2020-12-09(Wed)
コロナと追加経済対策 規模が膨らみすぎてないか
財源への目配り足りぬ 財政規律を壊すのか 国民の願いと逆さまの中身だ
朝日新聞デジタル 2020年12月10日 5時00分
(社説)追加経済対策 財政規律を壊すのか
----政府が事業規模73・6兆円の追加経済対策を決めた。国と地方をあわせた財政支出は40兆円。うち19兆円を今年度の第3次補正予算案に計上する。1次補正(25兆円)、2次補正(31兆円)に続く大型対策だ。
----今年度に政府が発行する新規国債は100兆円を超える見通しだ。コロナ禍の下、政府は機敏で柔軟な対応が求められている。しかしだからといって、なし崩しで財政規律を形骸化させてはならない。
読売新聞 2020/12/09 05:00
社説:追加経済対策 効果的支出で感染拡大抑えよ
----新型コロナウイルスの流行を克服するため、効果的に予算を投じることが重要である。医療体制の強化や困窮者の支援に最善を尽くすべきだ。
政府が追加経済対策を決めた。金融機関の融資や地方の支出などを含め、事業規模は73・6兆円に達した。政府は今年4月と5月に、それぞれ110兆円を超す経済対策をまとめているが、大規模な財政出動を継続することになる。
----追加対策では、来年1月末が期限の観光支援策「Go To トラベル」について、6月末までの延長を基本とし、平日への分散化を図るとしている。
感染拡大の中で、人の往来を活発化させる需要喚起策には慎重さが要る。柔軟に中断や再開ができる仕組みを検討してほしい。
毎日新聞2020年12月9日 東京朝刊
社説:コロナと追加経済対策 規模で不安は解消されぬ
----旅行を支援するGoToトラベルを来年6月末まで長期間延長するなど、菅義偉首相肝いりの景気対策を前面に押し出した。政府は「来年度にはコロナ前の経済水準に回復させる」と強調している。 だがエコノミストの間では、3~4年かかるとの見方が多い。景気回復を急ぎすぎると、感染対策がおろそかになりかねない。
感染拡大が深刻化する中、最優先すべきは、逼迫(ひっぱく)する医療体制の拡充を急ぐことだ。にもかかわらず、医療機関への支援など感染対策に充てるのは財政支出のわずか2割にも満たない。 いくら対策全体の規模を大きくしても、感染が広がってしまえば国民の不安は高まる。消費が冷え込んで景気はさらに悪くなる。
日本経済新聞 2020年12月8日 19:05
[社説]経済対策の規模が膨らみすぎてないか
----財政出動の必要性に異論はないが、規模が膨らみすぎていないだろうか。これまでに実施してきた経済対策の使途や効果を十分に検証しないまま、支出の積み増しに走った印象が拭えない。
----4月と5月に策定した経済対策の事業規模は合計230兆円にのぼるが、無駄やばらまきを排除できたとは言い難い。その使い残しが目立つにもかかわらず、さらに73兆円超を追加する必要があったのかという疑問も残る。
最たる例は「国土強靱(きょうじん)化」と銘打った防災・減災事業だろう。政府・与党はこれを機に、2021~25年度に約15兆円を投じる新計画を推進したいという。頻発する自然災害への対応は重要だが、本当に必要な事業を選別したようにはみえない。
産経新聞 2020.12.9 05:00
【主張】追加経済対策 実効性高めコロナ克服を
----政府が、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた新たな経済対策を閣議決定した。事業規模は73兆円を上回り、令和2年度第3次補正予算案と3年度当初予算案に、合わせて30兆円以上を計上する巨額対策である。
----観光支援事業「Go To トラベル」は延長されるが、状況に応じて経済活性化策を中断し、感染拡大防止に専念する柔軟な政策運営を徹底してもらいたい。
----注意したいのは、政権の看板に名を借りて不要不急の事業が紛れ込むことだ。この点は国土強靱化についても同様である。対策を具体化する際には政策効果を厳しく吟味してもらいたい。巨額予算を確保できたといっても、省益優先のばらまきが許されるわけがないことを忘れてはならない。
東京新聞 2020年12月9日 07時28分
社説:追加経済対策 財源への目配り足りぬ
----政府が事業規模約七十三兆円の追加経済対策を閣議決定した。新型コロナ感染拡大を受けた措置とはいえ支出額が大きく内容にも疑問が残る。財源には限りがあることを忘れるべきではない。
----不安になるのは政府与党内に財源論がほとんど出てこない点だ。規模の増額を求める声ばかり目立つ。補正予算財源の大半は国債増発でまかなう。二〇年度はすでに二度の補正で約九十兆円を増発しており、百兆円超えは確実だ。
国債の多くは日銀が銀行経由で引き受けている。元々、八十兆円と上限が決められていたが今年四月に枠を外してしまった。こうした金融環境が野放図な国債増発につながっているのなら警鐘を鳴らさざるを得ない。
----今、国民が望んでいるのはコロナ禍への直接的な対策のはずだ。医療分野への支出には異論はないだろう。非正規労働者を中心とした雇用対策、危機に直面している中小零細企業支援などもまだまだ不十分だ。
しんぶん赤旗 2020年12月10日(木)
主張:政府追加経済対策 国民の願いと逆さまの中身だ
----菅義偉内閣が新型コロナウイルス感染の急拡大を受けて追加経済対策を決定しました。医療提供体制が各地で危機的状態に陥っている中、医療機関の減収を補てんする措置はなく、PCR検査拡充に必要な全額国庫負担の枠組みもありません。中小業者が「このままでは年を越せない」と声を上げているにもかかわらず、持続化給付金、家賃支援給付金は打ち切りです。その一方で感染防止を妨げる「Go To トラベル」は来年6月まで延長します。やることが逆さまです。
以下参考
朝日新聞デジタル 2020年12月10日 5時00分
(社説)追加経済対策 財政規律を壊すのか
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14725904.html
読売新聞 2020/12/09 05:00
社説:追加経済対策 効果的支出で感染拡大抑えよ
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20201208-OYT1T50297/
毎日新聞2020年12月9日 東京朝刊
社説:コロナと追加経済対策 規模で不安は解消されぬ
https://mainichi.jp/articles/20201209/ddm/005/070/066000c
日本経済新聞 2020年12月8日 19:05
[社説]経済対策の規模が膨らみすぎてないか
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK082P20Y0A201C2000000
産経新聞 2020.12.9 05:00
【主張】追加経済対策 実効性高めコロナ克服を
https://www.sankei.com/column/news/201209/clm2012090001-n1.html
東京新聞 2020年12月9日 07時28分
社説:追加経済対策 財源への目配り足りぬ
https://www.tokyo-np.co.jp/article/73268
しんぶん赤旗 2020年12月10日(木)
主張:政府追加経済対策 国民の願いと逆さまの中身だ
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik20/2020-12-10/2020121001_05_1.html
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朝日新聞デジタル 2020年12月10日 5時00分
(社説)追加経済対策 財政規律を壊すのか
----政府が事業規模73・6兆円の追加経済対策を決めた。国と地方をあわせた財政支出は40兆円。うち19兆円を今年度の第3次補正予算案に計上する。1次補正(25兆円)、2次補正(31兆円)に続く大型対策だ。
----今年度に政府が発行する新規国債は100兆円を超える見通しだ。コロナ禍の下、政府は機敏で柔軟な対応が求められている。しかしだからといって、なし崩しで財政規律を形骸化させてはならない。
読売新聞 2020/12/09 05:00
社説:追加経済対策 効果的支出で感染拡大抑えよ
----新型コロナウイルスの流行を克服するため、効果的に予算を投じることが重要である。医療体制の強化や困窮者の支援に最善を尽くすべきだ。
政府が追加経済対策を決めた。金融機関の融資や地方の支出などを含め、事業規模は73・6兆円に達した。政府は今年4月と5月に、それぞれ110兆円を超す経済対策をまとめているが、大規模な財政出動を継続することになる。
----追加対策では、来年1月末が期限の観光支援策「Go To トラベル」について、6月末までの延長を基本とし、平日への分散化を図るとしている。
感染拡大の中で、人の往来を活発化させる需要喚起策には慎重さが要る。柔軟に中断や再開ができる仕組みを検討してほしい。
毎日新聞2020年12月9日 東京朝刊
社説:コロナと追加経済対策 規模で不安は解消されぬ
----旅行を支援するGoToトラベルを来年6月末まで長期間延長するなど、菅義偉首相肝いりの景気対策を前面に押し出した。政府は「来年度にはコロナ前の経済水準に回復させる」と強調している。 だがエコノミストの間では、3~4年かかるとの見方が多い。景気回復を急ぎすぎると、感染対策がおろそかになりかねない。
感染拡大が深刻化する中、最優先すべきは、逼迫(ひっぱく)する医療体制の拡充を急ぐことだ。にもかかわらず、医療機関への支援など感染対策に充てるのは財政支出のわずか2割にも満たない。 いくら対策全体の規模を大きくしても、感染が広がってしまえば国民の不安は高まる。消費が冷え込んで景気はさらに悪くなる。
日本経済新聞 2020年12月8日 19:05
[社説]経済対策の規模が膨らみすぎてないか
----財政出動の必要性に異論はないが、規模が膨らみすぎていないだろうか。これまでに実施してきた経済対策の使途や効果を十分に検証しないまま、支出の積み増しに走った印象が拭えない。
----4月と5月に策定した経済対策の事業規模は合計230兆円にのぼるが、無駄やばらまきを排除できたとは言い難い。その使い残しが目立つにもかかわらず、さらに73兆円超を追加する必要があったのかという疑問も残る。
最たる例は「国土強靱(きょうじん)化」と銘打った防災・減災事業だろう。政府・与党はこれを機に、2021~25年度に約15兆円を投じる新計画を推進したいという。頻発する自然災害への対応は重要だが、本当に必要な事業を選別したようにはみえない。
産経新聞 2020.12.9 05:00
【主張】追加経済対策 実効性高めコロナ克服を
----政府が、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた新たな経済対策を閣議決定した。事業規模は73兆円を上回り、令和2年度第3次補正予算案と3年度当初予算案に、合わせて30兆円以上を計上する巨額対策である。
----観光支援事業「Go To トラベル」は延長されるが、状況に応じて経済活性化策を中断し、感染拡大防止に専念する柔軟な政策運営を徹底してもらいたい。
----注意したいのは、政権の看板に名を借りて不要不急の事業が紛れ込むことだ。この点は国土強靱化についても同様である。対策を具体化する際には政策効果を厳しく吟味してもらいたい。巨額予算を確保できたといっても、省益優先のばらまきが許されるわけがないことを忘れてはならない。
東京新聞 2020年12月9日 07時28分
社説:追加経済対策 財源への目配り足りぬ
----政府が事業規模約七十三兆円の追加経済対策を閣議決定した。新型コロナ感染拡大を受けた措置とはいえ支出額が大きく内容にも疑問が残る。財源には限りがあることを忘れるべきではない。
----不安になるのは政府与党内に財源論がほとんど出てこない点だ。規模の増額を求める声ばかり目立つ。補正予算財源の大半は国債増発でまかなう。二〇年度はすでに二度の補正で約九十兆円を増発しており、百兆円超えは確実だ。
国債の多くは日銀が銀行経由で引き受けている。元々、八十兆円と上限が決められていたが今年四月に枠を外してしまった。こうした金融環境が野放図な国債増発につながっているのなら警鐘を鳴らさざるを得ない。
----今、国民が望んでいるのはコロナ禍への直接的な対策のはずだ。医療分野への支出には異論はないだろう。非正規労働者を中心とした雇用対策、危機に直面している中小零細企業支援などもまだまだ不十分だ。
しんぶん赤旗 2020年12月10日(木)
主張:政府追加経済対策 国民の願いと逆さまの中身だ
----菅義偉内閣が新型コロナウイルス感染の急拡大を受けて追加経済対策を決定しました。医療提供体制が各地で危機的状態に陥っている中、医療機関の減収を補てんする措置はなく、PCR検査拡充に必要な全額国庫負担の枠組みもありません。中小業者が「このままでは年を越せない」と声を上げているにもかかわらず、持続化給付金、家賃支援給付金は打ち切りです。その一方で感染防止を妨げる「Go To トラベル」は来年6月まで延長します。やることが逆さまです。
以下参考
朝日新聞デジタル 2020年12月10日 5時00分
(社説)追加経済対策 財政規律を壊すのか
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14725904.html
読売新聞 2020/12/09 05:00
社説:追加経済対策 効果的支出で感染拡大抑えよ
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20201208-OYT1T50297/
毎日新聞2020年12月9日 東京朝刊
社説:コロナと追加経済対策 規模で不安は解消されぬ
https://mainichi.jp/articles/20201209/ddm/005/070/066000c
日本経済新聞 2020年12月8日 19:05
[社説]経済対策の規模が膨らみすぎてないか
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK082P20Y0A201C2000000
産経新聞 2020.12.9 05:00
【主張】追加経済対策 実効性高めコロナ克服を
https://www.sankei.com/column/news/201209/clm2012090001-n1.html
東京新聞 2020年12月9日 07時28分
社説:追加経済対策 財源への目配り足りぬ
https://www.tokyo-np.co.jp/article/73268
しんぶん赤旗 2020年12月10日(木)
主張:政府追加経済対策 国民の願いと逆さまの中身だ
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik20/2020-12-10/2020121001_05_1.html
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テーマ : 政治・経済・時事問題
ジャンル : 政治・経済