2020-10-24(Sat)
大井川とリニア “国策”の舞台裏①~⑤ 「すぐやろう」安倍前首相
南アルプスは今①~④ 南限の植生失う可能性 土砂流入ダム化の恐れ
静岡新聞(2020/10/14 11:30)
【大井川とリニア 第3章 “国策”の舞台裏①】
官邸主導で財投決定 安倍前首相「すぐやろう」
----リニア中央新幹線は総工費9兆3千億円と試算される空前の規模の民間事業だ。国の国土形成計画は、リニア開業を核として東京から大阪までが一つの巨大な都市圏として機能し、国際競争力を高める「スーパー・メガリージョン」構想を描く。国民生活や経済環境を変える巨大なインパクトが予想される一方、重要な意思決定の場面で国民が抱く懸念に十分な配慮があったのか疑問が残る。政策やルート決定の過程を追い、国策の色合いを帯びたリニア計画の舞台裏を検証する。
静岡新聞(2020/10/15 11:30)
【大井川とリニア 第3章 “国策”の舞台裏②】
事務次官、異例の知事訪問 国交省27年開業へ焦り
----「ちょっとよろしいですか、すみません」「ただですね」「ですから」-。7月10日、静岡県庁の知事室。知事の川勝平太と向き合った国土交通省事務次官の藤田耕三は平静を保ちつつ、とうとうと持論を語る川勝に言葉を挟み、リニア工事に向けた言質を取ろうと急いだ。
静岡新聞(2020/10/16 10:55)
【大井川とリニア 第3章 “国策”の舞台裏③】
前のめりの小委員会、環境面の議論深まらず
----国土交通省交通政策審議会中央新幹線小委員会で、リニア中央新幹線の事業主体やルートの審議が始まった2010年3月3日。冒頭、委員長の家田仁(現政策研究大学院大教授)は東海道新幹線を引き合いに「世界に高速鉄道ブームを生んだ国の決断を、世界中の人が着目するだろう」と見えを切った。
静岡新聞 (2020/10/17 11:30)
【大井川とリニア 第3章 “国策”の舞台裏④】
地方創生という大義 期待が先行、衰退懸念も
----多くの人が行き交う名古屋市のJR名古屋駅西口。地下街に向かう入り口のそばに、リニア中央新幹線の新駅建設現場が広がっていた。白い囲いの奥ではいくつもの重機が音を立てている。リニアの駅は地上の名古屋駅と直交する形で、建物10階分に当たる地下30メートルの深さに設置される。
静岡新聞(2020/10/18 11:30)
【大井川とリニア 第3章 “国策”の舞台裏⑤完】
民間事業 政治関与鈍く 国民の理解得る議論を
----リニア中央新幹線の大阪延伸前倒しに向けたJR東海への総額3兆円の財政投融資(財投)投入のため、政府が関連法案を提出した2016年秋の臨時国会。賛否を巡り、与野党の論戦が激しさを増した。
*********************************
静岡新聞(2020/9/28 23:00)
【大井川とリニア 第2章 南アルプスは今①】
千枚岳・荒川三山を歩く 地質が生む貴重な水場
----多彩な動植物が生息し、貴重な自然が登山者を魅了してやまない南アルプス。9月中旬、その山々に抱かれた大井川の源流部を2泊3日で訪れた。地下を貫くリニア中央新幹線のトンネル工事が、豊かな水に育まれた自然に影を落とそうとしている。動植物と登山者の命をつなぐ水場や県による希少植物保護の取り組み、トンネル掘削に向けてJR東海が進めるヤード(作業基地)整備の現場などを取材した。南アルプスの今を伝える。
静岡新聞(2020/9/29 23:15)
【大井川とリニア 第2章 南アルプスは今②】
希少種保護へ奔走 南限の植生失う可能性
----「ここ数十年で、南アルプスの植物群落は急激に消失している」
南アルプスに約400回の登山経験があり、高山植物の調査や保護に奔走している県自然保護課の山崎由晴さん(41)はそう語る。今回の登山で探したのは、紅紫色の花を付けるオオサクラソウ(絶滅危惧種)の種子。県内では千枚岳付近にしか生息が確認されていない。全国分布の南限に当たる。
静岡新聞(2020/9/30 20:00)
【大井川とリニア 第2章 南アルプスは今⓷】
掘削準備どこまで 作業基地工事、雨が阻む
----大井川上流部には、リニア中央新幹線南アルプストンネル工事の拠点となるヤード(作業基地)が3カ所に造られる。その整備の進捗(しんちょく)が2027年を目指すリニアの開業時期を左右するとして、JR東海の金子慎社長が今年6月、川勝平太知事との会談で必要な追加工事を認めるよう要請し、注目を集めた。本格的なトンネル掘削に向け、準備がどこまで進んでいるのか。下山途中、ヤードの建設地に立ち寄ってみた。
静岡新聞(2020/10/1 20:00)
【大井川とリニア 第2章 南アルプスは今④・完】
残土置き場近く 崩落跡 土砂流入ダム化の恐れ
----南アルプス南部に位置する千枚岳。山頂に至る登山道の脇から崖下をのぞき込むと、大規模な斜面崩落を見ることができる。「千枚崩れ」と呼ばれ、専門家が特殊な地質や雨の多さから「日本一崩れやすい」とする南アルプスを象徴する場所の一つだ。
静岡新聞(2020/10/14 11:30)
【大井川とリニア 第3章 “国策”の舞台裏①】
官邸主導で財投決定 安倍前首相「すぐやろう」
----リニア中央新幹線は総工費9兆3千億円と試算される空前の規模の民間事業だ。国の国土形成計画は、リニア開業を核として東京から大阪までが一つの巨大な都市圏として機能し、国際競争力を高める「スーパー・メガリージョン」構想を描く。国民生活や経済環境を変える巨大なインパクトが予想される一方、重要な意思決定の場面で国民が抱く懸念に十分な配慮があったのか疑問が残る。政策やルート決定の過程を追い、国策の色合いを帯びたリニア計画の舞台裏を検証する。
静岡新聞(2020/10/15 11:30)
【大井川とリニア 第3章 “国策”の舞台裏②】
事務次官、異例の知事訪問 国交省27年開業へ焦り
----「ちょっとよろしいですか、すみません」「ただですね」「ですから」-。7月10日、静岡県庁の知事室。知事の川勝平太と向き合った国土交通省事務次官の藤田耕三は平静を保ちつつ、とうとうと持論を語る川勝に言葉を挟み、リニア工事に向けた言質を取ろうと急いだ。
静岡新聞(2020/10/16 10:55)
【大井川とリニア 第3章 “国策”の舞台裏③】
前のめりの小委員会、環境面の議論深まらず
----国土交通省交通政策審議会中央新幹線小委員会で、リニア中央新幹線の事業主体やルートの審議が始まった2010年3月3日。冒頭、委員長の家田仁(現政策研究大学院大教授)は東海道新幹線を引き合いに「世界に高速鉄道ブームを生んだ国の決断を、世界中の人が着目するだろう」と見えを切った。
静岡新聞 (2020/10/17 11:30)
【大井川とリニア 第3章 “国策”の舞台裏④】
地方創生という大義 期待が先行、衰退懸念も
----多くの人が行き交う名古屋市のJR名古屋駅西口。地下街に向かう入り口のそばに、リニア中央新幹線の新駅建設現場が広がっていた。白い囲いの奥ではいくつもの重機が音を立てている。リニアの駅は地上の名古屋駅と直交する形で、建物10階分に当たる地下30メートルの深さに設置される。
静岡新聞(2020/10/18 11:30)
【大井川とリニア 第3章 “国策”の舞台裏⑤完】
民間事業 政治関与鈍く 国民の理解得る議論を
----リニア中央新幹線の大阪延伸前倒しに向けたJR東海への総額3兆円の財政投融資(財投)投入のため、政府が関連法案を提出した2016年秋の臨時国会。賛否を巡り、与野党の論戦が激しさを増した。
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静岡新聞(2020/9/28 23:00)
【大井川とリニア 第2章 南アルプスは今①】
千枚岳・荒川三山を歩く 地質が生む貴重な水場
----多彩な動植物が生息し、貴重な自然が登山者を魅了してやまない南アルプス。9月中旬、その山々に抱かれた大井川の源流部を2泊3日で訪れた。地下を貫くリニア中央新幹線のトンネル工事が、豊かな水に育まれた自然に影を落とそうとしている。動植物と登山者の命をつなぐ水場や県による希少植物保護の取り組み、トンネル掘削に向けてJR東海が進めるヤード(作業基地)整備の現場などを取材した。南アルプスの今を伝える。
静岡新聞(2020/9/29 23:15)
【大井川とリニア 第2章 南アルプスは今②】
希少種保護へ奔走 南限の植生失う可能性
----「ここ数十年で、南アルプスの植物群落は急激に消失している」
南アルプスに約400回の登山経験があり、高山植物の調査や保護に奔走している県自然保護課の山崎由晴さん(41)はそう語る。今回の登山で探したのは、紅紫色の花を付けるオオサクラソウ(絶滅危惧種)の種子。県内では千枚岳付近にしか生息が確認されていない。全国分布の南限に当たる。
静岡新聞(2020/9/30 20:00)
【大井川とリニア 第2章 南アルプスは今⓷】
掘削準備どこまで 作業基地工事、雨が阻む
----大井川上流部には、リニア中央新幹線南アルプストンネル工事の拠点となるヤード(作業基地)が3カ所に造られる。その整備の進捗(しんちょく)が2027年を目指すリニアの開業時期を左右するとして、JR東海の金子慎社長が今年6月、川勝平太知事との会談で必要な追加工事を認めるよう要請し、注目を集めた。本格的なトンネル掘削に向け、準備がどこまで進んでいるのか。下山途中、ヤードの建設地に立ち寄ってみた。
静岡新聞(2020/10/1 20:00)
【大井川とリニア 第2章 南アルプスは今④・完】
残土置き場近く 崩落跡 土砂流入ダム化の恐れ
----南アルプス南部に位置する千枚岳。山頂に至る登山道の脇から崖下をのぞき込むと、大規模な斜面崩落を見ることができる。「千枚崩れ」と呼ばれ、専門家が特殊な地質や雨の多さから「日本一崩れやすい」とする南アルプスを象徴する場所の一つだ。
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