2019-08-16(Fri)
個人事業主 どう守る 法に遅れ
多様な働き方ウーバーイーツ配達員が労組結成へ
ギグワーカーどう守る? 多様な働き方 法に遅れ ウーバーイーツ配達員が労組結成へ(日本経済新聞2019/8/15 20:30)
「ギグワーカー」(インターネット経由で仕事を受け、自由に働く)という働き手の保護の問題を取り上げている。
政府は、企業で働く人の副業・兼業を促進する体制づくりに乗り出し、フリーランスの増加を加速している。
「副業、フリーランスで柔軟に 法的保護ないリスクも(日本経済新聞 2019/8/11 5:00)」
総務省や厚生労働省によると、
「特定の発注者に頼る個人事業主は170万人程度に増えている。ウーバーの配達員のようなギグワーカーを含む。」という。
こうした個人事業主には労働者とみなされないことから、最低賃金、有給休暇、労災保険などが適用されてない。
そのため、海外ではウーバー運転手などの保護を巡り、裁判や立法が相次いでいるという。
◇英国----2018年12月に控訴審が運転手を「就労者」という、自営業者と労働者の中間に位置づけた。
「日本法にはない分類で最低賃金などが保障されるとした」(東洋大学の鎌田耕一名誉教授)
◇フランス----16年にウーバーのようなプラットフォーマーに義務を課す法律が成立。働き手が労働者かどうか判断しない。
「プラットフォーマーのサービスで一定の収入を得る人には、労災保険、職業訓練費を負担する責任を定めた」(穂高弥生子弁護士)。
◇日本----厚労省の検討会で議論が始まる。6月に中間整理、ルール整備の時期定めていない。
雇用に近い形態で働く人のために契約ルールの整備や報酬の適正化などを検討する方向が示された。
労働者ではない個人事業主が連携して、雇い主側と賃金など交渉することは、現行法制の下では難しい問題がある。
個人事業主らが労働組合を結成することは自由にできるが、団体交渉権など雇い主側を拘束するだけの強制力はまだ認められていない。
コンビニフランチャイズ加盟店主の労組の交渉要求に、コンビニ本部が応じていない状態が続いている。
その理由として、アメリカの事例が参考になる。
----米シアトル市は15年に個人事業主が団体を通じて企業と協議し、報酬を決められる条例を制定した。これに全米商工会議所が独占禁止法違反だとして条例無効の宣言と施行の仮差し止めを求めて係争中だ。「個人事業主が連携して賃金交渉するのは価格カルテルで違法か、理由が正当で合法かなどを裁判所は検討する」(早稲田大学の土田和博教授)
要は、あくまでも、労働者ではない個人事業主との報酬・賃金契約については、独禁法上の取引ルールが適用されるから、まとまって交渉するのは価格カルテルだ、という主張だ。
もともと、競争法上のカルテルなどは大手資本による価格調整を排除することを前提としている。
それを、零細な個人事業者に当てはめるのは間違いだ。
独禁法など経済ルールは、名の通り大手資本による市場の「独占」を禁じ、中小零細企業が大手に伍して公正公平な取引ができるようにしたものだ。
個人事業主を守るためには、団体交渉権などの権利を事業主の労働組合に認めるか、
事業主の協同組合に報酬・賃金交渉を独禁法の適用除外として認めるなど経済の民主的ルールを明確にする必要がある。
「ギグワーカー」に限らず、フリーランス、一人親方、コンビニオーナーなど個人事業主として働く人々の「働き方改革」は待ったなしだ。
日本経済新聞2019/8/15 20:30
ギグワーカーどう守る? 多様な働き方 法に遅れ ウーバーイーツ配達員が労組結成へ
----インターネット経由で仕事を受け、自由に働く「ギグワーカー」という働き手の保護が問題になっている。不安定な状況を脱しようと米ウーバーテクノロジーズの宅配代行サービス「ウーバーイーツ」の日本の配達員が労働組合結成に動き出した。ただ日本では法で守る議論が海外より遅れているのが実態だ。
日本経済新聞 2019/8/11 5:00
副業、フリーランスで柔軟に 法的保護ないリスクも
----政府が「働き方改革」の一環として、企業で働く人の副業・兼業を促進する体制づくりに乗り出している。だが多くの企業は所定外労働時間の管理で課題が多いとして解禁には後ろ向きだ。副業を容認している先進企業にアンケートを実施し、働き手にとって望ましい副業のあり方を探った。
ギグワーカーどう守る? 多様な働き方 法に遅れ ウーバーイーツ配達員が労組結成へ(日本経済新聞2019/8/15 20:30)
「ギグワーカー」(インターネット経由で仕事を受け、自由に働く)という働き手の保護の問題を取り上げている。
政府は、企業で働く人の副業・兼業を促進する体制づくりに乗り出し、フリーランスの増加を加速している。
「副業、フリーランスで柔軟に 法的保護ないリスクも(日本経済新聞 2019/8/11 5:00)」
総務省や厚生労働省によると、
「特定の発注者に頼る個人事業主は170万人程度に増えている。ウーバーの配達員のようなギグワーカーを含む。」という。
こうした個人事業主には労働者とみなされないことから、最低賃金、有給休暇、労災保険などが適用されてない。
そのため、海外ではウーバー運転手などの保護を巡り、裁判や立法が相次いでいるという。
◇英国----2018年12月に控訴審が運転手を「就労者」という、自営業者と労働者の中間に位置づけた。
「日本法にはない分類で最低賃金などが保障されるとした」(東洋大学の鎌田耕一名誉教授)
◇フランス----16年にウーバーのようなプラットフォーマーに義務を課す法律が成立。働き手が労働者かどうか判断しない。
「プラットフォーマーのサービスで一定の収入を得る人には、労災保険、職業訓練費を負担する責任を定めた」(穂高弥生子弁護士)。
◇日本----厚労省の検討会で議論が始まる。6月に中間整理、ルール整備の時期定めていない。
雇用に近い形態で働く人のために契約ルールの整備や報酬の適正化などを検討する方向が示された。
労働者ではない個人事業主が連携して、雇い主側と賃金など交渉することは、現行法制の下では難しい問題がある。
個人事業主らが労働組合を結成することは自由にできるが、団体交渉権など雇い主側を拘束するだけの強制力はまだ認められていない。
コンビニフランチャイズ加盟店主の労組の交渉要求に、コンビニ本部が応じていない状態が続いている。
その理由として、アメリカの事例が参考になる。
----米シアトル市は15年に個人事業主が団体を通じて企業と協議し、報酬を決められる条例を制定した。これに全米商工会議所が独占禁止法違反だとして条例無効の宣言と施行の仮差し止めを求めて係争中だ。「個人事業主が連携して賃金交渉するのは価格カルテルで違法か、理由が正当で合法かなどを裁判所は検討する」(早稲田大学の土田和博教授)
要は、あくまでも、労働者ではない個人事業主との報酬・賃金契約については、独禁法上の取引ルールが適用されるから、まとまって交渉するのは価格カルテルだ、という主張だ。
もともと、競争法上のカルテルなどは大手資本による価格調整を排除することを前提としている。
それを、零細な個人事業者に当てはめるのは間違いだ。
独禁法など経済ルールは、名の通り大手資本による市場の「独占」を禁じ、中小零細企業が大手に伍して公正公平な取引ができるようにしたものだ。
個人事業主を守るためには、団体交渉権などの権利を事業主の労働組合に認めるか、
事業主の協同組合に報酬・賃金交渉を独禁法の適用除外として認めるなど経済の民主的ルールを明確にする必要がある。
「ギグワーカー」に限らず、フリーランス、一人親方、コンビニオーナーなど個人事業主として働く人々の「働き方改革」は待ったなしだ。
日本経済新聞2019/8/15 20:30
ギグワーカーどう守る? 多様な働き方 法に遅れ ウーバーイーツ配達員が労組結成へ
----インターネット経由で仕事を受け、自由に働く「ギグワーカー」という働き手の保護が問題になっている。不安定な状況を脱しようと米ウーバーテクノロジーズの宅配代行サービス「ウーバーイーツ」の日本の配達員が労働組合結成に動き出した。ただ日本では法で守る議論が海外より遅れているのが実態だ。
日本経済新聞 2019/8/11 5:00
副業、フリーランスで柔軟に 法的保護ないリスクも
----政府が「働き方改革」の一環として、企業で働く人の副業・兼業を促進する体制づくりに乗り出している。だが多くの企業は所定外労働時間の管理で課題が多いとして解禁には後ろ向きだ。副業を容認している先進企業にアンケートを実施し、働き手にとって望ましい副業のあり方を探った。