2019-04-13(Sat)
大和ハウス 2000棟 建基法違反
一部は改修へ 耐火・基礎工事 問われる住宅業界の順法精神
大和ハウス工業が建築した2000棟を超える建物で、建築基準の不適合が明らかになった。
2000年~13年に販売した全国30都府県の2078棟(約7千世帯)にのぼるという。
これは、16年12月に同社の内部通報制度で発覚したらしい。
国土交通省には、18年8月に外部から「認定を受けている型式に適合していない物件がある」と情報提供があった。
国交省は、自治体に調査を依頼していた。
2月18日に大和ハウスから国交省に報告があり、不適合物件の追加調査を指示していた。
そして、4月12日に、大和ハウス工業(株)から国交省に以下の報告があったという。
・ 廊下を支える柱等が建築基準法や条例の防火基準に不適合のおそれがある共同住宅73棟(うち68棟は条例の防火基準のみに不適合のおそれ)を供給した。
・ あらかじめ認定を受けた型式の仕様に適合しない住宅を2,066棟(このうち住宅性能評価書を取得した住宅は533棟)供給した。
(廊下を支える柱等や基礎の寸法等が構造安全上不利側と考えられる建築物12棟について、建築基準法が求める構造安全性を有しているとの第三者機関の見解が得られている)
・ 廊下を支える柱等が防火基準に不適合のおそれがある共同住宅73棟について、特定行政庁の是正指導に従って4月中を目途に改修し、その他の住宅について、住宅所有者等の意向を踏まえて必要な対応を行う。
これを見ていると、型式適合認定・製造者認証という建築確認検査や性能評価審査が省略される制度が悪用されたと思われる。
自動車などの型式認定制度のもとで、個別の完成検査を資格のない職員が検査する検査偽装が相次いだが、同じような不正だ。
建築物でも、KYB免震ダンパー事件も同じような大臣認定制度のもとで起きた。
いずれも、製品の安全検査を、大臣が認定して、製造会社にゆだねるという制度のもとで、企業が認定どおりにやっていない点で共通している。
不正をした企業に一番の責任があるのは当然だが、大臣認定制度が正常に機能していない点も事実だ。
認定制度と、検査制度は一対のものだろうから、根本的な見直しが必要ではないか。
「型式適合認定・型式部材等製造者認証」
※ 構造耐力、防火・避難など一連の建築基準に適合することをあらかじめ認定することで、建築基準法に基づく確認検査や住宅品確法に基づく住宅性能評価において、当該基準への適合審査が省略される。
さらに、あらかじめ認定された型式に適合して製造・新築をする者として認証(製造者認証)を受けた者は、建築基準法に基づく確認検査や住宅品確法に基づく住宅性能評価において、審査が省略されるかわりに、型式どおりに製造・新築する義務を負う。
(参考)型式適合認定・型式部材等製造者認証について

朝日新聞デジタル2019年4月13日05時00分
大和ハウス、2000棟違反 一部は改修へ 耐火・基礎工事
----住宅メーカー最大手の大和ハウス工業は12日、同社が施工・販売した賃貸アパートと戸建て住宅の約2千棟で建築基準法違反があったと発表した。国に届け出た方法と異なる設計や工事をしていた。大半は形式的な違反で安全性に問題はないが、一部では改修工事が必要になるという。
同社によると、不適切な設計や工事があったのは、2000年~13年に販売した全国30都府県の2078棟(約7千世帯)。
産経WEST2019.4.12 23:50
レオパレスに続き大和ハウスも…問われる住宅業界の順法精神
----大和ハウス工業が建築した2千棟を超える建物で建築基準の不適合が明らかになった問題は、消費者の住宅に対する不信を拡大しそうだ。賃貸アパート大手、レオパレス21の施工不良問題に続く不正で、住宅業界は企業統治や順法精神を厳しく問われている。(藤谷茂樹)
大和ハウス工業が建築した2000棟を超える建物で、建築基準の不適合が明らかになった。
2000年~13年に販売した全国30都府県の2078棟(約7千世帯)にのぼるという。
これは、16年12月に同社の内部通報制度で発覚したらしい。
国土交通省には、18年8月に外部から「認定を受けている型式に適合していない物件がある」と情報提供があった。
国交省は、自治体に調査を依頼していた。
2月18日に大和ハウスから国交省に報告があり、不適合物件の追加調査を指示していた。
そして、4月12日に、大和ハウス工業(株)から国交省に以下の報告があったという。
・ 廊下を支える柱等が建築基準法や条例の防火基準に不適合のおそれがある共同住宅73棟(うち68棟は条例の防火基準のみに不適合のおそれ)を供給した。
・ あらかじめ認定を受けた型式の仕様に適合しない住宅を2,066棟(このうち住宅性能評価書を取得した住宅は533棟)供給した。
(廊下を支える柱等や基礎の寸法等が構造安全上不利側と考えられる建築物12棟について、建築基準法が求める構造安全性を有しているとの第三者機関の見解が得られている)
・ 廊下を支える柱等が防火基準に不適合のおそれがある共同住宅73棟について、特定行政庁の是正指導に従って4月中を目途に改修し、その他の住宅について、住宅所有者等の意向を踏まえて必要な対応を行う。
これを見ていると、型式適合認定・製造者認証という建築確認検査や性能評価審査が省略される制度が悪用されたと思われる。
自動車などの型式認定制度のもとで、個別の完成検査を資格のない職員が検査する検査偽装が相次いだが、同じような不正だ。
建築物でも、KYB免震ダンパー事件も同じような大臣認定制度のもとで起きた。
いずれも、製品の安全検査を、大臣が認定して、製造会社にゆだねるという制度のもとで、企業が認定どおりにやっていない点で共通している。
不正をした企業に一番の責任があるのは当然だが、大臣認定制度が正常に機能していない点も事実だ。
認定制度と、検査制度は一対のものだろうから、根本的な見直しが必要ではないか。
「型式適合認定・型式部材等製造者認証」
※ 構造耐力、防火・避難など一連の建築基準に適合することをあらかじめ認定することで、建築基準法に基づく確認検査や住宅品確法に基づく住宅性能評価において、当該基準への適合審査が省略される。
さらに、あらかじめ認定された型式に適合して製造・新築をする者として認証(製造者認証)を受けた者は、建築基準法に基づく確認検査や住宅品確法に基づく住宅性能評価において、審査が省略されるかわりに、型式どおりに製造・新築する義務を負う。
(参考)型式適合認定・型式部材等製造者認証について

大和ハウスHP 2019年4月12日
戸建住宅・賃貸共同住宅における建築基準に関する不適合等について
https://www.daiwahouse.com/about/release/house/pdf/release_20190412.pdf
朝日新聞デジタル2019年4月13日05時00分
大和ハウス、2000棟違反 一部は改修へ 耐火・基礎工事
----住宅メーカー最大手の大和ハウス工業は12日、同社が施工・販売した賃貸アパートと戸建て住宅の約2千棟で建築基準法違反があったと発表した。国に届け出た方法と異なる設計や工事をしていた。大半は形式的な違反で安全性に問題はないが、一部では改修工事が必要になるという。
同社によると、不適切な設計や工事があったのは、2000年~13年に販売した全国30都府県の2078棟(約7千世帯)。
産経WEST2019.4.12 23:50
レオパレスに続き大和ハウスも…問われる住宅業界の順法精神
----大和ハウス工業が建築した2千棟を超える建物で建築基準の不適合が明らかになった問題は、消費者の住宅に対する不信を拡大しそうだ。賃貸アパート大手、レオパレス21の施工不良問題に続く不正で、住宅業界は企業統治や順法精神を厳しく問われている。(藤谷茂樹)