2020-01-03(Fri)
公共事業 個別補助制度の創設相次ぐ 「箇所付け」復活?
小規模な老朽化対策の地方単独事業化 財政不足の自治体に負担増
地方自治体が防災安全交付金で賄っていた橋梁補修や、河川掘削などの事業を個別補助にする。
自治体からの交付金の要求に対して配分されるのは6割程度になっていることから、緊急を要する事業に回せないのが実情だった。
個別補助にしたら、本当に緊急事業に予算が回るのだろうか。
一方で、自治体が単独事業で老朽化対策をやらなければならない小規模事業について、
交付金では使えないようにする範囲を拡大するという。
個別補助を増やす一方で、自治体に単独事業の範囲を拡大する。ちょっと違うような気がするのだが・・・。
防災・安全対策での地方への補助(防災・安全交付金)は、年度比較で2,758億円の減。
補正を含めた15カ月予算としてみても、3,468億円も減額されている。
20年度で個別補助に2,255億円を計上しているが、地方単独事業化効果500億円と合わせ、
1758億円が減額されていることになる。
*********************************
日経コンストラクション2019/12/26 05:00
20年度予算も公共事業は高水準、「焼け太り」続く
----「箇所付け」復活? 個別補助制度の創設相次ぐ
国交省は防災・減災対策で新制度を多数導入する。例えば、年度当初に予算計上されていない事業でも、途中で用地取得などの課題が解消した場合に機動的に使える「防災・減災等強化推進費」を創設。310億円を計上した。
国が自治体に用途を指定する個別補助制度も創設する。ダムの利水容量の治水活用も、その1つだ。利水ダムの事前放流に必要な設備改造費を補助したり、利水者の損失を補填したりする新制度を立ち上げる。
他にも、河川の危険箇所での河道掘削や、市街地での雨水貯留施設の整備、都市機能を集約するコンパクトシティーの取り組みに対して、それぞれ個別補助制度を創設する。
公共事業関係の補助金は従来、国が対象事業や配分額を個別に決めていた。しかし、こうした箇所付けが中央官庁の権限を強化。公共事業に関する自治体の能力や意識の欠如を招き、地元への利益誘導をもくろむ政治家の介入も生んできた。
そのため、個別補助金の見直しを求める声は以前から強く、2000年代以降は複数の個別補助金をまとめて自治体の使い勝手を良くする交付金化の動きが続いた。
今回、国交省が次々と打ち出した個別補助制度の創設は、これまでの補助金改革の流れに逆行し、かつての箇所付けの復活を招く恐れもある。
◇個別補助制度の新設による老朽化対策の強化 (令和2年度政府案2,255億円)

◇小規模な老朽化対策の地方単独事業化 (効率化・合理化効果500億円程度)

◇個別補助化 2020年度国土交通省関係予算決定概要(2019年12月20日)より

◇減額される防災・安全交付金

以下参考
日経コンストラクション2019/12/26 05:00
20年度予算も公共事業は高水準、「焼け太り」続く
http://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00142/00605/
-------------以下 再掲----------------
時事通信 2019年12月20日13時40分
公共事業費6兆8571億円 個別補助で防災対策加速―20年度予算案
http://jiji.com/jc/article?k=2019122000462&g=eco
道路メンテナンス事業補助制度の創設 大臣折衝
http://mlit.go.jp/report/press/content/001320715.pdf
道路の橋梁等の老朽化対策にかかる
個別補助制度(道路メンテナンス事業補助)の創設
○ 道路の老朽化対策については、平成26年度より、地方公共団体の管理するものを含め全国の橋やトンネルなどについて、国が定める統一的な基準により、5年に一度の頻度の点検を義務化して行ってきているところ。
○平成26年度から平成30年度までの一巡目の点検結果については、
・ 次回点検までに措置を講ずべき橋梁が、約7万橋存在。
・ このうち、点検結果を踏まえて平成30年度までに修繕に着手した橋梁は、地方公共団体管理で20%。
・ また、修繕が完了した橋梁は12%にとどまっており、地方公共団体の措置が遅れている。
○ これらに対して、早急に対策を実施できるよう、地方に対して集中的に支援することを可能とする個別補助制度を創設することを要求。
(令和2年度予算:2,223億円)
○ 折衝の結果、財務大臣より、要求どおり認められることとなった。
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地方自治体が防災安全交付金で賄っていた橋梁補修や、河川掘削などの事業を個別補助にする。
自治体からの交付金の要求に対して配分されるのは6割程度になっていることから、緊急を要する事業に回せないのが実情だった。
個別補助にしたら、本当に緊急事業に予算が回るのだろうか。
一方で、自治体が単独事業で老朽化対策をやらなければならない小規模事業について、
交付金では使えないようにする範囲を拡大するという。
個別補助を増やす一方で、自治体に単独事業の範囲を拡大する。ちょっと違うような気がするのだが・・・。
防災・安全対策での地方への補助(防災・安全交付金)は、年度比較で2,758億円の減。
補正を含めた15カ月予算としてみても、3,468億円も減額されている。
20年度で個別補助に2,255億円を計上しているが、地方単独事業化効果500億円と合わせ、
1758億円が減額されていることになる。
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日経コンストラクション2019/12/26 05:00
20年度予算も公共事業は高水準、「焼け太り」続く
----「箇所付け」復活? 個別補助制度の創設相次ぐ
国交省は防災・減災対策で新制度を多数導入する。例えば、年度当初に予算計上されていない事業でも、途中で用地取得などの課題が解消した場合に機動的に使える「防災・減災等強化推進費」を創設。310億円を計上した。
国が自治体に用途を指定する個別補助制度も創設する。ダムの利水容量の治水活用も、その1つだ。利水ダムの事前放流に必要な設備改造費を補助したり、利水者の損失を補填したりする新制度を立ち上げる。
他にも、河川の危険箇所での河道掘削や、市街地での雨水貯留施設の整備、都市機能を集約するコンパクトシティーの取り組みに対して、それぞれ個別補助制度を創設する。
公共事業関係の補助金は従来、国が対象事業や配分額を個別に決めていた。しかし、こうした箇所付けが中央官庁の権限を強化。公共事業に関する自治体の能力や意識の欠如を招き、地元への利益誘導をもくろむ政治家の介入も生んできた。
そのため、個別補助金の見直しを求める声は以前から強く、2000年代以降は複数の個別補助金をまとめて自治体の使い勝手を良くする交付金化の動きが続いた。
今回、国交省が次々と打ち出した個別補助制度の創設は、これまでの補助金改革の流れに逆行し、かつての箇所付けの復活を招く恐れもある。
◇個別補助制度の新設による老朽化対策の強化 (令和2年度政府案2,255億円)

◇小規模な老朽化対策の地方単独事業化 (効率化・合理化効果500億円程度)

◇個別補助化 2020年度国土交通省関係予算決定概要(2019年12月20日)より

◇減額される防災・安全交付金

以下参考
日経コンストラクション2019/12/26 05:00
20年度予算も公共事業は高水準、「焼け太り」続く
http://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00142/00605/
-------------以下 再掲----------------
時事通信 2019年12月20日13時40分
公共事業費6兆8571億円 個別補助で防災対策加速―20年度予算案
http://jiji.com/jc/article?k=2019122000462&g=eco
道路メンテナンス事業補助制度の創設 大臣折衝
http://mlit.go.jp/report/press/content/001320715.pdf
道路の橋梁等の老朽化対策にかかる
個別補助制度(道路メンテナンス事業補助)の創設
○ 道路の老朽化対策については、平成26年度より、地方公共団体の管理するものを含め全国の橋やトンネルなどについて、国が定める統一的な基準により、5年に一度の頻度の点検を義務化して行ってきているところ。
○平成26年度から平成30年度までの一巡目の点検結果については、
・ 次回点検までに措置を講ずべき橋梁が、約7万橋存在。
・ このうち、点検結果を踏まえて平成30年度までに修繕に着手した橋梁は、地方公共団体管理で20%。
・ また、修繕が完了した橋梁は12%にとどまっており、地方公共団体の措置が遅れている。
○ これらに対して、早急に対策を実施できるよう、地方に対して集中的に支援することを可能とする個別補助制度を創設することを要求。
(令和2年度予算:2,223億円)
○ 折衝の結果、財務大臣より、要求どおり認められることとなった。
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テーマ : 政治・経済・時事問題
ジャンル : 政治・経済