2021-10-07(Thu)
岸田内閣発足 格差広げた政治に反省がない
政策を転換できる布陣か 民主主義再生こそ急務 国民に背向けた政権終止符を
朝日新聞デジタル 2021年10月5日 5時00分
(社説)岸田新内閣が発足 実行問われる「寛容な政治」
----「丁寧で寛容な政治」を掲げてきた岸田首相率いる新内閣が発足した。
振り返れば、9年近くに及んだ安倍・菅政権に欠けていたのが、「丁寧」と「寛容」である。法解釈の一方的な変更や「数の力」を頼んだ国会運営、異論に耳を傾けず、考え方の異なる人を排除する姿勢……。
首相は果たして、その初志を貫けるのか。安倍元首相や、両政権を支えた実力者の意向には逆らえないと見透かされれば、来たるべき衆院選で、有権者の厳しい審判を受けるだろう。
読売新聞 2021/10/05 05:00
社説:岸田内閣発足 難問山積に総力で立ち向かえ
----岸田内閣が発足した。岸田首相は記者会見で、「新しい資本主義を実現していく車の両輪は成長戦略と分配戦略だ」と語った。
・・・首相は、市場での競争を重視する小泉内閣以来の新自由主義からの転換を掲げ、格差是正のために分配機能を強化し、経済成長との好循環を実現するとしている。
中間層を拡大するという方向性は妥当だ。税制改正を含め、有効な具体策を打ち出せるかどうかが問われる。
毎日新聞 2021/10/5 東京朝刊
社説:岸田新内閣が発足 政策を転換できる布陣か
----安倍晋三、菅義偉両政権の9年間のひずみを修正し、国民の望む方向に政策を転換できるのか。疑問が残る布陣である。
・・・岸田氏は新自由主義的政策を転換し、「新しい日本型資本主義」を実現すると訴えてきた。
経済成長と効率を優先するアベノミクスは、大企業や富裕層を潤した。一方、非正規の労働者は新型コロナウイルス禍で苦しい生活を強いられ、格差が拡大した。
富の再分配に力を入れ、国民全体の所得を引き上げる「令和版所得倍増」を目指すという。宏池会(現岸田派)の創始者である池田勇人元首相の「所得倍増」に倣ったものだ。
キャッチフレーズで終わらせないためには、アベノミクスの見直しが避けられない。
日本経済新聞 2021年10月4日 19:00
[社説]新政権は日本再生への道筋を示せ
----自民党の岸田文雄総裁が第100代首相に就任した。政権発足早々、衆院選で有権者の審判を受ける。新型コロナウイルス対策に万全を期しながら、日本が危機を乗り越えて前に進んでいく道筋をしっかり示してもらいたい。
・・・首相は年内に数十兆円規模の経済対策をまとめる方針だ。困窮している人や企業への支援は重要だが、飲食や観光が動き始めれば自律的な回復も期待できる。対策とりまとめに際して、ばらまきにならぬよう精査が欠かせない。
経済政策では安倍政権から菅政権に継承されたアベノミクスの修正が焦点となる。首相は「成長と分配の好循環」を唱える。成長の果実を国民に行き渡らせる考えに異論はないが、パイの拡大が見込めないまま、分配優先で財政出動がかさまないよう注意がいる。バランスが肝要ではないか。
産経新聞 2021/10/5 05:00
主張:岸田新内閣 実行力こそ問われている 総裁選の約束を明文化せよ
----衆参両院で自民党の岸田文雄総裁が第100代首相に指名され、宮中での親任式などを経て、内閣を発足させた。
所信表明演説と各党の代表質問を行い、会期末の14日に衆院解散の運びだ。衆院選は「19日公示、31日投開票」とする方針だ。
岸田氏は4日、「首相指名を受けて、これからが本当の意味でのスタートだ。強い思い、強い覚悟で臨みたい」と、その意気込みを語った。
東京新聞 2021年10月5日 07時53分
<社説>岸田内閣が発足 民主主義再生こそ急務
----自民党新総裁に就いた岸田文雄氏が首相に指名され、岸田内閣を発足させた。九年近くの「安倍・菅政治」で危機的状況に至った民主主義をどう立て直すのか。その再生こそが急務である。
・・・政権中枢に権限や権力が集中した「官邸一強」政治は独善に陥り、国民の切実な声に耳を傾けず、説明しない政治が横行した。岸田氏は特技とする「人の話をよく聞くこと」や「丁寧で寛容な政治」により、民主主義の危機を克服しようとしているのだろう。ただ、岸田氏の言動や内閣・自民党役員の顔触れを見る限り、期待はできない。民主主義の危機を訴えるなら「安倍・菅政治」の総括から始める必要があるが、岸田氏は否定的だからだ。
安倍内閣により森友学園に国有地が格安で売却された問題は再調査しない意向を示し、菅前首相による学術会議会員の任命拒否も見直さないとしている。
しんぶん赤旗 2021年10月5日(火)
主張:組閣と衆院解散 国民に背向けた政権 終止符を
----岸田文雄内閣が発足しました。岸田首相は、臨時国会最終日の14日に衆院を解散し、19日公示、31日投開票の日程で総選挙を行う意向を明らかにしました。組閣当日に、首相が解散方針を示すことは前代未聞です。新内閣の顔ぶれを見ると、安倍晋三元政権・菅義偉前政権の骨格を受け継いでおり「安倍・菅直系」の布陣です。自民党内の政権たらい回しでは政治の中身が変わらないことは明白です。
しんぶん赤旗 2021年10月6日(水)
主張:岸田首相会見 格差広げた政治に反省がない
----岸田文雄首相は就任後初の記者会見で、新型コロナ感染症対策や経済政策を重点に挙げました。コロナ対策では、科学を無視して感染を広げたこれまでの政治に何の反省も述べません。経済分野では「新しい資本主義の実現」を強調しました。しかし、やろうとしていることの実態は、国民に自己責任を押し付ける新自由主義の継続、推進です。
----岸田氏は自民党総裁選で「新自由主義からの転換」「新しい日本型資本主義」を看板に掲げました。大企業がもうかれば国民に滴り落ちるという「トリクルダウン」政策の破綻を無視できなくなったことのあらわれです。しかし、規制緩和、構造改革などの新自由主義的政策が日本経済の「体質強化と成長」をもたらした、とたたえる矛盾した立場です。
以下参考
朝日新聞デジタル 2021年10月5日 5時00分
(社説)岸田新内閣が発足 実行問われる「寛容な政治」
https://digital.asahi.com/articles/DA3S15065769.html
読売新聞 2021/10/05 05:00
社説:岸田内閣発足 難問山積に総力で立ち向かえ
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20211004-OYT1T50320/
毎日新聞 2021/10/5 東京朝刊
社説:岸田新内閣が発足 政策を転換できる布陣か
https://mainichi.jp/articles/20211005/ddm/005/070/092000c
日本経済新聞 2021年10月4日 19:00
[社説]新政権は日本再生への道筋を示せ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK046EZ0U1A001C2000000/
産経新聞 2021/10/5 05:00
主張:岸田新内閣 実行力こそ問われている 総裁選の約束を明文化せよ
https://www.sankei.com/article/20211005-YRDSBQFJYBNXFMPQLK6VO6ERP4/
東京新聞 2021年10月5日 07時53分
<社説>岸田内閣が発足 民主主義再生こそ急務
https://www.tokyo-np.co.jp/article/134992
しんぶん赤旗 2021年10月5日(火)
主張:組閣と衆院解散 国民に背向けた政権 終止符を
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik21/2021-10-05/2021100504_01_0.html
しんぶん赤旗 2021年10月6日(水)
主張:岸田首相会見 格差広げた政治に反省がない
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik21/2021-10-06/2021100602_01_0.html
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朝日新聞デジタル 2021年10月5日 5時00分
(社説)岸田新内閣が発足 実行問われる「寛容な政治」
----「丁寧で寛容な政治」を掲げてきた岸田首相率いる新内閣が発足した。
振り返れば、9年近くに及んだ安倍・菅政権に欠けていたのが、「丁寧」と「寛容」である。法解釈の一方的な変更や「数の力」を頼んだ国会運営、異論に耳を傾けず、考え方の異なる人を排除する姿勢……。
首相は果たして、その初志を貫けるのか。安倍元首相や、両政権を支えた実力者の意向には逆らえないと見透かされれば、来たるべき衆院選で、有権者の厳しい審判を受けるだろう。
読売新聞 2021/10/05 05:00
社説:岸田内閣発足 難問山積に総力で立ち向かえ
----岸田内閣が発足した。岸田首相は記者会見で、「新しい資本主義を実現していく車の両輪は成長戦略と分配戦略だ」と語った。
・・・首相は、市場での競争を重視する小泉内閣以来の新自由主義からの転換を掲げ、格差是正のために分配機能を強化し、経済成長との好循環を実現するとしている。
中間層を拡大するという方向性は妥当だ。税制改正を含め、有効な具体策を打ち出せるかどうかが問われる。
毎日新聞 2021/10/5 東京朝刊
社説:岸田新内閣が発足 政策を転換できる布陣か
----安倍晋三、菅義偉両政権の9年間のひずみを修正し、国民の望む方向に政策を転換できるのか。疑問が残る布陣である。
・・・岸田氏は新自由主義的政策を転換し、「新しい日本型資本主義」を実現すると訴えてきた。
経済成長と効率を優先するアベノミクスは、大企業や富裕層を潤した。一方、非正規の労働者は新型コロナウイルス禍で苦しい生活を強いられ、格差が拡大した。
富の再分配に力を入れ、国民全体の所得を引き上げる「令和版所得倍増」を目指すという。宏池会(現岸田派)の創始者である池田勇人元首相の「所得倍増」に倣ったものだ。
キャッチフレーズで終わらせないためには、アベノミクスの見直しが避けられない。
日本経済新聞 2021年10月4日 19:00
[社説]新政権は日本再生への道筋を示せ
----自民党の岸田文雄総裁が第100代首相に就任した。政権発足早々、衆院選で有権者の審判を受ける。新型コロナウイルス対策に万全を期しながら、日本が危機を乗り越えて前に進んでいく道筋をしっかり示してもらいたい。
・・・首相は年内に数十兆円規模の経済対策をまとめる方針だ。困窮している人や企業への支援は重要だが、飲食や観光が動き始めれば自律的な回復も期待できる。対策とりまとめに際して、ばらまきにならぬよう精査が欠かせない。
経済政策では安倍政権から菅政権に継承されたアベノミクスの修正が焦点となる。首相は「成長と分配の好循環」を唱える。成長の果実を国民に行き渡らせる考えに異論はないが、パイの拡大が見込めないまま、分配優先で財政出動がかさまないよう注意がいる。バランスが肝要ではないか。
産経新聞 2021/10/5 05:00
主張:岸田新内閣 実行力こそ問われている 総裁選の約束を明文化せよ
----衆参両院で自民党の岸田文雄総裁が第100代首相に指名され、宮中での親任式などを経て、内閣を発足させた。
所信表明演説と各党の代表質問を行い、会期末の14日に衆院解散の運びだ。衆院選は「19日公示、31日投開票」とする方針だ。
岸田氏は4日、「首相指名を受けて、これからが本当の意味でのスタートだ。強い思い、強い覚悟で臨みたい」と、その意気込みを語った。
東京新聞 2021年10月5日 07時53分
<社説>岸田内閣が発足 民主主義再生こそ急務
----自民党新総裁に就いた岸田文雄氏が首相に指名され、岸田内閣を発足させた。九年近くの「安倍・菅政治」で危機的状況に至った民主主義をどう立て直すのか。その再生こそが急務である。
・・・政権中枢に権限や権力が集中した「官邸一強」政治は独善に陥り、国民の切実な声に耳を傾けず、説明しない政治が横行した。岸田氏は特技とする「人の話をよく聞くこと」や「丁寧で寛容な政治」により、民主主義の危機を克服しようとしているのだろう。ただ、岸田氏の言動や内閣・自民党役員の顔触れを見る限り、期待はできない。民主主義の危機を訴えるなら「安倍・菅政治」の総括から始める必要があるが、岸田氏は否定的だからだ。
安倍内閣により森友学園に国有地が格安で売却された問題は再調査しない意向を示し、菅前首相による学術会議会員の任命拒否も見直さないとしている。
しんぶん赤旗 2021年10月5日(火)
主張:組閣と衆院解散 国民に背向けた政権 終止符を
----岸田文雄内閣が発足しました。岸田首相は、臨時国会最終日の14日に衆院を解散し、19日公示、31日投開票の日程で総選挙を行う意向を明らかにしました。組閣当日に、首相が解散方針を示すことは前代未聞です。新内閣の顔ぶれを見ると、安倍晋三元政権・菅義偉前政権の骨格を受け継いでおり「安倍・菅直系」の布陣です。自民党内の政権たらい回しでは政治の中身が変わらないことは明白です。
しんぶん赤旗 2021年10月6日(水)
主張:岸田首相会見 格差広げた政治に反省がない
----岸田文雄首相は就任後初の記者会見で、新型コロナ感染症対策や経済政策を重点に挙げました。コロナ対策では、科学を無視して感染を広げたこれまでの政治に何の反省も述べません。経済分野では「新しい資本主義の実現」を強調しました。しかし、やろうとしていることの実態は、国民に自己責任を押し付ける新自由主義の継続、推進です。
----岸田氏は自民党総裁選で「新自由主義からの転換」「新しい日本型資本主義」を看板に掲げました。大企業がもうかれば国民に滴り落ちるという「トリクルダウン」政策の破綻を無視できなくなったことのあらわれです。しかし、規制緩和、構造改革などの新自由主義的政策が日本経済の「体質強化と成長」をもたらした、とたたえる矛盾した立場です。
以下参考
朝日新聞デジタル 2021年10月5日 5時00分
(社説)岸田新内閣が発足 実行問われる「寛容な政治」
https://digital.asahi.com/articles/DA3S15065769.html
読売新聞 2021/10/05 05:00
社説:岸田内閣発足 難問山積に総力で立ち向かえ
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20211004-OYT1T50320/
毎日新聞 2021/10/5 東京朝刊
社説:岸田新内閣が発足 政策を転換できる布陣か
https://mainichi.jp/articles/20211005/ddm/005/070/092000c
日本経済新聞 2021年10月4日 19:00
[社説]新政権は日本再生への道筋を示せ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK046EZ0U1A001C2000000/
産経新聞 2021/10/5 05:00
主張:岸田新内閣 実行力こそ問われている 総裁選の約束を明文化せよ
https://www.sankei.com/article/20211005-YRDSBQFJYBNXFMPQLK6VO6ERP4/
東京新聞 2021年10月5日 07時53分
<社説>岸田内閣が発足 民主主義再生こそ急務
https://www.tokyo-np.co.jp/article/134992
しんぶん赤旗 2021年10月5日(火)
主張:組閣と衆院解散 国民に背向けた政権 終止符を
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik21/2021-10-05/2021100504_01_0.html
しんぶん赤旗 2021年10月6日(水)
主張:岸田首相会見 格差広げた政治に反省がない
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik21/2021-10-06/2021100602_01_0.html
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テーマ : 政治・経済・時事問題
ジャンル : 政治・経済