2019-03-13(Wed)
大阪クロス選 地方自治の私物化だ
府政や市政を弄ぶ 府市民の負託をないがしろにする身勝手
東京新聞 2019年3月12日
【社説】大阪クロス選 地方自治の私物化では
----大阪府の松井一郎知事と大阪市の吉村洋文市長が任期途中で辞職する。四月の出直し選挙に入れ替わって出馬の意向だ。政策を実現するための「クロス選」。この奇策は地方自治の私物化ではないのか。
クロス選は、知事が代表、市長が政調会長を務める地域政党・大阪維新の会が掲げる「大阪都構想」への信を問うためという。知事は十一月、市長は十二月に任期が切れるが、出直して入れ替われば四月から四年間務められる。
----大阪都構想が府議会や市議会の理解を得られないからといって、地道な説得などを放棄し、こうした奇策を取ることは感心しない。府民や市民の負託を得て自治体を預かる者として、誠実な態度といえるだろうか。
首長選はそもそも、候補者が経済や医療、福祉、教育といった日常生活に直結した政策を総合的に有権者に訴え、判断をあおぐ機会だ。選択肢を「大阪都構想の是非」といったワンイシュー(一つの問題)に集中させることも適切ではないと考える。
東京新聞 2019年3月12日
【社説】大阪クロス選 地方自治の私物化では
----大阪府の松井一郎知事と大阪市の吉村洋文市長が任期途中で辞職する。四月の出直し選挙に入れ替わって出馬の意向だ。政策を実現するための「クロス選」。この奇策は地方自治の私物化ではないのか。
クロス選は、知事が代表、市長が政調会長を務める地域政党・大阪維新の会が掲げる「大阪都構想」への信を問うためという。知事は十一月、市長は十二月に任期が切れるが、出直して入れ替われば四月から四年間務められる。
----大阪都構想が府議会や市議会の理解を得られないからといって、地道な説得などを放棄し、こうした奇策を取ることは感心しない。府民や市民の負託を得て自治体を預かる者として、誠実な態度といえるだろうか。
首長選はそもそも、候補者が経済や医療、福祉、教育といった日常生活に直結した政策を総合的に有権者に訴え、判断をあおぐ機会だ。選択肢を「大阪都構想の是非」といったワンイシュー(一つの問題)に集中させることも適切ではないと考える。