2019-01-30(Wed)
リニア工事 静岡県とJR 大井川対策で対立
リスク予測で応酬 「JRには工事着手前にリスクを減らしていくという姿勢が見えない」
リニア新幹線の南アルプストンネル工事で、静岡県の要求をJR東海が拒否する態度を続けている。
大井川の流量の減少や下流域の地下水への影響などについて、県側は、工事着工前のリスク管理策を求めている。
この当たり前の要求に対し、JR東海は、工事優先して、着工後に対策を講じるという姿勢を変えない。
静岡県の中央新幹線環境保全連絡会議の委員の意見を中日新聞が紹介している。
<森下祐一・静岡大教授> 工事着手前にリスクを減らしていくという姿勢が重要。JRにはその姿勢が見えなかった。きょうの回答には驚いた。JRからは5年前に出された環境影響評価書以外の新しい説明は何もなかった。これだけの大事業。工事着手前にあらゆる影響を想定して、回避する努力は当然のことだ。
<丸井敦尚・産業技術総合研究所地質調査総合センター総括研究主幹> 流量減少を示す計算方法など、現段階でも複数を試すなどいろんなアプローチをしてほしい。工事着手前の影響回避に向け、やれることを全てやるなど手を尽くしてほしい。
<大石哲・神戸大教授> 事業に向けて影響回避を試算する場合、あらゆる方策を尽くして、絞り込んでいくことは常識的だ。影響回避のための試算方法をあらかじめ公開し、その過程を報告してほしい。
<塩坂邦雄・サイエンス技師長> トンネル工事でぶつかる地中の「破砕帯」にたまった大量の水が流出した場合、生態系にも影響する。対策はどうするのか。
(会議に出席した4委員の主な発言:中日新聞)
どれも当たり前の疑問、意見だ。
こういう意見や要望に応えず、工事着工することが絶対許されない。
リニア新幹線建設が、国民の福祉の向上に役立つ公共事業ではなく、JR東海という私企業の巨大開発事業であることの証だ。
にもかかわらず、用地買収に自治体職員を駆り出し、土地収用対象事業にしているなど、公共的な装いで工事を強行している。
一方で、「公共工事」ではないと情報公開などを拒否している。ご都合主義にも程がある。
日本経済新聞 2019/1/31付
県とJR東海、リスク予測で応酬
----静岡県とJR東海は30日、リニア中央新幹線の南アルプストンネル工事に関し、希少性動植物の保全対策を話し合う連絡会議を開いた。2018年末に県が送った質問書にJRが回答。7項目までで予定時間を費やし、全質問に答えきれなかった。冒頭で大井川の流量減少問題を扱った25日の地質構造・水資源専門部会の議論を巡り、両者がリスク予測について応酬する場面もあった。
中日新聞 2019年1月26日 朝刊
リニア工事 県とJR審議進まず ◆県連絡会議 大井川対策で対立
----リニア中央新幹線の南アルプストンネル(静岡市葵区)工事で、大井川の水対策などを審議する静岡県の中央新幹線環境保全連絡会議が二十五日、県庁であった。流量の減少や下流域の地下水への影響など、県側は着工前のリスク管理策を求めたが、JR東海は着工後も対策は可能との姿勢を堅持。双方の隔たりは大きく、実質的な審議に進めなかった。
----難波喬司副知事は「基本認識が異なり、これ以上対話を進めようがない。JRの今のやり方では認められないと、何らかの形で意思表示する必要がある」と述べた。
----JRが実施した調査では流量減少や環境への影響評価が十分ではなく、さらなるリスクなど、現時点では不確実な事態への対策などに関する回答を求めていた。
----JRは「事前調査では不十分な部分があることは認識しているが、工事と並行して調査を進め、対策を講じていきたい」との従来の姿勢を崩さなかった。
静岡新聞 (2019/1/10 07:17)
リニア工事で質問書 静岡県、JR東海に63項目
----リニア中央新幹線南アルプストンネル工事に伴う大井川の流量減少問題を巡り、静岡県は9日、地質構造や水資源、生物多様性に関する63項目の質問書を、工事を進めているJR東海に送付したと発表した。1月末に開く有識者の専門部会で回答するよう求めている。流量減回避に向けた同社の対応の基本方針が不明確だとする県の基本認識も文書にまとめ、質問書と共に送った。
リニア新幹線の南アルプストンネル工事で、静岡県の要求をJR東海が拒否する態度を続けている。
大井川の流量の減少や下流域の地下水への影響などについて、県側は、工事着工前のリスク管理策を求めている。
この当たり前の要求に対し、JR東海は、工事優先して、着工後に対策を講じるという姿勢を変えない。
静岡県の中央新幹線環境保全連絡会議の委員の意見を中日新聞が紹介している。
<森下祐一・静岡大教授> 工事着手前にリスクを減らしていくという姿勢が重要。JRにはその姿勢が見えなかった。きょうの回答には驚いた。JRからは5年前に出された環境影響評価書以外の新しい説明は何もなかった。これだけの大事業。工事着手前にあらゆる影響を想定して、回避する努力は当然のことだ。
<丸井敦尚・産業技術総合研究所地質調査総合センター総括研究主幹> 流量減少を示す計算方法など、現段階でも複数を試すなどいろんなアプローチをしてほしい。工事着手前の影響回避に向け、やれることを全てやるなど手を尽くしてほしい。
<大石哲・神戸大教授> 事業に向けて影響回避を試算する場合、あらゆる方策を尽くして、絞り込んでいくことは常識的だ。影響回避のための試算方法をあらかじめ公開し、その過程を報告してほしい。
<塩坂邦雄・サイエンス技師長> トンネル工事でぶつかる地中の「破砕帯」にたまった大量の水が流出した場合、生態系にも影響する。対策はどうするのか。
(会議に出席した4委員の主な発言:中日新聞)
どれも当たり前の疑問、意見だ。
こういう意見や要望に応えず、工事着工することが絶対許されない。
リニア新幹線建設が、国民の福祉の向上に役立つ公共事業ではなく、JR東海という私企業の巨大開発事業であることの証だ。
にもかかわらず、用地買収に自治体職員を駆り出し、土地収用対象事業にしているなど、公共的な装いで工事を強行している。
一方で、「公共工事」ではないと情報公開などを拒否している。ご都合主義にも程がある。
日本経済新聞 2019/1/31付
県とJR東海、リスク予測で応酬
----静岡県とJR東海は30日、リニア中央新幹線の南アルプストンネル工事に関し、希少性動植物の保全対策を話し合う連絡会議を開いた。2018年末に県が送った質問書にJRが回答。7項目までで予定時間を費やし、全質問に答えきれなかった。冒頭で大井川の流量減少問題を扱った25日の地質構造・水資源専門部会の議論を巡り、両者がリスク予測について応酬する場面もあった。
中日新聞 2019年1月26日 朝刊
リニア工事 県とJR審議進まず ◆県連絡会議 大井川対策で対立
----リニア中央新幹線の南アルプストンネル(静岡市葵区)工事で、大井川の水対策などを審議する静岡県の中央新幹線環境保全連絡会議が二十五日、県庁であった。流量の減少や下流域の地下水への影響など、県側は着工前のリスク管理策を求めたが、JR東海は着工後も対策は可能との姿勢を堅持。双方の隔たりは大きく、実質的な審議に進めなかった。
----難波喬司副知事は「基本認識が異なり、これ以上対話を進めようがない。JRの今のやり方では認められないと、何らかの形で意思表示する必要がある」と述べた。
----JRが実施した調査では流量減少や環境への影響評価が十分ではなく、さらなるリスクなど、現時点では不確実な事態への対策などに関する回答を求めていた。
----JRは「事前調査では不十分な部分があることは認識しているが、工事と並行して調査を進め、対策を講じていきたい」との従来の姿勢を崩さなかった。
静岡新聞 (2019/1/10 07:17)
リニア工事で質問書 静岡県、JR東海に63項目
----リニア中央新幹線南アルプストンネル工事に伴う大井川の流量減少問題を巡り、静岡県は9日、地質構造や水資源、生物多様性に関する63項目の質問書を、工事を進めているJR東海に送付したと発表した。1月末に開く有識者の専門部会で回答するよう求めている。流量減回避に向けた同社の対応の基本方針が不明確だとする県の基本認識も文書にまとめ、質問書と共に送った。