2022-11-30(Wed)
森友文書改ざん判決 赤木さんの訴え棄却 「森友」を終わらせない
森友解明は国会の責務だ 真相究明の道閉ざすな 幕引きを追認するのか
朝日新聞デジタル 2022年11月26日 5時00分
(社説)赤木さんの訴え 「森友」を終わらせない
----真相はいまも闇の中だ。民主主義の根幹をゆるがせてきた森友学園問題を、過去の話として忘れるわけにはいかない。
公文書改ざんに加担させられたことを苦に自死した財務省近畿財務局の元職員、赤木俊夫さん(当時54)の妻雅子さんが、佐川宣寿(のぶひさ)・元同省理財局長を訴えた損害賠償訴訟で、大阪地裁は雅子さんの請求を棄却した。
財務省の調査で「改ざんの方向性を決定づけた」とされたのが佐川氏だ。雅子さんは「真実を知りたい」として国と佐川氏を訴えたが、国は昨年末、訴えを全て認める「認諾」を突如表明。本格的な審理に入らないまま裁判を終わらせた。関係者への証人尋問の機会を奪い、法に規定がある求償も佐川氏に対してしないという国の姿勢には、改めて怒りを禁じ得ない。
毎日新聞 2022/11/29 東京朝刊
社説:赤木さんの訴え棄却 森友解明は国会の責務だ
----森友学園への国有地売却を巡る財務省の文書改ざんはなぜ起きたのか。司法の場での解明には限界があることを見せつけた。
改ざんを強いられ、自ら命を絶った近畿財務局職員、赤木俊夫さんの妻雅子さんが佐川宣寿(のぶひさ)元理財局長に損害賠償を求めた訴訟で、大阪地裁は訴えを棄却した。
判決は、財務省の調査報告書に基づき、改ざんが組織的に行われ、佐川氏が方向性を決定付けたことは認めた。しかし、国家公務員の職務中の行為については、個人ではなく国が賠償責任を負うとの判例に沿った判断を示した。
雅子さんが求めた佐川氏の尋問は認められず、改ざんの動機や経緯は明らかにされなかった。
そもそも、なぜ国有地が破格の安値で売却され、公文書の改ざんが行われたのかという二つの大きな疑問は残ったままだ。
東京新聞 2022年11月26日 08時01分
<社説>赤木さん裁判 真相究明の道閉ざすな
----森友学園を巡る財務省の公文書改ざんにより自殺した元職員の遺族が起こした訴訟で、大阪地裁は佐川宣寿元国税庁長官に損害賠償を認めなかった。政府や高官の暗部を闇に葬ってはいけない。
公文書改ざん問題の本質は、民主主義、法治主義の国でありながら、国民がどんな手段を使っても、権力がひた隠す闇の実態に迫ることができないことだ。
それが財務省の公文書改ざんの真相を突き止めようとする元職員・故赤木俊夫さんの妻・雅子さんの行動から明らかになったといえる。
北海道新聞 2022/11/26 05:00
<社説>森友改ざん判決 真相究明にはほど遠い
----森友学園に関する財務省の決裁文書改ざんを苦に自殺した近畿財務局の元職員赤木俊夫さんの妻雅子さんが佐川宣寿元国税庁長官に損害賠償を求めた訴訟の判決で、大阪地裁が請求を棄却した。
雅子さんは「真相を知りたい」として、裁判で改ざんを主導したとされる佐川氏と財務省職員の証人尋問を求めていた。しかし、大阪地裁は尋問を認めず、裁判を終結した。
判決は財務省の報告書に沿う形で、佐川氏が改ざんの方向性を決定づけたと認定したとはいえ、佐川氏が具体的にどう関与したかは分からずじまいである。
真相究明に及び腰の司法の姿勢があらわになったと言うほかない。このまま疑惑を闇に葬ってはならない。国会の証人喚問などで解明を続け、佐川氏は自ら真実を語るべきだ。
河北新報 2022年11月26日 10:08
社説:森友文書訴訟 原告敗訴 真相究明、司法の限界示した
----夫の死の真相を知りたいという妻の悲痛な願いは、司法の高い壁に阻まれた。
森友学園を巡る財務省の決裁文書改ざんを苦に2018年に自殺した近畿財務局の元職員赤木俊夫さん=当時(54)=の妻雅子さんが、改ざんを主導したとされる佐川宣寿元国税庁長官に1650万円の損害賠償を求めた訴訟で、大阪地裁はきのう、原告の請求を棄却した。
焦点だった佐川氏の責任に関しては「公務員個人が職務で他人に損害を加えた時は国が賠償責任を負う」という国家賠償法の規定を適用し、過去の最高裁判断を踏襲した。
だが、雅子さんが裁判で求めたのは、俊夫さんが自殺に至った原因と経緯や、誰の指示に基づいてどのような改ざんが行われたのかの詳細を、国が公の場で説明することだった。
京都新聞 2022年11月29日 16:05
社説:文書改ざん判決 幕引きを追認するのか
----国民のための仕事に誇りを持ってきた公務員が、なぜ死に追いやられたのか。真相を知りたいという願いは届かないままだ。
森友学園に関する財務省の決裁文書改ざんを巡る訴訟で、大阪地裁は、自殺した近畿財務局の元職員赤木俊夫さんの妻雅子さんの訴えを退けた。
判決は、組織的な改ざんを認定する一方、同省が調査報告書で「改ざんの方向性を決定付けた」とした佐川宣寿元国税庁長官の個人としての賠償責任を否定した。国家賠償法の「公務員個人が職務で損害を加えた時は国が賠償責任を負う」との規定をそのまま適用した形だ。
裁判では佐川氏らの尋問を認めず、改ざんと自殺の因果関係にも触れなかった。省ぐるみの改ざんの「説明逃れ」を許すような形式的な判断ではないか。
「裁判所は何のためにあるの」と雅子さんはうめいた。事実解明の望みを託した思いに向き合わない司法の姿勢は極めて残念だ。
中国新聞 2022/11/27(最終更新: 2022/11/27)
社説:森友文書改ざん訴訟判決 真相解明なぜ阻むのか
----森友学園問題を巡る財務省を挙げての公文書改ざんは、なぜ起きたのか。法廷でも肝心な真相は明らかにならなかった。
改ざんを苦に自殺した近畿財務局の元職員赤木俊夫さんの妻雅子さんが当時の理財局長、佐川宣寿氏に損害賠償を求めた訴訟の判決で、大阪地裁の中尾彰裁判長は請求を棄却した。
判決は財務省の調査報告書をなぞり、佐川氏が改ざんを主導し、「問題行為の全般について責任を免れない」と認定した。
その一方で、国家賠償法や最高裁判例を踏襲して佐川氏個人の賠償責任を否定。自殺との因果関係にも言及しなかった。
「真実を知りたい」。雅子さんの問いに答えは出なかった。結果として解明を阻む手助けをした判断と言わざるを得ない。
*********************************
NHK 2022年11月25日 19時27分 森友学園問題
財務省文書改ざん 裁判所 元局長の賠償責任認めず 原告控訴へ
----財務省の決裁文書の改ざんに関与させられ自殺した近畿財務局の男性職員の妻が、「夫の死の真実が知りたい」と訴えて佐川元理財局長に賠償を求めた民事裁判で、大阪地方裁判所は元局長個人の賠償責任を否定したうえで「説明や謝罪をする法的義務もない」として訴えを退けました。
朝日新聞デジタル 2022年11月26日 5時00分
(社説)赤木さんの訴え 「森友」を終わらせない
----真相はいまも闇の中だ。民主主義の根幹をゆるがせてきた森友学園問題を、過去の話として忘れるわけにはいかない。
公文書改ざんに加担させられたことを苦に自死した財務省近畿財務局の元職員、赤木俊夫さん(当時54)の妻雅子さんが、佐川宣寿(のぶひさ)・元同省理財局長を訴えた損害賠償訴訟で、大阪地裁は雅子さんの請求を棄却した。
財務省の調査で「改ざんの方向性を決定づけた」とされたのが佐川氏だ。雅子さんは「真実を知りたい」として国と佐川氏を訴えたが、国は昨年末、訴えを全て認める「認諾」を突如表明。本格的な審理に入らないまま裁判を終わらせた。関係者への証人尋問の機会を奪い、法に規定がある求償も佐川氏に対してしないという国の姿勢には、改めて怒りを禁じ得ない。
毎日新聞 2022/11/29 東京朝刊
社説:赤木さんの訴え棄却 森友解明は国会の責務だ
----森友学園への国有地売却を巡る財務省の文書改ざんはなぜ起きたのか。司法の場での解明には限界があることを見せつけた。
改ざんを強いられ、自ら命を絶った近畿財務局職員、赤木俊夫さんの妻雅子さんが佐川宣寿(のぶひさ)元理財局長に損害賠償を求めた訴訟で、大阪地裁は訴えを棄却した。
判決は、財務省の調査報告書に基づき、改ざんが組織的に行われ、佐川氏が方向性を決定付けたことは認めた。しかし、国家公務員の職務中の行為については、個人ではなく国が賠償責任を負うとの判例に沿った判断を示した。
雅子さんが求めた佐川氏の尋問は認められず、改ざんの動機や経緯は明らかにされなかった。
そもそも、なぜ国有地が破格の安値で売却され、公文書の改ざんが行われたのかという二つの大きな疑問は残ったままだ。
東京新聞 2022年11月26日 08時01分
<社説>赤木さん裁判 真相究明の道閉ざすな
----森友学園を巡る財務省の公文書改ざんにより自殺した元職員の遺族が起こした訴訟で、大阪地裁は佐川宣寿元国税庁長官に損害賠償を認めなかった。政府や高官の暗部を闇に葬ってはいけない。
公文書改ざん問題の本質は、民主主義、法治主義の国でありながら、国民がどんな手段を使っても、権力がひた隠す闇の実態に迫ることができないことだ。
それが財務省の公文書改ざんの真相を突き止めようとする元職員・故赤木俊夫さんの妻・雅子さんの行動から明らかになったといえる。
北海道新聞 2022/11/26 05:00
<社説>森友改ざん判決 真相究明にはほど遠い
----森友学園に関する財務省の決裁文書改ざんを苦に自殺した近畿財務局の元職員赤木俊夫さんの妻雅子さんが佐川宣寿元国税庁長官に損害賠償を求めた訴訟の判決で、大阪地裁が請求を棄却した。
雅子さんは「真相を知りたい」として、裁判で改ざんを主導したとされる佐川氏と財務省職員の証人尋問を求めていた。しかし、大阪地裁は尋問を認めず、裁判を終結した。
判決は財務省の報告書に沿う形で、佐川氏が改ざんの方向性を決定づけたと認定したとはいえ、佐川氏が具体的にどう関与したかは分からずじまいである。
真相究明に及び腰の司法の姿勢があらわになったと言うほかない。このまま疑惑を闇に葬ってはならない。国会の証人喚問などで解明を続け、佐川氏は自ら真実を語るべきだ。
河北新報 2022年11月26日 10:08
社説:森友文書訴訟 原告敗訴 真相究明、司法の限界示した
----夫の死の真相を知りたいという妻の悲痛な願いは、司法の高い壁に阻まれた。
森友学園を巡る財務省の決裁文書改ざんを苦に2018年に自殺した近畿財務局の元職員赤木俊夫さん=当時(54)=の妻雅子さんが、改ざんを主導したとされる佐川宣寿元国税庁長官に1650万円の損害賠償を求めた訴訟で、大阪地裁はきのう、原告の請求を棄却した。
焦点だった佐川氏の責任に関しては「公務員個人が職務で他人に損害を加えた時は国が賠償責任を負う」という国家賠償法の規定を適用し、過去の最高裁判断を踏襲した。
だが、雅子さんが裁判で求めたのは、俊夫さんが自殺に至った原因と経緯や、誰の指示に基づいてどのような改ざんが行われたのかの詳細を、国が公の場で説明することだった。
京都新聞 2022年11月29日 16:05
社説:文書改ざん判決 幕引きを追認するのか
----国民のための仕事に誇りを持ってきた公務員が、なぜ死に追いやられたのか。真相を知りたいという願いは届かないままだ。
森友学園に関する財務省の決裁文書改ざんを巡る訴訟で、大阪地裁は、自殺した近畿財務局の元職員赤木俊夫さんの妻雅子さんの訴えを退けた。
判決は、組織的な改ざんを認定する一方、同省が調査報告書で「改ざんの方向性を決定付けた」とした佐川宣寿元国税庁長官の個人としての賠償責任を否定した。国家賠償法の「公務員個人が職務で損害を加えた時は国が賠償責任を負う」との規定をそのまま適用した形だ。
裁判では佐川氏らの尋問を認めず、改ざんと自殺の因果関係にも触れなかった。省ぐるみの改ざんの「説明逃れ」を許すような形式的な判断ではないか。
「裁判所は何のためにあるの」と雅子さんはうめいた。事実解明の望みを託した思いに向き合わない司法の姿勢は極めて残念だ。
中国新聞 2022/11/27(最終更新: 2022/11/27)
社説:森友文書改ざん訴訟判決 真相解明なぜ阻むのか
----森友学園問題を巡る財務省を挙げての公文書改ざんは、なぜ起きたのか。法廷でも肝心な真相は明らかにならなかった。
改ざんを苦に自殺した近畿財務局の元職員赤木俊夫さんの妻雅子さんが当時の理財局長、佐川宣寿氏に損害賠償を求めた訴訟の判決で、大阪地裁の中尾彰裁判長は請求を棄却した。
判決は財務省の調査報告書をなぞり、佐川氏が改ざんを主導し、「問題行為の全般について責任を免れない」と認定した。
その一方で、国家賠償法や最高裁判例を踏襲して佐川氏個人の賠償責任を否定。自殺との因果関係にも言及しなかった。
「真実を知りたい」。雅子さんの問いに答えは出なかった。結果として解明を阻む手助けをした判断と言わざるを得ない。
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NHK 2022年11月25日 19時27分 森友学園問題
財務省文書改ざん 裁判所 元局長の賠償責任認めず 原告控訴へ
----財務省の決裁文書の改ざんに関与させられ自殺した近畿財務局の男性職員の妻が、「夫の死の真実が知りたい」と訴えて佐川元理財局長に賠償を求めた民事裁判で、大阪地方裁判所は元局長個人の賠償責任を否定したうえで「説明や謝罪をする法的義務もない」として訴えを退けました。