2021-11-04(Thu)
京王線刺傷事件 車内の安全確保を急げ
乗客の避難手順を再点検せよ 鉄道事業者と再発防止の検討会議
朝日新聞デジタル 2021年11月4日 5時00分
(社説)京王線事件 想定尽くして安全図れ
----走行中の列車の中で、また乗客が無差別に襲われた。今後もいつ、どこで同様の凶行が起きるかわからない。鉄道各社と国土交通省は知見を共有し、様々なケースを想定しながら対策を練って、利用者の安全確保に全力を挙げてほしい。
・・・国交省と鉄道各社が検討し、同様のケースでは「ずれ」があっても開扉することを決めた。思わぬ事態が起きたとき、その場で最適な行動をとるのがいかに困難かを示す話だ。
こうした事件の発生をいち早く覚知する有効な手段が、車内の防犯カメラだ。だが設置状況は鉄道会社によってまちまちで、今回の車両にはなかった。導入済みの会社は、乗客のプライバシーに配慮し、運行を見守る指令所に限って見られるようにするなどしている。これも適切なルール作りが必要だ。
・・・相次ぐ事件を受けて国交省は、警備巡回の強化などを改めて各社に要請した。凶行を未然に防ぐ策はもちろん大事だが、不特定多数が利用する鉄道で完全に封じ込めるのは極めて難しい。非常時の対処についてマニュアルを整え、訓練を重ね、乗客にも内容を周知することで被害を抑えたい。
読売新聞 2021/11/03 05:00
社説:京王線刺傷放火 乗客の避難手順を再点検せよ
----乗務員は乗客がホームに転落しないよう、車両のドアもホームドアも開けないと判断した。乗客は窓を開け、ホームドアを乗り越えて車外に脱出した。高齢者や女性には容易ではなかっただろう。
非常時のために備えられた装置が、肝心の場面で有効に機能しなかったことになる。乗客を避難誘導する駅員の配置や緊急時の対応に問題はなかったのか。
京王電鉄は、事件を徹底検証することが不可欠である。他の鉄道会社も有事の際に乗客を避難させる手順を改めて確認すべきだ。
日本経済新聞 2021年11月2日 19:00
[社説]鉄道車内の安全確保を急げ
----セキュリティー強化には限界がある。梱包していない刃物の持ち込みを禁じる規定はあるが、実際にはほぼノーチェックである。大勢の乗客が頻繁に乗り降りするなかで、航空機搭乗時のような厳格な手荷物検査を実施するのは現実的ではない。
まずは車両や駅構内の防犯カメラ増設、警備員の巡回強化など、従前の対策を着実に強化するほかない。監視の「目」を増やすことで、凶行を踏みとどまらせる効果も、ある程度は期待できる。
被害を最小限に防ぐため、警察などと連携して事件時の対処を訓練しておく備えも欠かせない。乗客自身も緊急時にどう行動するか、日ごろから意識すべきだ。
北海道新聞 2021/11/03 08:43 更新
社説:列車内の凶行 安全対策検討が急務だ
----先端技術による監視には国民のプライバシー侵害や誤認などの恐れがつきまとう。
どんな対策が可能で、どこまでが社会的に許容できるかについて国、鉄道会社、識者らが知恵を持ち寄り、効果のある警備体制を探らなければなるまい。
乗務員が車内の様子を把握できなかったり、駅で停車位置がずれたため乗務員が電車の扉とホームドアを開けず乗客が窓から外に逃げるといった問題も起きた。
国交省と京王は、他の鉄道事業者が教訓にできるよう、事件の対応を早急に検証してほしい。
信濃毎日新聞 2021/11/04 09:16
〈社説〉電車内の襲撃 乗客をどう守っていくか
----京王線のように不特定多数の乗客が気軽に利用する路線においては、手荷物検査は現実的ではないだろう。利便性と安全性の両立は容易でない。
今回の事件では、運転士が異変に気付いて電車が最寄りの駅に緊急停車した後、ドアが開かず、乗客たちは窓から身を乗り出して次々に脱出した。
停止位置が本来の場所とずれたため、ホームとの隙間に転落する恐れがあると判断し、ドアをすぐには開けなかったという。
10両編成の8両目にいた男は、男性を刺した後、6両目まで移動して9両目に戻るなど、車内をうろついていた。火災もあり、脱出は一刻を争う状況だった。
現場の乗務員らに対応を任せるしかない非常時、被害を防ぐにはどんな対応が有効か。検証し、課題を整理する必要がある。
京都新聞 2021年11月3日 16:05
社説:京王線刺傷事件 乗客避難策の検証要る
----今回の事件では、乗客の避難に課題が浮かび上がっている。
京王電鉄によると、事件発生時、車内の複数の非常通報ボタンが押され、運転士は本来通過する駅に緊急停車した。
だが、通常の停車位置とずれた上、車両とホームのドアが開かず、乗客の一部は窓の隙間から柵を乗り越えて脱出した。
同社は「乗客が線路に転落する危険があり、すぐにドアを開ける判断をしなかった」と説明している。
無差別な襲撃や出火で、乗客が危険な状況だったことが把握できていたのだろうか。判断が妥当だったか検証する必要があろう。
*********************************
TBSニュース 2021年11月2日 19時46分
鉄道事業者と再発防止の検討会議
----京王線の刺傷事件を受けて、国土交通省はJR各社や大手私鉄と緊急会議を行い、列車内で複数の非常装置が押された場合、緊急事態として速やかに停止することなどを指示しました。
毎日新聞 2021/11/2 20:31(最終更新 11/2 20:31)
「ホームドアとズレてもドア開放を」 国交省、鉄道各社に指示
----国交省は車内で複数の非常装置が押された場合、状況が分からなくても緊急事態と判断し、列車を速やかに停車させることを求めた。また、緊急停車時にホームドアと列車のドアの位置がずれた場合であっても、双方のドアを開けて乗客を安全に誘導・救出することを基本とするよう鉄道各社に指示した。
朝日新聞デジタル 2021年11月4日 5時00分
(社説)京王線事件 想定尽くして安全図れ
----走行中の列車の中で、また乗客が無差別に襲われた。今後もいつ、どこで同様の凶行が起きるかわからない。鉄道各社と国土交通省は知見を共有し、様々なケースを想定しながら対策を練って、利用者の安全確保に全力を挙げてほしい。
・・・国交省と鉄道各社が検討し、同様のケースでは「ずれ」があっても開扉することを決めた。思わぬ事態が起きたとき、その場で最適な行動をとるのがいかに困難かを示す話だ。
こうした事件の発生をいち早く覚知する有効な手段が、車内の防犯カメラだ。だが設置状況は鉄道会社によってまちまちで、今回の車両にはなかった。導入済みの会社は、乗客のプライバシーに配慮し、運行を見守る指令所に限って見られるようにするなどしている。これも適切なルール作りが必要だ。
・・・相次ぐ事件を受けて国交省は、警備巡回の強化などを改めて各社に要請した。凶行を未然に防ぐ策はもちろん大事だが、不特定多数が利用する鉄道で完全に封じ込めるのは極めて難しい。非常時の対処についてマニュアルを整え、訓練を重ね、乗客にも内容を周知することで被害を抑えたい。
読売新聞 2021/11/03 05:00
社説:京王線刺傷放火 乗客の避難手順を再点検せよ
----乗務員は乗客がホームに転落しないよう、車両のドアもホームドアも開けないと判断した。乗客は窓を開け、ホームドアを乗り越えて車外に脱出した。高齢者や女性には容易ではなかっただろう。
非常時のために備えられた装置が、肝心の場面で有効に機能しなかったことになる。乗客を避難誘導する駅員の配置や緊急時の対応に問題はなかったのか。
京王電鉄は、事件を徹底検証することが不可欠である。他の鉄道会社も有事の際に乗客を避難させる手順を改めて確認すべきだ。
日本経済新聞 2021年11月2日 19:00
[社説]鉄道車内の安全確保を急げ
----セキュリティー強化には限界がある。梱包していない刃物の持ち込みを禁じる規定はあるが、実際にはほぼノーチェックである。大勢の乗客が頻繁に乗り降りするなかで、航空機搭乗時のような厳格な手荷物検査を実施するのは現実的ではない。
まずは車両や駅構内の防犯カメラ増設、警備員の巡回強化など、従前の対策を着実に強化するほかない。監視の「目」を増やすことで、凶行を踏みとどまらせる効果も、ある程度は期待できる。
被害を最小限に防ぐため、警察などと連携して事件時の対処を訓練しておく備えも欠かせない。乗客自身も緊急時にどう行動するか、日ごろから意識すべきだ。
北海道新聞 2021/11/03 08:43 更新
社説:列車内の凶行 安全対策検討が急務だ
----先端技術による監視には国民のプライバシー侵害や誤認などの恐れがつきまとう。
どんな対策が可能で、どこまでが社会的に許容できるかについて国、鉄道会社、識者らが知恵を持ち寄り、効果のある警備体制を探らなければなるまい。
乗務員が車内の様子を把握できなかったり、駅で停車位置がずれたため乗務員が電車の扉とホームドアを開けず乗客が窓から外に逃げるといった問題も起きた。
国交省と京王は、他の鉄道事業者が教訓にできるよう、事件の対応を早急に検証してほしい。
信濃毎日新聞 2021/11/04 09:16
〈社説〉電車内の襲撃 乗客をどう守っていくか
----京王線のように不特定多数の乗客が気軽に利用する路線においては、手荷物検査は現実的ではないだろう。利便性と安全性の両立は容易でない。
今回の事件では、運転士が異変に気付いて電車が最寄りの駅に緊急停車した後、ドアが開かず、乗客たちは窓から身を乗り出して次々に脱出した。
停止位置が本来の場所とずれたため、ホームとの隙間に転落する恐れがあると判断し、ドアをすぐには開けなかったという。
10両編成の8両目にいた男は、男性を刺した後、6両目まで移動して9両目に戻るなど、車内をうろついていた。火災もあり、脱出は一刻を争う状況だった。
現場の乗務員らに対応を任せるしかない非常時、被害を防ぐにはどんな対応が有効か。検証し、課題を整理する必要がある。
京都新聞 2021年11月3日 16:05
社説:京王線刺傷事件 乗客避難策の検証要る
----今回の事件では、乗客の避難に課題が浮かび上がっている。
京王電鉄によると、事件発生時、車内の複数の非常通報ボタンが押され、運転士は本来通過する駅に緊急停車した。
だが、通常の停車位置とずれた上、車両とホームのドアが開かず、乗客の一部は窓の隙間から柵を乗り越えて脱出した。
同社は「乗客が線路に転落する危険があり、すぐにドアを開ける判断をしなかった」と説明している。
無差別な襲撃や出火で、乗客が危険な状況だったことが把握できていたのだろうか。判断が妥当だったか検証する必要があろう。
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TBSニュース 2021年11月2日 19時46分
鉄道事業者と再発防止の検討会議
----京王線の刺傷事件を受けて、国土交通省はJR各社や大手私鉄と緊急会議を行い、列車内で複数の非常装置が押された場合、緊急事態として速やかに停止することなどを指示しました。
毎日新聞 2021/11/2 20:31(最終更新 11/2 20:31)
「ホームドアとズレてもドア開放を」 国交省、鉄道各社に指示
----国交省は車内で複数の非常装置が押された場合、状況が分からなくても緊急事態と判断し、列車を速やかに停車させることを求めた。また、緊急停車時にホームドアと列車のドアの位置がずれた場合であっても、双方のドアを開けて乗客を安全に誘導・救出することを基本とするよう鉄道各社に指示した。