2020-06-27(Sat)
リニア、27年開業困難 静岡知事、準備工事認めず
JR側に具体策なく 「切実さ分かっていない」 流域首長、厳しい目 /「JRのツケ」 3兆円融資の政権に誤算
朝日新聞デジタル 2020年6月27日 5時00分
難航するリニア「JRのツケ」 3兆円融資の政権に誤算
----JR東海のリニア中央新幹線の開業が、目標の2027年から遅れる見通しが強まった。総事業費は大阪まで含め9兆円。巨大事業に待ったをかけたのは、環境への悪影響を心配する静岡県や大井川流域の自治体だ。開業を待ち望む沿線や、後押しする政権にも誤算となりかねない。
----静岡県側から見たJR東海への不信も根強い。リニア新幹線が通過する5県で駅がないのは静岡だけ。地元に「メリットがない」(川勝知事)工事を頼む立場なのに丁寧さに欠けるとして、県関係者は「JR東海には『迷惑をかける』という意識がない」とこぼす。政府内でも「上から目線だ」と、JRの姿勢に交渉難航の一因があるとの見方もある。
開業の遅れ、政府にも誤算に
開業が遅れれば、影響は多方面にわたる。起点となる品川や名古屋をはじめ、駅ができる地域では27年をターゲットとして大規模な再開発の計画が相次ぐが、修正を迫られる可能性がある。・・・・遅れれば遅れるだけ、JRは経営体力をそがれることになる。建設にかかる事業費は全額をJR東海が負担する計画だ。品川―名古屋間で約5.5兆円、大阪延伸まで含めると9兆円にのぼるが、工期が長引けば増える可能性は高い。
さらに気がかりなのが、新型コロナウイルスによる旅客への影響だ。JR東海にとっての「ドル箱」の東海道新幹線の収益にも直撃した。6月1~17日の利用者は前年同期比77%減で、緊急事態宣言が解除されても戻りは鈍い。9割減だった4、5月はそれぞれ1千億円強の減収になったという。
利用者の多くは出張などのビジネス客とされ、オンライン会議などが増えることで利用者数が「コロナ前」に戻る保証もない。人口減少も含め、7年以上後に開業するリニア新幹線にどこまでの需要があるのか。3兆円の財政投融資をつぎ込む「国家的」なプロジェクトだけに、開業の遅れは政府にとっても誤算となる。
静岡新聞 (2020/6/27 08:12)
リニア27年開業延期へ 川勝知事とJR社長、物別れ 静岡県庁で初会談
----リニア中央新幹線工事に伴う大井川の流量減少問題で、川勝平太知事とJR東海の金子慎社長による初のトップ会談が26日、県庁で行われた。2027年のリニア開業時期を左右するとしてJRが6月中の同意を県に求めた静岡工区のヤード(作業基地)工事について意見交換したが、一致点は見いだせず、会談は物別れに終わった。JRは来週にも27年開業の延期と計画の見直しを表明する見通しとなった。
静岡新聞 (2020/6/27 08:35)
JR側に具体策なく…流域首長、厳しい目「切実さ分かっていない」 リニアトップ会談
----川勝平太知事とJR東海の金子慎社長の会談は26日、インターネット配信され、大井川流域の市町の首長や利水団体の関係者らが2人の発言を見守った。トップ会談の実現は評価しつつも、ヤード工事の了解を得ようとする金子社長と知事とのすれ違うやりとりに「具体策が示されず進展しなかった」「水問題の重要性は(JRに)伝わっていない」などと厳しい声が上がった。
毎日新聞2020年6月27日 地方版
リニア トップ会談 知事「社長は不誠実」 準備工事同意せず 「水戻せぬ時、考えてない」 /静岡
----未着工のリニア中央新幹線南アルプストンネル静岡工区を巡り、26日に初めて実現した川勝平太知事と金子慎JR東海社長とのトップ会談。会談後の取材に応じた川勝知事は、和やかな会談の雰囲気から一転、金子社長について「不誠実だ」と厳しく批判した。JRが今月中の了解を求めている準備工事にも「とんでもない」と語り、同意しない姿勢を示した
朝日新聞デジタル 2020年6月27日 5時00分
難航するリニア「JRのツケ」 3兆円融資の政権に誤算
----JR東海のリニア中央新幹線の開業が、目標の2027年から遅れる見通しが強まった。総事業費は大阪まで含め9兆円。巨大事業に待ったをかけたのは、環境への悪影響を心配する静岡県や大井川流域の自治体だ。開業を待ち望む沿線や、後押しする政権にも誤算となりかねない。
----静岡県側から見たJR東海への不信も根強い。リニア新幹線が通過する5県で駅がないのは静岡だけ。地元に「メリットがない」(川勝知事)工事を頼む立場なのに丁寧さに欠けるとして、県関係者は「JR東海には『迷惑をかける』という意識がない」とこぼす。政府内でも「上から目線だ」と、JRの姿勢に交渉難航の一因があるとの見方もある。
開業の遅れ、政府にも誤算に
開業が遅れれば、影響は多方面にわたる。起点となる品川や名古屋をはじめ、駅ができる地域では27年をターゲットとして大規模な再開発の計画が相次ぐが、修正を迫られる可能性がある。・・・・遅れれば遅れるだけ、JRは経営体力をそがれることになる。建設にかかる事業費は全額をJR東海が負担する計画だ。品川―名古屋間で約5.5兆円、大阪延伸まで含めると9兆円にのぼるが、工期が長引けば増える可能性は高い。
さらに気がかりなのが、新型コロナウイルスによる旅客への影響だ。JR東海にとっての「ドル箱」の東海道新幹線の収益にも直撃した。6月1~17日の利用者は前年同期比77%減で、緊急事態宣言が解除されても戻りは鈍い。9割減だった4、5月はそれぞれ1千億円強の減収になったという。
利用者の多くは出張などのビジネス客とされ、オンライン会議などが増えることで利用者数が「コロナ前」に戻る保証もない。人口減少も含め、7年以上後に開業するリニア新幹線にどこまでの需要があるのか。3兆円の財政投融資をつぎ込む「国家的」なプロジェクトだけに、開業の遅れは政府にとっても誤算となる。
静岡新聞 (2020/6/27 08:12)
リニア27年開業延期へ 川勝知事とJR社長、物別れ 静岡県庁で初会談
----リニア中央新幹線工事に伴う大井川の流量減少問題で、川勝平太知事とJR東海の金子慎社長による初のトップ会談が26日、県庁で行われた。2027年のリニア開業時期を左右するとしてJRが6月中の同意を県に求めた静岡工区のヤード(作業基地)工事について意見交換したが、一致点は見いだせず、会談は物別れに終わった。JRは来週にも27年開業の延期と計画の見直しを表明する見通しとなった。
静岡新聞 (2020/6/27 08:35)
JR側に具体策なく…流域首長、厳しい目「切実さ分かっていない」 リニアトップ会談
----川勝平太知事とJR東海の金子慎社長の会談は26日、インターネット配信され、大井川流域の市町の首長や利水団体の関係者らが2人の発言を見守った。トップ会談の実現は評価しつつも、ヤード工事の了解を得ようとする金子社長と知事とのすれ違うやりとりに「具体策が示されず進展しなかった」「水問題の重要性は(JRに)伝わっていない」などと厳しい声が上がった。
毎日新聞2020年6月27日 地方版
リニア トップ会談 知事「社長は不誠実」 準備工事同意せず 「水戻せぬ時、考えてない」 /静岡
----未着工のリニア中央新幹線南アルプストンネル静岡工区を巡り、26日に初めて実現した川勝平太知事と金子慎JR東海社長とのトップ会談。会談後の取材に応じた川勝知事は、和やかな会談の雰囲気から一転、金子社長について「不誠実だ」と厳しく批判した。JRが今月中の了解を求めている準備工事にも「とんでもない」と語り、同意しない姿勢を示した