ゼネコン不正 飛び火 品質不良続発 異例の巨額損失
日本経済新聞 2023年5月10日 5:00
ゼネコンに飛び火した品質不良ショック 異例の巨額損失
編集委員 安西巧
----製造業を数年来、悩ませた品質不良問題の連鎖が建設業界に飛び火してきた。大成建設や三井住友建設といった有力ゼネコンが施工不良や工法をめぐるトラブルで損失を出し、信頼を失墜させている。建設業は慢性的な人材不足に加え、2024年春からの残業時間の上限規制適用が迫り、苦境は鮮明だ。資材・人件費の上昇も続き、工事現場への負荷が一段と増していることがトラブル続出の背景にある。
大成建設が施工途中のビルを解体・撤去して建て直し、さらに担当役員2人が辞任すると発表したのは3月16日。鉄骨柱のボルト穴のずれが建築主の指摘で発覚したのに加え、同社の現場事務所が工事監理者に改ざんした計測値を提出していたことも明らかになった。一方、三井住友建設は同日、大型建築工事の工法を巡るトラブルで169億円の追加損失が発生することに伴い業績予想を下方修正し、併せて新井英雄会長(当時)が引責辞任することを公表した。
産経新聞 2023/3/29 14:00
ゼネコン不正、品質不良続発 大成と三井住友建設、経営陣が引責辞任
----ゼネコンが手掛ける建設工事を巡り、不正や品質不良の発覚による経営陣の引責辞任が今月16日に2件立て続けに発表された。大手の一角、大成建設は施工不良に気付いた担当者が虚偽データを報告していた上、社内のチェック態勢も機能せず発注者が不正を発見。準大手の三井住友建設は自社検査で部材の品質不良を見つけたものの、業績悪化を免れない状況となった。近年は受注競争激化で工期短縮が進み、現場でのミスが許されないような状況も背景にあるとされる。
東洋経済オンライン 2023/4/5(水) 5:02配信
大成建設が前代未聞の「ビル工事やり直し」の内幕、札幌高層ビルの工事で虚偽報告と精度不良が発覚
----「嘘やろう」。ゼネコン関係者が一様に、耳を疑う事件が起きた。
スーパーゼネコンの大成建設は3月16日、北海道札幌市で建築中の高層複合ビルにおいて、鉄骨の精度不良と発注者への虚偽申告があったことを公表した。発注者であるデベロッパーのNTT都市開発が今年1月に現場を視察した際に、不審な点に気づいた。これを発端に、施工不良と数値の改ざんが発覚。建物の鉄骨部分でおよそ80カ所、コンクリートの床スラブで245カ所の精度不良があった。