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2019-03-21(Thu)

ボーイング機墜落事故 FAAとボーイング社 捜査対象

安全性評価、ボーイングに丸投げ? 米連邦航空局(FAA)の振る舞いに疑念の目
日本の空は安全か 事故の初期対応が遅かった国土交通省 FAAへの遠慮があった


エチオピア航空とインドネシア・ライオン航空のボーイング737MAX型機が、わずか5か月の間に相次いで墜落した事故。
米では、ボーイング社と米連邦航空局(FAA)が米司法省の捜査対象となっているらしい。

FAAが2017年に与えた型式認証の手続きが適切だったか、問題視されている。
両事故では、「航空機の失速を防ぐ飛行システム」の誤作動に類似性があると取りざたされている。
FAAが審査手続きの中で、このシステムの安全性評価をボーイング自身に委ねていた、と報じられているようだ。

つまり、型式認証の手続きの際に、同システムをFAAが直接検査せず、製造会社に任せていたことが問題にされている。
日本でも、航空機エンジンの完成検査を製造会社IHIにまかせた結果、無資格者が検査した不正が発覚したばかりだ。

この航空機部品の完成検査について、国交省は今国会に航空法改正を提出している。
国交省が検査する仕組みを完全にやめ、製造会社に委ねる仕組み一本にするという内容だ。
この法改正は、大いに問題がありそうだ。

経済ジャーナリストの町田徹氏が現代ビジネスで、FAAや国交省の対応の遅れを指摘している。

FAAについて、運航停止命令の発動が遅れた原因に「安全よりも、経済・経営的な要素を優先したのではないか」ということと
「787MAXに設計許可を与えた責任を追及されることをFAAが恐れた」という見方があることを紹介している。

国交省については、FAAの決定を受けてようやく乗り入れ禁止措置を決定する遅さだった。
そして、国交省の対応が遅れた理由について、日本の航空各社の意見を紹介。
① FAAへの遠慮があったこと、
② 日本の航空会社がまだ737MAXを保有していないこと、
③ 737MAXで日本に乗り入れていた中国、韓国、シンガポール、タイの5航空会社の多くが連続事故を受けて自主的に代替機種を用意するなど737MAXの日本発着を控えていたこと

をあげて、国交省は緊急性がないと判断したのだろうと擁護する姿勢を見せたという。

そして、次のように指摘する。
「しかし、今回のような事故が起きた際に、対応を航空会社任せにして、自らの判断を速やかに示さないのなら、航空行政の存在意義は乏しい。」
----1985年の日航機墜落事故でも、・・・「今なお、FAAやボーイングへの忖度が事故原因究明よりも尊重されたのではないかと疑問視する声が根強く残っている」「国交省がFAAにおもねっていては、日本の空の安全は守れないと、同省は肝に銘じるべきだろう。」

国交省には、こういう指摘を真摯に受け止め、日本の空の安全は守る責任を果たしてもらいたいものだ。

現代ビジネス 2019年3月19日
ボーイング機墜落事故の対応で、中国にも後れをとった国交省への疑問 日本の空の安全は守られるの?
----FAAは何をしていたのか。機体に設計認証を与えているFAAが運航停止命令の発動に慎重な姿勢を崩さない中で、中国に引っ張られる形で各国に運航停止命令の発動ドミノが広がった。
----FAAのお粗末さを象徴した公式声明。「運航停止にするほどの証拠が見つかっていない」と、態度保留の理由を説明。・・・今回のような状況では、「安全だという確認が取れないから、運航を停止させる」との立場に立つべきだった。
----FAAの判断が遅れた原因については「安全よりも、経済・経営的な要素を優先したのではないか」との見方が有力。・・・さらには、787MAXに設計許可を与えた責任を追及されることをFAAが恐れたと見る向きもある。
----FAAは3月13日水曜日になって、ようやく態度を変えた。・・・だが、この時点までに飛行禁止命令を出した国と地域は50を超えており、FAAの権威は地に落ちた格好だった。
----3月15日金曜日未明、当のボーイングが問題の737MAXの出荷を停止したと発表した。

----日本の空は安全か
----最後に指摘したいのが、FAA以上に今回の事故の初期対応が遅かった国土交通省の動きである。同省は13日木曜日の夕方になって、ようやく737MAXの日本の空域や空港への乗り入れを禁じる措置を決定した。
----日本の航空各社は、国交省の対応が遅れた理由として、FAAへの遠慮があったこと、日本の航空会社がまだ737MAXを保有していないこと、737MAXで日本に乗り入れていた中国、韓国、シンガポール、タイの5航空会社の多くが連続事故を受けて自主的に代替機種を用意するなど737MAXの日本発着を控えていたことの3つを理由にあげて、緊急性がないと判断したのだろうと、同省を擁護する姿勢を見せた。
----しかし、今回のような事故が起きた際に、対応を航空会社任せにして、自らの判断を速やかに示さないのなら、航空行政の存在意義は乏しい。
----1985年の日航機墜落事故でも、・・・今なお、FAAやボーイングへの忖度が事故原因究明よりも尊重されたのではないかと疑問視する声が根強く残っている。
この真偽はさておき、国交省がFAAにおもねっていては、日本の空の安全は守れないと、同省は肝に銘じるべきだろう。


朝日新聞デジタル 2019年3月19日20時09分
安全性評価、ボーイングに丸投げ? 墜落事故で新疑惑
----5カ月間に2度の墜落事故を起こした米ボーイングの最新鋭小型機「737MAX」をめぐって、米連邦航空局(FAA)の事故前後の振る舞いに、疑念の目が向けられている。米議会などの検証が本格化しそうだ。
----昨年10月にインドネシアで起きた事故は、機体の傾きを測るセンサーから誤ったデータが送られ、航空機の失速を防ぐ飛行システムが誤作動。自動的に機首を下げようとして墜落した。今月10日のエチオピアの事故でも「はっきりした類似点」(モゲス運輸相)が指摘されている。
----FAAが2017年に与えた型式認証の手続きが適切だったか、問題視されている。
----米紙シアトル・タイムズは、FAAが審査手続きの中で、このシステムの安全性評価をボーイング自身に委ねていた、と報じた。
----複数のFAA関係者は737MAXの認証を急ぐよう幹部から圧力があったと同紙に語った。重要プロセスの一部をボーイングに「丸投げ」することにより、審査時間の短縮を図った可能性がある。

AFPBB News 2019年3月19日 14:14 発信地:ワシントンD.C./米国
「737MAX」墜落、米航空当局とボーイングが司法省の捜査対象に
----エチオピア航空(Ethiopian Airlines)とインドネシア・ライオン航空(Lion Air)のボーイング(Boeing)737MAX型機が、わずか5か月の間に相次いで墜落した事故をめぐり、ボーイング社と米連邦航空局(FAA)が米司法省の捜査対象となっている。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が関係筋の話として伝えた。



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