2019-03-02(Sat)
辺野古新基地建設 沖縄の民意 真摯に受け止め、粛々と
首相の民意黙殺許されぬ 民意無視の「ゼロ回答」 民主主義を危機に
「沖縄県民に、日本国憲法が国民に保障する自由、平等、人権、そして民主主義が等しく保障されているのか」
玉城知事と面談した安倍首相、県民投票の結果を「真摯(しんし)に受け止める」としたものの、
「(米軍基地の辺野古移設を)もはやこれ以上の先送りはできないと考えている」と民意を突っぱねた。
安倍総理が枕詞で放つ「寄り添う」「真摯に」といった言葉は、「本心」ではない「ウソ」であることを示している。
かつて、菅官房長官が埋め立て工事続行を「粛々と」すすめると発言し批判を浴びた。
だが、「真摯に受け止める」とウソをつき、民意がどうであろうと埋め立て工事を「粛々と」進める、これが本心だ。
----故翁長雄志前知事は、2016年の沖縄慰霊の日の平和宣言でこう訴えた。
「沖縄県民に、日本国憲法が国民に保障する自由、平等、人権、そして民主主義が等しく保障されているのでしょうか」
こんな言葉を県知事に言わせる政権とは、何なのか。日米合意や安全保障上の必要性を強調し、明白な民意を無視し続ける姿勢は、日本の民主主義を危機に陥れている。(朝日新聞)
朝日新聞デジタル2019年3月2日05時00分
(社説)政権と沖縄 対話なしに展望はない
----
県民に寄り添う。県民投票の結果を真摯(しんし)に受けとめる。その言葉が本心であるならば、行動で示して欲しい――。
沖縄県の玉城デニー知事は、きのう安倍首相にそう迫った。
当然の要請である。政府は辺野古の海の埋め立て工事をただちに中止して、県との話し合いに応じるべきだ。ましてや、今月下旬に予定している新たな海域への土砂投入など、到底認められるものではない。
琉球新報 2019年3月2日 06:01
<社説>知事が投票結果伝達 首相の民意黙殺許されぬ
----安倍首相は「(米軍普天間飛行場の)危険な状況を置き去りにするわけにはいかない」と述べ、沖縄の民意を拒絶した。
首相の言葉は明らかに矛盾している。普天間の危険性除去は喫緊の課題だ。2013年に政府が発表した現行計画では、普天間飛行場の返還期日は「22年度以降」となっている。
しかし、政府が目指す普天間の代替施設としての辺野古新基地の工事は始まったばかりだ。しかも埋め立て海域には、首相自ら改良工事が必要と認めた、「マヨネーズ状」と称される軟弱地盤の問題がある。首相は国会で「今後の工期や費用について確たることを申し上げることは困難」と答弁し、明言できない。工期が長期化する可能性は極めて大きい。
普天間の危険を置き去りにしないために政府は、今すぐ米国と交渉し、普天間の運用停止に取り組むべきだ。辺野古新基地建設は直ちにやめることだ。
沖縄タイムス 2019年3月2日 08:30
社説[知事・首相会談]民意無視の「ゼロ回答」
----玉城知事は「辺野古移設断念を求める民意が初めて明確にされた」と指摘。工事の中止と、日米両政府に沖縄県を加えた3者協議の場を設置し、1996年の日米特別行動委員会(SACO)合意を検証するよう求めた。
----工事も止めない。3者協議の場もつくらない。沖縄の明確な民意が示されたにもかかわらず、一片の誠意も感じられないまったくの「ゼロ回答」である。
圧倒的な民意を示した県民を愚(ぐ)弄(ろう)するものだ。
安倍首相が県民投票結果を「真(しん)摯(し)に受け止める」と言うのであれば、工事をいったん止めるのが筋である。
安倍首相は事あるごとに「真摯に沖縄に寄り添う」などという言葉を繰り返すが、空疎に響くのは、行動が伴わないからである。
朝日新聞デジタル2019年2月26日05時00分
(社説)政権と沖縄 これが民主主義の国か
----なんと無残な光景か。はっきりと示された民意を無視し、青い海に土砂が投入されていく。
この事態を招いたのは、沖縄の人びとの過重な基地負担の軽減に取り組むという原点を忘れ、「普天間か辺野古か」という二者択一を迫る政権のかたくなな姿勢にある。
普天間の危険性をいうなら、まずは米政府に対し、米軍機の運用をできる限り減らし、住民の安全を軽視した訓練を行わないよう強く働きかけるべきだ。県が長年求めてきた日米地位協定の改定も、正面から提起する必要がある。
----故翁長雄志前知事は、2016年の沖縄慰霊の日の平和宣言でこう訴えた。
「沖縄県民に、日本国憲法が国民に保障する自由、平等、人権、そして民主主義が等しく保障されているのでしょうか」
こんな言葉を県知事に言わせる政権とは、何なのか。日米合意や安全保障上の必要性を強調し、明白な民意を無視し続ける姿勢は、日本の民主主義を危機に陥れている。
「沖縄県民に、日本国憲法が国民に保障する自由、平等、人権、そして民主主義が等しく保障されているのか」
玉城知事と面談した安倍首相、県民投票の結果を「真摯(しんし)に受け止める」としたものの、
「(米軍基地の辺野古移設を)もはやこれ以上の先送りはできないと考えている」と民意を突っぱねた。
安倍総理が枕詞で放つ「寄り添う」「真摯に」といった言葉は、「本心」ではない「ウソ」であることを示している。
かつて、菅官房長官が埋め立て工事続行を「粛々と」すすめると発言し批判を浴びた。
だが、「真摯に受け止める」とウソをつき、民意がどうであろうと埋め立て工事を「粛々と」進める、これが本心だ。
----故翁長雄志前知事は、2016年の沖縄慰霊の日の平和宣言でこう訴えた。
「沖縄県民に、日本国憲法が国民に保障する自由、平等、人権、そして民主主義が等しく保障されているのでしょうか」
こんな言葉を県知事に言わせる政権とは、何なのか。日米合意や安全保障上の必要性を強調し、明白な民意を無視し続ける姿勢は、日本の民主主義を危機に陥れている。(朝日新聞)
朝日新聞デジタル2019年3月2日05時00分
(社説)政権と沖縄 対話なしに展望はない
----
県民に寄り添う。県民投票の結果を真摯(しんし)に受けとめる。その言葉が本心であるならば、行動で示して欲しい――。
沖縄県の玉城デニー知事は、きのう安倍首相にそう迫った。
当然の要請である。政府は辺野古の海の埋め立て工事をただちに中止して、県との話し合いに応じるべきだ。ましてや、今月下旬に予定している新たな海域への土砂投入など、到底認められるものではない。
琉球新報 2019年3月2日 06:01
<社説>知事が投票結果伝達 首相の民意黙殺許されぬ
----安倍首相は「(米軍普天間飛行場の)危険な状況を置き去りにするわけにはいかない」と述べ、沖縄の民意を拒絶した。
首相の言葉は明らかに矛盾している。普天間の危険性除去は喫緊の課題だ。2013年に政府が発表した現行計画では、普天間飛行場の返還期日は「22年度以降」となっている。
しかし、政府が目指す普天間の代替施設としての辺野古新基地の工事は始まったばかりだ。しかも埋め立て海域には、首相自ら改良工事が必要と認めた、「マヨネーズ状」と称される軟弱地盤の問題がある。首相は国会で「今後の工期や費用について確たることを申し上げることは困難」と答弁し、明言できない。工期が長期化する可能性は極めて大きい。
普天間の危険を置き去りにしないために政府は、今すぐ米国と交渉し、普天間の運用停止に取り組むべきだ。辺野古新基地建設は直ちにやめることだ。
沖縄タイムス 2019年3月2日 08:30
社説[知事・首相会談]民意無視の「ゼロ回答」
----玉城知事は「辺野古移設断念を求める民意が初めて明確にされた」と指摘。工事の中止と、日米両政府に沖縄県を加えた3者協議の場を設置し、1996年の日米特別行動委員会(SACO)合意を検証するよう求めた。
----工事も止めない。3者協議の場もつくらない。沖縄の明確な民意が示されたにもかかわらず、一片の誠意も感じられないまったくの「ゼロ回答」である。
圧倒的な民意を示した県民を愚(ぐ)弄(ろう)するものだ。
安倍首相が県民投票結果を「真(しん)摯(し)に受け止める」と言うのであれば、工事をいったん止めるのが筋である。
安倍首相は事あるごとに「真摯に沖縄に寄り添う」などという言葉を繰り返すが、空疎に響くのは、行動が伴わないからである。
朝日新聞デジタル2019年2月26日05時00分
(社説)政権と沖縄 これが民主主義の国か
----なんと無残な光景か。はっきりと示された民意を無視し、青い海に土砂が投入されていく。
この事態を招いたのは、沖縄の人びとの過重な基地負担の軽減に取り組むという原点を忘れ、「普天間か辺野古か」という二者択一を迫る政権のかたくなな姿勢にある。
普天間の危険性をいうなら、まずは米政府に対し、米軍機の運用をできる限り減らし、住民の安全を軽視した訓練を行わないよう強く働きかけるべきだ。県が長年求めてきた日米地位協定の改定も、正面から提起する必要がある。
----故翁長雄志前知事は、2016年の沖縄慰霊の日の平和宣言でこう訴えた。
「沖縄県民に、日本国憲法が国民に保障する自由、平等、人権、そして民主主義が等しく保障されているのでしょうか」
こんな言葉を県知事に言わせる政権とは、何なのか。日米合意や安全保障上の必要性を強調し、明白な民意を無視し続ける姿勢は、日本の民主主義を危機に陥れている。