2019-04-10(Wed)
IHI 検査不正 改善命令 監視・監督も強化
航空機エンジン整備事業 国交省が認定した事業場の不正
部品でも不正検査7138件 国交省、経産省の検査対象外?
国交省がIHIの検査不正問題で改善命令を出した。
過去10年間に国内航空会社向け(国土交通省所管)に整備したエンジン34台で不正が見つかったという。
IHIによると、
2009年1月~2019年1月の10年間、整備・修理した国土交通省管轄で運航中の全てのエンジン45台と単品で修理した部品605点が対象。
うちエンジン34台,部品125点において,不適切な作業が行われていた。
作業総数は合計で約19万件であり,うち不適切な作業件数は,1,251件。
不適切作業件数のうち,不適切な検査押印の件数は,974件,手続きを経ない工程順序の変更や検査実施日と記録の不一致が,277件。
すでに経産省が海外向けを加えた209基、6340件の不正を処分している。
ところが、エンジンの部品でも7,138件の不正が発覚したとIHIが発表している。
この部品は、経産省も国交省も一部を除き、処分の対象ではないというが、検査不正はエンジン整備と合わせると約1万4千件にのぼる。
日経新聞は
「IHIは04年にもエンジン整備のデータ改ざんで国交省から業務改善勧告を受けており、コーポレートガバナンスがうまく機能していない体質は改善されていなかった」
「航空業界をめぐっては米ボーイングの737MAXが2度の墜落事故を起こし、安全性への関心が世界的に高まっている。18年には英ロールス・ロイスのエンジントラブルがエアラインの大量欠航を招いた問題も発生した。世界的にも航空業界で品質問題を巡る目が厳しくなるなかで、IHIが信頼を回復する道は平たんではない」
と指摘している。
朝日新聞デジタル2019年4月9日21時11分
IHI整備の航空機エンジン、75%で不正 過去10年
----航空機エンジンの検査不正が発覚したIHIは9日、過去10年で国内航空会社向けに整備したエンジンの75%にあたる34台で不正が見つかったと発表した。3月に公表した過去2年分の13台から大きく増えた。国土交通省はこの日、航空法に基づいて、エンジンの回収や再発防止などを求める業務改善命令を出した。
日本経済新聞 2019/4/9 20:18
IHI、検査不正で改善命令 航空部品自主回収へ
----IHIは9日、航空機エンジン整備で不正検査があったことを巡り国土交通省から業務改善命令を受けた。5月10日に再発防止策を報告し、エンジン部品の一部を自主回収する。航空・宇宙・防衛事業は営業利益の半分以上を稼ぎ出す屋台骨。世界的な航空部品のサプライチェーンへの影響も懸念されるため、生産体制の見直しが急務だ。
Aviation Wire 2019年4月9日 08:00
IHI、航空機エンジン部品でも不正検査7000件超
----旅客機用エンジンの整備で検査方法などの不正が行われていたIHI(7013)は4月8日、部品製造でも7000件以上の不正検査が行われていたと発表した。
IHIによると、航空機エンジン部品を製造している相馬工場(福島県相馬市)と呉第二工場(広島県呉市)、瑞穂工場(東京都西多摩郡)で調査したところ、2017年1月から今年1月までの作業件数約180万件のうち、7138件の不正検査が確認された。
-----------------------------
国土交通省
株式会社IHIに対する業務改善命令及び認定事業場に対する監視・監督の強化について
平成31年4月9日
http://www.mlit.go.jp/report/press/kouku11_hh_000081.html
株式会社IHIによる航空機用発動機の修理作業及び検査において、不適切な事案が多数確認されたことから、東京航空局は、本日付けで同社に対して航空法に基づく業務改善命令を行い、再発防止策等について報告するよう指示しました。
また、このような認定事業場による不適切事案を未然に防止するため、今後、認定事業場に対する監視・監督を強化することとしたのでお知らせします。
IHI ニュース 2019年04月09日
当社民間航空機エンジン整備事業で発生した不適切事象に対する国土交通省殿からの行政処分について(156.9KB)
https://www.ihi.co.jp/var/ezwebin_site/storage/original/application/98dc687e000ee7a1ecf55939c3e87242.pdf
IHI ニュース 2019年04月08日
航空機エンジン部品製造における不適切検査について(追加調査に関するご報告)(133.2KB)
https://www.ihi.co.jp/var/ezwebin_site/storage/original/application/eae9887702dec2e0e6256dfec25c8651.pdf
以下参考
国土交通省
株式会社IHIに対する業務改善命令及び認定事業場に対する監視・監督の強化について
平成31年4月9日
http://www.mlit.go.jp/report/press/kouku11_hh_000081.html
株式会社IHIによる航空機用発動機の修理作業及び検査において、不適切な事案が多数確認されたことから、東京航空局は、本日付けで同社に対して航空法に基づく業務改善命令を行い、再発防止策等について報告するよう指示しました。
また、このような認定事業場による不適切事案を未然に防止するため、今後、認定事業場に対する監視・監督を強化することとしたのでお知らせします。
1.経緯
東京航空局が、株式会社IHIの民間エンジン事業部瑞穂工場(装備品の修理改造認定事業場)に対し、航空法第134条に基づき平成31年1月から2月にかけて立入検査を実施し、その後報告徴収を実施したところ、航空機用発動機の修理作業及び検査において、以下のような不適切な事案が多数確認されました。
・ 部品の検査を、業務規程に基づく適切な社内資格を有する検査員ではなく、資格を有さない者が実施していた事案
・ 所定の作業工程どおりに作業及び検査を実施しなかったにもかかわらず、実施したように作業記録書の検査実施日を改竄していた事案
・ 計測機器の定期検査記録書の検査実施日が適切でない事案
2.要因・背景
要因・背景として、事業拡大、業務の増加に対応した検査員の育成・増員が適切に行われないまま納期を優先したこと、現場において安全意識やコンプライアンス意識が働かなかったことが、会社から報告されています。
また、当該事案については、過去に社内において改善の機会があったにもかかわらず、経営層まで情報が共有されず、必要な要因分析や再発防止策を講じていなかったことが確認されており、認定事業場として必要な安全管理システムが十分に機能していなかったことも認められました。
3.IHIに対する業務改善命令
これを受け、本日、航空法第20条第5項の規定に基づき、同社に対し、出荷品の自主回収、不適切事案の要因・背景の分析を実施するとともに、具体的な再発防止策を講じた上で報告することを指示する業務改善命令を行いました。
4.認定事業場に対する監視・監督の強化
また、このような認定事業場による不適切事案を未然に防止するため、航空局は今後認定事業場に対する随時検査を原則抜き打ちで実施するとともに、認定事業場が実施した検査記録の裏付けまで確認するなど検査内容の見直しを行うことにより、認定事業場に対する監視・監督を強化することと致します。
添付資料
プレスリリース(PDF形式)
http://www.mlit.go.jp/common/001285105.pdf
株式会社IHIに対する業務改善命令文書(PDF形式)
http://www.mlit.go.jp/common/001285107.pdf
認定事業場に対する監視・監督の強化策(PDF形式)
http://www.mlit.go.jp/common/001285106.pdf
お問い合わせ先
(株式会社IHIに対する業務改善命令について)東京航空局 安全統括室 航空機検査官
TEL:03-5275-9325 (内線7580、7581) FAX:03-5216-5571
(認定事業場に対する監視・監督の強化について)航空局 安全部 航空機安全課
TEL:03-5253-8111 (内線50213、50202) 直通 :03-5253-8735 FAX:03-5253-1661
********************************+
IHI ニュース
2019年04月09日
適時開示
当社民間航空機エンジン整備事業で発生した不適切事象に対する国土交通省殿からの行政処分について(156.9KB)
https://www.ihi.co.jp/var/ezwebin_site/storage/original/application/98dc687e000ee7a1ecf55939c3e87242.pdf
当社民間航空機エンジン整備事業で発生した不適切事象に対する国土交通省殿からの行政処分について
2019年3月8日付「当社民間航空機エンジン整備事業で発生した不適切な事象に関する中間報告」においてお知らせしましたとおり,当社の民間航空機エンジンの整備事業に関し,複数の不適切な事象が判明したことを受け,調査して参りましたが,本日,国土交通省殿より,業務改善命令を受けました。
国土交通省殿からの処分の対象は,同省の基準に基づいて当社が瑞穂工場(東京都西多摩郡瑞穂町殿ヶ谷)において整備した民間航空機エンジン34台と修理した単品の部品数125点における不適切な作業です。
3月8日付の中間報告では,過去2年間(2017年1月1日~2019年1月31日)における国土交通省管轄の工事を対象に調査した結果を報告したものですが,今回,更に過去にさかのぼり,同省管轄工事で,現在,運航されている全てのエンジン(2009年1月~2016年12月31日)まで拡大し,調査したものです。
この度の国土交通省殿からの処分を厳粛に受け止め,航空会社様ならびに関係機関をはじめとする皆様,当社のすべてのステークホルダーの皆様に多大なるご迷惑とご心配をお掛けする事態となりましたことを,深くお詫び申し上げます。
当社は,今回の事態を受けて,コンプライアンス遵守を徹底し,策定した再発防止策を確実に進め,全社一丸となって,信頼回復に努めてまいります。
1.処分対象となった不適切事象の概要(2009年1月~2019年1月)
今回の調査は,過去10年にさかのぼり,当社が整備・修理した国土交通省管轄で運航中の全てのエンジン45台と単品で修理した部品605点が対象となっています。うちエンジン34台,部品125点において,不適切な作業が行われていました。作業総数は合計で約19万件であり,うち不適切な作業件数は,1,251件です。なお,不適切作業件数1,251件のうち,不適切な検査押印の件数は,974件,手続きを経ない工程順序の変更や検査実施日と記録の不一致が,277件あり,その内容は中間報告でご報告した内容と同様の事象です。
これらの事象については,当社からエンジン製造メーカーに報告を行い,飛行安全には問題ないとの見解を受領しております。そのほか,当該不適切検査の後工程における検査の実施やエンジン組立後の試運転の実施に加え,その後の運航状況のモニタリングおよび点検で問題がないことが確認されております。今後,お客様と相談しながら,一部の部品については長期的継続使用の観点から,自主回収等も行うべく,万全の策を実施してまいります。
2.本件発生の原因について
3月8日付の中間報告においてご報告したとおり,本件発生の原因は,以下に要約されると認識しております。
・検査業務の投入量において調整が不十分であったことから,納期優先につながったこと
・安全を第一とすべき航空エンジン整備の検査記録の公的重要性に関する意識の乏しさ
・検査職場という品質保証上重要な職場に対するマネージメント層の関与不足
・資格が必要な業務を伴う検査職場における実地教育(OJT)制度の不明瞭さ
3.再発防止策について
国土交通省殿からのご指導に沿って,以下のとおり,再発防止に取り組んでまいります。
Ⅰ.安全意識の再徹底およびコンプライアンス教育
Ⅱ.安全管理体制の抜本的見直し
Ⅲ.業務実施体制の見直し
なお,瑞穂工場においては,すでに以下の施策の展開を始めております。
(1) 検査にかかわる業務規定ならびに実施体制の見直し
① 検査員見習に対するOJTルールの厳格化(整備実作業ラインとの分離)
② 検査員資格制度の見直し
③ 印章など管理方法の見直し
④ 製造部門の一部であった検査職場を品質管理部門へ分離
(2) 航空機エンジン整備関連全検査員の資格再認定教育(4週間コース)
(外部有識者による7時間のコンプライアンス教育を含む。)
(3) コンプライアンス相談窓口,工場ホットラインの新設
(4) 検査業務負荷の適正化
(5) 整備マニュアルの最適化
なお,原因分析および再発防止策については,西村あさひ法律事務所ならびに日本経営倫理学会会長の梅津光弘氏(慶應義塾大学商学部准教授)に検証を進めていただいております。
4.今後について
今後,このたびの国土交通省殿からの処分を受けて,改善報告書を5月10日までに提出いたします。
さらに,瑞穂工場での再発防止策の展開に加え,全社ならびに航空・宇宙・防衛事業領域における品質保証,コンプライアンス面の対応強化策を検討しております。
当社は,再発防止策を確実に実行し,現在,自主的に停止しております民間航空機エンジン整備事業の早期再開をはかり,ステークホルダーの皆様のご期待に応えてまいる所存です。
以 上
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IHI ニュース
2019年04月08日
適時開示
航空機エンジン部品製造における不適切検査について(追加調査に関するご報告)(133.2KB)
https://www.ihi.co.jp/var/ezwebin_site/storage/original/application/eae9887702dec2e0e6256dfec25c8651.pdf
航空機エンジン部品製造における不適切検査について(追加調査に関するご報告)
2019年3月8日付「当社民間航空機エンジン整備事業で発生した不適切事象に関する中間報告」においてお知らせしましたとおり,当社の民間航空機エンジンの整備事業に関し,複数の不適切な事象が判明したことを受け,品質に関する総点検を全社に水平展開し,航空機エンジン事業全般について詳細に調査したところ,部品製造においても,社内で定めた規定に反する不適切な検査が行われていたことが判明しましたので,ご報告いたします。
部品製造においても,不適切な検査が行われていたことを極めて重く受け止め,全てのステークホルダーの皆様に,重ねて,心よりお詫び申し上げます。
当社は,一連の事態を受けて,コンプライアンス遵守の徹底を図るとともに,不適切検査の原因分析も踏まえたうえで,再発防止策を確実なものとし,全社一丸となって,信頼回復に努めてまいります。
1.航空機エンジンの部品製造に関する不適切検査の概要
(調査期間:2017年1月~2019年1月)
航空機エンジン部品を製造している相馬工場(福島県相馬市大野台),呉第二工場(広島県呉市昭和町),瑞穂工場(東京都西多摩郡瑞穂町殿ヶ谷)における調査の結果,作業件数約180万件のうち,7,138件の不適切検査が判明しました。
不適切検査の内容としましては,社内で定めた規定を逸脱し,訓練生による検査や検査記録への入力・押印がなされていたり,検査員が他の検査員に代わって検査記録への入力や押印を行っていたものでした。
なお,今回判明した不適切な事象は,既に,改善を実施しております。
2.部品の機能・性能等について
不適切検査が行われた全てのエンジン部品に関して,最終的な検査までに同内容の検査がなされているか,製造プロセスにおいては,規定通り正しく行われていたことが確認されているか,または資格者と同等の十分な技能を有した従業員による該当の検査実施が行われているかが確認されております。したがいまして,完成・納入した部品は図面で指定された寸法・強度・機能・性能を全て満たしております。
以上は,部品の納入先である各エンジンの製造メーカーにも詳細に報告しており,技術的に問題がないことを確認しております。
3.本件発生の原因について
本件発生の原因は,以下に要約されると認識しております。
(1) 規定・ルール遵守を第一義とするコンプライアンス意識の不足
(2) 業務量増加に即した検査員増強対策の不徹底
4.再発防止策について
(1) 実施済みの対策
・検査員の育成による増員
・検査員資格一時停止と再教育
(2) 抜本的対策
再発防止を徹底するため,コンプライアンス体制・教育の強化など,各工場のみならず,航空・宇宙・防衛事業領域,全社の対策を検討しております。
以 上
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朝日新聞デジタル2019年4月9日21時11分
IHI整備の航空機エンジン、75%で不正 過去10年
https://digital.asahi.com/articles/ASM494VHTM49ULFA017.html
日本経済新聞 2019/4/9 20:18
IHI、検査不正で改善命令 航空部品自主回収へ
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43543850Z00C19A4TJ1000/
時事通信 2019年04月09日14時45分
IHIに業務改善命令へ=航空機エンジン検査で不正-国交省
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019040900711&g=soc
共同通信2019/4/9 19:154/9 19:17updated
国交省、IHIに業務改善命令 民間航空機のエンジン整備不正で
https://this.kiji.is/488227323776156769?c=39546741839462401
********************************+
日本経済新聞 2019/4/8 21:02
IHI、新たに7千件の不適切検査 国交省、9日にも改善命令へ
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43477560Y9A400C1TJ1000/
Aviation Wire 2019年4月9日 08:00 JST
IHI、航空機エンジン部品でも不正検査7000件超
https://www.aviationwire.jp/archives/170713
毎日新聞2019年4月7日 東京朝刊
IHI:航空エンジン検査不正 部品製造も 無資格者が検査
https://mainichi.jp/articles/20190407/ddm/012/020/114000c
日本経済新聞 2019/4/6 2:00
IHI、航空機部品でも検査不正 国交省が改善指導へ
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43415350V00C19A4TJC000/
毎日新聞2019年4月6日 東京朝刊
IHI:航空エンジン検査不正 日航など「問題なし」
https://mainichi.jp/articles/20190406/ddm/012/020/059000c
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部品でも不正検査7138件 国交省、経産省の検査対象外?
国交省がIHIの検査不正問題で改善命令を出した。
過去10年間に国内航空会社向け(国土交通省所管)に整備したエンジン34台で不正が見つかったという。
IHIによると、
2009年1月~2019年1月の10年間、整備・修理した国土交通省管轄で運航中の全てのエンジン45台と単品で修理した部品605点が対象。
うちエンジン34台,部品125点において,不適切な作業が行われていた。
作業総数は合計で約19万件であり,うち不適切な作業件数は,1,251件。
不適切作業件数のうち,不適切な検査押印の件数は,974件,手続きを経ない工程順序の変更や検査実施日と記録の不一致が,277件。
すでに経産省が海外向けを加えた209基、6340件の不正を処分している。
ところが、エンジンの部品でも7,138件の不正が発覚したとIHIが発表している。
この部品は、経産省も国交省も一部を除き、処分の対象ではないというが、検査不正はエンジン整備と合わせると約1万4千件にのぼる。
日経新聞は
「IHIは04年にもエンジン整備のデータ改ざんで国交省から業務改善勧告を受けており、コーポレートガバナンスがうまく機能していない体質は改善されていなかった」
「航空業界をめぐっては米ボーイングの737MAXが2度の墜落事故を起こし、安全性への関心が世界的に高まっている。18年には英ロールス・ロイスのエンジントラブルがエアラインの大量欠航を招いた問題も発生した。世界的にも航空業界で品質問題を巡る目が厳しくなるなかで、IHIが信頼を回復する道は平たんではない」
と指摘している。
朝日新聞デジタル2019年4月9日21時11分
IHI整備の航空機エンジン、75%で不正 過去10年
----航空機エンジンの検査不正が発覚したIHIは9日、過去10年で国内航空会社向けに整備したエンジンの75%にあたる34台で不正が見つかったと発表した。3月に公表した過去2年分の13台から大きく増えた。国土交通省はこの日、航空法に基づいて、エンジンの回収や再発防止などを求める業務改善命令を出した。
日本経済新聞 2019/4/9 20:18
IHI、検査不正で改善命令 航空部品自主回収へ
----IHIは9日、航空機エンジン整備で不正検査があったことを巡り国土交通省から業務改善命令を受けた。5月10日に再発防止策を報告し、エンジン部品の一部を自主回収する。航空・宇宙・防衛事業は営業利益の半分以上を稼ぎ出す屋台骨。世界的な航空部品のサプライチェーンへの影響も懸念されるため、生産体制の見直しが急務だ。
Aviation Wire 2019年4月9日 08:00
IHI、航空機エンジン部品でも不正検査7000件超
----旅客機用エンジンの整備で検査方法などの不正が行われていたIHI(7013)は4月8日、部品製造でも7000件以上の不正検査が行われていたと発表した。
IHIによると、航空機エンジン部品を製造している相馬工場(福島県相馬市)と呉第二工場(広島県呉市)、瑞穂工場(東京都西多摩郡)で調査したところ、2017年1月から今年1月までの作業件数約180万件のうち、7138件の不正検査が確認された。
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国土交通省
株式会社IHIに対する業務改善命令及び認定事業場に対する監視・監督の強化について
平成31年4月9日
http://www.mlit.go.jp/report/press/kouku11_hh_000081.html
株式会社IHIによる航空機用発動機の修理作業及び検査において、不適切な事案が多数確認されたことから、東京航空局は、本日付けで同社に対して航空法に基づく業務改善命令を行い、再発防止策等について報告するよう指示しました。
また、このような認定事業場による不適切事案を未然に防止するため、今後、認定事業場に対する監視・監督を強化することとしたのでお知らせします。
IHI ニュース 2019年04月09日
当社民間航空機エンジン整備事業で発生した不適切事象に対する国土交通省殿からの行政処分について(156.9KB)
https://www.ihi.co.jp/var/ezwebin_site/storage/original/application/98dc687e000ee7a1ecf55939c3e87242.pdf
IHI ニュース 2019年04月08日
航空機エンジン部品製造における不適切検査について(追加調査に関するご報告)(133.2KB)
https://www.ihi.co.jp/var/ezwebin_site/storage/original/application/eae9887702dec2e0e6256dfec25c8651.pdf
以下参考
国土交通省
株式会社IHIに対する業務改善命令及び認定事業場に対する監視・監督の強化について
平成31年4月9日
http://www.mlit.go.jp/report/press/kouku11_hh_000081.html
株式会社IHIによる航空機用発動機の修理作業及び検査において、不適切な事案が多数確認されたことから、東京航空局は、本日付けで同社に対して航空法に基づく業務改善命令を行い、再発防止策等について報告するよう指示しました。
また、このような認定事業場による不適切事案を未然に防止するため、今後、認定事業場に対する監視・監督を強化することとしたのでお知らせします。
1.経緯
東京航空局が、株式会社IHIの民間エンジン事業部瑞穂工場(装備品の修理改造認定事業場)に対し、航空法第134条に基づき平成31年1月から2月にかけて立入検査を実施し、その後報告徴収を実施したところ、航空機用発動機の修理作業及び検査において、以下のような不適切な事案が多数確認されました。
・ 部品の検査を、業務規程に基づく適切な社内資格を有する検査員ではなく、資格を有さない者が実施していた事案
・ 所定の作業工程どおりに作業及び検査を実施しなかったにもかかわらず、実施したように作業記録書の検査実施日を改竄していた事案
・ 計測機器の定期検査記録書の検査実施日が適切でない事案
2.要因・背景
要因・背景として、事業拡大、業務の増加に対応した検査員の育成・増員が適切に行われないまま納期を優先したこと、現場において安全意識やコンプライアンス意識が働かなかったことが、会社から報告されています。
また、当該事案については、過去に社内において改善の機会があったにもかかわらず、経営層まで情報が共有されず、必要な要因分析や再発防止策を講じていなかったことが確認されており、認定事業場として必要な安全管理システムが十分に機能していなかったことも認められました。
3.IHIに対する業務改善命令
これを受け、本日、航空法第20条第5項の規定に基づき、同社に対し、出荷品の自主回収、不適切事案の要因・背景の分析を実施するとともに、具体的な再発防止策を講じた上で報告することを指示する業務改善命令を行いました。
4.認定事業場に対する監視・監督の強化
また、このような認定事業場による不適切事案を未然に防止するため、航空局は今後認定事業場に対する随時検査を原則抜き打ちで実施するとともに、認定事業場が実施した検査記録の裏付けまで確認するなど検査内容の見直しを行うことにより、認定事業場に対する監視・監督を強化することと致します。
添付資料
プレスリリース(PDF形式)
http://www.mlit.go.jp/common/001285105.pdf
株式会社IHIに対する業務改善命令文書(PDF形式)
http://www.mlit.go.jp/common/001285107.pdf
認定事業場に対する監視・監督の強化策(PDF形式)
http://www.mlit.go.jp/common/001285106.pdf
お問い合わせ先
(株式会社IHIに対する業務改善命令について)東京航空局 安全統括室 航空機検査官
TEL:03-5275-9325 (内線7580、7581) FAX:03-5216-5571
(認定事業場に対する監視・監督の強化について)航空局 安全部 航空機安全課
TEL:03-5253-8111 (内線50213、50202) 直通 :03-5253-8735 FAX:03-5253-1661
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IHI ニュース
2019年04月09日
適時開示
当社民間航空機エンジン整備事業で発生した不適切事象に対する国土交通省殿からの行政処分について(156.9KB)
https://www.ihi.co.jp/var/ezwebin_site/storage/original/application/98dc687e000ee7a1ecf55939c3e87242.pdf
当社民間航空機エンジン整備事業で発生した不適切事象に対する国土交通省殿からの行政処分について
2019年3月8日付「当社民間航空機エンジン整備事業で発生した不適切な事象に関する中間報告」においてお知らせしましたとおり,当社の民間航空機エンジンの整備事業に関し,複数の不適切な事象が判明したことを受け,調査して参りましたが,本日,国土交通省殿より,業務改善命令を受けました。
国土交通省殿からの処分の対象は,同省の基準に基づいて当社が瑞穂工場(東京都西多摩郡瑞穂町殿ヶ谷)において整備した民間航空機エンジン34台と修理した単品の部品数125点における不適切な作業です。
3月8日付の中間報告では,過去2年間(2017年1月1日~2019年1月31日)における国土交通省管轄の工事を対象に調査した結果を報告したものですが,今回,更に過去にさかのぼり,同省管轄工事で,現在,運航されている全てのエンジン(2009年1月~2016年12月31日)まで拡大し,調査したものです。
この度の国土交通省殿からの処分を厳粛に受け止め,航空会社様ならびに関係機関をはじめとする皆様,当社のすべてのステークホルダーの皆様に多大なるご迷惑とご心配をお掛けする事態となりましたことを,深くお詫び申し上げます。
当社は,今回の事態を受けて,コンプライアンス遵守を徹底し,策定した再発防止策を確実に進め,全社一丸となって,信頼回復に努めてまいります。
1.処分対象となった不適切事象の概要(2009年1月~2019年1月)
今回の調査は,過去10年にさかのぼり,当社が整備・修理した国土交通省管轄で運航中の全てのエンジン45台と単品で修理した部品605点が対象となっています。うちエンジン34台,部品125点において,不適切な作業が行われていました。作業総数は合計で約19万件であり,うち不適切な作業件数は,1,251件です。なお,不適切作業件数1,251件のうち,不適切な検査押印の件数は,974件,手続きを経ない工程順序の変更や検査実施日と記録の不一致が,277件あり,その内容は中間報告でご報告した内容と同様の事象です。
これらの事象については,当社からエンジン製造メーカーに報告を行い,飛行安全には問題ないとの見解を受領しております。そのほか,当該不適切検査の後工程における検査の実施やエンジン組立後の試運転の実施に加え,その後の運航状況のモニタリングおよび点検で問題がないことが確認されております。今後,お客様と相談しながら,一部の部品については長期的継続使用の観点から,自主回収等も行うべく,万全の策を実施してまいります。
2.本件発生の原因について
3月8日付の中間報告においてご報告したとおり,本件発生の原因は,以下に要約されると認識しております。
・検査業務の投入量において調整が不十分であったことから,納期優先につながったこと
・安全を第一とすべき航空エンジン整備の検査記録の公的重要性に関する意識の乏しさ
・検査職場という品質保証上重要な職場に対するマネージメント層の関与不足
・資格が必要な業務を伴う検査職場における実地教育(OJT)制度の不明瞭さ
3.再発防止策について
国土交通省殿からのご指導に沿って,以下のとおり,再発防止に取り組んでまいります。
Ⅰ.安全意識の再徹底およびコンプライアンス教育
Ⅱ.安全管理体制の抜本的見直し
Ⅲ.業務実施体制の見直し
なお,瑞穂工場においては,すでに以下の施策の展開を始めております。
(1) 検査にかかわる業務規定ならびに実施体制の見直し
① 検査員見習に対するOJTルールの厳格化(整備実作業ラインとの分離)
② 検査員資格制度の見直し
③ 印章など管理方法の見直し
④ 製造部門の一部であった検査職場を品質管理部門へ分離
(2) 航空機エンジン整備関連全検査員の資格再認定教育(4週間コース)
(外部有識者による7時間のコンプライアンス教育を含む。)
(3) コンプライアンス相談窓口,工場ホットラインの新設
(4) 検査業務負荷の適正化
(5) 整備マニュアルの最適化
なお,原因分析および再発防止策については,西村あさひ法律事務所ならびに日本経営倫理学会会長の梅津光弘氏(慶應義塾大学商学部准教授)に検証を進めていただいております。
4.今後について
今後,このたびの国土交通省殿からの処分を受けて,改善報告書を5月10日までに提出いたします。
さらに,瑞穂工場での再発防止策の展開に加え,全社ならびに航空・宇宙・防衛事業領域における品質保証,コンプライアンス面の対応強化策を検討しております。
当社は,再発防止策を確実に実行し,現在,自主的に停止しております民間航空機エンジン整備事業の早期再開をはかり,ステークホルダーの皆様のご期待に応えてまいる所存です。
以 上
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IHI ニュース
2019年04月08日
適時開示
航空機エンジン部品製造における不適切検査について(追加調査に関するご報告)(133.2KB)
https://www.ihi.co.jp/var/ezwebin_site/storage/original/application/eae9887702dec2e0e6256dfec25c8651.pdf
航空機エンジン部品製造における不適切検査について(追加調査に関するご報告)
2019年3月8日付「当社民間航空機エンジン整備事業で発生した不適切事象に関する中間報告」においてお知らせしましたとおり,当社の民間航空機エンジンの整備事業に関し,複数の不適切な事象が判明したことを受け,品質に関する総点検を全社に水平展開し,航空機エンジン事業全般について詳細に調査したところ,部品製造においても,社内で定めた規定に反する不適切な検査が行われていたことが判明しましたので,ご報告いたします。
部品製造においても,不適切な検査が行われていたことを極めて重く受け止め,全てのステークホルダーの皆様に,重ねて,心よりお詫び申し上げます。
当社は,一連の事態を受けて,コンプライアンス遵守の徹底を図るとともに,不適切検査の原因分析も踏まえたうえで,再発防止策を確実なものとし,全社一丸となって,信頼回復に努めてまいります。
1.航空機エンジンの部品製造に関する不適切検査の概要
(調査期間:2017年1月~2019年1月)
航空機エンジン部品を製造している相馬工場(福島県相馬市大野台),呉第二工場(広島県呉市昭和町),瑞穂工場(東京都西多摩郡瑞穂町殿ヶ谷)における調査の結果,作業件数約180万件のうち,7,138件の不適切検査が判明しました。
不適切検査の内容としましては,社内で定めた規定を逸脱し,訓練生による検査や検査記録への入力・押印がなされていたり,検査員が他の検査員に代わって検査記録への入力や押印を行っていたものでした。
なお,今回判明した不適切な事象は,既に,改善を実施しております。
2.部品の機能・性能等について
不適切検査が行われた全てのエンジン部品に関して,最終的な検査までに同内容の検査がなされているか,製造プロセスにおいては,規定通り正しく行われていたことが確認されているか,または資格者と同等の十分な技能を有した従業員による該当の検査実施が行われているかが確認されております。したがいまして,完成・納入した部品は図面で指定された寸法・強度・機能・性能を全て満たしております。
以上は,部品の納入先である各エンジンの製造メーカーにも詳細に報告しており,技術的に問題がないことを確認しております。
3.本件発生の原因について
本件発生の原因は,以下に要約されると認識しております。
(1) 規定・ルール遵守を第一義とするコンプライアンス意識の不足
(2) 業務量増加に即した検査員増強対策の不徹底
4.再発防止策について
(1) 実施済みの対策
・検査員の育成による増員
・検査員資格一時停止と再教育
(2) 抜本的対策
再発防止を徹底するため,コンプライアンス体制・教育の強化など,各工場のみならず,航空・宇宙・防衛事業領域,全社の対策を検討しております。
以 上
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朝日新聞デジタル2019年4月9日21時11分
IHI整備の航空機エンジン、75%で不正 過去10年
https://digital.asahi.com/articles/ASM494VHTM49ULFA017.html
日本経済新聞 2019/4/9 20:18
IHI、検査不正で改善命令 航空部品自主回収へ
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43543850Z00C19A4TJ1000/
時事通信 2019年04月09日14時45分
IHIに業務改善命令へ=航空機エンジン検査で不正-国交省
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019040900711&g=soc
共同通信2019/4/9 19:154/9 19:17updated
国交省、IHIに業務改善命令 民間航空機のエンジン整備不正で
https://this.kiji.is/488227323776156769?c=39546741839462401
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日本経済新聞 2019/4/8 21:02
IHI、新たに7千件の不適切検査 国交省、9日にも改善命令へ
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43477560Y9A400C1TJ1000/
Aviation Wire 2019年4月9日 08:00 JST
IHI、航空機エンジン部品でも不正検査7000件超
https://www.aviationwire.jp/archives/170713
毎日新聞2019年4月7日 東京朝刊
IHI:航空エンジン検査不正 部品製造も 無資格者が検査
https://mainichi.jp/articles/20190407/ddm/012/020/114000c
日本経済新聞 2019/4/6 2:00
IHI、航空機部品でも検査不正 国交省が改善指導へ
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43415350V00C19A4TJC000/
毎日新聞2019年4月6日 東京朝刊
IHI:航空エンジン検査不正 日航など「問題なし」
https://mainichi.jp/articles/20190406/ddm/012/020/059000c
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