2022-06-30(Thu)
熱海土石流 残土の闇 警告・伊豆山 繰り返す人災①~⑥
静岡新聞連載 政府・国会の不作為 法規制 教訓生かせるか
静岡新聞 2022.6.6
【残土の闇 警告・伊豆山㉔/第5章 繰り返す人災①】
土砂は神奈川から 規制緩く「捨て賃」に差
----「伊豆山赤井谷残土処分場」。大規模崩落によって土石流を引き起こし、熱海市伊豆山の集落をのみ込んだ「盛り土」は県や市の行政担当者の間でこう呼ばれていた。残土は工事で発生する土砂。残土処分場には2009年から10年にかけて膨大な量がダンプカーで運び込まれ、表面上は「盛り土」に成形された。しかし、問題の本質は「盛り土の実態が、捨てるだけの残土だったこと」(静岡産業大の小泉祐一郎教授)だった。では、残土はどこから持ち込まれたのか。
静岡新聞 2022.6.7
【残土の闇 警告・伊豆山㉕/第5章 繰り返す人災②】
首都圏発展の陰で 副産物、条例逃れ地方へ
----東京に隣接し、ベッドタウンとして発展してきた千葉県市川市。江戸川河口に広がる平野の一角、ダンプカーや大型トラックが音を立てて行き交う湾岸道路沿いに小高い丘がある。木々がうっそうと茂る標高37メートルの山は地域名を冠して「行徳富士」と呼ばれるが、その正体は名称に似つかわしくない残土の山だ。
東京湾の千葉県木更津港に留め置かれた大量の土砂。残土も含まれ「残土埠頭」と呼ばれていた=2009年2月(佐久間充さん提供)
静岡新聞 2022.6.8
【残土の闇 警告・伊豆山㉖/第5章 繰り返す人災③】
違反“やり得” 追跡限界 矢面に立つ東部市町
----未舗装の細い道を進むと、木立の奥に高さ十数メートルの残土の壁が見える。今月1日、富士山麓の富士市大淵。重機を操作する作業員は、訪れた市職員を「依頼されているだけ。何も分からない」とあしらった。市職員は「捜査権限のない僕らをなめている」と怒りをこらえた。
静岡新聞 2022.6.9
【残土の闇 警告・伊豆山㉗/第5章 繰り返す人災④】
2014年大阪の「事件」でも… 「行政の性」宝刀抜けず
----残土に関する国や県の規制強化が進まず、県内では東部の市町が独自に悪質な業者との対決姿勢を強めていた頃、大阪府の小さな町で「事件」が起きた。2014年2月、府北部に位置する豊能(とよの)町で、府道沿いに盛られた大量の土砂が崩落し、府道や棚田になだれ込んだ。幸い、人的被害はなかったが、もし近くに民家があったり、車両が走っていたりしたら、ひとたまりもなかったであろうことが容易に分かる惨状だった。
静岡新聞 2022.6.10
【残土の闇 警告・伊豆山㉘/第5章 繰り返す人災⑤】
大阪・崩落事故の後始末 「13億円」回収めどなく
----大阪市旭区の幹線道路沿いに立つ茶色いマンション。この一室が、大阪府豊能町で2014年に建設残土の崩落事故を起こした建設業者の所在地になっている。インターホンを押しても反応はない。管理会社に問い合わせると、「個人しか入居していない。法人の契約はない」といぶかしむ女性の声が返ってきた。
崩落した建設残土を運び入れた現場に立つ藤高治生さん。美しい棚田が広がっていた光景は失われた=5月中旬、大阪府豊能町
静岡新聞 2022.6.11
【残土の闇 警告・伊豆山㉙/第5章 繰り返す人災⑥完】
政府・国会の不作為 法規制 教訓生かせるか
----熱海市伊豆山の大規模土石流を踏まえ、2022年5月に国会で成立した盛り土規制法が審議されていた4月1日の衆院国土交通委員会。建設残土による不適切な盛り土造成が各地で相次ぎながら、全国一律の法規制をしてこなかった国の責任を野党議員がただした。当初はかわした斉藤鉄夫国交相だったが、重ねての追及を受けて最後に一歩踏み込んだ。
以下参考
静岡新聞 2022.6.6
【残土の闇 警告・伊豆山㉔/第5章 繰り返す人災①】
土砂は神奈川から 規制緩く「捨て賃」に差
https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/1076507.html
静岡新聞 2022.6.7
首都圏発展の陰で 副産物、条例逃れ地方へ
【残土の闇 警告・伊豆山㉕/第5章 繰り返す人災②】
https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/1076944.html
静岡新聞 2022.6.8
【残土の闇 警告・伊豆山㉖/第5章 繰り返す人災③】
違反“やり得” 追跡限界 矢面に立つ東部市町
https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/1077469.html
静岡新聞 2022.6.9
【残土の闇 警告・伊豆山㉗/第5章 繰り返す人災④】
2014年大阪の「事件」でも… 「行政の性」宝刀抜けず
https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/1077979.html
静岡新聞 2022.6.10
【残土の闇 警告・伊豆山㉘/第5章 繰り返す人災⑤】
大阪・崩落事故の後始末 「13億円」回収めどなく
https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/1078434.html
静岡新聞 2022.6.11
政府・国会の不作為 法規制 教訓生かせるか【残土の闇 警告・伊豆山㉙/第5章 繰り返す人災⑥完】
https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/1078893.html
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静岡新聞 2022.6.6
【残土の闇 警告・伊豆山㉔/第5章 繰り返す人災①】
土砂は神奈川から 規制緩く「捨て賃」に差
----「伊豆山赤井谷残土処分場」。大規模崩落によって土石流を引き起こし、熱海市伊豆山の集落をのみ込んだ「盛り土」は県や市の行政担当者の間でこう呼ばれていた。残土は工事で発生する土砂。残土処分場には2009年から10年にかけて膨大な量がダンプカーで運び込まれ、表面上は「盛り土」に成形された。しかし、問題の本質は「盛り土の実態が、捨てるだけの残土だったこと」(静岡産業大の小泉祐一郎教授)だった。では、残土はどこから持ち込まれたのか。
静岡新聞 2022.6.7
【残土の闇 警告・伊豆山㉕/第5章 繰り返す人災②】
首都圏発展の陰で 副産物、条例逃れ地方へ
----東京に隣接し、ベッドタウンとして発展してきた千葉県市川市。江戸川河口に広がる平野の一角、ダンプカーや大型トラックが音を立てて行き交う湾岸道路沿いに小高い丘がある。木々がうっそうと茂る標高37メートルの山は地域名を冠して「行徳富士」と呼ばれるが、その正体は名称に似つかわしくない残土の山だ。
東京湾の千葉県木更津港に留め置かれた大量の土砂。残土も含まれ「残土埠頭」と呼ばれていた=2009年2月(佐久間充さん提供)
静岡新聞 2022.6.8
【残土の闇 警告・伊豆山㉖/第5章 繰り返す人災③】
違反“やり得” 追跡限界 矢面に立つ東部市町
----未舗装の細い道を進むと、木立の奥に高さ十数メートルの残土の壁が見える。今月1日、富士山麓の富士市大淵。重機を操作する作業員は、訪れた市職員を「依頼されているだけ。何も分からない」とあしらった。市職員は「捜査権限のない僕らをなめている」と怒りをこらえた。
静岡新聞 2022.6.9
【残土の闇 警告・伊豆山㉗/第5章 繰り返す人災④】
2014年大阪の「事件」でも… 「行政の性」宝刀抜けず
----残土に関する国や県の規制強化が進まず、県内では東部の市町が独自に悪質な業者との対決姿勢を強めていた頃、大阪府の小さな町で「事件」が起きた。2014年2月、府北部に位置する豊能(とよの)町で、府道沿いに盛られた大量の土砂が崩落し、府道や棚田になだれ込んだ。幸い、人的被害はなかったが、もし近くに民家があったり、車両が走っていたりしたら、ひとたまりもなかったであろうことが容易に分かる惨状だった。
静岡新聞 2022.6.10
【残土の闇 警告・伊豆山㉘/第5章 繰り返す人災⑤】
大阪・崩落事故の後始末 「13億円」回収めどなく
----大阪市旭区の幹線道路沿いに立つ茶色いマンション。この一室が、大阪府豊能町で2014年に建設残土の崩落事故を起こした建設業者の所在地になっている。インターホンを押しても反応はない。管理会社に問い合わせると、「個人しか入居していない。法人の契約はない」といぶかしむ女性の声が返ってきた。
崩落した建設残土を運び入れた現場に立つ藤高治生さん。美しい棚田が広がっていた光景は失われた=5月中旬、大阪府豊能町
静岡新聞 2022.6.11
【残土の闇 警告・伊豆山㉙/第5章 繰り返す人災⑥完】
政府・国会の不作為 法規制 教訓生かせるか
----熱海市伊豆山の大規模土石流を踏まえ、2022年5月に国会で成立した盛り土規制法が審議されていた4月1日の衆院国土交通委員会。建設残土による不適切な盛り土造成が各地で相次ぎながら、全国一律の法規制をしてこなかった国の責任を野党議員がただした。当初はかわした斉藤鉄夫国交相だったが、重ねての追及を受けて最後に一歩踏み込んだ。
以下参考
静岡新聞 2022.6.6
【残土の闇 警告・伊豆山㉔/第5章 繰り返す人災①】
土砂は神奈川から 規制緩く「捨て賃」に差
https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/1076507.html
静岡新聞 2022.6.7
首都圏発展の陰で 副産物、条例逃れ地方へ
【残土の闇 警告・伊豆山㉕/第5章 繰り返す人災②】
https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/1076944.html
静岡新聞 2022.6.8
【残土の闇 警告・伊豆山㉖/第5章 繰り返す人災③】
違反“やり得” 追跡限界 矢面に立つ東部市町
https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/1077469.html
静岡新聞 2022.6.9
【残土の闇 警告・伊豆山㉗/第5章 繰り返す人災④】
2014年大阪の「事件」でも… 「行政の性」宝刀抜けず
https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/1077979.html
静岡新聞 2022.6.10
【残土の闇 警告・伊豆山㉘/第5章 繰り返す人災⑤】
大阪・崩落事故の後始末 「13億円」回収めどなく
https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/1078434.html
静岡新聞 2022.6.11
政府・国会の不作為 法規制 教訓生かせるか【残土の闇 警告・伊豆山㉙/第5章 繰り返す人災⑥完】
https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/1078893.html
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テーマ : 政治・経済・時事問題
ジャンル : 政治・経済