2019-06-26(Wed)
2019「骨太の方針」 形骸化が一層進んでいる
厳しい改革を忘れた 負担論議から逃げるな / 暮らし破壊の加速を止める時
安倍政権が「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2019」を閣議決定した。
朝日新聞デジタル2019年6月24日05時00分
(社説)骨太の方針 負担論議から逃げるな
----2度にわたり延期された消費増税の10月実施を控え、その先を見据えた議論を始めるための節目の基本方針だ。
だが、示されたメニューは比較的異論が少ないものばかり。難題に向き合おうという政権の意気込みは感じられない。これでは「骨太」の名に値しない。
政府は昨年、政策経費を新たな借金に頼らずに賄えるかを示す基礎的財政収支を黒字化する時期の目標を、従来の20年度から25年度へ遅らせた。新たな基本方針もこれを踏襲。10月の消費増税は明記したものの、黒字化の道筋は描いていない。
毎日新聞2019年6月22日 東京朝刊
社説:安倍政権の「骨太の方針」 形骸化が一層進んでいる
----最大のテーマは長寿化の進展に伴う人生100年時代への対応である。
「誰もがいくつになっても活躍できる社会づくりを目指す」という。予防医療・健康づくりの推進などで健康寿命を延ばすとともに、70歳までの就業機会を確保することなどをうたっている。
高齢になっても働き続けたい意欲を持つ人は増えており、国がそれを後押しするのは時代の要請だろう。
だが、明るい面ばかりでない。寿命が延びれば、それに応じて、老後生活への不安も膨らむだけに、その対応策も必須だ。
にもかかわらず、そうした不安に向き合おうとしていない。高齢者にも働いてもらって、年金や医療など社会保障の支え手を広げる利点が強調されているだけだ。
日本経済新聞 2019/6/21 19:05
[社説]厳しい改革を忘れた骨太の方針
----7月の参院選を意識したのか、就職氷河期世代への支援や最低賃金上げなど有権者に聞こえのよい政策が並んだ。消費税率10%引き上げ後の社会保障・財政改革など国民の負担増につながる厳しい改革には踏み込まなかった。
成長戦略を含む骨太の方針では、70歳までの就業確保策の検討、幼児・高等教育の無償化のほか、就職氷河期世代への支援策などを盛り込んだ。
産経新聞 2019.6.22 05:00
【主張】骨太方針 改革断行する原点に戻れ
----30代半ばから40代半ばの就職氷河期世代に対する3年間の集中支援など、雇用や所得に関する施策を手厚くしたのが今年の特徴である。
だが総じていえば、負担増などの痛みを伴う改革について具体的な言及はほとんどない。むしろ、世論受けしそうな政策ばかりを並べた印象である。これでは「骨太」というより「骨細」ではないか。
折しも、老後に2千万円の蓄えが必要とした報告書が論議を呼んでいる。給付と負担の在り方を含めた社会保障の総合的かつ重点的な政策は来年の骨太で行うなどとしている。参院選前だから踏み込まないのであれば問題だ。
必要な改革を断行するのが本来の骨太方針のはずだ。原点に立ち返り、年金や介護などの改革に正面から取り組んでほしい。
しんぶん赤旗 2019年6月24日(月)
主張:「骨太」閣議決定 暮らし破壊の加速を止める時
----10月から消費税率を10%へ引き上げることを明記するとともに、暮らしを支える社会保障費を圧縮する方針も堅持しています。目前の参院選を意識し、医療や介護の負担増を露骨に迫る表現を避けたものの、選挙後に「重点的に取り組む」課題として位置付けています。いまでも高すぎる国民健康保険料(税)の引き上げに拍車をかける仕組みの強化も明確にしています。国民に犠牲を強いる「骨太の方針」の危険はごまかせません。
安倍政権が「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2019」を閣議決定した。
朝日新聞デジタル2019年6月24日05時00分
(社説)骨太の方針 負担論議から逃げるな
----2度にわたり延期された消費増税の10月実施を控え、その先を見据えた議論を始めるための節目の基本方針だ。
だが、示されたメニューは比較的異論が少ないものばかり。難題に向き合おうという政権の意気込みは感じられない。これでは「骨太」の名に値しない。
政府は昨年、政策経費を新たな借金に頼らずに賄えるかを示す基礎的財政収支を黒字化する時期の目標を、従来の20年度から25年度へ遅らせた。新たな基本方針もこれを踏襲。10月の消費増税は明記したものの、黒字化の道筋は描いていない。
毎日新聞2019年6月22日 東京朝刊
社説:安倍政権の「骨太の方針」 形骸化が一層進んでいる
----最大のテーマは長寿化の進展に伴う人生100年時代への対応である。
「誰もがいくつになっても活躍できる社会づくりを目指す」という。予防医療・健康づくりの推進などで健康寿命を延ばすとともに、70歳までの就業機会を確保することなどをうたっている。
高齢になっても働き続けたい意欲を持つ人は増えており、国がそれを後押しするのは時代の要請だろう。
だが、明るい面ばかりでない。寿命が延びれば、それに応じて、老後生活への不安も膨らむだけに、その対応策も必須だ。
にもかかわらず、そうした不安に向き合おうとしていない。高齢者にも働いてもらって、年金や医療など社会保障の支え手を広げる利点が強調されているだけだ。
日本経済新聞 2019/6/21 19:05
[社説]厳しい改革を忘れた骨太の方針
----7月の参院選を意識したのか、就職氷河期世代への支援や最低賃金上げなど有権者に聞こえのよい政策が並んだ。消費税率10%引き上げ後の社会保障・財政改革など国民の負担増につながる厳しい改革には踏み込まなかった。
成長戦略を含む骨太の方針では、70歳までの就業確保策の検討、幼児・高等教育の無償化のほか、就職氷河期世代への支援策などを盛り込んだ。
産経新聞 2019.6.22 05:00
【主張】骨太方針 改革断行する原点に戻れ
----30代半ばから40代半ばの就職氷河期世代に対する3年間の集中支援など、雇用や所得に関する施策を手厚くしたのが今年の特徴である。
だが総じていえば、負担増などの痛みを伴う改革について具体的な言及はほとんどない。むしろ、世論受けしそうな政策ばかりを並べた印象である。これでは「骨太」というより「骨細」ではないか。
折しも、老後に2千万円の蓄えが必要とした報告書が論議を呼んでいる。給付と負担の在り方を含めた社会保障の総合的かつ重点的な政策は来年の骨太で行うなどとしている。参院選前だから踏み込まないのであれば問題だ。
必要な改革を断行するのが本来の骨太方針のはずだ。原点に立ち返り、年金や介護などの改革に正面から取り組んでほしい。
しんぶん赤旗 2019年6月24日(月)
主張:「骨太」閣議決定 暮らし破壊の加速を止める時
----10月から消費税率を10%へ引き上げることを明記するとともに、暮らしを支える社会保障費を圧縮する方針も堅持しています。目前の参院選を意識し、医療や介護の負担増を露骨に迫る表現を避けたものの、選挙後に「重点的に取り組む」課題として位置付けています。いまでも高すぎる国民健康保険料(税)の引き上げに拍車をかける仕組みの強化も明確にしています。国民に犠牲を強いる「骨太の方針」の危険はごまかせません。