2018-11-12(Mon)
大臣認定でまた不正 防火サッシ 不適合品出荷 279件
トクヤマ子会社、エクセルシャノン 製造現場の管理体制に問題か
国土交通省が、また、大臣認定に適合しない部品が使われた製品が出荷されていたと発表した。
化学メーカー、トクヤマの子会社エクセルシャノンが出荷した防火サッシだ。
出荷先総数911件のうち、35都道府県の279棟の一戸建て住宅などに設置されていたという。
防火サッシの戸締まりに使う部品が、国に申請していた亜鉛合金製ではなく樹脂製だったようで、
実際に火災の拡大につながったケースは確認されていないらしい。
すでに約9割の物件で部品交換が完了しており、12月末までに原則全ての部品を交換する予定だという。
報道では、当該製品の安全性について、
会社側は「樹脂製部品においても、自社の性能確認試験で防火性能に問題はないことを確認している」とし、
顧客の要望で交換しない場合でも適法となるよう、実際に出荷した製品仕様で大臣認定を取得する予定だ、と言っている。
これは、大臣認定に適合しない製品でも、自社の確認試験で問題なければ、大臣認定とれる、ということだろうか。
だとすると、大臣認定だと偽って出荷した製品でも、後から大臣認定が取れることになる。なんかおかしい。
会社は、原因について、
「社内基準で定められた生産初回時に行うべき認定仕様の確認を怠り、生産担当者に対する教育・確認が不十分であったことが原因で誤った部品を取り付ける」
「製品の最終検査において、当該部品の確認(クレセント本体のキャップを外して台座の材質を確認する)をする検査項目もなく、製品のチェック機能が働きませんでした。」
などと言っている。
大臣認定を受けておきながら「認定仕様の確認を怠り」とは、大臣認定の認識が軽すぎるのではないか。
さらに、最終検査で部品の「検査項目もなく」というのは、検査すべき大臣認定製品という認識もなかったということか。
免震ダンパーにしても本件にしても「大臣認定」制度そのものの在り方を見直すべきではなかろうか。
以下参考
(株)エクセルシャノンが出荷した防火サッシにおける国土交通大臣認定の仕様への不適合
平成30年11月7日
http://www.mlit.go.jp/report/press/house05_hh_000752.html
○(株)エクセルシャノンより国土交通省に対し、以下の報告がありました。
・国土交通大臣認定※1の仕様に適合しないクレセント※2を使用した防火サッシ※3を279棟の戸建て住宅等に出荷したこと
・今回の不適合に対する是正方法として、大臣認定仕様のクレセントに取り替えることを原則としつつ、取り替えを希望しない所有者の意向等にも対応できるよう、実際に出荷した製品の仕様での大臣認定を申請する方針であること
○国土交通省は、同社に対し、所有者への早急かつ丁寧な説明、是正工事の迅速・円滑な実施、相談窓口の設置、原因究明及び再発防止策の提出を指示しました。
※1 多様な建築材料や構造方法等の導入を可能とするため、建築材料や構造方法等について、その性能が建築基準法に適合していることを国土交通大臣が認定する制度
※2 サッシ用の戸締まり部品。下図<防火サッシのクレセント>を参照
※3 延焼のおそれのある部分の開口部に設置する一定の遮炎性能のある防火設備
1. 事案概要
(1) 国土交通省は、(株)エクセルシャノンより、同社が戸建て住宅等に出荷した防火サッシが国土交通大臣認定(以下「大臣認定」という。)に適合しない仕様となっているとの報告を受け、以下の事実関係を把握しました。
・ 不適合があったのは、大臣認定2件(認定番号EB-1283-1、EC-0172-1)に係る製品のうち、EB-1283-1については平成28年7月11日~平成30年8月16日に、EC-0172-1については平成28年4月27日~平成30年8月16日に出荷したもので、その出荷先は279棟の戸建て住宅等であること
・ 不適合は、防火サッシのクレセントの一部が、認定仕様は「亜鉛合金ダイカスト製」であるところを「樹脂製」としたものであること(下図参照)
・ 同社は、これらの2件の大臣認定仕様に不適合なクレセントを使用した防火サッシに関し、自社の性能試験により、建築基準法で求めている20分の遮炎性能を有していることを確認していること
・ 同社は、今回の不適合に対する是正方法として、大臣認定仕様のクレセントに取り替えることを原則としつつ、取り替えを希望しない所有者の意向等にも対応できるよう、実際に出荷した製品の仕様での大臣認定を申請する方針であること(該当物件のうち275棟の所有者に連絡済、残りの4棟も早急に連絡予定。是正工事は年内に完了させる方針であり、一部は取り替え済。)
(2) これを受け、国土交通省は、関係特定行政庁等に対し、物件リスト等を情報提供し、建築基準法違反等※4の事実確認と是正後の確認を進めるよう依頼しました。
※4 住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく住宅性能評価を受けている住宅については、当該住宅性能評価の結果に影響が生じる場合があります。
(3) 国土交通省は、同社に対し、所有者への早急かつ丁寧な説明、是正工事の迅速・円滑な実施、相談窓口の設置、原因究明及び再発防止策の提出を指示しました。
2. 相談窓口
(1) (株)エクセルシャノンにおいて、以下の窓口が設置されています。
【窓口】 株式会社エクセルシャノン 是正推進本部
電話番号 0120-005-211
受付時間 9:30-17:30(土日、祝休日、年末年始を除く)
(2) 公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター(愛称:住まいるダイヤル)に次の消費者相談窓口を設置しています。
【窓口】 電話番号 0570-016-100
PHSや一部のIP電話からは 03-3556-5147
受付時間 10:00-17:00(土日、祝休日、年末年始を除く)
添付資料
報道発表資料(PDF形式)
http://www.mlit.go.jp/report/press/house05_hh_000752.html
お問い合わせ先
国土交通省住宅局建築指導課
TEL:03-5253-8111 (内線39-564, 39-525) 直通 03-5253-8513 FAX:03-5253-1630
国土交通省住宅局住宅生産課
TEL:03-5253-8111 (内線39-453, 39-421) 直通 03-5253-8510 FAX:03-5253-1629
⊛*****************************
日経アーキテクチュア 2018/11/12 05:00
大臣認定不適合の防火サッシを279件に出荷
エクセルシャノン、製造現場の管理体制に問題か
https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00154/00308/
日本経済新聞 2018/11/7 18:02
トクヤマ、サッシ子会社で不正
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3748084007112018916M00/
朝日新聞デジタル2018年11月8日05時00分
窓用防火サッシに認定外素材 トクヤマ子会社、279物件に出荷
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13759536.html
山陽新聞 (2018年11月07日 16時39分 更新)
トクヤマ子会社、不適合品を出荷 防火サッシ、279棟に設置
http://www.sanyonews.jp/article/818792/1/
新建ハウジング2018年11月7日
エクセルシャノン、大臣認定不適合防火サッシを出荷
https://www.s-housing.jp/archives/149405
●発表内容
エクセルシャノンHP
防火設備(引違い窓)における国土交通大臣認定の仕様への不適合について
https://www.excelshanon.co.jp/exce_cms/wp-content/uploads/20181106_%E9%98%B2%E7%81%AB%E8%A8%AD%E5%82%99-%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%83%88%E5%8F%96%E3%82%8A%E4%BB%98%E3%81%91%E9%96%93%E9%81%95%E3%81%84%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6.pdf
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国土交通省が、また、大臣認定に適合しない部品が使われた製品が出荷されていたと発表した。
化学メーカー、トクヤマの子会社エクセルシャノンが出荷した防火サッシだ。
出荷先総数911件のうち、35都道府県の279棟の一戸建て住宅などに設置されていたという。
防火サッシの戸締まりに使う部品が、国に申請していた亜鉛合金製ではなく樹脂製だったようで、
実際に火災の拡大につながったケースは確認されていないらしい。
すでに約9割の物件で部品交換が完了しており、12月末までに原則全ての部品を交換する予定だという。
報道では、当該製品の安全性について、
会社側は「樹脂製部品においても、自社の性能確認試験で防火性能に問題はないことを確認している」とし、
顧客の要望で交換しない場合でも適法となるよう、実際に出荷した製品仕様で大臣認定を取得する予定だ、と言っている。
これは、大臣認定に適合しない製品でも、自社の確認試験で問題なければ、大臣認定とれる、ということだろうか。
だとすると、大臣認定だと偽って出荷した製品でも、後から大臣認定が取れることになる。なんかおかしい。
会社は、原因について、
「社内基準で定められた生産初回時に行うべき認定仕様の確認を怠り、生産担当者に対する教育・確認が不十分であったことが原因で誤った部品を取り付ける」
「製品の最終検査において、当該部品の確認(クレセント本体のキャップを外して台座の材質を確認する)をする検査項目もなく、製品のチェック機能が働きませんでした。」
などと言っている。
大臣認定を受けておきながら「認定仕様の確認を怠り」とは、大臣認定の認識が軽すぎるのではないか。
さらに、最終検査で部品の「検査項目もなく」というのは、検査すべき大臣認定製品という認識もなかったということか。
免震ダンパーにしても本件にしても「大臣認定」制度そのものの在り方を見直すべきではなかろうか。
エクセルシャノンHP
防火設備(引違い窓)における国土交通大臣認定の仕様への不適合について
以下参考
(株)エクセルシャノンが出荷した防火サッシにおける国土交通大臣認定の仕様への不適合
平成30年11月7日
http://www.mlit.go.jp/report/press/house05_hh_000752.html
○(株)エクセルシャノンより国土交通省に対し、以下の報告がありました。
・国土交通大臣認定※1の仕様に適合しないクレセント※2を使用した防火サッシ※3を279棟の戸建て住宅等に出荷したこと
・今回の不適合に対する是正方法として、大臣認定仕様のクレセントに取り替えることを原則としつつ、取り替えを希望しない所有者の意向等にも対応できるよう、実際に出荷した製品の仕様での大臣認定を申請する方針であること
○国土交通省は、同社に対し、所有者への早急かつ丁寧な説明、是正工事の迅速・円滑な実施、相談窓口の設置、原因究明及び再発防止策の提出を指示しました。
※1 多様な建築材料や構造方法等の導入を可能とするため、建築材料や構造方法等について、その性能が建築基準法に適合していることを国土交通大臣が認定する制度
※2 サッシ用の戸締まり部品。下図<防火サッシのクレセント>を参照
※3 延焼のおそれのある部分の開口部に設置する一定の遮炎性能のある防火設備
1. 事案概要
(1) 国土交通省は、(株)エクセルシャノンより、同社が戸建て住宅等に出荷した防火サッシが国土交通大臣認定(以下「大臣認定」という。)に適合しない仕様となっているとの報告を受け、以下の事実関係を把握しました。
・ 不適合があったのは、大臣認定2件(認定番号EB-1283-1、EC-0172-1)に係る製品のうち、EB-1283-1については平成28年7月11日~平成30年8月16日に、EC-0172-1については平成28年4月27日~平成30年8月16日に出荷したもので、その出荷先は279棟の戸建て住宅等であること
・ 不適合は、防火サッシのクレセントの一部が、認定仕様は「亜鉛合金ダイカスト製」であるところを「樹脂製」としたものであること(下図参照)
・ 同社は、これらの2件の大臣認定仕様に不適合なクレセントを使用した防火サッシに関し、自社の性能試験により、建築基準法で求めている20分の遮炎性能を有していることを確認していること
・ 同社は、今回の不適合に対する是正方法として、大臣認定仕様のクレセントに取り替えることを原則としつつ、取り替えを希望しない所有者の意向等にも対応できるよう、実際に出荷した製品の仕様での大臣認定を申請する方針であること(該当物件のうち275棟の所有者に連絡済、残りの4棟も早急に連絡予定。是正工事は年内に完了させる方針であり、一部は取り替え済。)
(2) これを受け、国土交通省は、関係特定行政庁等に対し、物件リスト等を情報提供し、建築基準法違反等※4の事実確認と是正後の確認を進めるよう依頼しました。
※4 住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく住宅性能評価を受けている住宅については、当該住宅性能評価の結果に影響が生じる場合があります。
(3) 国土交通省は、同社に対し、所有者への早急かつ丁寧な説明、是正工事の迅速・円滑な実施、相談窓口の設置、原因究明及び再発防止策の提出を指示しました。
2. 相談窓口
(1) (株)エクセルシャノンにおいて、以下の窓口が設置されています。
【窓口】 株式会社エクセルシャノン 是正推進本部
電話番号 0120-005-211
受付時間 9:30-17:30(土日、祝休日、年末年始を除く)
(2) 公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター(愛称:住まいるダイヤル)に次の消費者相談窓口を設置しています。
【窓口】 電話番号 0570-016-100
PHSや一部のIP電話からは 03-3556-5147
受付時間 10:00-17:00(土日、祝休日、年末年始を除く)
添付資料
報道発表資料(PDF形式)
http://www.mlit.go.jp/report/press/house05_hh_000752.html
お問い合わせ先
国土交通省住宅局建築指導課
TEL:03-5253-8111 (内線39-564, 39-525) 直通 03-5253-8513 FAX:03-5253-1630
国土交通省住宅局住宅生産課
TEL:03-5253-8111 (内線39-453, 39-421) 直通 03-5253-8510 FAX:03-5253-1629
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日経アーキテクチュア 2018/11/12 05:00
大臣認定不適合の防火サッシを279件に出荷
エクセルシャノン、製造現場の管理体制に問題か
https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00154/00308/
日本経済新聞 2018/11/7 18:02
トクヤマ、サッシ子会社で不正
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3748084007112018916M00/
朝日新聞デジタル2018年11月8日05時00分
窓用防火サッシに認定外素材 トクヤマ子会社、279物件に出荷
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13759536.html
山陽新聞 (2018年11月07日 16時39分 更新)
トクヤマ子会社、不適合品を出荷 防火サッシ、279棟に設置
http://www.sanyonews.jp/article/818792/1/
新建ハウジング2018年11月7日
エクセルシャノン、大臣認定不適合防火サッシを出荷
https://www.s-housing.jp/archives/149405
●発表内容
エクセルシャノンHP
防火設備(引違い窓)における国土交通大臣認定の仕様への不適合について
https://www.excelshanon.co.jp/exce_cms/wp-content/uploads/20181106_%E9%98%B2%E7%81%AB%E8%A8%AD%E5%82%99-%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%83%88%E5%8F%96%E3%82%8A%E4%BB%98%E3%81%91%E9%96%93%E9%81%95%E3%81%84%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6.pdf
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