2019-05-18(Sat)
大津・園児死傷事故 園児移動路を全国点検 国交省
どう防ぐ歩行者巻き込まれ事故 ガードレール自治体任せ
保育園児ら16人が死傷した大津市の交通事故から10日。
国交省が、園児らが散歩する経路などの安全点検を全国的に実施する。
警察や自治体と連携し、過去5年に子どもが重大な被害に遭った交差点や、特徴が似た場所を調べるという。
また、ガードレールや車止めの設置といった対策を実施する自治体への支援拡充も検討するらしい。
毎日新聞2019年5月13日 20時38分(最終更新 5月13日 23時53分)
大津園児死傷 どう防ぐ歩行者巻き込まれ事故 ガードレール自治体任せ
「日本は諸外国に比べ、歩行者が犠牲となる割合が非常に高い」。・・・警察庁によると、各国の2016~18年のデータを比較したところ、日本は交通事故死者の約36%を歩行者が占めるが、イギリスは約25%、アメリカとフランスは約16%、ドイツは約15%となっている。
----山梨大大学院の伊藤安海教授(安全医工学)は、・・・「1964年の東京五輪に合わせ、歩行者の安全よりも車が走りやすい道づくりが優先された」と歴史的背景を挙げ、その後もガードレールの設置や、車がスピードを出しにくい道路にするなどの安全対策は広がっていないと分析する。
----ガードレールを含む防護柵の設置基準について、国土交通省は「歩行者の危険度が高い」などと定めているが、道路の幅や沿道の状況、交通量などはそれぞれ異なるため、明確な基準を設けるのは難しいという。設置は道路管理者である自治体に委ねられており、同省の担当者は「一律に設置すると、点字ブロックや車いすの利用者などには不便になる可能性がある。周辺の交通状況を総合的に判断するしかない」と話す。
文部科学省は、12年4月に京都府亀岡市で児童ら3人が死亡した事故を受け、全国の通学路を対象に緊急点検を実施。・・・・通学路以外の幼稚園や保育園の経路は対象外だ。
----警察庁によると、昨年に全国で直進車と右折車の死亡事故は130件あった。直進が優先だが、右折車の運転手が「まだ直進車は来ない」と考えて右折を始め、衝突するケースが目立つという。伊藤教授は「交差点が混雑している場合、焦って右折発進してしまうことも多い」と指摘する。右折車両を感知器で検出し、青信号を延長する技術もあり、「信号を守れば右折できるという安心感があれば、運転手は無理をしなくなる」と話す。・・・伊藤教授は「運転手の安全への認識と信号の技術、ガードレールなどの防護柵を組み合わせれば有効だ」と指摘する。
保育園児ら16人が死傷した大津市の交通事故から10日。
国交省が、園児らが散歩する経路などの安全点検を全国的に実施する。
警察や自治体と連携し、過去5年に子どもが重大な被害に遭った交差点や、特徴が似た場所を調べるという。
また、ガードレールや車止めの設置といった対策を実施する自治体への支援拡充も検討するらしい。
毎日新聞2019年5月13日 20時38分(最終更新 5月13日 23時53分)
大津園児死傷 どう防ぐ歩行者巻き込まれ事故 ガードレール自治体任せ
「日本は諸外国に比べ、歩行者が犠牲となる割合が非常に高い」。・・・警察庁によると、各国の2016~18年のデータを比較したところ、日本は交通事故死者の約36%を歩行者が占めるが、イギリスは約25%、アメリカとフランスは約16%、ドイツは約15%となっている。
----山梨大大学院の伊藤安海教授(安全医工学)は、・・・「1964年の東京五輪に合わせ、歩行者の安全よりも車が走りやすい道づくりが優先された」と歴史的背景を挙げ、その後もガードレールの設置や、車がスピードを出しにくい道路にするなどの安全対策は広がっていないと分析する。
----ガードレールを含む防護柵の設置基準について、国土交通省は「歩行者の危険度が高い」などと定めているが、道路の幅や沿道の状況、交通量などはそれぞれ異なるため、明確な基準を設けるのは難しいという。設置は道路管理者である自治体に委ねられており、同省の担当者は「一律に設置すると、点字ブロックや車いすの利用者などには不便になる可能性がある。周辺の交通状況を総合的に判断するしかない」と話す。
文部科学省は、12年4月に京都府亀岡市で児童ら3人が死亡した事故を受け、全国の通学路を対象に緊急点検を実施。・・・・通学路以外の幼稚園や保育園の経路は対象外だ。
----警察庁によると、昨年に全国で直進車と右折車の死亡事故は130件あった。直進が優先だが、右折車の運転手が「まだ直進車は来ない」と考えて右折を始め、衝突するケースが目立つという。伊藤教授は「交差点が混雑している場合、焦って右折発進してしまうことも多い」と指摘する。右折車両を感知器で検出し、青信号を延長する技術もあり、「信号を守れば右折できるという安心感があれば、運転手は無理をしなくなる」と話す。・・・伊藤教授は「運転手の安全への認識と信号の技術、ガードレールなどの防護柵を組み合わせれば有効だ」と指摘する。