来通りに戻る。関空の本格運用まで大阪国際(伊丹)と神戸の両空港で受け入れていた代替便も11日付でとりやめる。
(日本経済新聞 2018/10/11 6:30)
◇関空冠水で考える…空港民営化は万能薬なのか 公共財の自覚どこへ 関空運営会社の経営陣
----ただ、空港民営化に対する問題意識は世界の航空関連業界に広がりつつある。
「われわれの調査では、民営化された各国の空港で、効率性や投資水準が向上していないことがわかった。民営化に、すべての答えがあると仮定するのは間違いだ」。6月上旬、オーストラリア最大の都市、シドニー。世界的な航空業界団体「IATA(国際航空運送協会)」の年次総会で、アレクサンドル・ド・ジュニアック事務局長兼CEO(最高経営責任者)はこう発言した。各国政府が不十分な検討で空港民営化を進めた場合、長期的に空港の社会的な便益が損なわれる可能性があると、警鐘を鳴らしたのだ。
翻って日本。空港を擁する自治体の首長から聞こえてくるのは「我も我も」という民営化の話ばかりだ。ただ、民営化で先行した関空や伊丹の例からは、空港運営において営利追及と公共性確保のバランスを取ることの難しさが浮かび上がってくる。航空会社や自治体など周囲から利益第一主義に見えてしまうKAPの経営姿勢について、十分な検証と関係者による本質的な議論が必要な段階にきているのではないだろうか。
そして、空港の運営権者を選定する際、公共財を扱う経営者の資質を厳しく見る必要がある。
(日経ビジネスオンライン 2018年9月20日)
台風21号で大きな被害を受けた関空。
本格運用に戻る見込みと国交省が発表した。
浸水で故障した重要機器の修理のめどがついたという。
ひとまず安堵するべきだろうが、貨物取扱量など、まだ元に戻っていないという。
ただ、災害対策に誰が責任を持っていたのか、あいまいなままだ。
運営会社の関西エア、民営化後、安全対策に責任を持つ態度が希薄に映る。
「空港民営化は万能薬なのか 公共財の自覚どこへ」(日経ビジネス)との記事も出ている。
共感できる指摘だ。国交省の検討会では、民営化も議論の対象にすべきだ。
◇関空が本格運用に戻る 設備も従来通りに
----国土交通省は10日、台風21号で大きな被害を受け一時閉鎖に追い込まれた関西国際空港が11日に本格運用に戻る見込みだと発表した。ターミナルビルは既に全面運用を再開しており、浸水の影響で故障していた機器の修理のめどがつき設備面でも従来通りに戻る。関空の本格運用まで大阪国際(伊丹)と神戸の両空港で受け入れていた代替便も11日付でとりやめる。
(日本経済新聞 2018/10/11 6:30)
◇関空冠水で考える…空港民営化は万能薬なのか 公共財の自覚どこへ 関空運営会社の経営陣
----ただ、空港民営化に対する問題意識は世界の航空関連業界に広がりつつある。
「われわれの調査では、民営化された各国の空港で、効率性や投資水準が向上していないことがわかった。民営化に、すべての答えがあると仮定するのは間違いだ」。6月上旬、オーストラリア最大の都市、シドニー。世界的な航空業界団体「IATA(国際航空運送協会)」の年次総会で、アレクサンドル・ド・ジュニアック事務局長兼CEO(最高経営責任者)はこう発言した。各国政府が不十分な検討で空港民営化を進めた場合、長期的に空港の社会的な便益が損なわれる可能性があると、警鐘を鳴らしたのだ。
翻って日本。空港を擁する自治体の首長から聞こえてくるのは「我も我も」という民営化の話ばかりだ。ただ、民営化で先行した関空や伊丹の例からは、空港運営において営利追及と公共性確保のバランスを取ることの難しさが浮かび上がってくる。航空会社や自治体など周囲から利益第一主義に見えてしまうKAPの経営姿勢について、十分な検証と関係者による本質的な議論が必要な段階にきているのではないだろうか。
そして、空港の運営権者を選定する際、公共財を扱う経営者の資質を厳しく見る必要がある。
(日経ビジネスオンライン 2018年9月20日)