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2021-06-06(Sun)

水循環基本法の一部を改正する法律案 衆院通過

地下水の適切な保全・利用に関する規定を追加 実態把握、採取制限など自治体条例促進


水循環基本法の一部を改正する法律案の概要 
21法案)水循環基本法の一部を改正する法律案の概要

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中日新聞 2020年10月17日 05時00分 (12月22日 17時30分更新)
リニア着工6年 水循環専門の稲場名誉教授に聞く
----水循環基本法が制定された意義は。
 法律には画期的な条項がある。健全な水循環の再建と推進のほか、地表の水と地下水は貴重な国民共有の財産と規定し、流域住民が財産権を持つとした。つまり、流域住民の了解なしに水は使えないのだ。だからこそ、(住民との合意のために)情報公開が重要になる。また、地下水に影響を与える行為は、県が認めれば実施していいわけではない。財産権を持つのは県民だからだ。
----リニア工事で静岡の水循環はどうなるのか。
 地下水に影響が出る可能性があり、まさに県民の共有財産を毀損(きそん)する行為と言える。県内一円の水循環の健全性を損なう一撃になるだろう。(大井川など)トンネル湧水の下流域だけでなく、上流域にあり、エコパークでもある南アルプスに影響が出る恐れもあり、長野県や山梨県とも連携して取り組むべきだ。


毎日新聞 2020/11/1 10:45(最終更新 11/1 10:45)
静岡県「ゼロリスク工事ありえない」事前予測不可能前提の工事求める リニア中央新幹線
----想定する主なリスクは、トンネル湧水(ゆうすい)の県外への流出による水利用への影響▽トンネルが地下水の流れを変える可能性▽地下水位の大幅な低下による沢枯れ、生態系への悪影響――などだ。「水は人類共通の財産」とする水循環基本法に基づき、県は「工事で県民共有の財産である水(地表水と地下水)を大井川流域外に流出させ、県民や環境に悪影響を与える権利はJR東海にない」と主張する。





以下参考


衆議院法制局 第204回国会 衆法情報
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/housei/html/h-shuhou204.html
水循環基本法の一部を改正する法律案
提出者 国土交通委員長
提出日 令和3年6月2日
法案 https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/housei/pdf/204hou25an.pdf/$File/204hou25an.pdf
概要 https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/housei/pdf/204hou25siryou.pdf/$File/204hou25siryou.pdf
要綱 https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/housei/pdf/204hou25youkou.pdf/$File/204hou25youkou.pdf
新旧 https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/housei/pdf/204hou25sinkyu.pdf/$File/204hou25sinkyu.pdf
経過 https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/keika/1DD247A.htm

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<「地下水保全」関係資料>
環境省
「地下水保全」ガイドライン~地下水保全と持続可能な地下水利用のために~
https://www.env.go.jp/water/jiban/guide.html
本ガイドラインの趣旨と改訂の背景
 平成26年7月に施行された水循環基本法(平成26年法律第16号)第3条には、基本理念として、水は国民共有の貴重な財産であり公共性の高いものであること、総合的な管理と適正な利用によってその恩恵が将来にわたって享受されなければならないことなどが示され、水循環の一部を構成する地下水においても、地下水が水循環系全体に与える影響を監視しながら、地下水域を単位とし統合的かつ一体的な保全を行うことが求められています。
 さらに、第五次環境基本計画の策定(平成30年4月)、新たな水循環基本計画の策定(令和2年6月)など環境政策にかかわる基盤整備が進展し、地下水においても、地域循環共生圏の創造や地下水マネジメントの展開など、「健全な地下水の保全と持続可能な利用」を図る地下水管理方策が必要とされています。
 このような背景から、環境省では、平成28年4月に作成した『「地下水保全」ガイドライン~地下水保全と持続可能な地下水利用のために~』を改訂し、地下水をめぐる最近の動向と地下水保全に向けた技術的・制度的課題、地下水保全の基本的な考え方を再整理・追加しました。また、地下水の保全・利用に関する施策例を紹介した別冊『「地下水保全」事例集~地下水保全と持続可能な地下水利用のために~』についても、地下水保全に先進的な地域の取組事例を追加しました。地下水保全施策を検討する際の参考にご活用ください。
ガイドライン・事例集
■第二版(令和3年3月)
• 「地下水保全」ガイドライン(第二版)~地下水保全と持続可能な地下水利用のために~  
 「地下水保全」ガイドライン(第二版)[PDF 3,768KB]
https://www.env.go.jp/water/chikasuihozen_guideline_2.pdf
• 「地下水保全」事例集(第二版)~地下水保全と持続可能な地下水利用のために~  
 「地下水保全」事例集(第二版)[PDF 9,641KB]  
https://www.env.go.jp/water/chikasuihozen_examples_2.pdf
分割1 [PDF 3,037KB]  https://www.env.go.jp/water/chikasuihozen_examples_2_1.pdf
分割2 [PDF 3,458KB]  https://www.env.go.jp/water/chikasuihozen_examples_2_2.pdf
分割3 [PDF 2,210KB]) https://www.env.go.jp/water/chikasuihozen_examples_2_3.pdf
• 「地下水保全」ガイドライン・事例集の改訂の概要  
 「地下水保全」ガイドライン・事例集の改訂の概要 [PDF 1,395KB]
https://www.env.go.jp/water/summary_revision_2.pdf
■初版(平成28年4月)
• 「地下水保全」ガイドライン~地下水保全と持続可能な地下水利用のために~  
 「地下水保全」ガイドライン [PDF 2,999KB]
https://www.env.go.jp/water/chikasuihozen_guideline_1.pdf
• 「地下水保全」事例集~地下水保全と持続可能な地下水利用のために~  
 「地下水保全」事例集 [PDF 7,918KB]
https://www.env.go.jp/water/chikasuihozen_examples_1.pdf
分割1 [PDF 4,395KB] https://www.env.go.jp/water/chikasuihozen_examples_1_1.pdf
分割2 [PDF 3,832KB] https://www.env.go.jp/water/chikasuihozen_examples_1_2.pdf

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中日新聞 2020年10月17日 05時00分 (12月22日 17時30分更新)
リニア着工6年 水循環専門の稲場名誉教授に聞く
https://www.chunichi.co.jp/article/138544

湧水の問題は山梨、長野両県も含めた広域で対応すべきだと語る大阪経済大の稲場紀久雄名誉教授=大阪市の同大で
◆命の水 止まる危機
 リニア中央新幹線の着工を国が認可し、十七日で六年。南アルプストンネル静岡工区(静岡市葵区)の工事による大井川の流量や地下水への影響をめぐり、静岡県とJR東海との間で協議が難航、仲介役の国土交通省主催の有識者会議で議論が進む。水循環が専門で大阪経済大の稲場紀久雄名誉教授(79)が本紙の取材に、リニア工事で「静岡の水循環が危機的になる」と懸念し、対応するには情報公開が重要と強調した。影響は広範囲に及ぶ可能性もあり、「長野県や山梨県と連携して対応するべきだ」と訴えた。(高橋貴仁)
 稲場名誉教授は、地下水を含む水を「貴重な国民共有の財産」と規定し、保全を掲げる水循環基本法(二〇一四年施行)の法案作成の中心人物だ。水循環とは海水や地表の水が蒸発して雲になり、雨や雪として地表に降り注ぎ、地中に染み込み、川に流れて海に至る一連のつながりのこと。人は水循環の中で水を利用している。
 リニア建設は水循環に悪影響があると考えており、「速やかな(事業の)撤退が最適だ」と主張する。しかし、投じた莫大(ばくだい)な費用なども踏まえ「あえて実施するなら、健全な水循環を持続させる周到な対策を講じるべきだ」と指摘した。
 水循環を持続させる対策の一つが情報公開だという。特に、地下水は所有の割合が特定できないことから、利用には「共有権者全員の同意が必要」とし、一人一人の判断のため情報公開が重要とした。
 南アルプストンネル工事の地下水への影響が指摘される中、大井川直下で大量湧水の懸念があるとの調査資料の公開をJR東海が「不安を与える」との理由で拒否していることには、「被害を受ける県民に説明せず、不安を与える当人が『不安を与えかねないので出さない』というのはおかしい」と批判した。
 また、工事による湧水は、上流域の南アルプスに広がる国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「エコパーク」の水循環や、自然の生態系に影響を与える可能性があるとし、「静岡は長野、山梨の両県と連携するべきだ」と主張した。
 さらに、大井川などの県内河川が水力発電のダム建設などの国策によって「健全な水循環が損なわれ続けてきた」と強調。塩郷ダム(川根本町)の建設に伴う大井川の水枯れに反発した住民らによる「水返せ運動」などを例に挙げ、「水は共有の財産という理念を県民が理解し、もっと声を上げるべきだ」と話した。
◆長野、山梨と連携を
 稲場名誉教授の一問一答は次の通り。
 −水循環基本法が制定された意義は。
 法律には画期的な条項がある。健全な水循環の再建と推進のほか、地表の水と地下水は貴重な国民共有の財産と規定し、流域住民が財産権を持つとした。つまり、流域住民の了解なしに水は使えないのだ。だからこそ、(住民との合意のために)情報公開が重要になる。また、地下水に影響を与える行為は、県が認めれば実施していいわけではない。財産権を持つのは県民だからだ。
 −リニア工事で静岡の水循環はどうなるのか。
 地下水に影響が出る可能性があり、まさに県民の共有財産を毀損(きそん)する行為と言える。県内一円の水循環の健全性を損なう一撃になるだろう。(大井川など)トンネル湧水の下流域だけでなく、上流域にあり、エコパークでもある南アルプスに影響が出る恐れもあり、長野県や山梨県とも連携して取り組むべきだ。
 −大井川の流量減少や生物多様性への影響など、県とJR東海が続けてきた議論の舞台が、国交省主催の有識者会議に移った。
 国交省鉄道局はJR東海の監督官庁だ。リニア中央新幹線は安倍晋三前首相の政権時に掲げられた経済政策の花形事業で、鉄道局は実現させたいはず。リニア事業の当事者とも言え、県とJR東海の利害を調停できる立場ではない。当事者が設置した会議で公平公正な判断はできない。
 −水循環の観点から、リニア中央新幹線はどうするべきか。
 速やかな撤退が最適と考えるが、既に莫大(ばくだい)な投資をしていて、無謀と思われるかもしれない。あえて実施するなら、静岡県とエコパーク域内の健全な水循環を持続させるため、周到な対策を講じるべきだ。
 いなば・きくお 1941年、京都市生まれ。65年京都大衛生工学科卒業、同年旧建設省入省。岡山県下水道課長や土木研究所下水道部長などを歴任し、93年から大阪経済大教授、2012年から名誉教授。水制度改革に取り組む。現在、NPO法人「日本下水文化研究会」代表も務める。静岡県から国交省の有識者会議の委員に推薦されたが、選ばれなかった。


毎日新聞 2020/11/1 10:45(最終更新 11/1 10:45)
静岡県「ゼロリスク工事ありえない」事前予測不可能前提の工事求める リニア中央新幹線
https://mainichi.jp/articles/20201101/k00/00m/020/021000c

リニア静岡工区の準備工事現場を視察した川勝平太知事(右)=静岡市で2020年6月11日午後1時26分、山田英之撮影
 未着工のリニア中央新幹線南アルプストンネル静岡工区の問題を取材していると、「ゼロリスク」という言葉をよく聞く。一般的に、危険や危険に遭う可能性がないことを指す。JR東海は「工事に伴って大井川中下流域の水資源の利用に影響を及ぼさないようにする」と主張してきた。しかし、静岡県はゼロリスクに否定的で、JR東海に対して、工事によるリスクゼロが不可能なことを前提とし、環境への影響を回避・低減するように求めている。【山田英之】
 県はリスクをゼロにできない理由として、南アルプスで行う工事の難しさを挙げる。南アルプスは地質構造が複雑で、大量の地下水を含む可能性のある断層破砕帯がある。トンネルは地表から最大で1400メートル下を通り、過去に例のない水圧を受ける。県は掘削時に地下水が一気に噴出して減少する恐れもあるとみている。
 このため、着工前に将来、発生する現象と影響を完全に予測できない▽掘削でトンネル内に湧き出る水の量を確定的に予測することができない――ことを基本として、不確実性を前提にした対処の方法を県はJR東海に要求する。
 想定する主なリスクは、トンネル湧水(ゆうすい)の県外への流出による水利用への影響▽トンネルが地下水の流れを変える可能性▽地下水位の大幅な低下による沢枯れ、生態系への悪影響――などだ。「水は人類共通の財産」とする水循環基本法に基づき、県は「工事で県民共有の財産である水(地表水と地下水)を大井川流域外に流出させ、県民や環境に悪影響を与える権利はJR東海にない」と主張する。
 また、県は、対処の方法について、トンネル湧水の全量を県内に戻すことを前提に排水ポンプなどの能力を設計▽設計以上の湧水量が発生する可能性を想定して対処の方法を決定▽工事中の観測で設計値を上回る湧水量が発生する危険を察知したら工事を止める▽予期せぬ突発的な湧水が発した場合、影響を最小限にとどめる▽環境への影響は遅れて出ることもあるため、工事後も観測を続ける――などをJR東海に提案している。
 提案をまとめた難波喬司副知事は「JRは工事で湧水を県外に流出させても大井川の流量は減らないと言う。ゼロリスクと説明すること、できないことをできると言うのは、やめてもらいたい。言い続ける限り議論は進まない」と指摘した。


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