2019-03-18(Mon)
「コンビニ店主は労働者ではない」団交権認めず 中労委
「コンビニ本部は店長らに配慮を」異例の注文 コンビニFC法が必要
中央労働委員会が、コンビニ店主らは労働者ではない、まとまって本部と交渉する団交権を認めない決定を出した。
「加盟者は、独立した小売事業者であって、会社の事業の遂行に不可欠な労働力として会社の事業組織に組み入れられ、労働契約に類する契約によって労務を供給しているとはいえない。さらに、加盟者は、会社から労務供給の対価として報酬を受け取っているということはできず、他方で、加盟者の事業者性は顕著である。以上を総合考慮すると、本件加盟者は、会社との関係において労働組合法上の労働者に当たると評価することはできない。」
コンビニ店主は、労働者か個人事業者か二者択一の判断をしているにすぎず、
立場の強い本部に、立場の弱い店主らがまとまって団体交渉をする権利がないとは言っていないと思える。
あくまでも、労働組合法上の団交権を認めていないだけであって、
「会社側における配慮が望まれる」との付言は、本部は団体交渉に応じろということだといえる。
「なお,本件における加盟者は,労組法による保護を受けられる労働者には当たらないが,上記のとおり会社との交渉力格差が存在することは否定できないことに鑑みると,同格差に基づいて生じる問題については,労組法上の団体交渉という法的な位置付けを持たないものであっても,適切な問題解決の仕組みの構築やそれに向けた当事者の取り組み,とりわけ,会社側における配慮が望まれることを付言する。」
労働者ではない個人事業者の場合、中小小売商業振興法や独禁法、下請け法など経済法での保護法令があるものの不十分だ。
本部が「優越的な地位」にあり濫用する不公正な取引に関する解釈は、商習慣に照らしてなどあいまいなものが多い。
「24時間営業」が契約で締結されていたら、店主が個人事業者として独自に営業時間短縮を判断しても、その裁量は認められないという解釈がされる。
一方で、本部と、個人事業者との契約は、対等平等で、公正公平な取引を前提としている。
ならば、個人事業者の裁量権を最大限認める解釈をすべきだろう。
そこに、労働者保護を法律上明確にした労組法との違いが出ている。
したがって、コンビニ店主ら立場の弱い個人事業者の権利をコンビニ本部の優越的地位の濫用から守るコンビニFC法が必要になっている。
個人事業者がまとまって本部と団体交渉する権利を法律上明確にすれば、中労委の付言も生きてくる。
日本経済新聞 2019/3/16付
中労委、本部側に配慮求める
----「初審」にあたる東京都と岡山県の労働委員会の決定を覆した中労委は、就労実態を詳細に検討しオーナーの労働者性を認めなかった。ただ労働環境などの問題は「法的なものでなくても解決の仕組みをつくることが望ましい」として本部側の「配慮」を求めた。
----弥永真生・筑波大学教授(会社法)は「オーナーは個人の場合でも会社の場合でも事業者で、労働者とみなすのは不自然に思える。優越的地位の乱用を防ぐ独占禁止法などで団体交渉ができるようにするルールづくりを考える余地はある」と話している。
朝日新聞デジタル2019年3月16日06時00分
「コンビニ本部は店長らに配慮を」中労委が異例の注文
店主まとまって協議する場、中労委提案
----中労委は、店主らを「労働者ではない」としてその主張を退ける一方、問題解決の仕組みを作る必要性を指摘。「とりわけ(本部の)会社側における配慮が望まれる」と異例の注文をつけた。
----本部の意向に反した経営をすれば、フランチャイズ契約が更新されず、生活の糧を失ってしまう不安が常にある。個々では交渉が難しいからこそ、「法的な規制に守られて話し合う場」(酒井執行委員長)を求めていた。
----中労委は今回の判断を出す前に実は、店主側と本部側に和解を勧告していた。店主側の代理人によると、中労委は、FCの店主が労働者であるかどうかは判断せずに、店主がまとまって本部と協議する場をつくるよう提案していた。店主らは受け入れる方向だったが本部側が拒んだ、という。
----団交権をめぐる議論は節目を迎えたが、店主と本部の対立を調整する法的な枠組みが整っていない現状に変わりはない。店主たちは行政訴訟を続ける一方、枠組みを定める「フランチャイズ法」の制定を求めていくという。
しんぶん赤旗 2019年3月16日(土)
コンビニFC法必要 辰巳氏「オーナー月367時間労働」 参院経産委
----FC契約での加盟店とコンビニ本部の関係について東京労働委員会が「本部が優越的地位にあり対等な関係ではないと示している」と指摘。「元請けと下請けの関係なら下請け法が適用されて保護の対象になるが、コンビニフランチャイズは巨大な本部と一個人が対等として契約を結ぶこととなり、経営者としても労働者としても守られない」と訴え、「オーナーの働き方を守るフランチャイズ法が必要だ」と述べました。
中央労働委員会が、コンビニ店主らは労働者ではない、まとまって本部と交渉する団交権を認めない決定を出した。
「加盟者は、独立した小売事業者であって、会社の事業の遂行に不可欠な労働力として会社の事業組織に組み入れられ、労働契約に類する契約によって労務を供給しているとはいえない。さらに、加盟者は、会社から労務供給の対価として報酬を受け取っているということはできず、他方で、加盟者の事業者性は顕著である。以上を総合考慮すると、本件加盟者は、会社との関係において労働組合法上の労働者に当たると評価することはできない。」
コンビニ店主は、労働者か個人事業者か二者択一の判断をしているにすぎず、
立場の強い本部に、立場の弱い店主らがまとまって団体交渉をする権利がないとは言っていないと思える。
あくまでも、労働組合法上の団交権を認めていないだけであって、
「会社側における配慮が望まれる」との付言は、本部は団体交渉に応じろということだといえる。
「なお,本件における加盟者は,労組法による保護を受けられる労働者には当たらないが,上記のとおり会社との交渉力格差が存在することは否定できないことに鑑みると,同格差に基づいて生じる問題については,労組法上の団体交渉という法的な位置付けを持たないものであっても,適切な問題解決の仕組みの構築やそれに向けた当事者の取り組み,とりわけ,会社側における配慮が望まれることを付言する。」
労働者ではない個人事業者の場合、中小小売商業振興法や独禁法、下請け法など経済法での保護法令があるものの不十分だ。
本部が「優越的な地位」にあり濫用する不公正な取引に関する解釈は、商習慣に照らしてなどあいまいなものが多い。
「24時間営業」が契約で締結されていたら、店主が個人事業者として独自に営業時間短縮を判断しても、その裁量は認められないという解釈がされる。
一方で、本部と、個人事業者との契約は、対等平等で、公正公平な取引を前提としている。
ならば、個人事業者の裁量権を最大限認める解釈をすべきだろう。
そこに、労働者保護を法律上明確にした労組法との違いが出ている。
したがって、コンビニ店主ら立場の弱い個人事業者の権利をコンビニ本部の優越的地位の濫用から守るコンビニFC法が必要になっている。
個人事業者がまとまって本部と団体交渉する権利を法律上明確にすれば、中労委の付言も生きてくる。
日本経済新聞 2019/3/16付
中労委、本部側に配慮求める
----「初審」にあたる東京都と岡山県の労働委員会の決定を覆した中労委は、就労実態を詳細に検討しオーナーの労働者性を認めなかった。ただ労働環境などの問題は「法的なものでなくても解決の仕組みをつくることが望ましい」として本部側の「配慮」を求めた。
----弥永真生・筑波大学教授(会社法)は「オーナーは個人の場合でも会社の場合でも事業者で、労働者とみなすのは不自然に思える。優越的地位の乱用を防ぐ独占禁止法などで団体交渉ができるようにするルールづくりを考える余地はある」と話している。
朝日新聞デジタル2019年3月16日06時00分
「コンビニ本部は店長らに配慮を」中労委が異例の注文
店主まとまって協議する場、中労委提案
----中労委は、店主らを「労働者ではない」としてその主張を退ける一方、問題解決の仕組みを作る必要性を指摘。「とりわけ(本部の)会社側における配慮が望まれる」と異例の注文をつけた。
----本部の意向に反した経営をすれば、フランチャイズ契約が更新されず、生活の糧を失ってしまう不安が常にある。個々では交渉が難しいからこそ、「法的な規制に守られて話し合う場」(酒井執行委員長)を求めていた。
----中労委は今回の判断を出す前に実は、店主側と本部側に和解を勧告していた。店主側の代理人によると、中労委は、FCの店主が労働者であるかどうかは判断せずに、店主がまとまって本部と協議する場をつくるよう提案していた。店主らは受け入れる方向だったが本部側が拒んだ、という。
----団交権をめぐる議論は節目を迎えたが、店主と本部の対立を調整する法的な枠組みが整っていない現状に変わりはない。店主たちは行政訴訟を続ける一方、枠組みを定める「フランチャイズ法」の制定を求めていくという。
しんぶん赤旗 2019年3月16日(土)
コンビニFC法必要 辰巳氏「オーナー月367時間労働」 参院経産委
----FC契約での加盟店とコンビニ本部の関係について東京労働委員会が「本部が優越的地位にあり対等な関係ではないと示している」と指摘。「元請けと下請けの関係なら下請け法が適用されて保護の対象になるが、コンビニフランチャイズは巨大な本部と一個人が対等として契約を結ぶこととなり、経営者としても労働者としても守られない」と訴え、「オーナーの働き方を守るフランチャイズ法が必要だ」と述べました。