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2018-12-09(Sun)

外国人労働者問題 改正入管法の成立 各紙社説2


来年4月施行 場当たり的な対応に追われ、現場は混乱 熟議重ね根本から法律作り直せ

「来年4月から新制度が実施される。だが、多くの課題や制度上のあいまいさが山積している。このまま施行すれば政府や社会の混乱は避けられまい。」
「このまま施行されれば場当たり的な対応に追われ、現場は混乱しよう。法律は安易な社会実験の道具ではない。改めて熟議を重ね、根本部分からの法律の作り直しを強く求めたい。」

どこの新聞社の主張かというと、産経新聞だ。
内容をかいつまんでみる。

【主張】改正入管法の成立 2年待たずに見直し図れ 外国人受け入れ数の法定化を(産経新聞 2018.12.9 05:00)

----日本は今後、勤労世代人口の激減時代に入っていく。受け入れ業種は現在の14にとどまることなく、いずれ底なしに拡大していくことになろう。
 安い労働力の受け入れを続ければ産業構造の変革を遅らせる。生産性向上にブレーキがかかり、日本は衰退しかねない。

----改正入管法は、これまで認めてこなかった単純労働者の在留資格を新設し、実質的な永住に道を開く内容だ。来年4月からのスタートはあまりに問題が多い。具体的な対応策を示さないまま、政府・与党が強引に成立を図ったことは極めて遺憾である。

----新在留要件は一定の技能を持つ外国人を対象とするが、その水準は明示していない。運用上のばらつきが生じることはないのか。

----肝心の規模もあいまいだ。政府は来年度から5年間で最大34万5千人余との概数を示したが、法律には業種や人数は明記されていない。

----人手不足が解消されれば受け入れを停止する仕組みだというが、何を基準に「解消」と判断するのかも不明確だ。

----人口減少社会で重要なのは、安易に外国人で数合わせすることでは決してない。産業構造や社会構造の変革を急ぐことだ。ニーズや消費規模の変化を見通して、どのような仕事を、どれほどの期間と規模で外国人に委ねるのかを定めることが先決である。

----人手確保の順番もおかしい。国内には働く意欲があるのに機会を得られない女性や高齢者がいる。非正規雇用に苦しむ若い世代も少なくない。なぜ日本人の処遇や労働環境改善を優先しないのか。

----一時的な人手不足が解消するとしても、日本人を含む労働者の賃金水準が押さえ込まれてしまうことへの目配りがなさすぎる。

----外国人の受け入れ体制にも疑念が残る。国会審議では技能実習生への人権侵害が次々に明らかになった。低賃金や違法残業、賃金未払いに加え、暴行も発覚した。政府は技能実習生と新設する在留資格は別物とするが、そんな理屈は通用しない。
 現状を改善した上で、新資格で来日する人々を含め外国人が安心して働き、暮らせる環境を整える必要がある。だが来年4月に果たして間に合うのか。




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2018-12-09(Sun)

水道法改定案成立 住民の命の源脅かす 各紙社説

37か国235事業が再公営化、水メジャーの社員が法案推進関与

水道法改定案が6日、衆院本会議で可決された。
通常国会で継続審議となり、臨時国会で、参議院での審議、議決を経て衆院に戻って再可決された。

審議が進むにつれて、問題点が浮き彫りになっていった。
民営化後に水道料金が上がるなどして、
「2000年からの15年間で37カ国の235水道事業が民営化後に再び公営化」
「政府は海外の再公営化事例を3例調査しただけで件数すら把握していなかった」など。

◇改正水道法 諸外国の事例、件数すら把握せず 「民営化」の不安は未解消
----改正水道法が施行されると、水道事業の広域化や老朽化対策といった公共水道の維持に必要な取り組みが進むことが期待される。ただ、焦点だった官民連携を巡っては、「民営化」に伴う安定供給への不安が国会審議を通じて解消されたとは言い難い。
 ボリビアやジャカルタなどでは、水道事業の民営化後に料金が上がったり、水質が低下したりした。国際的な調査機関によると、2000年からの15年間で37カ国の235水道事業が民営化後に再び公営化されている。
だが、政府は海外の再公営化事例を3例調査しただけで件数すら把握していなかった。根本匠厚生労働相は「十分に分析した」と答弁したが、説得力は弱い。こうした姿勢は、働き方改革関連法案や入管法改正案の審議で浮上したずさんなデータ提示にも通じる。
(毎日新聞2018年12月6日 21時28分)


さらに、水道民営化法案の準備に、水メジャーの社員がかかわっていた。
水メジャー「ヴェオリア社」の社員が、内閣府のPPP推進室にいて政策調査員として法案成立を補佐していた。

◇水道民営化促進で内閣府に出向した人の正体 7日成立予定の改正水道法に不透明な背景
----そればかりではなく、不透明な問題も持ち上がった。そのひとつが上記の福田氏の突然の辞任であり、もうひとつがヴェオリア社の女性社員が内閣府の「民間資金等活用事業推進室」に政策調査員として2017年4月1日から2019年3月31日までの予定で出向していることだ。ヴェオリア社はフランスの多国籍水処理企業で、世界で上下水道の民営化を扱って成長してきた。この出向者の任期はまさに水道民営化のための審議の期間に重なっている。
これを明らかにしたのは11月29日の参議院厚生労働委員会で社民党の福島瑞穂参議院議員。
「もっともこの法案で利益を得る可能性のあるヴェオリア社、水メジャーですよね。まさにその担当者がPPP推進室にいる。これって受験生が採点者になって、自分の答案をこっそり採点しているようなものではないですか」・・・
(東洋経済オンライン 2018/12/07 5:50)


さらに、共産党の討論では、
民営化後に問題が発覚して、「地方自治体が再公営化を決断しても、多額の違約金や訴訟リスクがのしかかる」という。
例えば、「ドイツ・ベルリン市では民間企業が水道料金値上げ中止の要請に応じないため再公営化し多額の違約金が生じた事例」があるらしい。
まさに「民営化で担保されるのは企業の利益」ということだ。

また、「広域水道の押し付け、簡易水道など各地の自己水源の廃止につながる危険」があり、
「老朽化対策や耐震化、人材不足の解決のため、過大な需要を見込んだダム開発の中止と人員確保、必要な財政支援」
を求めている。
(しんぶん赤旗 2018年12月6日)


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