2019-01-29(Tue)
19通常国会開会 首相施政方針演説 説得力欠く甘言の羅列
難題から目をそらすな 論点すり替え、不誠実だ 詭弁弄しても破綻は隠せない
安倍首相の施政方針演説に対する各紙社説。厳しい評価が目立つ。
朝日新聞デジタル2019年1月29日05時00分
(社説)施政方針演説 難題から目をそらすな
----通常国会が始まった。
巨大与党を従える安倍政権のもとで、熟議を拒み、異論を「数」で抑え込む強引な国会運営が常態化している。
今年は春に統一地方選、夏に参院選が控える。内政・外交の課題に一つひとつ真摯(しんし)に向き合い、国民に判断材料を示す場にしなければならない。
残念ながら、安倍首相のきのうの施政方針演説が、役にたったとは言い難い。「平成の、その先の時代に向かって」という言葉を7度も繰り返したが、具体的なビジョンが示されるわけではなく、既存の政策の繰り返しや自画自賛が多かった。
一方で、政権が抱える難題から目をそらし、国民の疑問や批判に正面から応えようとしない姿勢が目についた。
しんぶん赤旗 2019年1月29日(火)
主張:首相施政方針演説 詭弁弄しても破綻は隠せない
----政権復帰から7年目に入った安倍晋三首相の施政方針演説を聞きました。毎年の初めに、首相が政治の基本方針を明らかにするものですが、今年は例年にも増して新味がありません。大問題になっている毎月勤労統計調査の不正・偽装問題は「おわび」や「検証」で片付け、「アベノミクスは今なお、進化」だの、「戦後日本外交の総決算」だのと、抽象的な言葉を重ねます。「平成の、その先の時代に向かって、日本の明日を切り開く」といっても展望は示せず、改憲についてだけは「憲法審査会の場において、議論が深められるのを期待」と、あくまでも固執します。
北海道新聞 2019/01/29 05:05
社説:施政方針演説 難題になぜ向き合わぬ
---安倍晋三首相は、きのう召集された通常国会で施政方針演説を行った。首相は経済政策などの「成果」をアピールする一方で、足元の難題にどう取り組むのかという肝心の点は素通りだった。
厚生労働省の毎月勤労統計不正問題で、首相は「国民の皆さまにおわび申し上げる」と陳謝した。
「再発防止に全力を尽くすとともに、統計の信頼回復に向け、徹底した検証を行う」とも述べた。
だが、通り一遍の言葉だけで、政策の正当性が揺らぐ深刻な事態だとの認識がまるで伝わらない。
信濃毎日新聞 (2019年1月29日)
社説:施政方針演説 説得力欠く甘言の羅列
----相変わらず聞こえのいい文言を連ね、内政、外交ともに肝心なところには踏み込んでいない。安倍晋三首相の施政方針演説である。
毎月勤労統計の不正については、おわびはしたもののごく簡単に触れただけだ。幕引きを急ぐ姿勢が透ける。4月からの外国人労働者の受け入れ拡大についても言及はわずかだった。
夏の参院選を意識してだろう。経済政策の成果を並べ、消費税の増税に伴う景気対策や社会保障の充実を強調している。
子どもの貧困率の改善や子育て世代の女性就業率の上昇を「成長と分配の好循環」の例に挙げた。けれども、子どもの7人に1人はなお貧困状態にある。ひとり親世帯では半数を超す。女性の就業も大半は非正規だ。都合が悪い面に触れないのは誠実さを欠く。
中国新聞 2019/1/29
社説:施政方針演説 論点すり替え、不誠実だ
----きのう開会した通常国会の冒頭、安倍晋三首相は施政方針演説で自賛を繰り返した。政権運営も7年目に入った以上、むしろ国民が聞きたかったのは、できていないこと、やっていないことの誠実な説明ではないか。
文字数にして1万を超す演説で注目したいのが厚生労働省による毎月勤労統計の不正調査問題だ。セーフティーネットへの信頼を損ねたことをわびたが、介護問題などに触れた文脈での言及はおざなりにも聞こえた。
外部有識者による職員聴取に官房長が同席していたことも明らかになった。組織ぐるみで、うやむやにする気だろうか。森友・加計問題と重ね、疑念を抱く国民も少なくあるまい。
安倍首相の施政方針演説に対する各紙社説。厳しい評価が目立つ。
朝日新聞デジタル2019年1月29日05時00分
(社説)施政方針演説 難題から目をそらすな
----通常国会が始まった。
巨大与党を従える安倍政権のもとで、熟議を拒み、異論を「数」で抑え込む強引な国会運営が常態化している。
今年は春に統一地方選、夏に参院選が控える。内政・外交の課題に一つひとつ真摯(しんし)に向き合い、国民に判断材料を示す場にしなければならない。
残念ながら、安倍首相のきのうの施政方針演説が、役にたったとは言い難い。「平成の、その先の時代に向かって」という言葉を7度も繰り返したが、具体的なビジョンが示されるわけではなく、既存の政策の繰り返しや自画自賛が多かった。
一方で、政権が抱える難題から目をそらし、国民の疑問や批判に正面から応えようとしない姿勢が目についた。
しんぶん赤旗 2019年1月29日(火)
主張:首相施政方針演説 詭弁弄しても破綻は隠せない
----政権復帰から7年目に入った安倍晋三首相の施政方針演説を聞きました。毎年の初めに、首相が政治の基本方針を明らかにするものですが、今年は例年にも増して新味がありません。大問題になっている毎月勤労統計調査の不正・偽装問題は「おわび」や「検証」で片付け、「アベノミクスは今なお、進化」だの、「戦後日本外交の総決算」だのと、抽象的な言葉を重ねます。「平成の、その先の時代に向かって、日本の明日を切り開く」といっても展望は示せず、改憲についてだけは「憲法審査会の場において、議論が深められるのを期待」と、あくまでも固執します。
北海道新聞 2019/01/29 05:05
社説:施政方針演説 難題になぜ向き合わぬ
---安倍晋三首相は、きのう召集された通常国会で施政方針演説を行った。首相は経済政策などの「成果」をアピールする一方で、足元の難題にどう取り組むのかという肝心の点は素通りだった。
厚生労働省の毎月勤労統計不正問題で、首相は「国民の皆さまにおわび申し上げる」と陳謝した。
「再発防止に全力を尽くすとともに、統計の信頼回復に向け、徹底した検証を行う」とも述べた。
だが、通り一遍の言葉だけで、政策の正当性が揺らぐ深刻な事態だとの認識がまるで伝わらない。
信濃毎日新聞 (2019年1月29日)
社説:施政方針演説 説得力欠く甘言の羅列
----相変わらず聞こえのいい文言を連ね、内政、外交ともに肝心なところには踏み込んでいない。安倍晋三首相の施政方針演説である。
毎月勤労統計の不正については、おわびはしたもののごく簡単に触れただけだ。幕引きを急ぐ姿勢が透ける。4月からの外国人労働者の受け入れ拡大についても言及はわずかだった。
夏の参院選を意識してだろう。経済政策の成果を並べ、消費税の増税に伴う景気対策や社会保障の充実を強調している。
子どもの貧困率の改善や子育て世代の女性就業率の上昇を「成長と分配の好循環」の例に挙げた。けれども、子どもの7人に1人はなお貧困状態にある。ひとり親世帯では半数を超す。女性の就業も大半は非正規だ。都合が悪い面に触れないのは誠実さを欠く。
中国新聞 2019/1/29
社説:施政方針演説 論点すり替え、不誠実だ
----きのう開会した通常国会の冒頭、安倍晋三首相は施政方針演説で自賛を繰り返した。政権運営も7年目に入った以上、むしろ国民が聞きたかったのは、できていないこと、やっていないことの誠実な説明ではないか。
文字数にして1万を超す演説で注目したいのが厚生労働省による毎月勤労統計の不正調査問題だ。セーフティーネットへの信頼を損ねたことをわびたが、介護問題などに触れた文脈での言及はおざなりにも聞こえた。
外部有識者による職員聴取に官房長が同席していたことも明らかになった。組織ぐるみで、うやむやにする気だろうか。森友・加計問題と重ね、疑念を抱く国民も少なくあるまい。