2019-06-06(Thu)
高齢者の事故防止 抜本的な対策急げ
免許の自主返納、安全運転支援、地域公共交通機関の充実、更新内容の再検討・・・
高齢の運転者による重大事故が相次いでいる。
どうやったら事故と犠牲者を減らすことができるのか。
「平成29年版交通安全白書」で特集を組んでいる。
政府を挙げて事故防止対策を講じているようだが、どれだけ効果があるのか。
車を運転しなければ、運転事故は起きない。だから、免許の自主返納は必要だ。
しかし、強制するわけにはいかない。実際に移動できなくなるからだ。
ならば、いつでも、どこへでも、自由に安全に移動する権利を保障する交通政策を実現するのが一番大事ではないか。
地域公共交通の抜本的な改善、維持確保を真剣に考え、実施することが必要ではないか。
高齢者が自ら運転しなくても、行きたいところに行ける公共交通網を実現すれば、かなりの事故は防止できる。
しかし、交通網が充実している都市部での重大事故が多い。
「安全運転サポート車」(サポカーS)と呼んでいるらしいが、車自体の安全対策も必要だ。
自動ブレーキなど技術的にはかなり進んでいるようだが、すべての高齢運転者に普及できるわけではない。
むしろ、サポート車が一般車より高価になる。東京都が購入を補助する制度を立ち上げたが一案だ。
メーカーへの開発補助などはすでに実施していることを考えると、メーカーにも廉価での販売を求めるべきではないか。
などなど、・・・・。
東京新聞 2019年6月6日
【社説】高齢者の事故 重層的な対策を早期に
----高齢ドライバーによる重大事故が続く。免許の自主返納、安全運転策、地方での公共交通機関の充実、更新内容の再検討…。事故と犠牲者を減らすため、重層的な方策を早期に進めなければならない。
----七十五歳以上の運転免許の自主返納率は、右肩上がりとはいえ、二〇一八年で5・2%にとどまる。都市部で高く、公共交通機関が都市部ほど発達していない地方で低い傾向がある。ただ、重大事故は人通りや交通量の多い都市部で起きている。
高齢ドライバーが重大事故を引き起こすリスクは低くない。七十五歳以上が第一当事者(責任が最も重い)になった交通死亡事故は一八年、全体の15%に迫る四百六十件。割合は過去最高だった。
----行政などは、お年寄りが外出する機会を減らすことなく、免許の自主返納が進みやすい仕組みを一層進めるべきだ。
市町村レベルで運行している格安のコミュニティーバスや乗り合いタクシーはそのひとつ。自主返納したお年寄りに、コミュニティーバスを無期限で無料にする市もある。
----対策は返納以外でも。国は自動ブレーキのついた車に限定した新たな免許創設の検討を始めた。東京都はアクセルとブレーキの踏み間違いを防止する装置の購入費用を補助する考えを示している。
----免許更新時の検査にも一考の余地がある。・・・実車でペダルを踏むなどの試験も課せないか。
高齢の運転者による重大事故が相次いでいる。
どうやったら事故と犠牲者を減らすことができるのか。
「平成29年版交通安全白書」で特集を組んでいる。
政府を挙げて事故防止対策を講じているようだが、どれだけ効果があるのか。
車を運転しなければ、運転事故は起きない。だから、免許の自主返納は必要だ。
しかし、強制するわけにはいかない。実際に移動できなくなるからだ。
ならば、いつでも、どこへでも、自由に安全に移動する権利を保障する交通政策を実現するのが一番大事ではないか。
地域公共交通の抜本的な改善、維持確保を真剣に考え、実施することが必要ではないか。
高齢者が自ら運転しなくても、行きたいところに行ける公共交通網を実現すれば、かなりの事故は防止できる。
しかし、交通網が充実している都市部での重大事故が多い。
「安全運転サポート車」(サポカーS)と呼んでいるらしいが、車自体の安全対策も必要だ。
自動ブレーキなど技術的にはかなり進んでいるようだが、すべての高齢運転者に普及できるわけではない。
むしろ、サポート車が一般車より高価になる。東京都が購入を補助する制度を立ち上げたが一案だ。
メーカーへの開発補助などはすでに実施していることを考えると、メーカーにも廉価での販売を求めるべきではないか。
などなど、・・・・。
東京新聞 2019年6月6日
【社説】高齢者の事故 重層的な対策を早期に
----高齢ドライバーによる重大事故が続く。免許の自主返納、安全運転策、地方での公共交通機関の充実、更新内容の再検討…。事故と犠牲者を減らすため、重層的な方策を早期に進めなければならない。
----七十五歳以上の運転免許の自主返納率は、右肩上がりとはいえ、二〇一八年で5・2%にとどまる。都市部で高く、公共交通機関が都市部ほど発達していない地方で低い傾向がある。ただ、重大事故は人通りや交通量の多い都市部で起きている。
高齢ドライバーが重大事故を引き起こすリスクは低くない。七十五歳以上が第一当事者(責任が最も重い)になった交通死亡事故は一八年、全体の15%に迫る四百六十件。割合は過去最高だった。
----行政などは、お年寄りが外出する機会を減らすことなく、免許の自主返納が進みやすい仕組みを一層進めるべきだ。
市町村レベルで運行している格安のコミュニティーバスや乗り合いタクシーはそのひとつ。自主返納したお年寄りに、コミュニティーバスを無期限で無料にする市もある。
----対策は返納以外でも。国は自動ブレーキのついた車に限定した新たな免許創設の検討を始めた。東京都はアクセルとブレーキの踏み間違いを防止する装置の購入費用を補助する考えを示している。
----免許更新時の検査にも一考の余地がある。・・・実車でペダルを踏むなどの試験も課せないか。