2021-11-28(Sun)
デジタル田園都市国家構想 新自由主義からの転換の嘘
竹中平蔵氏が居座わる GAFAをパートナーにしたスーパーシティを地方からつくるもの
都市と地方の差を縮めるどころか、大都市圏集中を加速させる 安倍政権の地方創生と代わり映えせず
日本経済新聞 2021年11月25日 19:05
[社説]コロナ後の国土像描く「田園都市国家」に
----岸田文雄首相が重点政策に位置づける「デジタル田園都市国家構想」の議論が始まった。地方のデジタル基盤を整えることで、過疎化や高齢化といった地方の課題を解決し、都市と地方の差を縮めることをめざすという。
私たちは新型コロナウイルス下で地方への関心が芽生えたのを機に、東京に過度に集中する人口を地方に分散させるべきだと主張してきた。これを後押しするため、コロナ後の都市と地方はどのようなバランスが望ましいのか、国土の将来像を描く機会にすべきだ。
その点でみると、政府の議論は心もとない。論点として挙がるのは、デジタル化による雇用や交通の確保、デジタル人材の育成、デジタル基盤の整備などだ。これではデジタルを加味しただけで地方創生と代わり映えせず、看板の掛け替えといわざるをえない。
朝日新聞デジタル 2021年11月12日 8時20分
首相肝いり、デジタル田園都市国家構想 その実効性は
----「デジタル田園都市国家構想実現会議」。岸田文雄首相は成長戦略の主要な柱に掲げており、年内に具体的な施策の全体像を示し、来春にも構想を取りまとめるという。ただ、安倍・菅政権が推し進めた「地方創生」の看板の掛け替えという見方もあり、実効性が問われそうだ。
----新自由主義からの転換を持論とする首相だが、会議の構成員には、「小泉構造改革」の旗振り役で安倍・菅政権でも重用された慶応大名誉教授の竹中平蔵氏が名を連ねた。首相周辺は「新しい資本主義実現会議のメンバーだって6割は成長派だ。排除はしない」と説明する。
日刊ゲンダイDIGITAL 公開日:2021/11/12 17:00 更新日:2021/11/12 17:00
新自由主義からの転換の嘘 まだ竹中平蔵氏が居座っている
新自由主義の権化(竹中平蔵氏)/(C)日刊ゲンダイ拡大する
----先進的なデジタル技術によって地方活性化を目指す「デジタル田園都市構想」。その実現会議の初会合が11日午前、首相官邸で開かれた。岸田首相が冒頭のように意気込みを語る中、ある光景に驚いた。NHKの昼のニュースが映し出したのは、14人の有識者メンバーの席で真ん中にドンと座っていた竹中平蔵氏。慶大名誉教授(経済学)であり、人材派遣会社のパソナグループ取締役会長だ。
・・・スーパーシティもスマートシティも交通、ビジネス、エネルギー、オフィス、医療、行政などを「5G」でつなぎ、あらゆる都市機能がデジタル化された街だ。大手銀行、石油会社、保険会社にコンサルティング企業、巨大製薬企業に加え、GAFAのような米系巨大IT企業や中国のファーウェイなどが官民連携で自治体のパートナーとなる。岸田政権のデジタル田園都市構想とは、まず地方からスーパーシティをつくり上げていく方針と受け止めればいい。
都市と地方の差を縮めるどころか、大都市圏集中を加速させる 安倍政権の地方創生と代わり映えせず
日本経済新聞 2021年11月25日 19:05
[社説]コロナ後の国土像描く「田園都市国家」に
----岸田文雄首相が重点政策に位置づける「デジタル田園都市国家構想」の議論が始まった。地方のデジタル基盤を整えることで、過疎化や高齢化といった地方の課題を解決し、都市と地方の差を縮めることをめざすという。
私たちは新型コロナウイルス下で地方への関心が芽生えたのを機に、東京に過度に集中する人口を地方に分散させるべきだと主張してきた。これを後押しするため、コロナ後の都市と地方はどのようなバランスが望ましいのか、国土の将来像を描く機会にすべきだ。
その点でみると、政府の議論は心もとない。論点として挙がるのは、デジタル化による雇用や交通の確保、デジタル人材の育成、デジタル基盤の整備などだ。これではデジタルを加味しただけで地方創生と代わり映えせず、看板の掛け替えといわざるをえない。
朝日新聞デジタル 2021年11月12日 8時20分
首相肝いり、デジタル田園都市国家構想 その実効性は
----「デジタル田園都市国家構想実現会議」。岸田文雄首相は成長戦略の主要な柱に掲げており、年内に具体的な施策の全体像を示し、来春にも構想を取りまとめるという。ただ、安倍・菅政権が推し進めた「地方創生」の看板の掛け替えという見方もあり、実効性が問われそうだ。
----新自由主義からの転換を持論とする首相だが、会議の構成員には、「小泉構造改革」の旗振り役で安倍・菅政権でも重用された慶応大名誉教授の竹中平蔵氏が名を連ねた。首相周辺は「新しい資本主義実現会議のメンバーだって6割は成長派だ。排除はしない」と説明する。
日刊ゲンダイDIGITAL 公開日:2021/11/12 17:00 更新日:2021/11/12 17:00
新自由主義からの転換の嘘 まだ竹中平蔵氏が居座っている
新自由主義の権化(竹中平蔵氏)/(C)日刊ゲンダイ拡大する
----先進的なデジタル技術によって地方活性化を目指す「デジタル田園都市構想」。その実現会議の初会合が11日午前、首相官邸で開かれた。岸田首相が冒頭のように意気込みを語る中、ある光景に驚いた。NHKの昼のニュースが映し出したのは、14人の有識者メンバーの席で真ん中にドンと座っていた竹中平蔵氏。慶大名誉教授(経済学)であり、人材派遣会社のパソナグループ取締役会長だ。
・・・スーパーシティもスマートシティも交通、ビジネス、エネルギー、オフィス、医療、行政などを「5G」でつなぎ、あらゆる都市機能がデジタル化された街だ。大手銀行、石油会社、保険会社にコンサルティング企業、巨大製薬企業に加え、GAFAのような米系巨大IT企業や中国のファーウェイなどが官民連携で自治体のパートナーとなる。岸田政権のデジタル田園都市構想とは、まず地方からスーパーシティをつくり上げていく方針と受け止めればいい。