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2020-07-07(Tue)

時代錯誤のリニア再考を ポストコロナ機に工事の中止・再検討を

JR東海は静岡県を見くびり、談合を誘発、県の抵抗を招いた

静岡新聞 2020年7月2日付
時代錯誤のリニア再考を
200702時代錯誤のリニア再考を

Business Journal  2020.07.07 06:00
江川紹子の「事件ウオッチ」第155回
リニア開業延期、真の理由は… 「リニア開業延期」は静岡県が“ゴネた”せいか?地方が犠牲の「地方創生」はあり得ない
---- JR東海は静岡県を見くびっている?
 大井川は、流域の茶畑をはじめとした農業用の水として、あるいは水産加工場など多くの水を使う産業用水として、流域の生活用水として、人々の命を支えている。過去の轍を踏むまい、という静岡県の要求は、決して無理なものではないのではないか。
リニアが、東京や名古屋など大都市圏をますます繁栄させ、日本経済を押し上げていく効果はあるとしても、そのために地方の暮らしを犠牲にしていい、ということにはならない。東京圏に電力を供給していた福島県が、原発事故で大きな損失を被ったような構図を繰り返してはならないだろう。
 国がバックについているという自信もあってか、JR側は水問題についての静岡県の本気度を当初、いささかみくびっていたように思えてならない。工事の遅れが懸念される事態となって、歩み寄りの態度を見せるようになったが、県との対話では、JR側の説明の矛盾が発覚することもあった。
 たとえば、JRが「水は全量大井川に戻す」と言い切った後、県側の追及で、それが不可能と認める事態になった。トンネルの形状は、静岡工区を頂点とし、長野、山梨両工区に向かって下りの傾斜がある。JR側は静岡工区は下り勾配で工事を進めるとしているが、そうすると、工事が完成するまでの間、湧水は長野、山梨両県側へと流出することになり、水の「全量」を大井川に戻すのは無理だ。
----談合を誘発し、県の抵抗を招いたJRに今後求められるのは
・・・・営業中の東海道新幹線の直下を掘って新駅を作る品川、名古屋両ターミナル駅の建設と並び、南アルプストンネルは歴史的な超難工事といわれている。
 JRは、これらの難工事について、事前に特定のゼネコンに工法を研究させ、技術開発も行わせてきた。費用はゼネコン持ち。それを請け負ったゼネコンは、当然工事も受注するつもりでいたところ、実際に業者の選定をする段階になってJR側がとったのは、技術的評価が低い、ほとんど値段のみで業者を選定する方式での指名競争入札だった。このため、事前検討を行ってきたゼネコンが契約を確実にし、技術的な検討を行っていないゼネコンは万が一にもこんな難工事を落札しないよう、各社の担当者が事前に見積もり価格を教え合い、それが談合として刑事事件に発展する事態も起きている。
・・・・国鉄の分割民営化からすでに33年。リニア新幹線は、JR東海となって、初めて自前で建設する新線。建設予定地の地元との交渉、ゼネコンとの付き合い方など、国鉄時代からの鉄道建設のノウハウは伝承されていないのではないか。その一方で、国が後押しし、愛知県を含め周辺自治体が早期開通を切望しているという自信もあり、JR側は自分たちが決めた通りのやり方に、地元自治体もゼネコンも従うだろうと高をくくっていたところはなかったか。このために、談合事件を誘発し、静岡県の抵抗を招いたのではないか。
 私には、今回の事態と談合事件は同根のような気がしてならない。

MAG2NEWS 2020.07.06
マスコミがまったく伝えない「リニア新幹線」人命に関わる大問題
by 小川和久『NEWSを疑え!』



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