2020-12-22(Tue)
21年度予算案 「命と生活」守る中身か 各紙社説
財政規律のたが外れた コロナ便乗の放漫財政だ 野放図に積み重ねる借金
<各紙社説・主張>
朝日新聞デジタル 2020年12月22日 5時00分
(社説)来年度予算案 財政規律のたが外れた
----財政規律のたがが外れてしまったと言うほかない。・・・・感染防止対策や失業防止のための休業支援などは理解できる。問題は、コロナ禍と関係が薄い事業まで続々と、どさくさに紛れて盛り込んだことだ。
----訪日観光客の回復が見込めないのに、3次補正に「インバウンド復活に向けた基盤整備」として650億円計上した。人の移動の減少が予想されるなか、来年度当初では国の直轄道路を新増設する予算を増やした。・・・・優先度の低い事業はやめ、必要な事業の財源をきちんと確保する。そんな基本を忘れていては、財政の健全化など望むべくもない。
読売新聞 2020/12/22 05:00
社説:来年度予算案 借金頼みの財政膨張は危うい
----感染拡大が長引けば、再び歳出圧力が強まりかねない。査定の甘い補正で、予算の増大を招く事態には注意が要る。政府は、借金頼みの歳出増が持続可能ではないことを、肝に銘じるべきだ。
毎日新聞2020年12月22日 東京朝刊
社説:過去最大の予算案 コロナに乗じた野放図さ
----国と地方の債務残高は1200兆円を上回り、借金漬けが一段と深刻になる。
暮らしを守る支出は惜しむべきではない。だからといって財政規律を緩めていいわけではない。歳出を野放図に増やすと、将来世代に重いつけを負わせる。
----公共事業には例年通り手厚く配分した。先週決めた補正予算案に1兆円超の国土強靱(きょうじん)化費を盛り込んだのに続き、6兆円計上した。だが整備新幹線や道路、港湾など従来型のインフラは、以前から費用対効果が疑問視されてきた。
日本経済新聞 2020年12月21日 19:05
[社説]財政規律の緩みを隠せぬ来年度予算案
----コロナ禍の克服と成長基盤の強化に焦点を当てたのはいいが、財政規律の緩みは隠せない。
----国の21年度の基礎的財政収支は20兆円超の赤字となり、地方との合計で25年度に黒字化するという目標の達成はもはや絶望的だ。国・地方の21年度末の長期債務残高は1200兆円超に膨らむ。たとえ危機下でも財政に負荷をかけすぎれば、そのツケはいずれ返ってくる。当面の予算措置で一定の規律を守るだけでなく、コロナ後を見据えた本格的な歳入・歳出改革の議論も始めるべきだ。
産経新聞 2020.12.22 05:00
【主張】来年度予算案 財政悪化の現実忘れるな
----これだけの予算をつぎ込むのである。菅義偉政権は、感染拡大の阻止はもちろん、経済再生を成し遂げることに重大な責任を負うことを厳しく認識してほしい。
----看過できないのは、コロナ禍が収束した後の財政のありようについて全く道筋を描けていないことだ。危機に際し財政の力強い後押しが必要なのは当然としても、極度に悪化した財政の現実から目をそらすことは許されない。
しんぶん赤旗 2020年12月22日(火)
主張:21年度予算案決定 優先すべき課題は置き去りか
----苦闘する医療現場への支えは全く足らず、国民の暮らしへの本格的支援にも背を向けました。軍事費は過去最大を更新する一方、コロナ対策の土台となる社会保障予算は、高齢化に伴う自然増さえ容赦なく削る冷たさを鮮明にしています。
北海道新聞 2020/12/22 05:00
社説:来年度予算案 不安募る財政の持続性
----コロナ危機下に医療を支え、暮らしや事業を守るために必要な手当てをすることに異論はない。
問題なのは、コロナ禍で税収も前年度当初を下回る中、優先度や効果が疑わしい支出を削る努力が乏しいことだ。
----コロナを口実に借金頼みの歳出膨張路線を踏襲する―。菅政権の予算編成は、将来にわたって国民の安心を確保する財政の持続性への目配りを欠くと言うほかない。
後世に重いツケを残してはならない。不要不急の事業がないか国会で徹底した審議が求められる。
信濃毎日新聞 2020/12/22 09:10
社説:当初予算案 野放図に積み重ねる借金
----国と地方の長期債務残高は来年度末に1200兆円を超え、国内総生産(GDP)の2倍以上に達する。政府の財政は「火の車」どころではない。
政府は当初予算案を第3次補正予算案と合わせた「15カ月予算」として編成した。コロナ対策や国土強靱(きょうじん)化などの費用は総額15兆円超の補正予算案に主に盛られている。当初予算案だけを注視すると歳出の総額を見誤る。
神戸新聞 2020/12/22
社説:政府予算案/「非常事態」の認識はあるか
----経済が冷え込む中で国民生活を守るには思い切った財政出動が必要だ。今は巨額の国債発行も許容せざるを得ない。
ただ、あくまでコロナ禍という非常事態を乗り切るための手段だ。いずれ収束した後、借金の山を減らさないと、ツケは次代に回る。
懸念するのは非常時の対応が常態となり、財政規律が形骸化することだ。血税の使い道は例年にも増して、厳しく吟味する必要がある。
中国新聞 2020/12/22 6:36
社説:政府予算案 「命と生活」守る中身か
---- 「国民の命と暮らしを守る」と菅義偉首相は強調してきた。コロナ対策に多くを充てざるを得ないのは理解できる。防災・減災のため国土強靱化も進めるのに越したことはあるまい。
とはいえ、コロナ禍の今は、優先すべきものに絞って盛り込むべきときだ。ここまで巨額の予算を組み、将来にわたり安心して暮らせる国づくりができるのか。危ういと言わざるを得ない。というのも膨大な借金頼みの予算だからだ。
---- 新たに巨額の借金をして過去最大の予算を組んだものの、コロナ収束は見通せず、財政悪化の深刻度だけが増す―。そんなやりくりはこの国の持続可能性を怪しくするだけだ。
西日本新聞 2020/12/22 10:47
社説:来年度予算案 コロナ便乗の放漫財政だ
----一般会計の総額は106兆6千億円を超え、過去最大だった本年度当初予算を4兆円近く上回った。財源も借金頼みが加速し、将来世代への巨額なツケ回しがまたも繰り返された。
中身を見ても、コロナ禍の緊急時を隠れみのにして膨らんだ面が目立つ。既に風前のともしびだった財政健全化の目標はもはや消失しかかっている。
・・・・国と地方を合わせた借金残高は来年度末に1200兆円を超える見通しだ。私たちも目を背けてはならない現実である。
以下参考
朝日新聞デジタル 2020年12月22日 5時00分
(社説)来年度予算案 財政規律のたが外れた
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14739285.html
読売新聞 2020/12/22 05:00
社説:来年度予算案 借金頼みの財政膨張は危うい
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20201221-OYT1T50280/
毎日新聞2020年12月22日 東京朝刊
社説:過去最大の予算案 コロナに乗じた野放図さ
https://mainichi.jp/articles/20201222/ddm/005/070/083000c
日本経済新聞 2020年12月21日 19:05
[社説]財政規律の緩みを隠せぬ来年度予算案
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK217MJ0R21C20A2000000
産経新聞 2020.12.22 05:00
【主張】来年度予算案 財政悪化の現実忘れるな
https://www.sankei.com/column/news/201222/clm2012220003-n1.html
しんぶん赤旗 2020年12月22日(火)
主張:21年度予算案決定 優先すべき課題は置き去りか
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik20/2020-12-22/2020122201_05_1.htm
北海道新聞 2020/12/22 05:00
社説:来年度予算案 不安募る財政の持続性
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/494251
信濃毎日新聞 2020/12/22 09:10
社説:当初予算案 野放図に積み重ねる借金
https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2020122200172
神戸新聞 2020/12/22
社説:政府予算案/「非常事態」の認識はあるか
https://www.kobe-np.co.jp/column/shasetsu/202012/0013955691.shtml
中国新聞 2020/12/22 6:36
社説:政府予算案 「命と生活」守る中身か
https://www.chugoku-np.co.jp/column/article/article.php?comment_id=711580&comment_sub_id=0&category_id=142
西日本新聞 2020/12/22 10:47
社説:来年度予算案 コロナ便乗の放漫財政だ
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/675747/
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<各紙社説・主張>
朝日新聞デジタル 2020年12月22日 5時00分
(社説)来年度予算案 財政規律のたが外れた
----財政規律のたがが外れてしまったと言うほかない。・・・・感染防止対策や失業防止のための休業支援などは理解できる。問題は、コロナ禍と関係が薄い事業まで続々と、どさくさに紛れて盛り込んだことだ。
----訪日観光客の回復が見込めないのに、3次補正に「インバウンド復活に向けた基盤整備」として650億円計上した。人の移動の減少が予想されるなか、来年度当初では国の直轄道路を新増設する予算を増やした。・・・・優先度の低い事業はやめ、必要な事業の財源をきちんと確保する。そんな基本を忘れていては、財政の健全化など望むべくもない。
読売新聞 2020/12/22 05:00
社説:来年度予算案 借金頼みの財政膨張は危うい
----感染拡大が長引けば、再び歳出圧力が強まりかねない。査定の甘い補正で、予算の増大を招く事態には注意が要る。政府は、借金頼みの歳出増が持続可能ではないことを、肝に銘じるべきだ。
毎日新聞2020年12月22日 東京朝刊
社説:過去最大の予算案 コロナに乗じた野放図さ
----国と地方の債務残高は1200兆円を上回り、借金漬けが一段と深刻になる。
暮らしを守る支出は惜しむべきではない。だからといって財政規律を緩めていいわけではない。歳出を野放図に増やすと、将来世代に重いつけを負わせる。
----公共事業には例年通り手厚く配分した。先週決めた補正予算案に1兆円超の国土強靱(きょうじん)化費を盛り込んだのに続き、6兆円計上した。だが整備新幹線や道路、港湾など従来型のインフラは、以前から費用対効果が疑問視されてきた。
日本経済新聞 2020年12月21日 19:05
[社説]財政規律の緩みを隠せぬ来年度予算案
----コロナ禍の克服と成長基盤の強化に焦点を当てたのはいいが、財政規律の緩みは隠せない。
----国の21年度の基礎的財政収支は20兆円超の赤字となり、地方との合計で25年度に黒字化するという目標の達成はもはや絶望的だ。国・地方の21年度末の長期債務残高は1200兆円超に膨らむ。たとえ危機下でも財政に負荷をかけすぎれば、そのツケはいずれ返ってくる。当面の予算措置で一定の規律を守るだけでなく、コロナ後を見据えた本格的な歳入・歳出改革の議論も始めるべきだ。
産経新聞 2020.12.22 05:00
【主張】来年度予算案 財政悪化の現実忘れるな
----これだけの予算をつぎ込むのである。菅義偉政権は、感染拡大の阻止はもちろん、経済再生を成し遂げることに重大な責任を負うことを厳しく認識してほしい。
----看過できないのは、コロナ禍が収束した後の財政のありようについて全く道筋を描けていないことだ。危機に際し財政の力強い後押しが必要なのは当然としても、極度に悪化した財政の現実から目をそらすことは許されない。
しんぶん赤旗 2020年12月22日(火)
主張:21年度予算案決定 優先すべき課題は置き去りか
----苦闘する医療現場への支えは全く足らず、国民の暮らしへの本格的支援にも背を向けました。軍事費は過去最大を更新する一方、コロナ対策の土台となる社会保障予算は、高齢化に伴う自然増さえ容赦なく削る冷たさを鮮明にしています。
北海道新聞 2020/12/22 05:00
社説:来年度予算案 不安募る財政の持続性
----コロナ危機下に医療を支え、暮らしや事業を守るために必要な手当てをすることに異論はない。
問題なのは、コロナ禍で税収も前年度当初を下回る中、優先度や効果が疑わしい支出を削る努力が乏しいことだ。
----コロナを口実に借金頼みの歳出膨張路線を踏襲する―。菅政権の予算編成は、将来にわたって国民の安心を確保する財政の持続性への目配りを欠くと言うほかない。
後世に重いツケを残してはならない。不要不急の事業がないか国会で徹底した審議が求められる。
信濃毎日新聞 2020/12/22 09:10
社説:当初予算案 野放図に積み重ねる借金
----国と地方の長期債務残高は来年度末に1200兆円を超え、国内総生産(GDP)の2倍以上に達する。政府の財政は「火の車」どころではない。
政府は当初予算案を第3次補正予算案と合わせた「15カ月予算」として編成した。コロナ対策や国土強靱(きょうじん)化などの費用は総額15兆円超の補正予算案に主に盛られている。当初予算案だけを注視すると歳出の総額を見誤る。
神戸新聞 2020/12/22
社説:政府予算案/「非常事態」の認識はあるか
----経済が冷え込む中で国民生活を守るには思い切った財政出動が必要だ。今は巨額の国債発行も許容せざるを得ない。
ただ、あくまでコロナ禍という非常事態を乗り切るための手段だ。いずれ収束した後、借金の山を減らさないと、ツケは次代に回る。
懸念するのは非常時の対応が常態となり、財政規律が形骸化することだ。血税の使い道は例年にも増して、厳しく吟味する必要がある。
中国新聞 2020/12/22 6:36
社説:政府予算案 「命と生活」守る中身か
---- 「国民の命と暮らしを守る」と菅義偉首相は強調してきた。コロナ対策に多くを充てざるを得ないのは理解できる。防災・減災のため国土強靱化も進めるのに越したことはあるまい。
とはいえ、コロナ禍の今は、優先すべきものに絞って盛り込むべきときだ。ここまで巨額の予算を組み、将来にわたり安心して暮らせる国づくりができるのか。危ういと言わざるを得ない。というのも膨大な借金頼みの予算だからだ。
---- 新たに巨額の借金をして過去最大の予算を組んだものの、コロナ収束は見通せず、財政悪化の深刻度だけが増す―。そんなやりくりはこの国の持続可能性を怪しくするだけだ。
西日本新聞 2020/12/22 10:47
社説:来年度予算案 コロナ便乗の放漫財政だ
----一般会計の総額は106兆6千億円を超え、過去最大だった本年度当初予算を4兆円近く上回った。財源も借金頼みが加速し、将来世代への巨額なツケ回しがまたも繰り返された。
中身を見ても、コロナ禍の緊急時を隠れみのにして膨らんだ面が目立つ。既に風前のともしびだった財政健全化の目標はもはや消失しかかっている。
・・・・国と地方を合わせた借金残高は来年度末に1200兆円を超える見通しだ。私たちも目を背けてはならない現実である。
以下参考
朝日新聞デジタル 2020年12月22日 5時00分
(社説)来年度予算案 財政規律のたが外れた
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14739285.html
読売新聞 2020/12/22 05:00
社説:来年度予算案 借金頼みの財政膨張は危うい
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20201221-OYT1T50280/
毎日新聞2020年12月22日 東京朝刊
社説:過去最大の予算案 コロナに乗じた野放図さ
https://mainichi.jp/articles/20201222/ddm/005/070/083000c
日本経済新聞 2020年12月21日 19:05
[社説]財政規律の緩みを隠せぬ来年度予算案
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK217MJ0R21C20A2000000
産経新聞 2020.12.22 05:00
【主張】来年度予算案 財政悪化の現実忘れるな
https://www.sankei.com/column/news/201222/clm2012220003-n1.html
しんぶん赤旗 2020年12月22日(火)
主張:21年度予算案決定 優先すべき課題は置き去りか
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik20/2020-12-22/2020122201_05_1.htm
北海道新聞 2020/12/22 05:00
社説:来年度予算案 不安募る財政の持続性
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/494251
信濃毎日新聞 2020/12/22 09:10
社説:当初予算案 野放図に積み重ねる借金
https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2020122200172
神戸新聞 2020/12/22
社説:政府予算案/「非常事態」の認識はあるか
https://www.kobe-np.co.jp/column/shasetsu/202012/0013955691.shtml
中国新聞 2020/12/22 6:36
社説:政府予算案 「命と生活」守る中身か
https://www.chugoku-np.co.jp/column/article/article.php?comment_id=711580&comment_sub_id=0&category_id=142
西日本新聞 2020/12/22 10:47
社説:来年度予算案 コロナ便乗の放漫財政だ
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/675747/
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テーマ : 政治・経済・時事問題
ジャンル : 政治・経済