2020-11-20(Fri)
川辺川ダム建設容認 方針転換 根拠は十分か
流域治水をどのように進めるかというビジョンを提示するのが先だ。
毎日新聞2020年11月20日 東京朝刊
社説:川辺川ダム建設容認 方針転換の根拠は十分か
----熊本県の川辺川へのダム建設計画について、同県の蒲島郁夫知事が容認を表明した。
----近年、地球温暖化によって豪雨災害が激しさを増している。このため国は、ダムや堤防だけに頼る治水には限界があるという認識に立ち、「流域治水」という新たな考え方への転換を進めている。
地域ごとに、遊水地の活用や移転の促進、避難計画策定などハード、ソフト両面の対策を組み合わせ、総合力で災害に対応する。球磨川流域についても、素案を策定中だ。
本来なら、流域治水をどのように進めるかというビジョンを提示するのが先だ。そのうえで、ダムは必要か、必要なら役割をどう位置づけるかを検討すべきだ。
ダムの完成には長い年月を要する。豪雨災害が頻発する中、他の治水対策が止まることがあってはならない。
*************************
熊本日日新聞2020/11/20 14:36 (JST)
<速報>川辺川ダム、流水型で建設検討 赤羽国交相
https://this.kiji.is/702392493598196833?c=39546741839462401
----赤羽一嘉国土交通相は20日、計画が中止されている川辺川ダムについて、新たに治水専用の流水型ダムを建設する方向で検討に入ることを明らかにした。同日、面会した蒲島郁夫・熊本県知事が新たなダムの建設を正式に要請。赤羽国交相が「スピード感を持って検討に入る」と答えた。
毎日新聞2020年11月19日 20時40分(最終更新 11月19日 20時40分)
「安心のため必要」「まず生活再建を」 川辺川ダム復活、揺れる住民
----「よく決断してくれた」「日本一の清流が失われる」――。7月の九州豪雨で氾濫し大きな被害をもたらした球磨川の治水対策として、熊本県の蒲島郁夫知事が出した結論は2008年に自らが「白紙撤回」した川辺川ダム計画の復活だった。県議会で19日にダム建設容認を表明した知事は、賛否を巡り長年にわたって地域を二分した「対立の歴史に決着をつける」と語ったが、流域住民の思いは複雑だ。
朝日新聞デジタル2020年11月19日 11時29分
相次ぐ災害でダム建設加速か 再び動き出す巨大公共事業
----7月の記録的豪雨で氾濫(はんらん)した熊本県南部の球磨(くま)川の治水対策をめぐり、蒲島郁夫知事が19日、支流の川辺川へのダム建設を国に求めると表明した。2008年に知事自ら「白紙撤回」した巨大公共事業が、再び動き出す可能性が出てきた。旧民主党政権ではダム計画の必要性が見直されたが、多くが復活・継続しており、相次ぐ豪雨災害でその流れが加速する可能性もある。
毎日新聞2020年11月11日 東京朝刊
記者の目:川辺川ダム計画復活の動き 豪雨への初動、検証が先=平川昌範(西部報道部)
----7月の九州豪雨で氾濫した熊本県南部の球磨(くま)川の治水対策として、ダム計画復活の動きが加速している。国土交通省は10月、2009年に計画が中止になった支流の川辺川ダムが仮に建設されていれば被害は軽減されたとの推計を示した。08年に計画を「白紙撤回」した熊本県の蒲島郁夫知事も近く、ダム容認の意向を表明するとみられているが、住民への避難の呼びかけなど当時の関係機関の対応に問題がなかったのか十分に検証しないまま、ダムの効果ばかり強調する国や県などの姿勢には疑問を禁じ得ない。
毎日新聞2020年11月20日 東京朝刊
社説:川辺川ダム建設容認 方針転換の根拠は十分か
----熊本県の川辺川へのダム建設計画について、同県の蒲島郁夫知事が容認を表明した。
----近年、地球温暖化によって豪雨災害が激しさを増している。このため国は、ダムや堤防だけに頼る治水には限界があるという認識に立ち、「流域治水」という新たな考え方への転換を進めている。
地域ごとに、遊水地の活用や移転の促進、避難計画策定などハード、ソフト両面の対策を組み合わせ、総合力で災害に対応する。球磨川流域についても、素案を策定中だ。
本来なら、流域治水をどのように進めるかというビジョンを提示するのが先だ。そのうえで、ダムは必要か、必要なら役割をどう位置づけるかを検討すべきだ。
ダムの完成には長い年月を要する。豪雨災害が頻発する中、他の治水対策が止まることがあってはならない。
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熊本日日新聞2020/11/20 14:36 (JST)
<速報>川辺川ダム、流水型で建設検討 赤羽国交相
https://this.kiji.is/702392493598196833?c=39546741839462401
----赤羽一嘉国土交通相は20日、計画が中止されている川辺川ダムについて、新たに治水専用の流水型ダムを建設する方向で検討に入ることを明らかにした。同日、面会した蒲島郁夫・熊本県知事が新たなダムの建設を正式に要請。赤羽国交相が「スピード感を持って検討に入る」と答えた。
毎日新聞2020年11月19日 20時40分(最終更新 11月19日 20時40分)
「安心のため必要」「まず生活再建を」 川辺川ダム復活、揺れる住民
----「よく決断してくれた」「日本一の清流が失われる」――。7月の九州豪雨で氾濫し大きな被害をもたらした球磨川の治水対策として、熊本県の蒲島郁夫知事が出した結論は2008年に自らが「白紙撤回」した川辺川ダム計画の復活だった。県議会で19日にダム建設容認を表明した知事は、賛否を巡り長年にわたって地域を二分した「対立の歴史に決着をつける」と語ったが、流域住民の思いは複雑だ。
朝日新聞デジタル2020年11月19日 11時29分
相次ぐ災害でダム建設加速か 再び動き出す巨大公共事業
----7月の記録的豪雨で氾濫(はんらん)した熊本県南部の球磨(くま)川の治水対策をめぐり、蒲島郁夫知事が19日、支流の川辺川へのダム建設を国に求めると表明した。2008年に知事自ら「白紙撤回」した巨大公共事業が、再び動き出す可能性が出てきた。旧民主党政権ではダム計画の必要性が見直されたが、多くが復活・継続しており、相次ぐ豪雨災害でその流れが加速する可能性もある。
毎日新聞2020年11月11日 東京朝刊
記者の目:川辺川ダム計画復活の動き 豪雨への初動、検証が先=平川昌範(西部報道部)
----7月の九州豪雨で氾濫した熊本県南部の球磨(くま)川の治水対策として、ダム計画復活の動きが加速している。国土交通省は10月、2009年に計画が中止になった支流の川辺川ダムが仮に建設されていれば被害は軽減されたとの推計を示した。08年に計画を「白紙撤回」した熊本県の蒲島郁夫知事も近く、ダム容認の意向を表明するとみられているが、住民への避難の呼びかけなど当時の関係機関の対応に問題がなかったのか十分に検証しないまま、ダムの効果ばかり強調する国や県などの姿勢には疑問を禁じ得ない。