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2021-10-04(Mon)

地域鉄道 ローカル線 「公」が支える欧州

日本 路線の廃止・撤退が雪崩を打つ「交通崩壊」が起きかねない 
欧州、赤字の鉄道も公的支援で維持 「公共交通」の意識に違い  



朝日新聞デジタル 2021年10月3日 5時00分
(Sunday World Economy)ローカル線、「公」が支える欧州
----コロナ禍で国内の鉄道会社の経営が悪化し、不採算のローカル線の維持が難しくなっている。政府や自治体の支援を求める声もあがるが、公的支援の道は限られる。一方、欧州では、赤字でも鉄道は市民へのサービスだとして「公」が路線を保つ。あえて運行を拡大して街づくりにも生かす。
 ■90年代からテコ入れ、「鉄道は道路と同じ」
----欧州で鉄道を中心とした交通サービスの維持に「公」が積極的に関わるのは、欧州連合(EU)の規則が「(運行が)商業的に難しい場合は、関係当局がサービス提供する力を持たねばならない」と定め、加盟国に対応を求めるからだ。公共サービスとして提供されねばならない「パブリック・サービス・オブリゲーション」という考えが根底にある。「上下分離」のもと、EU27カ国のインフラ整備や補修の費用387億ユーロ(5兆円超、18年)の8割は加盟国やEUの予算でまかなわれた。
 高い環境意識からも鉄道網に目が向く。オーストリア政府は、10月下旬から、1日あたり3ユーロ(390円)で国内ほぼすべての路線が乗り放題の「年間パス」を始める。運賃収入の目減りは国が補う。自動車から二酸化炭素の排出量が少ない鉄道へのシフトを促すねらいだ。
----政府は今年5月、「あらゆる地域で路線の廃止・撤退が雪崩を打つ『交通崩壊』が起きかねない」とした交通政策基本計画を閣議決定。公的支援もして維持をはかるとした。ただ、予算措置は具体化していない。
 危機感を募らせる23道県の知事は8月、連名で国交省に緊急提言を出し、「ローカル線の存廃が企業の論理に委ねられ、地域の公共交通網を脅かす現状は、看過しがたい」とし、財源の確保を早く進めるように求めた。


第2次交通政策基本計画(本文)
https://www.mlit.go.jp/common/001407578.pdf
----新型コロナウイルス感染症の影響により、旅客の輸送需要が更に減少している。交通事業が独立採算制を前提として存続することはこれまでにも増して困難となっており、このままでは、あらゆる地域において、路線の廃止・撤退が雪崩を打つ「交通崩壊」が起きかねない。





以下参考


第2次交通政策基本計画について(令和3年度~令和7年度)
1.第2次交通政策基本計画の概要
 令和3年5月28日、第2次交通政策基本計画が閣議決定されました。
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/transport/sosei_transport_tk_000161.html
第2次交通政策基本計画(本文)
https://www.mlit.go.jp/common/001407578.pdf

交通政策基本計画(2021/05/28)
第2章 交通が直面する「危機」と、それを乗り越える決意
我が国の交通は、地域におけるモビリティ危機や大都市等での慢性的な混雑などサービスの課題、デジタル化等の遅れ、物流における労働力不足、自然災害をはじめとした安全・安心の課題、地球温暖化対策への要請など、対応を怠れば社会・経済に致命的なダメージを与えかねない様々な「危機」を抱えている。
本章では、こうした交通が直面する「危機」を述べるとともに、「危機」を乗り越えるため、関係者が一丸となって取り組むべき方向性を決意として示す。

1)地域におけるモビリティ危機
人々の移動は、生活を維持する上でも、豊かな暮らしを楽しむ上でも、重要な役割を担っている。自由に移動できることがいかに重要か、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため移動・渡航の自粛を余儀なくされた中で、それを強く再認識させられた。
日々の生活に密着した日常的な移動は、自家用車等のパーソナルなモビリティのほか、乗合バスやタクシー、地域鉄道、離島航路・航空路等の地域公共交通により支えられている。
しかしながら、地域公共交通は、人口減少等の影響により、輸送需要の縮小、運転者不足等の厳しい経営環境に置かれている。
全国の約7割の一般路線バス事業者及び地域鉄道事業者において事業収支が赤字であり、国・地方公共団体の補助や、貸切バス・高速バス事業その他の事業の利益により補填することでサービス提供を継続してきたが、経営に行き詰まる例も見られる。
また、乗合バス・タクシー等の運転業務に従事する人々の労働環境は、全産業と比べ、労働時間は長く、年間所得額は低くなっており、人手不足・高齢化は年々深刻化している。このため、事業収支が黒字であっても、サービスの維持・確保が困難になっている場合もある。
こうした実情の下、地域公共交通が存在しない「空白地域」が、全国で拡大の一途をたどっており、年齢的理由や身体的理由等で自家用車を所有あるいは自ら運転できない「交通弱者」のモビリティの確保が極めて切迫した課題となってきている。
加えて、新型コロナウイルス感染症の影響により、旅客の輸送需要が更に減少している。交通事業が独立採算制を前提として存続することはこれまでにも増して困難となっており、このままでは、あらゆる地域において、路線の廃止・撤退が雪崩を打つ「交通崩壊」が起きかねない。
元来、「公共」という言葉は、「社会的視点に立ち、無料もしくは十分に廉価な価格で、十分な量と質が提供されるべき財やサービス」を意味することが少なくない。その一方で、我が国では、主として民間事業者により供給される「旅客運送契約の下で運賃を支払えば誰もが利用可能な運送サービス」をもって「公共交通」と呼んでいる。地域公共交通を取り巻く状況が厳しさを増し、「公助」を求める社会的要請が強まる中においても、「公共」の持つこの二つの意味の違いを意識した上での対応が必要である。
具体的には、交通事業者をはじめ地域のあらゆる関係者の連携・協働の下で、地方公共団体が中心となって、まちづくりと一体的に持続可能な地域公共交通の姿をデザインし、スピード感を持って取組を進め、目に見える成果を上げることを目指すべきである。
その際、地域の実情に応じて、民間事業者による商業的枠組みを越えた手法を選択肢とするケースも見られるようになってきている。これまで、過疎地域等での輸送や福祉輸送といった、地域住民の生活に必要な輸送について、それらがバス・タクシー事業によっては提供されない場合には、市町村、NPO法人等が自家用車を用いて有償で運送できることとする自家用有償旅客運送制度が運用されてきた。また、有償での輸送サービスが成立しない場合、ボランティアや地域の助け合いにより、移動手段が確保されている地域もみられる。
さらに、パーソナルなモビリティを拡充する観点からは、高齢者の運転寿命を延ばすための先進技術等を活用した車両の普及等も重要な方策となる。
こうした従来型の商業的手法に加え、公助、共助、自助など、あらゆる手法を合理的かつ柔軟に組み合わせ、まちづくり政策と連携しつつ地域モビリティ全体を将来的な人口動態の変化を見据えた形で再構築することにより、今まさに進行しているモビリティ危機に打ち勝ち、誰もが、自ら運転しなくても自由な外出・移動が可能で、豊かな生活を享受できる、そして住む人が地域に誇りを持てる社会を創らなければならない。

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朝日新聞デジタル 2021年10月3日 5時00分
(Sunday World Economy)ローカル線、「公」が支える欧州
https://digital.asahi.com/articles/DA3S15064053.html


朝日新聞デジタル 2021年10月3日 5時00分
欧州、赤字の鉄道も公的支援で維持 「公共交通」の意識に違い 
https://digital.asahi.com/articles/ASPB10S31P9YPLFA00N.html

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SankeiBiz 2021.5.18 11:47 PRESIDENT Online
「1年以内に鉄道会社の半分が潰れる」コロナ禍に進行する“交通崩壊”の深刻さ (1/2ページ)
https://www.sankeibiz.jp/macro/news/210518/mca2105181147013-n1.htm

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毎日新聞 2021/8/4 地方版
地方の鉄道網守って 全国23道県知事 国交相に緊急提言 /島根
https://mainichi.jp/articles/20210804/ddl/k32/020/413000c


Yahooニュース 2021/8/10(火) 21:13配信
採算が厳しいローカル線は廃止するしかないのか? いすみ鉄道の経営再建を手掛けた鳥塚亮氏に聞く
https://news.yahoo.co.jp/articles/c9483d6581d4ab28aea015f9c9548cdff85743c7


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