2019-10-28(Mon)
台風19号 堤防決壊は西日本豪雨の4倍
浸水面積も上回る 約1万8500ha(西日本豪雨)→約2万5000ha(10/25時点)
◆「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」(18年西日本豪雨うけた緊急点検結果により実施)
※事業規模は、国土交通省分で概ね3.6兆円程度
① 全国河川における堤防決壊時の危険性に関する緊急対策(河川)<堤防強化対策等>
対象=国:約70河川、都道府県等:約 50 河川 事業規模は、約1,200億円
② 全国河川における洪水時の危険性に関する緊急対策(堤防)<危機管理型ハード対策等>
対象=国:約30河川、都道府県等:約 130 河川、事業規模は、約200億円
このほか、□全国河川における洪水時の危険性に関する緊急対策(河道等)<樹木伐採・掘削等>
対象=国:約140河川、都道府県等:約 2,200 河川、事業規模約4,700億円 などがある。
◆台風19号における堤防決壊河川箇所が「3ヵ年緊急対策」の対象となっていたか。
国管理河川では、堤防決壊は7河川、12箇所。3ヵ年緊急対策の対象は、河川で4河川、堤防で2河川。
ただ、このうち、吉田川(大郷町)、阿武隈川上流(須賀川市)、千曲川(長野市)で決壊した堤防は完成しており、「3ヵ年緊急対策」の対象ではなかった。
また、阿武隈川上流、千曲川は、堤防強化策である「危機管理型ハード対策等」の対象になっていない。
久慈川、那珂川の決壊箇所は、暫定堤防(整備途中)だったこともあり、「3ヵ年緊急対策」の対象だった可能性がある。
都道府県管理河川では、67河川、128箇所が決壊。「3ヵ年緊急対策」の対象は、わずか河川で1河川、堤防で2河川しかなかった。
(1)3ヵ年緊急対策の対象になっていなかったのはなぜか。
「3ヵ年緊急対策」は、河川整備計画に基づき、整備事業をすすめている箇所を前倒しで抜き出したもの。
事業が完成した堤防やもともと整備計画にない箇所については、緊急点検の対象から外れ、対策箇所とされていない。
(2)河川整備計画の対象ではない堤防が多数決壊したことは、計画の抜本的見直しが必要なことを示している。
堤防決壊の原因が、100年に一度の確率の降水量だったとすれば、30~50年確率の降水量を基にした現行の整備計画の見直しは当然。
「3ヵ年緊急対策」の対象も見直し、すくなくとも決壊や越流した堤防の改修計画を加え、事業実施に必要な事業費の拡充が必要。
(3)完成した堤防が決壊したことは、堤防の質的強化の必要性を示している。
危機管理型ハード対策は、裏法面の浸水防護策で堤防の質的強化の一つ。実際にどれだけ実施しているのだろう。徹底する必要がある。
さらに、越水しても決壊しない、決壊に至る時間が長くなる「耐越水堤防」の実用化に踏み出すべきだ。
国交省は、「壊れない堤防はスーパー堤防だけ」という考え方で、耐越水堤防を否定する。
財政的に完成に200年もかかるスーパー堤防をもちだすことで、「堤防決壊」させたハード管理責任を回避する議論でしかない。

日経コンストラクション 2019/10/28 05:00
2019年台風19号:堤防決壊は西日本豪雨の4倍、浸水面積も上回る
----「過去数十年で直轄の堤防がここまで多く決壊したことはないのではないか」。国土交通省水管理・国土保全局治水課の畑山作栄課長補佐は、台風19号の被害についてこう話す。
国交省によると、2019年10月25日時点で確認された堤防の決壊は、関東・東北の7県で計71河川140カ所。そのうち国の管理区間の決壊は7河川12カ所に上る。
以下参考
日経コンストラクション 2019/10/28 05:00
2019年台風19号:堤防決壊は西日本豪雨の4倍、浸水面積も上回る
https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/01027/102400020/
産経ニュース 2019.10.25 15:03
【台風19号】完成した堤防も決壊 遅れる河川整備
https://www.sankei.com/life/news/191025/lif1910250028-n1.html
日本経済新聞 2019/10/21 9:39
堤防整備計画、3割未達成 台風19号で決壊地点も
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51214950R21C19A0CE0000/
中日新聞 2019年10月21日 朝刊
国の堤防整備3割未達成 台風19号で一部決壊
https://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2019102102000054.html
Viewpoint 2019/10/20(日)
甚大な台風19号被害でも、なぜか「まず堤防強化を」と語らない各紙
https://vpoint.jp/media/all_media/145978.html
日本経済新聞 2019/10/21付
堤防かさ上げや川底掘削 西日本豪雨被災地で進む
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO51145160Y9A011C1ML0000/
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◆「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」(18年西日本豪雨うけた緊急点検結果により実施)
※事業規模は、国土交通省分で概ね3.6兆円程度
① 全国河川における堤防決壊時の危険性に関する緊急対策(河川)<堤防強化対策等>
対象=国:約70河川、都道府県等:約 50 河川 事業規模は、約1,200億円
② 全国河川における洪水時の危険性に関する緊急対策(堤防)<危機管理型ハード対策等>
対象=国:約30河川、都道府県等:約 130 河川、事業規模は、約200億円
このほか、□全国河川における洪水時の危険性に関する緊急対策(河道等)<樹木伐採・掘削等>
対象=国:約140河川、都道府県等:約 2,200 河川、事業規模約4,700億円 などがある。
◆台風19号における堤防決壊河川箇所が「3ヵ年緊急対策」の対象となっていたか。
国管理河川では、堤防決壊は7河川、12箇所。3ヵ年緊急対策の対象は、河川で4河川、堤防で2河川。
ただ、このうち、吉田川(大郷町)、阿武隈川上流(須賀川市)、千曲川(長野市)で決壊した堤防は完成しており、「3ヵ年緊急対策」の対象ではなかった。
また、阿武隈川上流、千曲川は、堤防強化策である「危機管理型ハード対策等」の対象になっていない。
久慈川、那珂川の決壊箇所は、暫定堤防(整備途中)だったこともあり、「3ヵ年緊急対策」の対象だった可能性がある。
都道府県管理河川では、67河川、128箇所が決壊。「3ヵ年緊急対策」の対象は、わずか河川で1河川、堤防で2河川しかなかった。
(1)3ヵ年緊急対策の対象になっていなかったのはなぜか。
「3ヵ年緊急対策」は、河川整備計画に基づき、整備事業をすすめている箇所を前倒しで抜き出したもの。
事業が完成した堤防やもともと整備計画にない箇所については、緊急点検の対象から外れ、対策箇所とされていない。
(2)河川整備計画の対象ではない堤防が多数決壊したことは、計画の抜本的見直しが必要なことを示している。
堤防決壊の原因が、100年に一度の確率の降水量だったとすれば、30~50年確率の降水量を基にした現行の整備計画の見直しは当然。
「3ヵ年緊急対策」の対象も見直し、すくなくとも決壊や越流した堤防の改修計画を加え、事業実施に必要な事業費の拡充が必要。
(3)完成した堤防が決壊したことは、堤防の質的強化の必要性を示している。
危機管理型ハード対策は、裏法面の浸水防護策で堤防の質的強化の一つ。実際にどれだけ実施しているのだろう。徹底する必要がある。
さらに、越水しても決壊しない、決壊に至る時間が長くなる「耐越水堤防」の実用化に踏み出すべきだ。
国交省は、「壊れない堤防はスーパー堤防だけ」という考え方で、耐越水堤防を否定する。
財政的に完成に200年もかかるスーパー堤防をもちだすことで、「堤防決壊」させたハード管理責任を回避する議論でしかない。

日経コンストラクション 2019/10/28 05:00
2019年台風19号:堤防決壊は西日本豪雨の4倍、浸水面積も上回る
----「過去数十年で直轄の堤防がここまで多く決壊したことはないのではないか」。国土交通省水管理・国土保全局治水課の畑山作栄課長補佐は、台風19号の被害についてこう話す。
国交省によると、2019年10月25日時点で確認された堤防の決壊は、関東・東北の7県で計71河川140カ所。そのうち国の管理区間の決壊は7河川12カ所に上る。
以下参考
日経コンストラクション 2019/10/28 05:00
2019年台風19号:堤防決壊は西日本豪雨の4倍、浸水面積も上回る
https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/01027/102400020/
産経ニュース 2019.10.25 15:03
【台風19号】完成した堤防も決壊 遅れる河川整備
https://www.sankei.com/life/news/191025/lif1910250028-n1.html
日本経済新聞 2019/10/21 9:39
堤防整備計画、3割未達成 台風19号で決壊地点も
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51214950R21C19A0CE0000/
中日新聞 2019年10月21日 朝刊
国の堤防整備3割未達成 台風19号で一部決壊
https://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2019102102000054.html
Viewpoint 2019/10/20(日)
甚大な台風19号被害でも、なぜか「まず堤防強化を」と語らない各紙
https://vpoint.jp/media/all_media/145978.html
日本経済新聞 2019/10/21付
堤防かさ上げや川底掘削 西日本豪雨被災地で進む
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO51145160Y9A011C1ML0000/
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テーマ : 政治・経済・時事問題
ジャンル : 政治・経済