2018-07-15(Sun)
西日本豪雨 岡山真備町浸水 なぜ、堤防決壊したのか
50年間棚上げされた「改修計画」 「バックウオーター現象」 被害軽減できたのでは
岡山県倉敷市真備町の浸水、被害を拡大したのは小田川の堤防決壊だった。
高梁川と小田川が合流する手前で、本流である高梁川の水位上昇により、支流の小田川の水が本流に流れなくなり、「バックウオーター現象」が起きた。
小田川は、水位が上昇、本流との合流地点から上流に3.4キロで100メートル、同6.4キロで50メートルにわたって決壊した。
もし、この堤防決壊がなかったならば、被害は軽減されたのではないか。
堤防決壊が起こらず、あふれた水が流れ出るだけであったならば、浸水の時間を遅らせ、被害を軽減できたかもしれない。
過去にも水害があり、ハザードマップを整備して水害想定、避難計画など立てていた。
堤防が決壊しないような対策も取られていたのだろうか。
本流の高梁川は国土交通省の直轄管理区間だ。支流である小田川も真備町内部分までは国土交通省の管理になっている。
2007年の高梁川水系の河川整備基本方針では、高梁川との合流地点が狭いため下流側に付け替える対策が立てられていた。
2010年には具体的な整備計画が策定され、環境アセスメントなどを経た後、2014年に国土交通省の予算がついたようだ。
付け替え工事は10年の計画で、抜本的な工事は今秋から始める予定だったらしい。
この付け替えが完了するまで、堤防の整備や川底に堆積した土砂の掘削などの工事を行ってきたという。
しかし、実際は、堤防が決壊した。堤防の強化や河道の掘削は十分にやられていたのだろうか。
決壊した堤防の強度は、点検補強は実施されていたのか。
河道については、写真で見るところでは、樹木が生い茂るほど土砂がたまったまま放置され、掘削された様子が見えないが、どうなのか。
「想定外の雨量」だったから、堤防決壊はやむを得ない、ということではないはずだ。
付け替え工事完成まで10年かかるというが、前倒しするべきではないか。
その間、豪雨に襲われない保証はないことを考えれば、堤防が決壊しない対策を確実に実施すべきだ。
そのための予算を優先的に確保するなど、管理者である国土交通省には、国民のいのち安全を守る防災減災対策の責任を果たしてもらいたい。
以下参考
国土交通省HP 日本の川>中国の一級河川>高梁川
http://www.mlit.go.jp/river/toukei_chousa/kasen/jiten/nihon_kawa/0706_takahashi/0706_takahashi_01.html
河川整備基本方針及び河川整備計画の策定
平成9年の河川法改正を受け、平成19年8月には、今までの河川整備の基本となる計画であった工事実施基本計画に代わり、治水・利水・環境の総合的な河川の整備を目指し、河川整備基本方針を策定しました。河川整備基本方針における小田川の治水対策は、柳井原貯水池(旧西高梁川)を河道化し、小田川と高梁川の合流点を下流に移動させることにより、小田川水位の低下と高梁川酒津周辺への負担軽減を図るものとなっています。
平成22年10月には、今後概ね30年間に行う河川の具体的な整備目標や実施内容を示した「高梁川水系河川整備計画【国管理区間】」を策定し、河川整備が進められています。
その後、進捗点検をを踏まえ、、①高潮堤の整備延長延伸、②施設能力を上回る洪水への対応 (危機管理型ハード対策)、③広域防災対策等を追加し、平成29年6月に高梁川水系河川整備整備計画【国管理区間】を変更しました。
高梁川水系河川整備計画
http://www.cgr.mlit.go.jp/okakawa/kouhou/seibi/takahasi/taka_seibi_index.html

小田川合流点付替えの概要
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毎日新聞2018年7月14日 東京朝刊
緊急報告:西日本豪雨/中 岡山・真備、70年代「70センチまで浸水」 石碑の水害、認識甘く
https://mainichi.jp/articles/20180714/ddm/041/040/126000c
東洋経済オンライン 2018/07/13 6:00
真備町浸水、50年間棚上げされた「改修計画」 政治に振り回されている間に、Xデーは訪れた
https://toyokeizai.net/articles/-/229270
産経ニュース 2018.7.10 06:50
【西日本豪雨】甚大被害の原因、「バックウオーター現象」か…専門家指摘
https://www.sankei.com/west/news/180710/wst1807100007-n2.html
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岡山県倉敷市真備町の浸水、被害を拡大したのは小田川の堤防決壊だった。
高梁川と小田川が合流する手前で、本流である高梁川の水位上昇により、支流の小田川の水が本流に流れなくなり、「バックウオーター現象」が起きた。
小田川は、水位が上昇、本流との合流地点から上流に3.4キロで100メートル、同6.4キロで50メートルにわたって決壊した。
もし、この堤防決壊がなかったならば、被害は軽減されたのではないか。
堤防決壊が起こらず、あふれた水が流れ出るだけであったならば、浸水の時間を遅らせ、被害を軽減できたかもしれない。
過去にも水害があり、ハザードマップを整備して水害想定、避難計画など立てていた。
堤防が決壊しないような対策も取られていたのだろうか。
本流の高梁川は国土交通省の直轄管理区間だ。支流である小田川も真備町内部分までは国土交通省の管理になっている。
2007年の高梁川水系の河川整備基本方針では、高梁川との合流地点が狭いため下流側に付け替える対策が立てられていた。
2010年には具体的な整備計画が策定され、環境アセスメントなどを経た後、2014年に国土交通省の予算がついたようだ。
付け替え工事は10年の計画で、抜本的な工事は今秋から始める予定だったらしい。
この付け替えが完了するまで、堤防の整備や川底に堆積した土砂の掘削などの工事を行ってきたという。
しかし、実際は、堤防が決壊した。堤防の強化や河道の掘削は十分にやられていたのだろうか。
決壊した堤防の強度は、点検補強は実施されていたのか。
河道については、写真で見るところでは、樹木が生い茂るほど土砂がたまったまま放置され、掘削された様子が見えないが、どうなのか。
「想定外の雨量」だったから、堤防決壊はやむを得ない、ということではないはずだ。
付け替え工事完成まで10年かかるというが、前倒しするべきではないか。
その間、豪雨に襲われない保証はないことを考えれば、堤防が決壊しない対策を確実に実施すべきだ。
そのための予算を優先的に確保するなど、管理者である国土交通省には、国民のいのち安全を守る防災減災対策の責任を果たしてもらいたい。
以下参考
国土交通省HP 日本の川>中国の一級河川>高梁川
http://www.mlit.go.jp/river/toukei_chousa/kasen/jiten/nihon_kawa/0706_takahashi/0706_takahashi_01.html
河川整備基本方針及び河川整備計画の策定
平成9年の河川法改正を受け、平成19年8月には、今までの河川整備の基本となる計画であった工事実施基本計画に代わり、治水・利水・環境の総合的な河川の整備を目指し、河川整備基本方針を策定しました。河川整備基本方針における小田川の治水対策は、柳井原貯水池(旧西高梁川)を河道化し、小田川と高梁川の合流点を下流に移動させることにより、小田川水位の低下と高梁川酒津周辺への負担軽減を図るものとなっています。
平成22年10月には、今後概ね30年間に行う河川の具体的な整備目標や実施内容を示した「高梁川水系河川整備計画【国管理区間】」を策定し、河川整備が進められています。
その後、進捗点検をを踏まえ、、①高潮堤の整備延長延伸、②施設能力を上回る洪水への対応 (危機管理型ハード対策)、③広域防災対策等を追加し、平成29年6月に高梁川水系河川整備整備計画【国管理区間】を変更しました。
高梁川水系河川整備計画
http://www.cgr.mlit.go.jp/okakawa/kouhou/seibi/takahasi/taka_seibi_index.html

小田川合流点付替えの概要
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毎日新聞2018年7月14日 東京朝刊
緊急報告:西日本豪雨/中 岡山・真備、70年代「70センチまで浸水」 石碑の水害、認識甘く
https://mainichi.jp/articles/20180714/ddm/041/040/126000c
東洋経済オンライン 2018/07/13 6:00
真備町浸水、50年間棚上げされた「改修計画」 政治に振り回されている間に、Xデーは訪れた
https://toyokeizai.net/articles/-/229270
産経ニュース 2018.7.10 06:50
【西日本豪雨】甚大被害の原因、「バックウオーター現象」か…専門家指摘
https://www.sankei.com/west/news/180710/wst1807100007-n2.html
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