2018-11-27(Tue)
外国人労働者受入問題 入管法「データ偽装」 各紙社説
議論する土台が崩れた 財界言いなり政治でなく 政府機関が責任を持つ韓国
政府与党がごり押し狙う入管法案。
またもや「データ偽装」。議論の土台崩れたのに、与党は強行の構えだ。
各紙とも拙速なやり方を批判する。
毎日新聞2018年11月26日 東京朝刊
社説:就労外国人 韓国の試行錯誤 学ぶべき点は大いにある
----まず労働者の送り出し国との間で、2国間協定を結ぶ。悪質な業者を排除し、安定的に労働力を確保するためだ。韓国政府は各国に出先機関を置き、労働者の受け入れに当たるため、相手国もその信用の下で労働者を送り出せる。現在、締結国はベトナムなど16カ国に上る。
労働者の募集や送り出しの段階まで政府機関が責任を持つ韓国の取り組みに学ぶべき点は大いにある。
----日本の入管法改正案では、どのような業種でどの程度の人数の労働者を受け入れるのかは政府が決める。だが、政府の関与はそこまでだ。
実際に労働者を受け入れるのは、当該企業と、業界団体などが担う予定の登録支援機関だ。これでは仲介料目当ての悪質な人材ビジネス業者が介入する懸念が残る。
----さらに、韓国では、韓国語教育を政府の責任で実施している。伝統や文化の講座を開くなど、いわゆる社会統合政策にも取り組んでいる。欧州で外国人労働者の受け入れ数が多いドイツも政府が600時間以上の語学教育を保障している。
東京新聞 2018年11月22日
【社説】入管法改正案 議論する土台が崩れた
----外国人労働者を増やす入管難民法改正案は急ごしらえで、生煮え感が強い。特に技能実習生の失踪のデータさえ読み替えた。劣悪な待遇の実習制度を温存する法案の土台を崩す事態といえる。
----技能実習生の失踪は昨年だけで七千件を超え、居場所が確認できた約二千九百人から聞き取りをした。政府は「より高い賃金を求めた失踪が約87%」と説明したが、実際には低賃金による失踪が約67%だった。言葉の感じ方がまるで違う。
そもそも調査時に「より高い賃金を…」の項目はなかった。ちなみに失踪前の月額給与は「十万円以下」が56・7%だ。賃金不払いの違法行為も契約不履行の低賃金も横行する世界だ。
----そして実習生は悲惨な待遇に耐えかねて逃げ出す-。決してわがままではなく、人間としての尊厳、生きるすべのためである。この現実を見ず、法案を通すのは、およそ無理がある。
移民国家スイスでは「われわれは労働者を求めたが、やってきたのは人間だった」という作家の言葉がある。法案では新しい在留資格「特定技能1号・2号」を設ける。この人々が実習生のような非人間的な扱いを受けることがあっては決してならない。労働者である前に、人間を受け入れる、この保障がないと話は進まない。
しんぶん赤旗 2018年11月20日(火)
主張:入管法「データ偽装」 実態隠しの姿勢をあらためよ
----日本で働く外国人の受け入れ拡大に向けた出入国管理法(入管法)改定案をめぐって、審議の基礎となるデータの偽装や誤り、受け入れ見込み数の根拠のなさなどが次々と明らかになり、法案の根幹を揺るがす事態となっています。もともと同法案は、受け入れる分野・業種、規模が明記されていないことが大問題になっていました。
----改定案は現在の技能実習制度を温存し、多くの実習生を新たな在留資格に移すことを想定しています。その実習生の過酷な実態をごまかそうとする政府の姿勢は、外国人労働者の人権をないがしろにし、「安上がりな労働力」としかみなしていないことを示しています。政府はようやく調査原本にあたる「聴取票」の閲覧を始めましたが、隠ぺい体質は改めるべきです。
----財界言いなり政治でなく
安倍政権が外国人労働者受け入れ拡大へ踏み出す契機になったのは、16年に経団連(日本経済団体連合会)がまとめた受け入れ促進の提言です。財界に号令をかけられ、悪法強行に突き進むやり方はあまりに異常です。外国人も日本人も権利が守られ、安心して働ける国にしていくことが重要です。
以下参考
毎日新聞2018年11月26日 東京朝刊
社説:就労外国人 韓国の試行錯誤 学ぶべき点は大いにある
https://mainichi.jp/articles/20181126/ddm/005/070/027000c
毎日新聞2018年11月24日 東京朝刊
社説:就労外国人 法務省外局構想 間口の広い新組織が要る
https://mainichi.jp/articles/20181124/ddm/005/070/029000c
信濃毎日新聞 (2018年11月24日)
社説:入管法改正案 実習制度は置き去りか
https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20181124/KT181120ETI090009000.php
朝日新聞デジタル2018年11月23日05時00分
(社説)入管法改正案 与党は一度立ち止まれ
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13781240.html
読売新聞 2018年11月23日 06時00分
社説:入管法改正案 技能実習制度との関係明確に
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20181123-OYT1T50003.html
北海道新聞 2018/11/23 05:00
社説:入管法案審議 またも数でごり押しか
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/250973
毎日新聞2018年11月22日 東京朝刊
社説:就労外国人 政府の準備不足 まともな質疑ができない
https://mainichi.jp/articles/20181122/ddm/005/070/025000c
東京新聞 2018年11月22日
【社説】入管法改正案 議論する土台が崩れた
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018112202000169.html
中国新聞 2018/11/22
社説:入管法審議入り 実習制度の棚上げできぬ
https://www.chugoku-np.co.jp/column/article/article.php?comment_id=483270&comment_sub_id=0&category_id=142
西日本新聞 2018年11月22日 10時38分
社説:実習生調査ミス 政府の「拙速」は目に余る
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/syasetu/article/467536/
北海道新聞 2018/11/21 05:00
社説:外国人就労拡大 実習制度の検証が先だ
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/250207
朝日新聞デジタル2018年11月20日05時00分
(社説)入管法改正案 これでも強行するのか
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13776283.html
しんぶん赤旗 2018年11月20日(火)
主張:入管法「データ偽装」 実態隠しの姿勢をあらためよ
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-11-20/2018112001_05_1.html
[京都新聞 2018年11月20日掲載]
社説:実習生調査 法案審議の前提揺らぐ
https://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20181120_4.html
東京新聞 2018年11月19日
【社説】外国人実習生 人権侵害を続けるな
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018111902000153.html
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政府与党がごり押し狙う入管法案。
またもや「データ偽装」。議論の土台崩れたのに、与党は強行の構えだ。
各紙とも拙速なやり方を批判する。
毎日新聞2018年11月26日 東京朝刊
社説:就労外国人 韓国の試行錯誤 学ぶべき点は大いにある
----まず労働者の送り出し国との間で、2国間協定を結ぶ。悪質な業者を排除し、安定的に労働力を確保するためだ。韓国政府は各国に出先機関を置き、労働者の受け入れに当たるため、相手国もその信用の下で労働者を送り出せる。現在、締結国はベトナムなど16カ国に上る。
労働者の募集や送り出しの段階まで政府機関が責任を持つ韓国の取り組みに学ぶべき点は大いにある。
----日本の入管法改正案では、どのような業種でどの程度の人数の労働者を受け入れるのかは政府が決める。だが、政府の関与はそこまでだ。
実際に労働者を受け入れるのは、当該企業と、業界団体などが担う予定の登録支援機関だ。これでは仲介料目当ての悪質な人材ビジネス業者が介入する懸念が残る。
----さらに、韓国では、韓国語教育を政府の責任で実施している。伝統や文化の講座を開くなど、いわゆる社会統合政策にも取り組んでいる。欧州で外国人労働者の受け入れ数が多いドイツも政府が600時間以上の語学教育を保障している。
東京新聞 2018年11月22日
【社説】入管法改正案 議論する土台が崩れた
----外国人労働者を増やす入管難民法改正案は急ごしらえで、生煮え感が強い。特に技能実習生の失踪のデータさえ読み替えた。劣悪な待遇の実習制度を温存する法案の土台を崩す事態といえる。
----技能実習生の失踪は昨年だけで七千件を超え、居場所が確認できた約二千九百人から聞き取りをした。政府は「より高い賃金を求めた失踪が約87%」と説明したが、実際には低賃金による失踪が約67%だった。言葉の感じ方がまるで違う。
そもそも調査時に「より高い賃金を…」の項目はなかった。ちなみに失踪前の月額給与は「十万円以下」が56・7%だ。賃金不払いの違法行為も契約不履行の低賃金も横行する世界だ。
----そして実習生は悲惨な待遇に耐えかねて逃げ出す-。決してわがままではなく、人間としての尊厳、生きるすべのためである。この現実を見ず、法案を通すのは、およそ無理がある。
移民国家スイスでは「われわれは労働者を求めたが、やってきたのは人間だった」という作家の言葉がある。法案では新しい在留資格「特定技能1号・2号」を設ける。この人々が実習生のような非人間的な扱いを受けることがあっては決してならない。労働者である前に、人間を受け入れる、この保障がないと話は進まない。
しんぶん赤旗 2018年11月20日(火)
主張:入管法「データ偽装」 実態隠しの姿勢をあらためよ
----日本で働く外国人の受け入れ拡大に向けた出入国管理法(入管法)改定案をめぐって、審議の基礎となるデータの偽装や誤り、受け入れ見込み数の根拠のなさなどが次々と明らかになり、法案の根幹を揺るがす事態となっています。もともと同法案は、受け入れる分野・業種、規模が明記されていないことが大問題になっていました。
----改定案は現在の技能実習制度を温存し、多くの実習生を新たな在留資格に移すことを想定しています。その実習生の過酷な実態をごまかそうとする政府の姿勢は、外国人労働者の人権をないがしろにし、「安上がりな労働力」としかみなしていないことを示しています。政府はようやく調査原本にあたる「聴取票」の閲覧を始めましたが、隠ぺい体質は改めるべきです。
----財界言いなり政治でなく
安倍政権が外国人労働者受け入れ拡大へ踏み出す契機になったのは、16年に経団連(日本経済団体連合会)がまとめた受け入れ促進の提言です。財界に号令をかけられ、悪法強行に突き進むやり方はあまりに異常です。外国人も日本人も権利が守られ、安心して働ける国にしていくことが重要です。
以下参考
毎日新聞2018年11月26日 東京朝刊
社説:就労外国人 韓国の試行錯誤 学ぶべき点は大いにある
https://mainichi.jp/articles/20181126/ddm/005/070/027000c
毎日新聞2018年11月24日 東京朝刊
社説:就労外国人 法務省外局構想 間口の広い新組織が要る
https://mainichi.jp/articles/20181124/ddm/005/070/029000c
信濃毎日新聞 (2018年11月24日)
社説:入管法改正案 実習制度は置き去りか
https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20181124/KT181120ETI090009000.php
朝日新聞デジタル2018年11月23日05時00分
(社説)入管法改正案 与党は一度立ち止まれ
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13781240.html
読売新聞 2018年11月23日 06時00分
社説:入管法改正案 技能実習制度との関係明確に
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20181123-OYT1T50003.html
北海道新聞 2018/11/23 05:00
社説:入管法案審議 またも数でごり押しか
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/250973
毎日新聞2018年11月22日 東京朝刊
社説:就労外国人 政府の準備不足 まともな質疑ができない
https://mainichi.jp/articles/20181122/ddm/005/070/025000c
東京新聞 2018年11月22日
【社説】入管法改正案 議論する土台が崩れた
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018112202000169.html
中国新聞 2018/11/22
社説:入管法審議入り 実習制度の棚上げできぬ
https://www.chugoku-np.co.jp/column/article/article.php?comment_id=483270&comment_sub_id=0&category_id=142
西日本新聞 2018年11月22日 10時38分
社説:実習生調査ミス 政府の「拙速」は目に余る
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/syasetu/article/467536/
北海道新聞 2018/11/21 05:00
社説:外国人就労拡大 実習制度の検証が先だ
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/250207
朝日新聞デジタル2018年11月20日05時00分
(社説)入管法改正案 これでも強行するのか
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13776283.html
しんぶん赤旗 2018年11月20日(火)
主張:入管法「データ偽装」 実態隠しの姿勢をあらためよ
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-11-20/2018112001_05_1.html
[京都新聞 2018年11月20日掲載]
社説:実習生調査 法案審議の前提揺らぐ
https://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20181120_4.html
東京新聞 2018年11月19日
【社説】外国人実習生 人権侵害を続けるな
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018111902000153.html
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テーマ : 政治・経済・時事問題
ジャンル : 政治・経済