2020-03-22(Sun)
「安倍首相、麻生大臣。あなた方は調査される側で『再調査しない』と言える立場にありません」
Yahooニュース 2020/3/21(土) 17:24
「安倍首相、麻生大臣。あなた方は調査される側で『再調査しない』と言える立場にありません」自死職員の妻
----けさ21日、1通のメッセージが携帯に届いた。財務省近畿財務局の上席国有財産管理官だった赤木俊夫さんの妻、昌子さん(仮名)からだ。俊夫さんは、森友事件で公文書の改ざんを上司に強要され、心を病んで自ら命を絶った。昌子さんは18日、真相解明を求めて佐川宣寿元財務省理財局長と国を相手取り裁判を起こした。同日発売の週刊文春は俊夫さんがのこした「手記」を初めて明らかにした。“魂の叫び”と言えるその手記には、これまで知られていなかった改ざんの経緯が生々しく綴られていた。
----「安倍首相と麻生大臣は調査される側で、再調査しないと発言する立場にない」
遺族の思いを拒絶するこれらの発言。昌子さんはメッセージで次のように綴っていた。
「安倍首相は2017年2月17日の国会の発言で改ざんが始まる原因をつくりました。
麻生大臣は墓参にきてほしいと伝えたのに国会で私の言葉をねじ曲げました。
この2人は調査される側で、再調査しないと発言する立場にないと思います。」
JBpress 2020.3.22(日)
罪を仕立て自殺に追い込んだ財務省、特捜
赤木俊夫氏の手記で明らかになった、悍ましき官僚機構
----これはいわゆる、疾病に基づく「発作的・衝動的な希死念慮」ではないということです。
冷静な意識を最期まで保ったままの、覚悟の自殺、「憤死」と呼ぶしかない、凄まじい最期だった。
----いま残された赤木さんの手記を通読するなら、そこにあるのは、正確極まりない現実の認識だけであって、現実認識にゆがみなど一切見出すことができません。
「最後は下部がしっぽを切られる。なんて世の中だ。手が震える。恐い。命 大切な命 終止符」
ここにあるのは、あえて不名誉な犯罪者の汚名を潔しとせず、自裁する武士の覚悟にも近い極限の「覚悟」であって、精神を病んで自殺するといった表現では到底表すことができません。
「正気の憤死」ではないでしょうか。
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2020-03-22(Sun)
「最後はしっぽ切り」 職員の手記の重み受け止めよ 改ざんの闇に迫らねば<各紙社説・主張>
朝日新聞デジタル 2020年3月20日 5時00分
(社説)森友問題 真実知りたいに応えよ
----意に反する不正行為を強いられ、公務員としての矜持(きょうじ)も砕かれた。その無念はいかばかりであったか。いまだ解明されていない森友問題の真相に迫る新たな動きにつなげねばならない。
----そもそも、第三者が入らぬ財務省の内部調査である。首相官邸や森友学園の名誉校長だった安倍首相の妻の昭恵氏らからは話も聞いていない。そして、この問題の核心である国有地の大幅値引きについては端(はな)から何も調べていない。全容解明に程遠い報告書を盾に、再調査を拒むのは不誠実極まりない。
----赤木さんの妻が公表したコメントにはこうある。「夫が死を選ぶ原因となった改ざんは、誰が誰のためにやったのか、改ざんをする原因となった土地の売り払いはどうやって行われたのか、真実を知りたい」。この切実な声に応えずして、首相への信頼回復はない。
毎日新聞2020年3月20日 東京朝刊
社説:「森友」で遺族が提訴 佐川氏は真実を語る時だ
----「どうか本当のことを話してください」という遺族の声が重く響く。
----改ざんは、国有地の大幅値下げ売却について、安倍首相が「自分や妻昭恵氏が関係していたら首相も国会議員も辞める」と国会で答弁した後に始まった。そこで昭恵氏らの名が出てくる記述などが消された。
佐川氏は、首相らの関与が疑われるのを避けようと忖度(そんたく)したのか。あるいは官邸などからの指示があったのか。これこそが問題の核心だ。
東京新聞 2020年3月20日
【社説】森友文書で提訴 改ざんの闇に迫らねば
----「森友学園」問題の闇はあまりに深い。文書改ざんを強要され自殺した財務省職員の生々しい手記が明るみに出た。妻が起こした訴訟で改ざんの実態や国有地売却の真相に迫らねばならない。
----「こんな事をする必要はない」と上司に涙ながらに訴え「相当抵抗した」ものの、上席国有財産管理官だった赤木さんは決裁文書から安倍昭恵首相夫人や政治家らの関与を示す部分を削除する作業を強制されたのだ。
国会が会計検査院に検査を要請した際には「検査院に資料を示さないよう本省から指示があった」とも。上司からは「元の調書が書き過ぎているんだよ」とも言われたと記されている。
「森友事案はうそにうそを塗り重ねるという、あり得ない対応を本省が引き起こしたのです」とも。「最後はしっぽ切り」との言葉は何とも痛々しい。
しんぶん赤旗 2020年3月20日(金)
主張:森友公文書改ざん 職員の手記の重み受け止めよ
----国有地が破格の安値で不当に払い下げられ、公文書の廃棄・改ざんなどが行われてきた森友問題をめぐり、安倍晋三政権の隠ぺい体質が改めて問われる深刻な事態です。佐川氏はもちろん、首相らは真相を明らかにすべきです。
----自殺した職員は、国有地を管理する部署に属していました。職員の手記や遺書には、安倍首相の答弁のあと、抵抗したにもかかわらず、佐川局長ら上司の指示で、公文書を改ざんしたり、会計検査院に虚偽の報告をさせられたりしたことなどが、生々しく書き残されています。
「財務省が国会等で真実に反する虚偽の答弁を貫いている」「最後は下部がしっぽを切られる」「手がふるえる、恐(こわ)い」…。一文字一文字からは、財務省が強いた公文書改ざんなど不当きわまる要求に対する怒りと苦悩が伝わってきます。職員は追い詰められ、命を絶ちました。その無念さを思うと言葉がありません。
----提訴にあたっての職員の妻のメッセージには、「本当のところを知りたい」「真実を知りたい」と悲痛な叫びがつづられています。佐川氏らが法廷で真実を語るのは当然です。
まじめに働いてきた職員に改ざんを強いたおもな幹部は、軽い処分だけで責任を取らず、いずれも出世しています。これほど理不尽なことはありません。命の重みをいったいどう受け止めるのか―。首相や財務相らが開き直りを続けるなら、人の道に反すると言わざるをえません。
北海道新聞 2020/03/20 05:01
社説:「森友」遺族提訴 改ざん再調査すべきだ
----首相は「本当に胸が痛む思いだ」と手記の感想を語ったが、再調査には応じない考えを示した。それが、命を絶って国の「うそ」を告発した職員への答えなのか。
行政の公正性をゆがめる官僚の忖度(そんたく)やずさんな公文書管理など、1強政権のひずみが噴き出したのが森友問題だ。それは桜を見る会や検察官の定年延長問題に通じ、政権は根腐れを起こしている。
腐敗の本を正すためにも、首相は「森友」から逃げてはならない。
信濃毎日新聞 (2020年3月20日)
社説:財務局職員手記 真実を明らかにせねば
----憲法15条は「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」と規定している。
その精神に従い「僕の契約相手は国民」と話していた公務員が、上層部に違法行為を強要されて悩み、自死を決断する経緯が痛ましい。
----手記から読み取れるのは、公務員の職責に従って不当な命令に抵抗しつつも、上意下達の組織の中で、指示に従わざるを得ない苦悩であり、良心の呵責(かしゃく)だ。そして「関わった者としての責任」として自死を選んだ絶望である。
職員の妻は国と佐川氏に損害賠償を求めて大阪地裁に提訴した。妻は「改ざんは誰が何のためにやったのか。原因となった土地の売り払いはどうやって行われたか。真実を知りたい」としたメッセージを発表している。
桜を見る会や検事長の定年延長問題などで、官僚は首相答弁や官邸の意向に沿い、つじつま合わせとしか思えない不自然な答弁を繰り返している。公文書の改ざんや廃棄も相次いでいる。忖度と公文書軽視の姿勢が顕著になったのは森友問題からだ。
京都新聞 2020年3月20日 16:36
社説:遺族提訴 佐川氏は出廷して語れ
----手記と遺書から、悲痛な叫びが聞こえてくるようだ。
森友学園の文書改ざんを強いられ、苦悩の末に自殺した財務省近畿財務局の職員が残していた。
「佐川氏の指示があった」「最後は下部がしっぽを切られる」
----手記にあるように、職員は佐川氏の指示を直接聞く立場ではなかったが、上司の言動や強い要請を受けており、十分に説得力がある。新たな証言として重要だ。
職員は文書改ざんに抵抗したが、上司らは指示を押しつけるばかりで、「これが財務官僚機構の実態」と悔しげに書いている。
森友問題だけでなく、加計学園の獣医学部新設、桜を見る会などで公文書の破棄や改ざんが続いている。首相官邸の強い人事権の下で、官僚の忖度(そんたく)が指摘されている。
そうした中で、手記は官僚組織の実態を内部から、しかも改ざんの当事者が書き残しているところに、重大な意味がある。
神戸新聞 2020/03/21
社説:森友改ざん提訴/「真相解明を」の重い願い
----「全てを指示した」と記された佐川氏だけの問題ではない。都合の悪い文書を隠蔽(いんぺい)するため、省ぐるみで虚偽答弁を重ねていたとすれば麻生財務相の責任は免れない。財務省は改めて調査し、改ざんの真相を明らかにする必要がある。
手記では、政権に忖度(そんたく)し公文書改ざんもいとわないとして幹部が複数名指しされている。加計学園問題や「桜を見る会」に通じる構図だ。都合のいい官僚を重用してきた安倍政権の下、モラル崩壊が起きているのではないか。そんな危機感を抱く。
中国新聞 2020/3/20
森友問題、遺族が国提訴 命の叫び受け止めねば
----首相による「桜を見る会」の私物化疑惑や検事長の定年延長問題を巡っても、首相答弁や官邸の意向につじつまを合わせ、公文書をないがしろにするような官僚の言動が後を絶たない。
その出発点はやはり森友学園問題にあるのではないか。決してうやむやにしてはなるまい。
秋田魁新報 2020年3月21日 掲載
社説:森友学園問題 真相解明へ再調査せよ
----財務省が2018年に公表した調査報告書では、佐川氏が改ざんの方向性を決定付けたとしながらも、直接指示したかどうかは明記されず、経緯があいまいだった。だが男性職員の手記は、全てが佐川氏の指示によるものだったと断定している。大きな違いだ。政府はただちに再調査するべきである。
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