2021-04-29(Thu)
外環道陥没事故から半年 調布陥没 「家壊す」仮移転 住民不安
大深度工事の信頼回復? 会議録 参-法務委員会-4号 令和3年3月30日 山添議員
朝日新聞デジタル2021年4月28日 15時30分
調布の陥没、本当に特殊ケース?指摘された「不十分さ」
----特殊な地盤条件下での特別な工事が要因――。東京都調布市で昨年10月に起きた陥没について、東日本高速道路(NEXCO東日本)の有識者委員会は、報告書でこんな認識を示した。東京外郭環状道路(外環道)の工事が原因と認める一方、あくまで特殊なケースだという。地上への影響がないとされる大深度地下工事を検証する。
毎日新聞 2021/4/28 東京朝刊
追跡:東京・調布の道路陥没半年 「家壊す」仮移転、住民不安
----東京都調布市の住宅街で道路が陥没した事故の発生から半年がたった。現場の地下約47メートルで東京外郭環状道路(外環道)のトンネル工事をしていた東日本高速道路は、周辺の住宅を取り壊して地盤を補修し、住民に同じ場所の新たな住宅に戻ってもらう「仮移転」を提案した。対象は約40戸に上る。2年以上かかるとみられる移転期間と前後の引っ越しを住民は受け入れられるのか。工事の行方は依然、不透明なままだ。
日本経済新聞 2021年4月25日 2:00
外環道陥没事故から半年 大深度工事の信頼回復なるか
----東京外郭環状道路の地下工事に伴う陥没事故が東京都調布市で発生して半年。東日本高速道路(NEXCO東日本)は2年かけて地盤の緩みを補修し、家屋への被害なども補償する方針だ。地下40メートルよりも深い大深度地下工事の安全神話が崩れ去った影響は極めて大きい。
外環ネット 2021年04月28日
「「東京外かく環状道路工事現場付近での陥没事象等に関する説明会」への抗議」声明
----2021年4月2日~7日、国土交通省、東日本高速道路(株)、中日本高速道路(株)の三事業者は 「東京外かく環状道路工事現場付近での地表面陥没事象の調査結果と分析・対策」の説明会を、沿線7区市で行った。沿線地域には事故後6か月も経ってからの説明会開催であり、遅きに失している。加えて、説明会自体が、住民無視の内容であったことを抗議する。
外環ネット 2021年04月28日
「「東京外かく環状道路工事現場付近での陥没事象等に関する説明会」への抗議」声明
http://gaikan.sblo.jp/archives/20210428-1.html
204-参-法務委員会-4号 令和3年3月30日 山添議員 外環道調布陥没事故
以下参考
外環ネット 2021年04月28日
「「東京外かく環状道路工事現場付近での陥没事象等に関する説明会」への抗議」声明
http://gaikan.sblo.jp/archives/20210428-1.html
本日外環ネットと13の賛同団体(計14団体)は、4月2日から7日にかけて沿線7区市にて開催された「「東京外かく環状道路工事現場付近での陥没事象等に関する説明会」への抗議」声明をまとめ、国土交通大臣、NEXCO東日本社長、NEXCO中日本社長、東京都知事に送付しましたので、お知らせします。以下は、その声明です。
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2021年4月28日
「東京外かく環状道路工事現場付近での陥没事象等に関する説明会」への抗議
外環ネット
2021年4月2日~7日、国土交通省、東日本高速道路(株)、中日本高速道路(株)の三事業者は 「東京外かく環状道路工事現場付近での地表面陥没事象の調査結果と分析・対策」の説明会を、沿線7区市で行った。沿線地域には事故後6か月も経ってからの説明会開催であり、遅きに失している。加えて、説明会自体が、住民無視の内容であったことを抗議する。
(1)住民不在・人命無視の報告書
住宅街での陥没と空洞をはじめとする様々な被害による大深度法崩壊の重大事故にもかかわらず、事業者がその責任や原因の詳細、経過などを明らかにしない報告書を発表したことについて、私たちは既に詳細に批判した(3月25日付声明)。
しかし、今回の説明会では、用意したメモを読み上げるばかりで住民の真剣な質問にも不誠実な回答しか行わなかった。
(2)住民無視の開催、運営方法
案内チラシは、新聞折込をせず、家屋調査範囲に限定して配布。被害地域住民限定の会場にはそれ以外の住民の参加は認めず、他会場も7区市以外の市民の入場を拒否した。空席があっても、二度目の参加を拒否する運営は、「住民無視」どころか「住民排除」である。
会場では、何人も挙手をしていたのに、定刻で質問を打ち切り、説明者は即座に席を立った。また、質問はメールでも受け付けるとのことだったが、「4月11日〆切」と周知していない。
(3)責任者不在、責任が不明確
説明会には、事業の責任者である大臣や会社のトップは誰一人出席せず、住民に対し、事故を起こしたことに対する責任の表明も、被害に対する謝罪もなかった。
事故の原因を「特殊な地盤」・「施工上の課題」と現場に押しつけているが、事前調査不足、トラブル時の対処ミスである。住民からの気泡噴出や振動等の苦情を無視し作業進捗を優先したことが陥没を招いた原因である。
事故を起こしたのは、住宅街の下を掘ることの重大性を認識しない事業者の組織の体質そのものであり、事業者は、自らのミスを真摯に認め、組織としての責任を明白にすべきである。
(4)不誠実な被害対応
「地盤補修と被害補償に専念する」というが、唐突な「仮移転」計画を、被害者に断りもなく、記者会見で一方的に通告したことは、住民無視そのものである。
住民が24時間生活する住宅街の真下に直径16mのトンネルを2本掘ることは、まさに住民を未完成の技術の「実験台」にしたことにほかならない。陥没事故発生は、「地上に影響がない」とした大深度法の前提が崩れたことを明らかにした。事業は中止されるべきである。
地盤を破壊しておいて、その補修と称して住居を壊し地盤改造を強引に迫るなどということは、住民の生存権・生活権への重大な侵害であり、「まち壊し」に他ならない。しかし説明会では、住民の不安・憤り・疑問への回答はなかった。
また、地盤破壊と家屋損傷、振動・騒音・低周波音などによる住民の健康被害等に対する補償は限定的で、平穏な生活を破壊し、健康を損なったことへの賠償に対する回答は一切なかった。不法行為による損害であるのに、事業者の被害に対する姿勢は極めて不誠実である。
さらに、説明会で再三住民から求められていた、既に掘削された地域での地盤調査や被害調査についてはゼロ回答だった。今後掘削予定の地域での調査も、ほとんど言及されなかった。
(5)効果のない再発防止策
「再発防止策」はトンネル工事施工上のことだけで、当然やるべきことを並べたものに過ぎない。
繰り返すが、組織全体での責任の所在を明らかにし、事業のどこに問題があったかを明示して初めて、原因究明が可能であり、そのうえで今後の事故を防ぐ対策の検討が可能になるはずである。
しかし、そのような調査・報告では全くなかった。これでは再発防止ができるわけはない。
これでは今後の安全性を確保できる確証は全くなく、住民の不安も解消されていない。
・ ・ ・ ・ ・
陥没事故によって引き起こされた住民の不安・憤りと疑問に対して、説明会における事業者の回答は全く納得できるものではなく、住民は、大深度地下使用の外環道事業の危険性・違法性を再確認した。
大深度法によって使用を認可された区域を逸脱して、地中や地表に損害を与えた今回の事故は、大深度法違反である。住民の基本的人権を侵害する大きな被害が出た以上、東京外環道トンネルの正当性は既になくなっている。
にもかかわらず、事業者らはトンネル工事再開を強行せんがために、杜撰な調査報告・再発防止策のみで反省もせずに、住民無視の地盤改良を急いでいる。こうした事業者の組織体質は、決して許されるものではない。
外環道は、事業区域上の住民に対し、生命・健康・精神的被害や財産上の損害をもたらすものであり、かつ今後ますます増大する事業費を国民に負担させるものであって、今や公共性、公益性は無い。
外環道事業はただちに中止すべきである。
(了)
賛同団体
・とめよう「外環の2」ねりまの会 ・元関町一丁目町会外環対策委員会
・外環道検討委員会・杉並 ・外環を考える武蔵野市民の会
・市民による外環道路問題連絡会・三鷹 ・外環道路予定地・住民の会
・調布・外環沿線住民の会 ・野川べりの会
・外環道検討委員会 ・外環いらない!世田谷の会
・東名JCT近隣住民の会 ・東京外環道訴訟を支える会
・東京外環道訴訟原告団・弁護団
連絡先: 外環ネット E-mail: info-gaikannet@gaikan.net
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朝日新聞デジタル2021年4月28日 15時30分
調布の陥没、本当に特殊ケース?指摘された「不十分さ」
https://digital.asahi.com/articles/ASP4W4JTGP4WUTIL014.html
毎日新聞 2021/4/28 東京朝刊
追跡:東京・調布の道路陥没半年 「家壊す」仮移転、住民不安
https://mainichi.jp/articles/20210428/ddm/012/040/120000c
日本経済新聞 2021年4月25日 2:00
外環道陥没事故から半年 大深度工事の信頼回復なるか
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD194HQ0Z10C21A4000000/
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日本共産党東京都委員会 2021年4月8日
法相「所有権の侵害」/調布陥没事故、山添拓議員に
https://www.jcp-tokyo.net/2021/0408/56543
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
東京外郭環状道路、外環道の工事で、昨年十月、調布市の住宅街で陥没事故が起き、その後三か所の空洞が確認されました。私も調布市民で、現地を訪れてお話も伺ってきました。不安と怒りが大変広がっております。都内の十六キロ、四十メートルより深い大深度地下にトンネルを掘る工事です。大深度地下法によって地上権者の同意や補償は不要とされております。
まず、大臣に確認します。民法二百七条は、土地の所有権はその上下に及ぶとしています。地下四十メートルにも所有権は及ぶのですね。
○国務大臣(上川陽子君) 民法第二百七条は、「土地の所有権は、法令の制限内において、その土地の上下に及ぶ。」と定めております。これは、土地の所有者は、その土地を自由に利用できる権利を有しており、その土地の所有者は、所有者の権利の行使につき、利益が存する限度において、上は空中へ、また下は地下に及ぶことを規定するものでございます。
○山添拓君 四十メートルより深いところにも及んでいるということでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) 一般論で申し上げるところでございますが、土地所有者の権利の行使につきまして、利益の存する限度におきまして大深度の地下にも所有権が及ぶと考えられます。
○山添拓君 三月十九日、東京外環トンネル施工等検討委員会の有識者委員会が報告書を発表しています。そこでは、陥没や空洞の原因を特殊な地盤条件の下での特別な作業だとしています。この特殊な地盤条件と言っているのは、れきが多いと、その上は砂の層になっていると、しかも表層部分が薄いと、こういう特徴だとしています。
国交省に伺います。有識者委員会はこう述べている一方で、事前の地盤調査は適切に行われているとしています。特殊な地盤であることは把握できていたということなんでしょうか。
○政府参考人(宇野善昌君) お答え申し上げます。
事前調査におけるボーリング調査については、トンネル標準示方書等の各種基準、指針等において百メートルから二百メートル程度の間隔で調査を実施することが推奨されております。東京外環事業におきましても、調査間隔二百程度を目安として事業区域周辺で八十六本のボーリング調査を実施するとともに、ボーリング調査地点間に地盤急変部が存在するかを調べることを目的として、物理探査として微動アレイ調査を実施しております。
これらの工事着手前に行う事前調査により、東京外環全線にわたり、地表部からシールド掘削断面までの地層構成や地盤強度、粒度分布などについて確認しておりました。
○山添拓君 適切に把握できていたという説明になるわけですが、しかし、地上は住宅街なんですね。そのため、事前のボーリング調査というのは不十分なものでありました。地下深くまで打ち込むようなものは少なかったわけです。そこで、工事を進めてみると、シールドマシン、掘削機が何度も止まってしまいました。適切に把握していたどころか、ほとんど行き当たりばったりという状況だったわけです。
同様の地盤は沿線の五か所にあるといいます。地盤の特殊性がこの原因だとすれば、同じように陥没が起きてしまうことになります。それでは困るということなのか、有識者委員会は特別な作業を理由として強調するようになりました。
元々この工事で、地上で騒音や振動があるという住民の声が寄せられておりました。そのために掘削機を夜間停止させていたんですね。その間に土が詰まってカッターが回転しなくなり、土を軟らかくするための液体を注入したところ、圧力が不均衡になり、土を取り込み過ぎ、その結果、地盤が緩んだとされています。
同様の地盤で同様の工事を進める限りは、土砂の取り込み過ぎによって陥没や空洞をつくる可能性は今後も否定できないのではありませんか。
○政府参考人(宇野善昌君) 今回発生の陥没、空洞周辺の地盤は、先生おっしゃるとおり、れきが卓越して介在して、シールドトンネル掘削土の塑性流動性の確保に留意する必要がある地盤であること、それから、掘削断面上部は単一の砂層である流動化しやすい層が地表面近くまで連続している地盤であること、表層部は外環沿線における他の区間と比べ薄い地盤であること、これらの条件の全てに該当する特殊な地盤であるということでございます。
また、作業につきましては、夜間休止時間にシールドマシン内の土砂が分離、沈降し、締め固まったことによりシールドカッターが閉塞したことから、土砂を一部排出し、直ちに排出土砂分の起泡溶液と置き換えるなどの特別な作業を行っていたとされておりまして、このような特殊地盤条件下における特殊な作業が今回の陥没、空洞事象の原因であると推定されたと認識しております。
そのために、今度、この度の有識委員会では、再発防止対策として、閉塞をさせない、過剰な土砂取り込みを生じさせないために、シールドトンネル内の土圧をリアルタイムに監視、より厳しい管理値の設定、気泡材の重量を控除しない掘削土重量を管理する等による排土管理の強化などの対応を講じるとともに、万が一閉塞が生じた場合には、工事を一時中止し、地盤状況を確認するために必要なボーリング調査を実施すること等が取りまとめられたところでございます。
○山添拓君 取り込みを過剰に行う、土砂の取り込み過剰、これはまた起こり得るということですよね。
○政府参考人(宇野善昌君) ただいま申し上げた有識者委員会では再発防止策を取りまとめていただいておりますので、この再発防止策をきちんと適切に講じることによって本件のような陥没、空洞事象は発生しないものと認識しております。
○山添拓君 いや、そうではないんですよ、取り込み過剰は起こり得ると、だからそれをきちんとモニタリングしようというのが有識者委員会の指摘なわけです。
シェービングクリームのような液体を注入する気泡シールド工法という工事手法ですが、それ自体の見直しが迫られているにもかかわらず、その検証はされておりません。これは再開などもってのほかだと指摘しなければなりません。
NEXCOは三月十九日、有識者委員会後の記者ブリーフィングで、突然、地盤補修のために仮移転を求めると言い出しました。しかし、補修工事の方法というのはこれから検討するというのが報告書だったはずです。工法も決まる前に、また住民に対する説明もない中で仮移転を言い出したと。そのために、住民の中に新たな不安や不信を招いています。
仮移転を求めるのは決まったことなんでしょうか。移転費用や移転中の生活補償、また戻る際の再建費用など、これは全額を補償するということなんでしょうか。
○政府参考人(宇野善昌君) 先生おっしゃいましたとおり、第七回目の有識者委員会においては、地盤の補修を実施していく必要があるということ、地盤の緩みが生じている可能性のある範囲については地盤補修予定範囲として引き続き調査を実施し、補修等の措置が必要となる地盤を特定していくこと、補修工法については今後具体的に検討していく必要があることとされ、現在、事業者において具体の検討を行っているところでございます。
移転につきましては、こういった調査、それから補修を行う上で必要な範囲において仮移転をお願いすることがあり得るということでございます。今後、住民にもよく説明した上で地盤の補修を進めていきたいというふうに考えております。
○山添拓君 これはNEXCOが勝手に進めるべきことではありません。被害に遭っている住民の意思を尊重すべきだということは重ねて指摘をさせていただきたいと思います。
資料の二ページを御覧ください。
元々、大深度地下の工事は地上への影響は生じないと説明されてきました。二〇一五年には当時の太田国交大臣が答弁し、東京外環のホームページには今もその記載があります。しかし、陥没や空洞が生じました。
そもそも工事が始まった直後から、付近を流れる野川という川では気泡が確認され、工事現場では水が噴出し、住宅で騒音や振動が報告されておりました。地上への影響は、こうした事前の説明とは異なって多数生じていたんですね。
二〇〇一年四月三日に閣議決定された大深度地下の公共的使用に関する基本方針でも、施工時に大量の土砂を掘削した場合、地盤の緩み等が生じ地上へ影響を及ぼす可能性もあるため、慎重な施工を行うことが必要と明記していました。
国交省に伺いますが、地上への影響が生じないという説明は、これは誤りですよね。
○政府参考人(宇野善昌君) 今御指摘のありました当時の国土交通大臣からは、大深度地下におけるシールド工法による工事については、適切に工事が行われれば地上への影響は生じない旨を答弁したことと承知しております。この答弁につきましては、適切に工事が行われることを前提にお答えしているものと認識しております。
これに対し、今回の陥没、空洞を受けて有識者委員会において検討を進めてきた結果、先ほどお答えしたとおり、特殊な地盤条件下においてシールドカッターが回転不能になる閉塞を解除するために行った特別な作業に起因するシールドトンネルの施工が陥没、空洞事象の要因と推定され、施工に課題があったと、こういうことが確認されたところでございます。
○山添拓君 いや、特殊な作業を行っていないところでも、騒音も振動も確認されているんですよ。地上への影響は起きているんですよね。
そして、今のような御説明というのは、適切な工事ができない、施工不良ですよね。施工不良を起こすような、そういう事業者に大深度地下の使用を認可した国交省の責任を棚上げにするものじゃありませんか。大深度地下の使用の認可も工事の認可も国交省なんですよ。そういうところにやらせたという責任、どう考えているんですか。
○政府参考人(吉田誠君) お答えを申し上げます。
いわゆる大深度地下法によります使用認可制度でございますけれども、これは、単に大深度地下の工事であれば常に地上に影響を与えないということを前提としたものではなく、また、具体の工事に許可を与えるというような性質のものではなく、国民の権利保護に留意しつつ、公益性を有する事業のために、地権者により通常使用されない空間である大深度地下に公法上の使用権の設定を認めるという性質のものでございます。
調布市における今回の案件につきましては、NEXCO東日本の有識者委員会における最終報告の内容によれば、あくまで工事の施工に起因する可能性が高いということが確認されたということでございまして、今後、事業者において再発防止策の実施に向けた対応が行われることと承知しておりますところ、国土交通省としましては、引き続きこれらの動向等を注視してまいりたいと考えているところでございます。
○山添拓君 何の責任もないかのような言いぶりなんですけれども、大臣に伺います。
これ、大深度地下法は所管外かと思いますけれども、現に陥没や空洞ができ、家屋は傾いて、地盤の補修まで必要になっております。これは財産権侵害じゃありませんか。
○国務大臣(上川陽子君) 先ほど答弁したとおりでございまして、土地の所有者は、その土地を自由に利用できる権利を有しております。
土地の所有者の侵害の有無につきましては、最終的には個々の事案に応じて判断されることになるところでございますが、一般論として申し上げれば、不適切な工事によって所有者による土地の利用が阻害された場合には、当該土地の所有権が侵害されたとの評価がなされ得るものと考えられます。
○山添拓君 所有権侵害なんですよ。にもかかわらず、事前に地上権者の同意も得ず補償も行わない。それゆえ、地盤の状況を調査するための事前ボーリングの数も限られて、トラブルが発生した場合の地上での対応も十分にできないと。
大深度地下法の前提が崩れたものであり、見直すべきだということを指摘をしまして、質問を終わります。
ありがとうございました。
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朝日新聞デジタル2021年4月28日 15時30分
調布の陥没、本当に特殊ケース?指摘された「不十分さ」
----特殊な地盤条件下での特別な工事が要因――。東京都調布市で昨年10月に起きた陥没について、東日本高速道路(NEXCO東日本)の有識者委員会は、報告書でこんな認識を示した。東京外郭環状道路(外環道)の工事が原因と認める一方、あくまで特殊なケースだという。地上への影響がないとされる大深度地下工事を検証する。
毎日新聞 2021/4/28 東京朝刊
追跡:東京・調布の道路陥没半年 「家壊す」仮移転、住民不安
----東京都調布市の住宅街で道路が陥没した事故の発生から半年がたった。現場の地下約47メートルで東京外郭環状道路(外環道)のトンネル工事をしていた東日本高速道路は、周辺の住宅を取り壊して地盤を補修し、住民に同じ場所の新たな住宅に戻ってもらう「仮移転」を提案した。対象は約40戸に上る。2年以上かかるとみられる移転期間と前後の引っ越しを住民は受け入れられるのか。工事の行方は依然、不透明なままだ。
日本経済新聞 2021年4月25日 2:00
外環道陥没事故から半年 大深度工事の信頼回復なるか
----東京外郭環状道路の地下工事に伴う陥没事故が東京都調布市で発生して半年。東日本高速道路(NEXCO東日本)は2年かけて地盤の緩みを補修し、家屋への被害なども補償する方針だ。地下40メートルよりも深い大深度地下工事の安全神話が崩れ去った影響は極めて大きい。
外環ネット 2021年04月28日
「「東京外かく環状道路工事現場付近での陥没事象等に関する説明会」への抗議」声明
----2021年4月2日~7日、国土交通省、東日本高速道路(株)、中日本高速道路(株)の三事業者は 「東京外かく環状道路工事現場付近での地表面陥没事象の調査結果と分析・対策」の説明会を、沿線7区市で行った。沿線地域には事故後6か月も経ってからの説明会開催であり、遅きに失している。加えて、説明会自体が、住民無視の内容であったことを抗議する。
外環ネット 2021年04月28日
「「東京外かく環状道路工事現場付近での陥没事象等に関する説明会」への抗議」声明
http://gaikan.sblo.jp/archives/20210428-1.html
204-参-法務委員会-4号 令和3年3月30日 山添議員 外環道調布陥没事故
以下参考
外環ネット 2021年04月28日
「「東京外かく環状道路工事現場付近での陥没事象等に関する説明会」への抗議」声明
http://gaikan.sblo.jp/archives/20210428-1.html
本日外環ネットと13の賛同団体(計14団体)は、4月2日から7日にかけて沿線7区市にて開催された「「東京外かく環状道路工事現場付近での陥没事象等に関する説明会」への抗議」声明をまとめ、国土交通大臣、NEXCO東日本社長、NEXCO中日本社長、東京都知事に送付しましたので、お知らせします。以下は、その声明です。
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2021年4月28日
「東京外かく環状道路工事現場付近での陥没事象等に関する説明会」への抗議
外環ネット
2021年4月2日~7日、国土交通省、東日本高速道路(株)、中日本高速道路(株)の三事業者は 「東京外かく環状道路工事現場付近での地表面陥没事象の調査結果と分析・対策」の説明会を、沿線7区市で行った。沿線地域には事故後6か月も経ってからの説明会開催であり、遅きに失している。加えて、説明会自体が、住民無視の内容であったことを抗議する。
(1)住民不在・人命無視の報告書
住宅街での陥没と空洞をはじめとする様々な被害による大深度法崩壊の重大事故にもかかわらず、事業者がその責任や原因の詳細、経過などを明らかにしない報告書を発表したことについて、私たちは既に詳細に批判した(3月25日付声明)。
しかし、今回の説明会では、用意したメモを読み上げるばかりで住民の真剣な質問にも不誠実な回答しか行わなかった。
(2)住民無視の開催、運営方法
案内チラシは、新聞折込をせず、家屋調査範囲に限定して配布。被害地域住民限定の会場にはそれ以外の住民の参加は認めず、他会場も7区市以外の市民の入場を拒否した。空席があっても、二度目の参加を拒否する運営は、「住民無視」どころか「住民排除」である。
会場では、何人も挙手をしていたのに、定刻で質問を打ち切り、説明者は即座に席を立った。また、質問はメールでも受け付けるとのことだったが、「4月11日〆切」と周知していない。
(3)責任者不在、責任が不明確
説明会には、事業の責任者である大臣や会社のトップは誰一人出席せず、住民に対し、事故を起こしたことに対する責任の表明も、被害に対する謝罪もなかった。
事故の原因を「特殊な地盤」・「施工上の課題」と現場に押しつけているが、事前調査不足、トラブル時の対処ミスである。住民からの気泡噴出や振動等の苦情を無視し作業進捗を優先したことが陥没を招いた原因である。
事故を起こしたのは、住宅街の下を掘ることの重大性を認識しない事業者の組織の体質そのものであり、事業者は、自らのミスを真摯に認め、組織としての責任を明白にすべきである。
(4)不誠実な被害対応
「地盤補修と被害補償に専念する」というが、唐突な「仮移転」計画を、被害者に断りもなく、記者会見で一方的に通告したことは、住民無視そのものである。
住民が24時間生活する住宅街の真下に直径16mのトンネルを2本掘ることは、まさに住民を未完成の技術の「実験台」にしたことにほかならない。陥没事故発生は、「地上に影響がない」とした大深度法の前提が崩れたことを明らかにした。事業は中止されるべきである。
地盤を破壊しておいて、その補修と称して住居を壊し地盤改造を強引に迫るなどということは、住民の生存権・生活権への重大な侵害であり、「まち壊し」に他ならない。しかし説明会では、住民の不安・憤り・疑問への回答はなかった。
また、地盤破壊と家屋損傷、振動・騒音・低周波音などによる住民の健康被害等に対する補償は限定的で、平穏な生活を破壊し、健康を損なったことへの賠償に対する回答は一切なかった。不法行為による損害であるのに、事業者の被害に対する姿勢は極めて不誠実である。
さらに、説明会で再三住民から求められていた、既に掘削された地域での地盤調査や被害調査についてはゼロ回答だった。今後掘削予定の地域での調査も、ほとんど言及されなかった。
(5)効果のない再発防止策
「再発防止策」はトンネル工事施工上のことだけで、当然やるべきことを並べたものに過ぎない。
繰り返すが、組織全体での責任の所在を明らかにし、事業のどこに問題があったかを明示して初めて、原因究明が可能であり、そのうえで今後の事故を防ぐ対策の検討が可能になるはずである。
しかし、そのような調査・報告では全くなかった。これでは再発防止ができるわけはない。
これでは今後の安全性を確保できる確証は全くなく、住民の不安も解消されていない。
・ ・ ・ ・ ・
陥没事故によって引き起こされた住民の不安・憤りと疑問に対して、説明会における事業者の回答は全く納得できるものではなく、住民は、大深度地下使用の外環道事業の危険性・違法性を再確認した。
大深度法によって使用を認可された区域を逸脱して、地中や地表に損害を与えた今回の事故は、大深度法違反である。住民の基本的人権を侵害する大きな被害が出た以上、東京外環道トンネルの正当性は既になくなっている。
にもかかわらず、事業者らはトンネル工事再開を強行せんがために、杜撰な調査報告・再発防止策のみで反省もせずに、住民無視の地盤改良を急いでいる。こうした事業者の組織体質は、決して許されるものではない。
外環道は、事業区域上の住民に対し、生命・健康・精神的被害や財産上の損害をもたらすものであり、かつ今後ますます増大する事業費を国民に負担させるものであって、今や公共性、公益性は無い。
外環道事業はただちに中止すべきである。
(了)
賛同団体
・とめよう「外環の2」ねりまの会 ・元関町一丁目町会外環対策委員会
・外環道検討委員会・杉並 ・外環を考える武蔵野市民の会
・市民による外環道路問題連絡会・三鷹 ・外環道路予定地・住民の会
・調布・外環沿線住民の会 ・野川べりの会
・外環道検討委員会 ・外環いらない!世田谷の会
・東名JCT近隣住民の会 ・東京外環道訴訟を支える会
・東京外環道訴訟原告団・弁護団
連絡先: 外環ネット E-mail: info-gaikannet@gaikan.net
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朝日新聞デジタル2021年4月28日 15時30分
調布の陥没、本当に特殊ケース?指摘された「不十分さ」
https://digital.asahi.com/articles/ASP4W4JTGP4WUTIL014.html
毎日新聞 2021/4/28 東京朝刊
追跡:東京・調布の道路陥没半年 「家壊す」仮移転、住民不安
https://mainichi.jp/articles/20210428/ddm/012/040/120000c
日本経済新聞 2021年4月25日 2:00
外環道陥没事故から半年 大深度工事の信頼回復なるか
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD194HQ0Z10C21A4000000/
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日本共産党東京都委員会 2021年4月8日
法相「所有権の侵害」/調布陥没事故、山添拓議員に
https://www.jcp-tokyo.net/2021/0408/56543
204-参-法務委員会-4号 令和3年3月30日 山添議員 外環道調布陥没事故
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
東京外郭環状道路、外環道の工事で、昨年十月、調布市の住宅街で陥没事故が起き、その後三か所の空洞が確認されました。私も調布市民で、現地を訪れてお話も伺ってきました。不安と怒りが大変広がっております。都内の十六キロ、四十メートルより深い大深度地下にトンネルを掘る工事です。大深度地下法によって地上権者の同意や補償は不要とされております。
まず、大臣に確認します。民法二百七条は、土地の所有権はその上下に及ぶとしています。地下四十メートルにも所有権は及ぶのですね。
○国務大臣(上川陽子君) 民法第二百七条は、「土地の所有権は、法令の制限内において、その土地の上下に及ぶ。」と定めております。これは、土地の所有者は、その土地を自由に利用できる権利を有しており、その土地の所有者は、所有者の権利の行使につき、利益が存する限度において、上は空中へ、また下は地下に及ぶことを規定するものでございます。
○山添拓君 四十メートルより深いところにも及んでいるということでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) 一般論で申し上げるところでございますが、土地所有者の権利の行使につきまして、利益の存する限度におきまして大深度の地下にも所有権が及ぶと考えられます。
○山添拓君 三月十九日、東京外環トンネル施工等検討委員会の有識者委員会が報告書を発表しています。そこでは、陥没や空洞の原因を特殊な地盤条件の下での特別な作業だとしています。この特殊な地盤条件と言っているのは、れきが多いと、その上は砂の層になっていると、しかも表層部分が薄いと、こういう特徴だとしています。
国交省に伺います。有識者委員会はこう述べている一方で、事前の地盤調査は適切に行われているとしています。特殊な地盤であることは把握できていたということなんでしょうか。
○政府参考人(宇野善昌君) お答え申し上げます。
事前調査におけるボーリング調査については、トンネル標準示方書等の各種基準、指針等において百メートルから二百メートル程度の間隔で調査を実施することが推奨されております。東京外環事業におきましても、調査間隔二百程度を目安として事業区域周辺で八十六本のボーリング調査を実施するとともに、ボーリング調査地点間に地盤急変部が存在するかを調べることを目的として、物理探査として微動アレイ調査を実施しております。
これらの工事着手前に行う事前調査により、東京外環全線にわたり、地表部からシールド掘削断面までの地層構成や地盤強度、粒度分布などについて確認しておりました。
○山添拓君 適切に把握できていたという説明になるわけですが、しかし、地上は住宅街なんですね。そのため、事前のボーリング調査というのは不十分なものでありました。地下深くまで打ち込むようなものは少なかったわけです。そこで、工事を進めてみると、シールドマシン、掘削機が何度も止まってしまいました。適切に把握していたどころか、ほとんど行き当たりばったりという状況だったわけです。
同様の地盤は沿線の五か所にあるといいます。地盤の特殊性がこの原因だとすれば、同じように陥没が起きてしまうことになります。それでは困るということなのか、有識者委員会は特別な作業を理由として強調するようになりました。
元々この工事で、地上で騒音や振動があるという住民の声が寄せられておりました。そのために掘削機を夜間停止させていたんですね。その間に土が詰まってカッターが回転しなくなり、土を軟らかくするための液体を注入したところ、圧力が不均衡になり、土を取り込み過ぎ、その結果、地盤が緩んだとされています。
同様の地盤で同様の工事を進める限りは、土砂の取り込み過ぎによって陥没や空洞をつくる可能性は今後も否定できないのではありませんか。
○政府参考人(宇野善昌君) 今回発生の陥没、空洞周辺の地盤は、先生おっしゃるとおり、れきが卓越して介在して、シールドトンネル掘削土の塑性流動性の確保に留意する必要がある地盤であること、それから、掘削断面上部は単一の砂層である流動化しやすい層が地表面近くまで連続している地盤であること、表層部は外環沿線における他の区間と比べ薄い地盤であること、これらの条件の全てに該当する特殊な地盤であるということでございます。
また、作業につきましては、夜間休止時間にシールドマシン内の土砂が分離、沈降し、締め固まったことによりシールドカッターが閉塞したことから、土砂を一部排出し、直ちに排出土砂分の起泡溶液と置き換えるなどの特別な作業を行っていたとされておりまして、このような特殊地盤条件下における特殊な作業が今回の陥没、空洞事象の原因であると推定されたと認識しております。
そのために、今度、この度の有識委員会では、再発防止対策として、閉塞をさせない、過剰な土砂取り込みを生じさせないために、シールドトンネル内の土圧をリアルタイムに監視、より厳しい管理値の設定、気泡材の重量を控除しない掘削土重量を管理する等による排土管理の強化などの対応を講じるとともに、万が一閉塞が生じた場合には、工事を一時中止し、地盤状況を確認するために必要なボーリング調査を実施すること等が取りまとめられたところでございます。
○山添拓君 取り込みを過剰に行う、土砂の取り込み過剰、これはまた起こり得るということですよね。
○政府参考人(宇野善昌君) ただいま申し上げた有識者委員会では再発防止策を取りまとめていただいておりますので、この再発防止策をきちんと適切に講じることによって本件のような陥没、空洞事象は発生しないものと認識しております。
○山添拓君 いや、そうではないんですよ、取り込み過剰は起こり得ると、だからそれをきちんとモニタリングしようというのが有識者委員会の指摘なわけです。
シェービングクリームのような液体を注入する気泡シールド工法という工事手法ですが、それ自体の見直しが迫られているにもかかわらず、その検証はされておりません。これは再開などもってのほかだと指摘しなければなりません。
NEXCOは三月十九日、有識者委員会後の記者ブリーフィングで、突然、地盤補修のために仮移転を求めると言い出しました。しかし、補修工事の方法というのはこれから検討するというのが報告書だったはずです。工法も決まる前に、また住民に対する説明もない中で仮移転を言い出したと。そのために、住民の中に新たな不安や不信を招いています。
仮移転を求めるのは決まったことなんでしょうか。移転費用や移転中の生活補償、また戻る際の再建費用など、これは全額を補償するということなんでしょうか。
○政府参考人(宇野善昌君) 先生おっしゃいましたとおり、第七回目の有識者委員会においては、地盤の補修を実施していく必要があるということ、地盤の緩みが生じている可能性のある範囲については地盤補修予定範囲として引き続き調査を実施し、補修等の措置が必要となる地盤を特定していくこと、補修工法については今後具体的に検討していく必要があることとされ、現在、事業者において具体の検討を行っているところでございます。
移転につきましては、こういった調査、それから補修を行う上で必要な範囲において仮移転をお願いすることがあり得るということでございます。今後、住民にもよく説明した上で地盤の補修を進めていきたいというふうに考えております。
○山添拓君 これはNEXCOが勝手に進めるべきことではありません。被害に遭っている住民の意思を尊重すべきだということは重ねて指摘をさせていただきたいと思います。
資料の二ページを御覧ください。
元々、大深度地下の工事は地上への影響は生じないと説明されてきました。二〇一五年には当時の太田国交大臣が答弁し、東京外環のホームページには今もその記載があります。しかし、陥没や空洞が生じました。
そもそも工事が始まった直後から、付近を流れる野川という川では気泡が確認され、工事現場では水が噴出し、住宅で騒音や振動が報告されておりました。地上への影響は、こうした事前の説明とは異なって多数生じていたんですね。
二〇〇一年四月三日に閣議決定された大深度地下の公共的使用に関する基本方針でも、施工時に大量の土砂を掘削した場合、地盤の緩み等が生じ地上へ影響を及ぼす可能性もあるため、慎重な施工を行うことが必要と明記していました。
国交省に伺いますが、地上への影響が生じないという説明は、これは誤りですよね。
○政府参考人(宇野善昌君) 今御指摘のありました当時の国土交通大臣からは、大深度地下におけるシールド工法による工事については、適切に工事が行われれば地上への影響は生じない旨を答弁したことと承知しております。この答弁につきましては、適切に工事が行われることを前提にお答えしているものと認識しております。
これに対し、今回の陥没、空洞を受けて有識者委員会において検討を進めてきた結果、先ほどお答えしたとおり、特殊な地盤条件下においてシールドカッターが回転不能になる閉塞を解除するために行った特別な作業に起因するシールドトンネルの施工が陥没、空洞事象の要因と推定され、施工に課題があったと、こういうことが確認されたところでございます。
○山添拓君 いや、特殊な作業を行っていないところでも、騒音も振動も確認されているんですよ。地上への影響は起きているんですよね。
そして、今のような御説明というのは、適切な工事ができない、施工不良ですよね。施工不良を起こすような、そういう事業者に大深度地下の使用を認可した国交省の責任を棚上げにするものじゃありませんか。大深度地下の使用の認可も工事の認可も国交省なんですよ。そういうところにやらせたという責任、どう考えているんですか。
○政府参考人(吉田誠君) お答えを申し上げます。
いわゆる大深度地下法によります使用認可制度でございますけれども、これは、単に大深度地下の工事であれば常に地上に影響を与えないということを前提としたものではなく、また、具体の工事に許可を与えるというような性質のものではなく、国民の権利保護に留意しつつ、公益性を有する事業のために、地権者により通常使用されない空間である大深度地下に公法上の使用権の設定を認めるという性質のものでございます。
調布市における今回の案件につきましては、NEXCO東日本の有識者委員会における最終報告の内容によれば、あくまで工事の施工に起因する可能性が高いということが確認されたということでございまして、今後、事業者において再発防止策の実施に向けた対応が行われることと承知しておりますところ、国土交通省としましては、引き続きこれらの動向等を注視してまいりたいと考えているところでございます。
○山添拓君 何の責任もないかのような言いぶりなんですけれども、大臣に伺います。
これ、大深度地下法は所管外かと思いますけれども、現に陥没や空洞ができ、家屋は傾いて、地盤の補修まで必要になっております。これは財産権侵害じゃありませんか。
○国務大臣(上川陽子君) 先ほど答弁したとおりでございまして、土地の所有者は、その土地を自由に利用できる権利を有しております。
土地の所有者の侵害の有無につきましては、最終的には個々の事案に応じて判断されることになるところでございますが、一般論として申し上げれば、不適切な工事によって所有者による土地の利用が阻害された場合には、当該土地の所有権が侵害されたとの評価がなされ得るものと考えられます。
○山添拓君 所有権侵害なんですよ。にもかかわらず、事前に地上権者の同意も得ず補償も行わない。それゆえ、地盤の状況を調査するための事前ボーリングの数も限られて、トラブルが発生した場合の地上での対応も十分にできないと。
大深度地下法の前提が崩れたものであり、見直すべきだということを指摘をしまして、質問を終わります。
ありがとうございました。
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