2019-01-04(Fri)
日本経済のこれから 募る減速感
トリクルダウン元凶 目指す社会像の再確認を 持続的な好循環つくれるか
安倍政権発足から6年たった。
景気拡大期が、戦後最長を更新するらしいが、実感に乏しい。
企業の内部留保が、過去最高の450兆円なのに、賃上げは進まず、非正規の正規雇用も進まない。
なぜなら、大企業潤えば、下請けや従業員にも利益が回るというトリクルダウンの考え方にとらわれているからからだ。
19年の景気減速感も、成長戦略の限界、広がる格差も、元凶は大企業が潤えば・・・という考え方にある。
朝日新聞デジタル2019年1月4日05時00分
(社説)日本経済のこれから 目指す社会像の再確認を
----世界の金融市場は、株価下落が続くなかで2018年を終えた。景気の息切れという循環的な動きを超えて、経済成長を支えたグローバル化が反転するのではないかとの予感も漂う。
■「成長戦略」の限界
----翻って日本経済の位置も変わった。GDP(国内総生産)の規模で中国の半分以下になっただけではない。購買力換算の1人当たりGDPをみれば、米国やドイツとの差が縮まらない一方で、台湾に抜かれ韓国がほぼ同水準に迫る。
----バブル崩壊後の日本経済を苦しめてきた景気停滞とデフレは一段落させることができた。だが、企業の高収益の一方で「品質不正」が相次ぎ、経済の基礎体力をあらわす潜在成長率も大きくは上がっていない。
----新産業の創出や生産性の向上は、市場の競争のなかで個々の企業が達成するのが基本だ。一国での計画経済が成り立つかのように、過剰な期待を寄せても空回りしかねない。
■格差や独占を超えて
----不平等や独占の拡大は、社会の不安定化や技術革新の阻害を通じ、中長期的には経済成長への逆風になりうる。
----欧米でも格差拡大やデータの独占に歯止めをかけようという動きは広がっている。
----市場が生み出す技術革新や効率化の果実を享受しつつ、景気を安定させて失業を減らし、社会保障と再分配を強化する。市場が十分に果たせない教育や基礎研究を充実させ、インフラを保つ。強者が不当な利益をむさぼることのないよう、公正な競争のためのルールを整える。
当たり前のことばかりだが、社会の中でその必要性を常に確認し、共有していかなければ、荒波が強まる世界経済の中では足元を掘り崩されかねない。
読売新聞 2019年01月03日 06時00分
社説:日本経済再生 成長力高め安定軌道に乗せよ
◆賃上げ継続が欠かせぬ
----2012年12月の第2次安倍内閣発足時から続く現在の景気拡大期は、1月に戦後最長を更新するとみられる。しかし、拡大の基調は緩やかで、実感に乏しい。
原因は、GDPの過半を占める個人消費の伸び悩みにある。消費を押し上げるには、高水準の賃上げの継続が欠かせない。
幸い足元の企業業績は総じて好調で、利益は最高水準にある。
企業の内部留保は過去最高の450兆円に上っている。業績の良い企業は、従業員に利益を還元してもらいたい。賃上げの動きを、労働者の7割が働く中小企業に広げることも大切だ。
同時に、非正規雇用の労働者をいかに正社員に登用していくかが課題と言えよう。
非正規の賃金は、30歳代前半で正社員の約75%の水準に、50歳代前半では半分程度にとどまる。
これでは安心して働けないのは当然だ。企業には非正規雇用を少しでも減らし、正規雇用を増やす努力が求められる。
有効求人倍率の上昇を喜んでばかりもいられない。物流や介護などの現場は人手不足が深刻だ。
河北新報 2019年01月03日木曜日
社説:景気の行方/募る減速感 突破へ正念場
----政府は「今も景気回復の局面にある」「実体経済は底堅い」と言い続ける。
多くの人は実感がないのではないか。収入が大きく増えていないからだ。人手不足なのに実質賃金が伸びないのはひとえに生産性の問題だ。
人にも設備にも投資せず、低賃金の非正規社員でしのぎ資金は手元に置いておく。早晩やって来る不景気に備えてのことだろう。株安は、そんな経営者心理を一層冷やす。
以下参考
朝日新聞デジタル2019年1月4日05時00分
(社説)日本経済のこれから 目指す社会像の再確認を
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13835837.html
読売新聞 2019年01月03日 06時00分
社説:日本経済再生 成長力高め安定軌道に乗せよ
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20190102-OYT1T50084.html
日本経済新聞 2019/1/1付
社説:不確実性にたじろがず改革進めよ
https://www.nikkei.com/article/DGXKZO39592800R31C18A2PE8000/
河北新報 2019年01月03日木曜日
社説:景気の行方/募る減速感 突破へ正念場
https://www.kahoku.co.jp/editorial/20190103_01.html
[京都新聞 2019年01月04日掲載]
社説:岐路に立つ経済 持続的な好循環つくれるか
https://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/index.html
西日本新聞 2019年01月04日 10時40分
社説:経済展望 不確実性に抗する体力を
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/syasetu/article/477110/
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安倍政権発足から6年たった。
景気拡大期が、戦後最長を更新するらしいが、実感に乏しい。
企業の内部留保が、過去最高の450兆円なのに、賃上げは進まず、非正規の正規雇用も進まない。
なぜなら、大企業潤えば、下請けや従業員にも利益が回るというトリクルダウンの考え方にとらわれているからからだ。
19年の景気減速感も、成長戦略の限界、広がる格差も、元凶は大企業が潤えば・・・という考え方にある。
朝日新聞デジタル2019年1月4日05時00分
(社説)日本経済のこれから 目指す社会像の再確認を
----世界の金融市場は、株価下落が続くなかで2018年を終えた。景気の息切れという循環的な動きを超えて、経済成長を支えたグローバル化が反転するのではないかとの予感も漂う。
■「成長戦略」の限界
----翻って日本経済の位置も変わった。GDP(国内総生産)の規模で中国の半分以下になっただけではない。購買力換算の1人当たりGDPをみれば、米国やドイツとの差が縮まらない一方で、台湾に抜かれ韓国がほぼ同水準に迫る。
----バブル崩壊後の日本経済を苦しめてきた景気停滞とデフレは一段落させることができた。だが、企業の高収益の一方で「品質不正」が相次ぎ、経済の基礎体力をあらわす潜在成長率も大きくは上がっていない。
----新産業の創出や生産性の向上は、市場の競争のなかで個々の企業が達成するのが基本だ。一国での計画経済が成り立つかのように、過剰な期待を寄せても空回りしかねない。
■格差や独占を超えて
----不平等や独占の拡大は、社会の不安定化や技術革新の阻害を通じ、中長期的には経済成長への逆風になりうる。
----欧米でも格差拡大やデータの独占に歯止めをかけようという動きは広がっている。
----市場が生み出す技術革新や効率化の果実を享受しつつ、景気を安定させて失業を減らし、社会保障と再分配を強化する。市場が十分に果たせない教育や基礎研究を充実させ、インフラを保つ。強者が不当な利益をむさぼることのないよう、公正な競争のためのルールを整える。
当たり前のことばかりだが、社会の中でその必要性を常に確認し、共有していかなければ、荒波が強まる世界経済の中では足元を掘り崩されかねない。
読売新聞 2019年01月03日 06時00分
社説:日本経済再生 成長力高め安定軌道に乗せよ
◆賃上げ継続が欠かせぬ
----2012年12月の第2次安倍内閣発足時から続く現在の景気拡大期は、1月に戦後最長を更新するとみられる。しかし、拡大の基調は緩やかで、実感に乏しい。
原因は、GDPの過半を占める個人消費の伸び悩みにある。消費を押し上げるには、高水準の賃上げの継続が欠かせない。
幸い足元の企業業績は総じて好調で、利益は最高水準にある。
企業の内部留保は過去最高の450兆円に上っている。業績の良い企業は、従業員に利益を還元してもらいたい。賃上げの動きを、労働者の7割が働く中小企業に広げることも大切だ。
同時に、非正規雇用の労働者をいかに正社員に登用していくかが課題と言えよう。
非正規の賃金は、30歳代前半で正社員の約75%の水準に、50歳代前半では半分程度にとどまる。
これでは安心して働けないのは当然だ。企業には非正規雇用を少しでも減らし、正規雇用を増やす努力が求められる。
有効求人倍率の上昇を喜んでばかりもいられない。物流や介護などの現場は人手不足が深刻だ。
河北新報 2019年01月03日木曜日
社説:景気の行方/募る減速感 突破へ正念場
----政府は「今も景気回復の局面にある」「実体経済は底堅い」と言い続ける。
多くの人は実感がないのではないか。収入が大きく増えていないからだ。人手不足なのに実質賃金が伸びないのはひとえに生産性の問題だ。
人にも設備にも投資せず、低賃金の非正規社員でしのぎ資金は手元に置いておく。早晩やって来る不景気に備えてのことだろう。株安は、そんな経営者心理を一層冷やす。
以下参考
朝日新聞デジタル2019年1月4日05時00分
(社説)日本経済のこれから 目指す社会像の再確認を
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13835837.html
読売新聞 2019年01月03日 06時00分
社説:日本経済再生 成長力高め安定軌道に乗せよ
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20190102-OYT1T50084.html
日本経済新聞 2019/1/1付
社説:不確実性にたじろがず改革進めよ
https://www.nikkei.com/article/DGXKZO39592800R31C18A2PE8000/
河北新報 2019年01月03日木曜日
社説:景気の行方/募る減速感 突破へ正念場
https://www.kahoku.co.jp/editorial/20190103_01.html
[京都新聞 2019年01月04日掲載]
社説:岐路に立つ経済 持続的な好循環つくれるか
https://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/index.html
西日本新聞 2019年01月04日 10時40分
社説:経済展望 不確実性に抗する体力を
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/syasetu/article/477110/
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テーマ : 政治・経済・時事問題
ジャンル : 政治・経済