2021-04-22(Thu)
リニア 静岡工区 事前の詳細調査が不足 国会で質疑
210414国土交通委 青山雅幸議員 事前の詳細調査が不足
静岡新聞 2021.04.15
トンネル工事「透明性確保が重要」 国交相、十分な議論指示【大井川とリニア】
----赤羽一嘉国土交通相は14日の衆院国土交通委員会で、大井川の流量減少が懸念されているJR東海のリニア中央新幹線南アルプストンネル工事について、事前の詳細調査が不足しているとの指摘に対し、懸念の解消やプロセスの透明性確保が重要との認識を強調して「(国交省の)有識者会議にしっかり議論してもらうよう鉄道局長に指示する」と述べた。青山雅幸氏(無所属、比例東海)への答弁。
青山雅幸(日本維新の会・無所属の会) ブログ
Newsroom/活動レポート 2021.04.14
4月14日(水)国土交通委員会で質疑を行いました。
----大井川流域62万人の水源である大井川で水枯れが起これば、周辺地域の生活に及ぼす影響は計り知れません。このため、リニアトンネル工事には、十分な事前調査が不可欠です。
議事速報(未定稿) 令和03年04月14日国土交通第11号07_青山雅幸委員
○あかま委員長 次に、青山雅幸君。
○青山(雅)委員 日本維新の会・無所属の会、青山雅幸でございます。
本日は、大変貴重な質問の機会、ありがとうございます。 ・・・・
以下参考
静岡新聞 2021.04.15
トンネル工事「透明性確保が重要」 国交相、十分な議論指示【大井川とリニア】
https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/888071.html
青山雅幸(日本維新の会・無所属の会) ブログ
Newsroom/活動レポート 2021.04.14
4月14日(水)国土交通委員会で質疑を行いました。
https://www.aoyama-masayuki.com/%EF%BC%94%E6%9C%88%EF%BC%91%EF%BC%94%E6%97%A5%e3%80%80%E5%9B%BD%E5%9C%9F%E4%BA%A4%E9%80%9A%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A%E3%81%A7%E8%B3%AA%E7%96%91%E3%82%92%E8%A1%8C%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F/
大井川流域62万人の水源である大井川で水枯れが起これば、周辺地域の生活に及ぼす影響は計り知れません。このため、リニアトンネル工事には、十分な事前調査が不可欠です。
この点、リニア中央新幹線の環境影響評価に対し、国土交通大臣は「大井川を始めとする沿線の各河川は、水道用水、 農業用水、工業用水及び発電用水等に利用されていることから、河川流量の減少は河川水の利用に重大な影響を及ぼすおそれがある。」「必要に応じて精度の高い予測を行い、その結果に基づき水系への影響の回避を図ること。」と意見を寄せています。
一方、各地のトンネル工事では、歴史的にも水枯れ被害・公害が発生しています。冒頭、こういった被害の事例を承知しているかについて国交省に問うたところ、丹那トンネルなどの古い事例については認めたものの、最近の事例であるリニアの別の工事区間での事例については度々言及を避け、3度目の追及でようやく認めるという誤魔化しの姿勢が見て取れました。
大井川の水源は南アルプスの地下水です。地下水は断層が動くことにより岩盤が砕けてできた「破砕帯」という空隙に溜まっています。JRはこの破砕帯について、ノンコア・ボーリングという、地質を調べないタイプのボーリングしかしておらず、どのくらい水が通るのかを調べる透水試験もしていません。ノンコア・ボーリングができるのならばコア・ボーリング(地質を採取するボーリング)も透水試験もできるはずです。これらの検査を行うような指導を国交省に強く求めましたが、これに対する答弁も「工事をやりながら調べていく」という趣旨のもの。
たった一か所コア・ボーリング検査が行われた西俣川付近の断層部では、地下690m~700mにかけてコアが採取できていません。この部分に空隙があり、地下水が溜まっている、あるいは地下水が流れている可能性がありますが、調査結果ではこの破砕帯では湧水増加が見られなかったとあり、これは水が下に抜けていることを意味します。この点を正しく評価しなければ、地下水量の想定も変わり、水枯れ等のリスクについても正しく評価できません。しかし、これを調べるための透水試験は行われていないのです。
静岡県の有識者会議はJRによる調査が不十分であることを指摘しています。必要とされる調査は時間やお金が莫大にかかるものではなく、すでにJRがノンコア・ボーリングを行った場所でのコア・ボーリングと透水試験。そうして実態を把握した上で、議論を行うべきです。
水が流出してしまってからでは「覆水盆に返らず」。影響が出てしまってからでは遅いのです。しっかりと必要な検査を行い、静岡県の抱いている疑念を払拭してほしいということを改めて強く申し入れました。
本日の質疑の様子は衆議院インターネット審議中継のビデオライブラリ(2021年4月14日 国土交通委員会)でご覧いただくことができます。お時間のあるときに是非ご覧ください。https://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=51926&media_type=
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○あかま委員長 次に、青山雅幸君。
○青山(雅)委員 日本維新の会・無所属の会、青山雅幸でございます。
本日は、大変貴重な質問の機会、ありがとうございます。
私からは、リニア中央新幹線のトンネル工事に関連する水問題について質問をさせていただきます。
どういった水問題が起きるかというと、南アルプス、このトンネル工事をやる南アルプスというのは、静岡県の中部地方を流れる大井川という河川、これの水源になっております。この大井川というのは、周辺住民六十二万人の水源になっております。それだけではなくて、この大井川流域には、日清であるとかスズキであるとか、非常に大きな大工場が進出しております。また、お茶であるとか水田であるとか、いろいろな農業用水にも使われている、極めて大事な、静岡県にとっては大変大事な水源となる川でございます。 その川、川は当然その水がどこかから供給されなければいけないんですけれども、まず、この大井川の、流れ込む川の水源として、JRは雨量四千二百ミリリットルということで想定しております。これは資料①の下の方の「説明」というところに書いてあるんですけれども、JRの方は年間降水量四千二百ミリと言っているんですけれども、これは、静岡市がメッシュ平均値データでやりますと、まず、そもそも二千百ミリということになっております。
次に、この水、年間二千百ミリ程度の水が雨として降ってくるわけですけれども、この資料②を御覧ください。A3の資料で、右上に赤く四角で、これは私どもの事務所で囲んだんですけれども、これはJRが作ったものですけれども、幾つかのモデルの中のうちの一つですけれども、十六億立方メートルが毎年雨として降ってくると。年による変動がプラスマイナス四億立方メートルあると。こういう話ですから、保守的に降水量が少ない年を考えると十二億ということになります。
そのうちの約三分の一、そこに蒸発散と書いてあります、三分の一が蒸発するというふうに考えると、一番不利な年、日照りの年などは、三分の一が、七百ミリ分が、先ほど言った二千百ミリの降水量のうち七百ミリが蒸発してしまう。
そうすると、残りはどこで賄われるかというと、実は、これが南アルプスの山の中の、山体の中の断層に沿ってある破砕帯という、非常に密度の低い、がらがらしたようなところ、そこに水がたまっています。それが地下水となって大井川に流れ込んでいる。これが今、問題となっているわけです。
先ほどのような計算をしますと、大井川の水量の四〇%はこの被圧地下水あるいは地下水で賄われているということが想定できるわけですけれども、これは三分の一がなくなったら、ただでさえも今、大井川、水がれ問題がずっと言われているものですから、大変なことになってしまうわけです。
取水制限とか、多い年には五〇%とかされている年もあります。約半分、半分までいきませんが、四〇%水量が減ってしまえば、もう取水制限、五〇%どころか九〇%しなければいけなくなってしまうわけです。
そういう前提でお伺いしますけれども、まず、国土交通省にお伺いしたいんですけれども、各地のトンネル工事で歴史的に水がれ公害が発生しているという事実があると思います。
有名なのは丹那トンネルですね、これは新幹線が通っているところですけれども。地下水がほぼ抜けてしまって、その量が何と芦ノ湖三杯分。そのために、ここでは、昔豊かな水田地帯だったんですけれども、これはできなくなって、それで有名な丹那牛乳になっているわけですけれども。 そのほかにも、リニアの実験線、そのうち本物の線になるわけですけれども、山梨県大月市の例や、長崎新幹線での久山トンネルで、諫早市多良見町井樋ノ尾地区というところで、水がれ被害あるいは公害が発生しているようですけれども、そのことは承知されているでしょうか。 ○上原政府参考人 お答えいたします。
一般に、トンネルを周辺の地下水の水位よりも低い位置で掘削をする場合、トンネルには水圧がかかりまして、十分な治水対策が講じられない場合には、トンネル内に地下水が入り込み、地下水位が低下することになります。これにより、基本的にはトンネル直上部あるいはその周辺にある井戸やため池などでは水がれが発生する場合がございます。
このようなトンネル工事による渇水は、委員御指摘の静岡県の丹那トンネルの工事やあるいは山梨リニア実験線工事、九州新幹線西九州ルートの久山トンネル工事等で発生したことは承知をいたしております。
委員御指摘の丹那トンネルは、東海道線、熱海 ―函南駅間をつなぐため、大正七年に建設が開始され、昭和八年に竣工し、昭和九年に開通したものでございます。
この工事中の大正十三年頃から、トンネル直上の丹那盆地、あるいはその周辺の田代盆地やそこまでの軽井沢集落等におきまして、渇水問題が発生したとされております。当時は、現在のような薬液注入等の止水技術が十分でなかったと承知をいたしております。
また、九州新幹線西九州ルート、久山トンネルにおきましては、平成二十九年に湧水を確認し、トンネルの周辺五地区で地下水位が低下し、湧き水、飲料用や沢水の、これは農業用でございますが、この減渇水が発生いたしましたが、鉄道・運輸機構におきまして、給水車による給水等を実施しているところと承知をいたしております。
○青山(雅)委員 今、山梨県大月市の例は答えられなかったですけれども、併せて次の問題で聞きます。
今紹介されたとおり、諫早市では給水しないといけなくなってしまったと。それから、丹那では、先ほど御紹介したように、水田が、もう稲作ができなくなったと。大月市では、これは私、直接そこに、大月市にお住まいの方に聞いていますけれども、簡易水道が機能しなくなって、給水車で、井戸を、水を用立てしなければならなくなったと。 その井戸にしても、リニアのトンネルより下に掘る必要があって、井戸水は取水できるんですけれども、くみ上げのための電気代が非常にかかる、ところが、それが三十年分しか補償されないというようなことになっているようですけれども、そういった事実は把握されているでしょうか。
○上原政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のように、トンネル工事が原因で生活用水や農業用水等が枯渇したり減水する等の被害が発生した場合の対応につきましては、国土交通省の直轄の公共事業では、公共事業に係る工事の施行に起因する水枯渇等により生ずる損害等に係る事務処理要領に従って行われているところでございます。
鉄道の工事につきましても、鉄道・運輸機構により行われている整備新幹線の工事では、この要領に従って対応をしているところでございます。 この要領では、応急措置として、給水用の車両を配備する等、また、機能回復として別の場所に井戸を設ける等の代替施設の新設等が定められております。新設された代替施設の維持管理費の負担につきましては、生活用水の場合はおおむね三十年を限度とするということが規定されているところでございます。
一方で、今回問題になっておりますリニア中央新幹線の南アルプストンネルの掘削に伴う補償に関しましては、JR東海は、昨年、令和二年三月六日に、大井川中下流域の水資源の利用に影響が出た場合の対応についてという文書を公表しております。
この基本的な考え方は、先ほど申し上げました公共事業の直轄事業の事務処理要領に基づき対応することとしておりますが、一方で、静岡工区における補償期間につきましては、適切な対策を講じるため、あらかじめ限度を定めることはせず、三十年を超えることも含めて、機能回復や費用を負担させていただくことを考えているということを公表しているところでございます。
○青山(雅)委員 ごめんなさい、私が聞き落としたのかもしれないんだけれども、山梨県大月市で給水車などを出さなきゃいけなくなっているという事実があるかないか、それだけ端的に、ちょっと時間の関係で。
○上原政府参考人 お答えいたします。
JR東海によれば、山梨県リニア実験線延伸工事におきまして、トンネル工事により、実験線周辺で一部の沢や河川等の減水や水がれ等が確認をされているところでございます。
○青山(雅)委員 それで、今回は、先ほども言ったように、その水系に六十二万人が暮らしているという大変大規模な話なんですね。そうすると、給水車で行くといっても、とても間に合わない。それから、三十年に限らず補償すると言うけれども、これはずっと続いたら、それこそJR東海がもっているのかどうかもわからない。大変大きな問題なんですね。
ですから、起きないようにしてもらうしかないわけです、現実には。補償すると言ったって、小さな集落なら、それこそ給水車を持っていったり井戸を掘ったりでいいですけれども、六十二万人が暮らす大変大きな地域に、そういったことを全部できるわけがないわけですね。ですから、ここは慎重にやっていただきたいというのが今日の趣旨なんですけれども。
こういった被害が起きないようにするには、当然のことながら、事前調査が十分でなければいけないわけです。ところが、南アルプスの地中、どこに水が貯留しているかというと、先ほど言ったように、断層が動くことによってできて、岩盤が砕けてできた破砕帯という、こういう空隙に水がたまっているわけですね。そのこと、この前提自体はそれでよろしいか、国土交通省に、簡単でいいです、お答えください。
○上原政府参考人 お答えいたします。
先ほど委員御指摘のとおり、このトンネル掘削による湧水を実際の現場でどれだけ少なくできるかということは非常に重要な課題であるというふうに考えております。
これまでのような、先ほどから出ております水がれ等の工事の状況を踏まえまして、南アルプストンネルでは、本坑トンネルの掘削に先立ち、トンネル断面の小さい先進坑を掘削して地質や地下水等の状況を把握し、さらに、先進坑の先端部から、最新の技術を用いたおおむね五百から一千メートル程度の高速長尺先進ボーリングによりまして、先進坑より更に前方の地質の把握と併せて、トンネル湧水量、湧水圧、さらには化学的な成分分析等を行うことによりまして、破砕帯の位置や破砕帯に含まれる地下水の起源、地表面付近の地下水との連続性などを推定することを予定しております。
委員御指摘のとおり、この破砕帯や亀裂には地下水が滞留している場合がございますので、これに高い水圧がかかりますと施工上も大変危険な状況となります。
リニア中央新幹線では、JR東海が全国新幹線鉄道整備法に基づき、昭和四十九年から平成二十年まで地形、地質等の調査を行いまして、また、二十三年から平成二十六年にかけてJR東海により行われた環境影響評価におきまして、一部において、断層付近の破砕帯等、地質が脆弱な部分を通過することがあり、状況によっては、工事中に集中的な湧水が発生する可能性があるというふうにされておりまして、国土交通省といたしましても、破砕帯のそうした状況については把握をしております。
○青山(雅)委員 今のお話を聞くと、まず、国交省は、破砕帯に水があることが分かっている。大変精密な検査でもしているようにお答えになりましたけれども、実は、これは資料③を御覧ください。今、JRが、水が出てくるよと今おっしゃった、工事中に水が出てくるよとおっしゃったのが、この赤い丸で囲んだ部分です。そこに破砕帯があります。そこに、ノンコアボーリングといって、中に何があるかという地質を調べないボーリングしかしていません。それから、透水試験といって、どのくらい水が通るのかという、それもしていません。
それで、していないのにもかかわらず、資料④ を御覧ください。ここにトンネルを掘っていくと、こういうふうに水がばあっとあふれてたまってしまって水没するからできないんだ、こう主張しているわけですよ。これは、きちんと調べてこういう主張をしているのなら分かるんだけれども、せっかくノンコアボーリングしながら、なぜか知らないけれども、コアボーリングはやらない、透水試験もやらない。これで、なぜ、先ほどおっしゃったような精密な検査、きちんとした検査と言えるのか。
私は、これ、JRが言うように、本当にここのところがこういう状況になるのか、それはコアボーリングをすべきだと。私は事前にちょっと国交省に聞いたら、山の中だから難しいとか言っていたんだけれども、ノンコアボーリングができるんだからコアボーリングができないわけはないんですね。コアボーリングというものができれば、そこを利用して透水試験もできるんだから、やれるはずです。これ、やると言ってください、国交省。
○上原政府参考人 お答えいたします。 議論を整理させていただきたいと思います。 先ほど私が申し上げました高速長尺先進ボーリングにつきましては、これは、工事の掘削に当たって、更にきめ細かくその地質を、ボーリング調査とかそういう粗い調査ではなくて、まず、この先進ボーリングによりまして、地質の把握、それからトンネルの湧水量、湧水圧、化学的な成分分析等をまず行う。その先進ボーリングの結果、破砕帯等や地質の変化が想定される場合においてはコアボーリングをその地区で行いまして、地質の性状を詳細に調査することといたしております。 さらに、そのコアボーリングの結果、破砕帯の存在により、先進掘削時に多くのトンネル湧水が想定される範囲におきましては、先進坑の掘削がその範囲に近づいた時点でトンネル掘削工事を一時中断し、トンネル周辺や切り羽前方に対し薬液注入を行い、トンネル湧水を低減する、そういう非常にきめ細かい対策を今検討しているところ、予定しているところでございます。
先ほど委員御指摘ありました、コアボーリングをノンコアボーリングをしている地点で行えばいいじゃないかという御指摘につきましては、実際のその工事に当たりまして止水対策を行うに当たりましては、仮に現時点で地表から複数箇所でコアボーリングを行ったとしても、これらにより、実際にトンネルが通過する地山の地質の全容を把握することは困難でございます。
したがって、こうしたコアボーリングに代えてこの先進ボーリングによる調査をまず行って、更にきめ細かく対策を取っていくということを考えているわけでございます。
○青山(雅)委員 全くの詭弁ですね。そもそも、これはアセスをやっているわけですよ、国土交通大臣が。それで、何と言っているかというと、「河川水の利用への影響の回避」というところで、農業用水、工業用水、水道用水で、河川流量の減少は河川水の利用に重大な影響を及ぼすおそれがある、このことを踏まえ、必要に応じて精度の高い予測を行い、その結果に基づき水系への影響の回避を図ることと、ちゃんと書いてあるんですよ。 これ、何で言っているかというと、ここのところを静岡県側から、つまり、高い方からトンネルを掘っていけば山梨県側に水が抜けないわけですよ。ところが、今、これは資料④を御覧いただければお分かりのとおり、機械が水没するようなことが起きちゃうから、低い方、山梨県側から掘ると言っているわけですよ。それが妥当かどうかというのを調べるのに、このアセスで言っているような精密な検査をしなきゃいけないのに、それを、実際の工事でやりながらやるからいいんだと言ったら、もうそっち側からやっちゃっているじゃないですか、水が抜けちゃうじゃないですか。その話をしているのに、何で事前の計画でこれを、それをまず、JRの言っていることが本当かどうか調べなきゃいけないと言っているのに、後からやるからいいんだと。後からやったら、もう水抜けちゃっているわけですよ。
時間がないので、答弁が非常に長いので、最後まで行かないと困るので、ここのところはまた後で大臣に聞きますけれども、資料⑤を御覧ください。
実際には、コアボーリングをやっているところはあるんですね、これは場所がちょっと違いますけれども。このコアボーリングをやった結果に非常に大きな問題があるんです。資料⑤を御覧いただくと、これは、線があるのがコアボーリング。塗り潰した赤い丸があるところは、水が勢いよく噴き出したところです。それが資料⑥に出ています。ぽんと、矢印がスパイクのように跳ね上がっているところが水が出たところ。どういうところに出るかというと、先ほどから言っているように、破砕帯から出るわけです。
非常に問題なのは、資料⑦を御覧ください。この資料⑦に、六百九十から七百メートル、七百三メートルくらいのところに、十メートル以上の厚さにわたって明らかに隙間があるわけですよ。ここの間にある地質を全部コアボーリングで取って、こういうふうに積み重ねているわけですけれども、つまり、ここの間に大きな水がたまっている可能性がある。だけれども噴き出していないということは、下に抜けているんですね。たまっているから気圧が違うせいでぴゅっと出てくるんですけれども。イメージしてもらえば分かるんですけれども、滝のように下に向かってごうごう流れていれば、これは噴き出してこないわけですよ。
これをどのくらいやっているかというと、逆に水を上から入れて、透水試験の中で、どのくらい下に流れ込んでいくかということで、そこがどうなっているか分かるわけですよ。ところが、これは透水試験をやっていないんですよ。そのことは、資料⑧の静岡県の指摘、有識者会議の指摘で、ピンク色のところ、先ほど私が言ったコアボーリングをしなさいよというのは、資料⑧の最初のページの二つのところ。ここの、この六百九十メートルから七百二十メートルのところにあるこの空隙に対してきちんと透水試験とかしろと言っているのが、こちらの方です。より大きな問題は、ここの六百九十から七百二十をきちんとケアさせていないから、どれだけ水がたまっているのか、どれだけ水が抜けちゃうのかが全く分からないでやっているわけですよ。しかも、コアボーリングは一か所しかしていないんですよ。まるで、国土交通省は、すごく一生懸命JRの方は調べて精密にやっていると言っているんだけれども。
こんなのでは、水がどれだけあるのかも分からないのに、水がなくならないよと言われたって、とても信頼できないわけです。これについてきちんと調査をしなきゃいけないと思うんですけれども、短く答えてください、大臣にもお話を聞きたいから。
○上原政府参考人 お答えいたします。
まず、もう一度議論を整理させていただきたいと思います。
先ほど来の委員の御指摘で、例えば丹那トンネルの経験でございますとか、そうした実際の工事においてトンネルの湧水をどうやって最小化していくか、止水対策をしていくかという議論。 それから、丹那トンネル等でもそうですけれども、トンネルの直上部あるいはその周辺部におきまして、大井川上流域における地下水位の低下などによってどういう影響があるか。これは、自然環境への影響が考えられますので、その問題。 さらに、先ほど来御意見をいただいている環境影響評価その他については、トンネル掘削によって、トンネル直上部や周辺だけでなく、トンネルから距離が離れた中下流域の河川、表流水や地下水にどのような影響を与えると考えられるかという問題。
この三つの問題に分けて考えますと、まず、本当にその湧水を最少化する止水対策については、先ほど申し上げましたような先進ボーリングを行っていくという対策を考えております。
それから、直上部やその周辺、先ほどの丹那トンネルの、そうした事例を踏まえた自然環境への対策につきましては、今後、有識者会議でそれを議論することにしておりまして、現時点までは、まだ有識者会議でその議論をいたしておりません。 最後に、大井川中下流域の地下水に与える影響、先ほどから、ボーリングによる透水係数等の調査、これは水収支解析という手法がございまして、その水収支解析を前提とした大井川中下流域の地下水に与える影響につきましては、今、モデルを用意をして整理をしているところでございますが、先ほど来委員御指摘のJR東海によるモデルだけではなくて、静岡市のモデルも活用して、今議論をしているところでございます。
また、大井川の元々の、そもそもの利用実態や化学的な成分分析からは、中下流域の地下水は上流域の地下水から直接供給されているわけではないということが判明をしております。 ただ、この水収支解析には当然不確実性が伴うものですから、これにつきまして、現在、そうした不測の事態が生じた場合のリスク対策について、有識者会議で議論が行われているところでございます。
○青山(雅)委員 全くさっきから議論になっていないんですね。
私は、工事をする前にきちんと評価をし直さなきゃいけない、JRの出しているものがいいかげんだったことが分かっているわけだから、そのためにちゃんと工事をやる前にそれをやるべきだと言っているものを、工事をやりながらやりなさいと言っているわけですよ、ずっと。だから、工事が止まっちゃっているんですよ。
工事をやりたければやればいいわけです、そこのボーリング調査なんてすぐできるんだから。それをそんなにも嫌がるということは、つまり不利な結果が出るということを予想しているからなんですよ。
そして、先進坑を先に掘ればいいとおっしゃっている。それがボーリング代わりになると言うけれども、先進坑は、山梨側から、下から掘るんですよ。そうすると、その先進坑から抜けちゃうわけですよ、結局水が。
これは委員の皆さんも御想像いただければ分かるんですけれども、プールがあって、プールの上の方からパイプを差し込んだって水は抜けません。ところが、下からプールに差し込めば、水は全部抜けちゃうじゃないですか。そんなことぐらい、ちょっと考えれば分かるはずなんですね。だけれども、それを平気で、先進坑を先に掘って、それで調査するからいいと。先進坑から全部抜けちゃうじゃないですか。
そういういいかげんなことで六十二万人の水源が失われたら、どうやって責任取るんですか。国交省はアセスでちゃんと言っているじゃないですか。これは大臣の意見として、そういうことが起きないようにちゃんと調査をしてやれと。
その指摘を受けているのに、何でその簡単なボーリング調査をそこまで嫌がるのか、私は全く分からないんですよ。
国土交通大臣にその御意見をお伺いしたいんですが。
○赤羽国務大臣 済みません、ボーリング調査云々ということについて、私、直接その状況をよく掌握しているわけではございませんが、もちろん、この水問題につきましては、その沿線の地域住民に大変大きな影響があるということはそのとおりだと思っております。
であるがゆえに様々な懸念があるということを承知して、今、有識者会議、昨年四月から回を重ね、今十回開催している、熱心に議論いただいているというふうに思っております。
そうした地元の皆さんの御懸念を払拭できるように、また、私、一般論として、結果がまずいから、そのまずく出るのが分かるからそうした工事は避けているんだというようなことが、もしそうであったら、そういうことはあってはならないというふうに思いますので、そこについてはこの有識者会議でしっかりと議論していただける、それが大事だというふうに思います。
○青山(雅)委員 結局、何を言っているかというと、静岡県の方の有識者会議では、調査が不十分だと。しかも、その調査に物すごく時間やお金がかかるものをやってくださいと言っているわけじゃなくて、JRが既にやった場所でいいから、コアボーリングをもう一度やって、透水試験という、コアボーリングをすればすぐにできる試験をやって、実態を本当に把握して議論してくださいよと言っているだけなんですね。それをしないで、ただ会議だけやったって、結論が出るわけないわけですよ。
別に、やればいいわけですよ。それで危惧されるようなことがなければ、静岡県が危惧していることがなければ、県知事だって工事いいですよと言うでしょうし。だけれども、それをやらないから疑念ばかり深まるんです。
その点について、大臣、重ねて御見解をお伺いしたい。
○赤羽国務大臣 私は専門家じゃありませんから、このプロジェクトを見守る責任者でありますので、そうした懸念、そのプロセスについて透明性がないようなことは、それは認めるわけにいかないので、しっかりとした対応をしてもらう。それは、有識者会議、極めて我々はちゃんとリスペクトしているメンバーでやっていただいていると思いますので、そこでしっかり議論してもらう、そういうふうに鉄道局長には指示したいと思います。 ○青山(雅)委員 今、大臣、非常に大切な答弁をいただきました。透明性を大事にする、そしてきちんと議論するということを有識者会議にも指示するとおっしゃったので、今後、その点を見守らさせていただきながら、また必要があれば質問させていただきます。
本日は、貴重な時間、ありがとうございました。
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静岡新聞 2021.04.15
トンネル工事「透明性確保が重要」 国交相、十分な議論指示【大井川とリニア】
----赤羽一嘉国土交通相は14日の衆院国土交通委員会で、大井川の流量減少が懸念されているJR東海のリニア中央新幹線南アルプストンネル工事について、事前の詳細調査が不足しているとの指摘に対し、懸念の解消やプロセスの透明性確保が重要との認識を強調して「(国交省の)有識者会議にしっかり議論してもらうよう鉄道局長に指示する」と述べた。青山雅幸氏(無所属、比例東海)への答弁。
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----大井川流域62万人の水源である大井川で水枯れが起これば、周辺地域の生活に及ぼす影響は計り知れません。このため、リニアトンネル工事には、十分な事前調査が不可欠です。
議事速報(未定稿) 令和03年04月14日国土交通第11号07_青山雅幸委員
○あかま委員長 次に、青山雅幸君。
○青山(雅)委員 日本維新の会・無所属の会、青山雅幸でございます。
本日は、大変貴重な質問の機会、ありがとうございます。 ・・・・
以下参考
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トンネル工事「透明性確保が重要」 国交相、十分な議論指示【大井川とリニア】
https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/888071.html
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4月14日(水)国土交通委員会で質疑を行いました。
https://www.aoyama-masayuki.com/%EF%BC%94%E6%9C%88%EF%BC%91%EF%BC%94%E6%97%A5%e3%80%80%E5%9B%BD%E5%9C%9F%E4%BA%A4%E9%80%9A%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A%E3%81%A7%E8%B3%AA%E7%96%91%E3%82%92%E8%A1%8C%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F/
大井川流域62万人の水源である大井川で水枯れが起これば、周辺地域の生活に及ぼす影響は計り知れません。このため、リニアトンネル工事には、十分な事前調査が不可欠です。
この点、リニア中央新幹線の環境影響評価に対し、国土交通大臣は「大井川を始めとする沿線の各河川は、水道用水、 農業用水、工業用水及び発電用水等に利用されていることから、河川流量の減少は河川水の利用に重大な影響を及ぼすおそれがある。」「必要に応じて精度の高い予測を行い、その結果に基づき水系への影響の回避を図ること。」と意見を寄せています。
一方、各地のトンネル工事では、歴史的にも水枯れ被害・公害が発生しています。冒頭、こういった被害の事例を承知しているかについて国交省に問うたところ、丹那トンネルなどの古い事例については認めたものの、最近の事例であるリニアの別の工事区間での事例については度々言及を避け、3度目の追及でようやく認めるという誤魔化しの姿勢が見て取れました。
大井川の水源は南アルプスの地下水です。地下水は断層が動くことにより岩盤が砕けてできた「破砕帯」という空隙に溜まっています。JRはこの破砕帯について、ノンコア・ボーリングという、地質を調べないタイプのボーリングしかしておらず、どのくらい水が通るのかを調べる透水試験もしていません。ノンコア・ボーリングができるのならばコア・ボーリング(地質を採取するボーリング)も透水試験もできるはずです。これらの検査を行うような指導を国交省に強く求めましたが、これに対する答弁も「工事をやりながら調べていく」という趣旨のもの。
たった一か所コア・ボーリング検査が行われた西俣川付近の断層部では、地下690m~700mにかけてコアが採取できていません。この部分に空隙があり、地下水が溜まっている、あるいは地下水が流れている可能性がありますが、調査結果ではこの破砕帯では湧水増加が見られなかったとあり、これは水が下に抜けていることを意味します。この点を正しく評価しなければ、地下水量の想定も変わり、水枯れ等のリスクについても正しく評価できません。しかし、これを調べるための透水試験は行われていないのです。
静岡県の有識者会議はJRによる調査が不十分であることを指摘しています。必要とされる調査は時間やお金が莫大にかかるものではなく、すでにJRがノンコア・ボーリングを行った場所でのコア・ボーリングと透水試験。そうして実態を把握した上で、議論を行うべきです。
水が流出してしまってからでは「覆水盆に返らず」。影響が出てしまってからでは遅いのです。しっかりと必要な検査を行い、静岡県の抱いている疑念を払拭してほしいということを改めて強く申し入れました。
本日の質疑の様子は衆議院インターネット審議中継のビデオライブラリ(2021年4月14日 国土交通委員会)でご覧いただくことができます。お時間のあるときに是非ご覧ください。https://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=51926&media_type=
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議事速報(未定稿) 令和03年04月14日国土交通第11号07_青山雅幸委員
○あかま委員長 次に、青山雅幸君。
○青山(雅)委員 日本維新の会・無所属の会、青山雅幸でございます。
本日は、大変貴重な質問の機会、ありがとうございます。
私からは、リニア中央新幹線のトンネル工事に関連する水問題について質問をさせていただきます。
どういった水問題が起きるかというと、南アルプス、このトンネル工事をやる南アルプスというのは、静岡県の中部地方を流れる大井川という河川、これの水源になっております。この大井川というのは、周辺住民六十二万人の水源になっております。それだけではなくて、この大井川流域には、日清であるとかスズキであるとか、非常に大きな大工場が進出しております。また、お茶であるとか水田であるとか、いろいろな農業用水にも使われている、極めて大事な、静岡県にとっては大変大事な水源となる川でございます。 その川、川は当然その水がどこかから供給されなければいけないんですけれども、まず、この大井川の、流れ込む川の水源として、JRは雨量四千二百ミリリットルということで想定しております。これは資料①の下の方の「説明」というところに書いてあるんですけれども、JRの方は年間降水量四千二百ミリと言っているんですけれども、これは、静岡市がメッシュ平均値データでやりますと、まず、そもそも二千百ミリということになっております。
次に、この水、年間二千百ミリ程度の水が雨として降ってくるわけですけれども、この資料②を御覧ください。A3の資料で、右上に赤く四角で、これは私どもの事務所で囲んだんですけれども、これはJRが作ったものですけれども、幾つかのモデルの中のうちの一つですけれども、十六億立方メートルが毎年雨として降ってくると。年による変動がプラスマイナス四億立方メートルあると。こういう話ですから、保守的に降水量が少ない年を考えると十二億ということになります。
そのうちの約三分の一、そこに蒸発散と書いてあります、三分の一が蒸発するというふうに考えると、一番不利な年、日照りの年などは、三分の一が、七百ミリ分が、先ほど言った二千百ミリの降水量のうち七百ミリが蒸発してしまう。
そうすると、残りはどこで賄われるかというと、実は、これが南アルプスの山の中の、山体の中の断層に沿ってある破砕帯という、非常に密度の低い、がらがらしたようなところ、そこに水がたまっています。それが地下水となって大井川に流れ込んでいる。これが今、問題となっているわけです。
先ほどのような計算をしますと、大井川の水量の四〇%はこの被圧地下水あるいは地下水で賄われているということが想定できるわけですけれども、これは三分の一がなくなったら、ただでさえも今、大井川、水がれ問題がずっと言われているものですから、大変なことになってしまうわけです。
取水制限とか、多い年には五〇%とかされている年もあります。約半分、半分までいきませんが、四〇%水量が減ってしまえば、もう取水制限、五〇%どころか九〇%しなければいけなくなってしまうわけです。
そういう前提でお伺いしますけれども、まず、国土交通省にお伺いしたいんですけれども、各地のトンネル工事で歴史的に水がれ公害が発生しているという事実があると思います。
有名なのは丹那トンネルですね、これは新幹線が通っているところですけれども。地下水がほぼ抜けてしまって、その量が何と芦ノ湖三杯分。そのために、ここでは、昔豊かな水田地帯だったんですけれども、これはできなくなって、それで有名な丹那牛乳になっているわけですけれども。 そのほかにも、リニアの実験線、そのうち本物の線になるわけですけれども、山梨県大月市の例や、長崎新幹線での久山トンネルで、諫早市多良見町井樋ノ尾地区というところで、水がれ被害あるいは公害が発生しているようですけれども、そのことは承知されているでしょうか。 ○上原政府参考人 お答えいたします。
一般に、トンネルを周辺の地下水の水位よりも低い位置で掘削をする場合、トンネルには水圧がかかりまして、十分な治水対策が講じられない場合には、トンネル内に地下水が入り込み、地下水位が低下することになります。これにより、基本的にはトンネル直上部あるいはその周辺にある井戸やため池などでは水がれが発生する場合がございます。
このようなトンネル工事による渇水は、委員御指摘の静岡県の丹那トンネルの工事やあるいは山梨リニア実験線工事、九州新幹線西九州ルートの久山トンネル工事等で発生したことは承知をいたしております。
委員御指摘の丹那トンネルは、東海道線、熱海 ―函南駅間をつなぐため、大正七年に建設が開始され、昭和八年に竣工し、昭和九年に開通したものでございます。
この工事中の大正十三年頃から、トンネル直上の丹那盆地、あるいはその周辺の田代盆地やそこまでの軽井沢集落等におきまして、渇水問題が発生したとされております。当時は、現在のような薬液注入等の止水技術が十分でなかったと承知をいたしております。
また、九州新幹線西九州ルート、久山トンネルにおきましては、平成二十九年に湧水を確認し、トンネルの周辺五地区で地下水位が低下し、湧き水、飲料用や沢水の、これは農業用でございますが、この減渇水が発生いたしましたが、鉄道・運輸機構におきまして、給水車による給水等を実施しているところと承知をいたしております。
○青山(雅)委員 今、山梨県大月市の例は答えられなかったですけれども、併せて次の問題で聞きます。
今紹介されたとおり、諫早市では給水しないといけなくなってしまったと。それから、丹那では、先ほど御紹介したように、水田が、もう稲作ができなくなったと。大月市では、これは私、直接そこに、大月市にお住まいの方に聞いていますけれども、簡易水道が機能しなくなって、給水車で、井戸を、水を用立てしなければならなくなったと。 その井戸にしても、リニアのトンネルより下に掘る必要があって、井戸水は取水できるんですけれども、くみ上げのための電気代が非常にかかる、ところが、それが三十年分しか補償されないというようなことになっているようですけれども、そういった事実は把握されているでしょうか。
○上原政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のように、トンネル工事が原因で生活用水や農業用水等が枯渇したり減水する等の被害が発生した場合の対応につきましては、国土交通省の直轄の公共事業では、公共事業に係る工事の施行に起因する水枯渇等により生ずる損害等に係る事務処理要領に従って行われているところでございます。
鉄道の工事につきましても、鉄道・運輸機構により行われている整備新幹線の工事では、この要領に従って対応をしているところでございます。 この要領では、応急措置として、給水用の車両を配備する等、また、機能回復として別の場所に井戸を設ける等の代替施設の新設等が定められております。新設された代替施設の維持管理費の負担につきましては、生活用水の場合はおおむね三十年を限度とするということが規定されているところでございます。
一方で、今回問題になっておりますリニア中央新幹線の南アルプストンネルの掘削に伴う補償に関しましては、JR東海は、昨年、令和二年三月六日に、大井川中下流域の水資源の利用に影響が出た場合の対応についてという文書を公表しております。
この基本的な考え方は、先ほど申し上げました公共事業の直轄事業の事務処理要領に基づき対応することとしておりますが、一方で、静岡工区における補償期間につきましては、適切な対策を講じるため、あらかじめ限度を定めることはせず、三十年を超えることも含めて、機能回復や費用を負担させていただくことを考えているということを公表しているところでございます。
○青山(雅)委員 ごめんなさい、私が聞き落としたのかもしれないんだけれども、山梨県大月市で給水車などを出さなきゃいけなくなっているという事実があるかないか、それだけ端的に、ちょっと時間の関係で。
○上原政府参考人 お答えいたします。
JR東海によれば、山梨県リニア実験線延伸工事におきまして、トンネル工事により、実験線周辺で一部の沢や河川等の減水や水がれ等が確認をされているところでございます。
○青山(雅)委員 それで、今回は、先ほども言ったように、その水系に六十二万人が暮らしているという大変大規模な話なんですね。そうすると、給水車で行くといっても、とても間に合わない。それから、三十年に限らず補償すると言うけれども、これはずっと続いたら、それこそJR東海がもっているのかどうかもわからない。大変大きな問題なんですね。
ですから、起きないようにしてもらうしかないわけです、現実には。補償すると言ったって、小さな集落なら、それこそ給水車を持っていったり井戸を掘ったりでいいですけれども、六十二万人が暮らす大変大きな地域に、そういったことを全部できるわけがないわけですね。ですから、ここは慎重にやっていただきたいというのが今日の趣旨なんですけれども。
こういった被害が起きないようにするには、当然のことながら、事前調査が十分でなければいけないわけです。ところが、南アルプスの地中、どこに水が貯留しているかというと、先ほど言ったように、断層が動くことによってできて、岩盤が砕けてできた破砕帯という、こういう空隙に水がたまっているわけですね。そのこと、この前提自体はそれでよろしいか、国土交通省に、簡単でいいです、お答えください。
○上原政府参考人 お答えいたします。
先ほど委員御指摘のとおり、このトンネル掘削による湧水を実際の現場でどれだけ少なくできるかということは非常に重要な課題であるというふうに考えております。
これまでのような、先ほどから出ております水がれ等の工事の状況を踏まえまして、南アルプストンネルでは、本坑トンネルの掘削に先立ち、トンネル断面の小さい先進坑を掘削して地質や地下水等の状況を把握し、さらに、先進坑の先端部から、最新の技術を用いたおおむね五百から一千メートル程度の高速長尺先進ボーリングによりまして、先進坑より更に前方の地質の把握と併せて、トンネル湧水量、湧水圧、さらには化学的な成分分析等を行うことによりまして、破砕帯の位置や破砕帯に含まれる地下水の起源、地表面付近の地下水との連続性などを推定することを予定しております。
委員御指摘のとおり、この破砕帯や亀裂には地下水が滞留している場合がございますので、これに高い水圧がかかりますと施工上も大変危険な状況となります。
リニア中央新幹線では、JR東海が全国新幹線鉄道整備法に基づき、昭和四十九年から平成二十年まで地形、地質等の調査を行いまして、また、二十三年から平成二十六年にかけてJR東海により行われた環境影響評価におきまして、一部において、断層付近の破砕帯等、地質が脆弱な部分を通過することがあり、状況によっては、工事中に集中的な湧水が発生する可能性があるというふうにされておりまして、国土交通省といたしましても、破砕帯のそうした状況については把握をしております。
○青山(雅)委員 今のお話を聞くと、まず、国交省は、破砕帯に水があることが分かっている。大変精密な検査でもしているようにお答えになりましたけれども、実は、これは資料③を御覧ください。今、JRが、水が出てくるよと今おっしゃった、工事中に水が出てくるよとおっしゃったのが、この赤い丸で囲んだ部分です。そこに破砕帯があります。そこに、ノンコアボーリングといって、中に何があるかという地質を調べないボーリングしかしていません。それから、透水試験といって、どのくらい水が通るのかという、それもしていません。
それで、していないのにもかかわらず、資料④ を御覧ください。ここにトンネルを掘っていくと、こういうふうに水がばあっとあふれてたまってしまって水没するからできないんだ、こう主張しているわけですよ。これは、きちんと調べてこういう主張をしているのなら分かるんだけれども、せっかくノンコアボーリングしながら、なぜか知らないけれども、コアボーリングはやらない、透水試験もやらない。これで、なぜ、先ほどおっしゃったような精密な検査、きちんとした検査と言えるのか。
私は、これ、JRが言うように、本当にここのところがこういう状況になるのか、それはコアボーリングをすべきだと。私は事前にちょっと国交省に聞いたら、山の中だから難しいとか言っていたんだけれども、ノンコアボーリングができるんだからコアボーリングができないわけはないんですね。コアボーリングというものができれば、そこを利用して透水試験もできるんだから、やれるはずです。これ、やると言ってください、国交省。
○上原政府参考人 お答えいたします。 議論を整理させていただきたいと思います。 先ほど私が申し上げました高速長尺先進ボーリングにつきましては、これは、工事の掘削に当たって、更にきめ細かくその地質を、ボーリング調査とかそういう粗い調査ではなくて、まず、この先進ボーリングによりまして、地質の把握、それからトンネルの湧水量、湧水圧、化学的な成分分析等をまず行う。その先進ボーリングの結果、破砕帯等や地質の変化が想定される場合においてはコアボーリングをその地区で行いまして、地質の性状を詳細に調査することといたしております。 さらに、そのコアボーリングの結果、破砕帯の存在により、先進掘削時に多くのトンネル湧水が想定される範囲におきましては、先進坑の掘削がその範囲に近づいた時点でトンネル掘削工事を一時中断し、トンネル周辺や切り羽前方に対し薬液注入を行い、トンネル湧水を低減する、そういう非常にきめ細かい対策を今検討しているところ、予定しているところでございます。
先ほど委員御指摘ありました、コアボーリングをノンコアボーリングをしている地点で行えばいいじゃないかという御指摘につきましては、実際のその工事に当たりまして止水対策を行うに当たりましては、仮に現時点で地表から複数箇所でコアボーリングを行ったとしても、これらにより、実際にトンネルが通過する地山の地質の全容を把握することは困難でございます。
したがって、こうしたコアボーリングに代えてこの先進ボーリングによる調査をまず行って、更にきめ細かく対策を取っていくということを考えているわけでございます。
○青山(雅)委員 全くの詭弁ですね。そもそも、これはアセスをやっているわけですよ、国土交通大臣が。それで、何と言っているかというと、「河川水の利用への影響の回避」というところで、農業用水、工業用水、水道用水で、河川流量の減少は河川水の利用に重大な影響を及ぼすおそれがある、このことを踏まえ、必要に応じて精度の高い予測を行い、その結果に基づき水系への影響の回避を図ることと、ちゃんと書いてあるんですよ。 これ、何で言っているかというと、ここのところを静岡県側から、つまり、高い方からトンネルを掘っていけば山梨県側に水が抜けないわけですよ。ところが、今、これは資料④を御覧いただければお分かりのとおり、機械が水没するようなことが起きちゃうから、低い方、山梨県側から掘ると言っているわけですよ。それが妥当かどうかというのを調べるのに、このアセスで言っているような精密な検査をしなきゃいけないのに、それを、実際の工事でやりながらやるからいいんだと言ったら、もうそっち側からやっちゃっているじゃないですか、水が抜けちゃうじゃないですか。その話をしているのに、何で事前の計画でこれを、それをまず、JRの言っていることが本当かどうか調べなきゃいけないと言っているのに、後からやるからいいんだと。後からやったら、もう水抜けちゃっているわけですよ。
時間がないので、答弁が非常に長いので、最後まで行かないと困るので、ここのところはまた後で大臣に聞きますけれども、資料⑤を御覧ください。
実際には、コアボーリングをやっているところはあるんですね、これは場所がちょっと違いますけれども。このコアボーリングをやった結果に非常に大きな問題があるんです。資料⑤を御覧いただくと、これは、線があるのがコアボーリング。塗り潰した赤い丸があるところは、水が勢いよく噴き出したところです。それが資料⑥に出ています。ぽんと、矢印がスパイクのように跳ね上がっているところが水が出たところ。どういうところに出るかというと、先ほどから言っているように、破砕帯から出るわけです。
非常に問題なのは、資料⑦を御覧ください。この資料⑦に、六百九十から七百メートル、七百三メートルくらいのところに、十メートル以上の厚さにわたって明らかに隙間があるわけですよ。ここの間にある地質を全部コアボーリングで取って、こういうふうに積み重ねているわけですけれども、つまり、ここの間に大きな水がたまっている可能性がある。だけれども噴き出していないということは、下に抜けているんですね。たまっているから気圧が違うせいでぴゅっと出てくるんですけれども。イメージしてもらえば分かるんですけれども、滝のように下に向かってごうごう流れていれば、これは噴き出してこないわけですよ。
これをどのくらいやっているかというと、逆に水を上から入れて、透水試験の中で、どのくらい下に流れ込んでいくかということで、そこがどうなっているか分かるわけですよ。ところが、これは透水試験をやっていないんですよ。そのことは、資料⑧の静岡県の指摘、有識者会議の指摘で、ピンク色のところ、先ほど私が言ったコアボーリングをしなさいよというのは、資料⑧の最初のページの二つのところ。ここの、この六百九十メートルから七百二十メートルのところにあるこの空隙に対してきちんと透水試験とかしろと言っているのが、こちらの方です。より大きな問題は、ここの六百九十から七百二十をきちんとケアさせていないから、どれだけ水がたまっているのか、どれだけ水が抜けちゃうのかが全く分からないでやっているわけですよ。しかも、コアボーリングは一か所しかしていないんですよ。まるで、国土交通省は、すごく一生懸命JRの方は調べて精密にやっていると言っているんだけれども。
こんなのでは、水がどれだけあるのかも分からないのに、水がなくならないよと言われたって、とても信頼できないわけです。これについてきちんと調査をしなきゃいけないと思うんですけれども、短く答えてください、大臣にもお話を聞きたいから。
○上原政府参考人 お答えいたします。
まず、もう一度議論を整理させていただきたいと思います。
先ほど来の委員の御指摘で、例えば丹那トンネルの経験でございますとか、そうした実際の工事においてトンネルの湧水をどうやって最小化していくか、止水対策をしていくかという議論。 それから、丹那トンネル等でもそうですけれども、トンネルの直上部あるいはその周辺部におきまして、大井川上流域における地下水位の低下などによってどういう影響があるか。これは、自然環境への影響が考えられますので、その問題。 さらに、先ほど来御意見をいただいている環境影響評価その他については、トンネル掘削によって、トンネル直上部や周辺だけでなく、トンネルから距離が離れた中下流域の河川、表流水や地下水にどのような影響を与えると考えられるかという問題。
この三つの問題に分けて考えますと、まず、本当にその湧水を最少化する止水対策については、先ほど申し上げましたような先進ボーリングを行っていくという対策を考えております。
それから、直上部やその周辺、先ほどの丹那トンネルの、そうした事例を踏まえた自然環境への対策につきましては、今後、有識者会議でそれを議論することにしておりまして、現時点までは、まだ有識者会議でその議論をいたしておりません。 最後に、大井川中下流域の地下水に与える影響、先ほどから、ボーリングによる透水係数等の調査、これは水収支解析という手法がございまして、その水収支解析を前提とした大井川中下流域の地下水に与える影響につきましては、今、モデルを用意をして整理をしているところでございますが、先ほど来委員御指摘のJR東海によるモデルだけではなくて、静岡市のモデルも活用して、今議論をしているところでございます。
また、大井川の元々の、そもそもの利用実態や化学的な成分分析からは、中下流域の地下水は上流域の地下水から直接供給されているわけではないということが判明をしております。 ただ、この水収支解析には当然不確実性が伴うものですから、これにつきまして、現在、そうした不測の事態が生じた場合のリスク対策について、有識者会議で議論が行われているところでございます。
○青山(雅)委員 全くさっきから議論になっていないんですね。
私は、工事をする前にきちんと評価をし直さなきゃいけない、JRの出しているものがいいかげんだったことが分かっているわけだから、そのためにちゃんと工事をやる前にそれをやるべきだと言っているものを、工事をやりながらやりなさいと言っているわけですよ、ずっと。だから、工事が止まっちゃっているんですよ。
工事をやりたければやればいいわけです、そこのボーリング調査なんてすぐできるんだから。それをそんなにも嫌がるということは、つまり不利な結果が出るということを予想しているからなんですよ。
そして、先進坑を先に掘ればいいとおっしゃっている。それがボーリング代わりになると言うけれども、先進坑は、山梨側から、下から掘るんですよ。そうすると、その先進坑から抜けちゃうわけですよ、結局水が。
これは委員の皆さんも御想像いただければ分かるんですけれども、プールがあって、プールの上の方からパイプを差し込んだって水は抜けません。ところが、下からプールに差し込めば、水は全部抜けちゃうじゃないですか。そんなことぐらい、ちょっと考えれば分かるはずなんですね。だけれども、それを平気で、先進坑を先に掘って、それで調査するからいいと。先進坑から全部抜けちゃうじゃないですか。
そういういいかげんなことで六十二万人の水源が失われたら、どうやって責任取るんですか。国交省はアセスでちゃんと言っているじゃないですか。これは大臣の意見として、そういうことが起きないようにちゃんと調査をしてやれと。
その指摘を受けているのに、何でその簡単なボーリング調査をそこまで嫌がるのか、私は全く分からないんですよ。
国土交通大臣にその御意見をお伺いしたいんですが。
○赤羽国務大臣 済みません、ボーリング調査云々ということについて、私、直接その状況をよく掌握しているわけではございませんが、もちろん、この水問題につきましては、その沿線の地域住民に大変大きな影響があるということはそのとおりだと思っております。
であるがゆえに様々な懸念があるということを承知して、今、有識者会議、昨年四月から回を重ね、今十回開催している、熱心に議論いただいているというふうに思っております。
そうした地元の皆さんの御懸念を払拭できるように、また、私、一般論として、結果がまずいから、そのまずく出るのが分かるからそうした工事は避けているんだというようなことが、もしそうであったら、そういうことはあってはならないというふうに思いますので、そこについてはこの有識者会議でしっかりと議論していただける、それが大事だというふうに思います。
○青山(雅)委員 結局、何を言っているかというと、静岡県の方の有識者会議では、調査が不十分だと。しかも、その調査に物すごく時間やお金がかかるものをやってくださいと言っているわけじゃなくて、JRが既にやった場所でいいから、コアボーリングをもう一度やって、透水試験という、コアボーリングをすればすぐにできる試験をやって、実態を本当に把握して議論してくださいよと言っているだけなんですね。それをしないで、ただ会議だけやったって、結論が出るわけないわけですよ。
別に、やればいいわけですよ。それで危惧されるようなことがなければ、静岡県が危惧していることがなければ、県知事だって工事いいですよと言うでしょうし。だけれども、それをやらないから疑念ばかり深まるんです。
その点について、大臣、重ねて御見解をお伺いしたい。
○赤羽国務大臣 私は専門家じゃありませんから、このプロジェクトを見守る責任者でありますので、そうした懸念、そのプロセスについて透明性がないようなことは、それは認めるわけにいかないので、しっかりとした対応をしてもらう。それは、有識者会議、極めて我々はちゃんとリスペクトしているメンバーでやっていただいていると思いますので、そこでしっかり議論してもらう、そういうふうに鉄道局長には指示したいと思います。 ○青山(雅)委員 今、大臣、非常に大切な答弁をいただきました。透明性を大事にする、そしてきちんと議論するということを有識者会議にも指示するとおっしゃったので、今後、その点を見守らさせていただきながら、また必要があれば質問させていただきます。
本日は、貴重な時間、ありがとうございました。
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