2018-08-08(Wed)
鬼怒川決壊で集団提訴 「堤防決壊は人災だ」
国に賠償請求 常総市の住民ら ダム建設優先で「フロンティア堤防」指針廃止
鬼怒川決壊で被災した流域の住民が国の管理責任を問い提訴した。
「掘削された自然堤防を国が放置したから水害が起きた。あれは人災だった」
「無堤防のまま放置し、掘削を放任したのは管理に明白な瑕疵(かし)がある」と訴えている。
洪水被害にあった住民の多くは、自然災害だとしてあきらめている。
住民側の弁護士は、「人災の面が強い。同じような水害で苦しんだり、問題を抱えたりしている全国の河川の近くに住む人々も治水の在り方を見直すきっかけになるのではないか」と提訴の意義を語っている。
ちょうど、西日本豪雨から1カ月。小田川等の堤防が決壊した倉敷市真備町の浸水被害。
堤防が決壊さえしなければ、被害は軽減できたのではないかと、思わずにはいられない。
堤防の強化について、国交省は、「効果が定量的にはっきりしない」として、何もてをうっていなかった。
「堤防決壊は人災だ」。
鬼怒川決壊の被災者を支援している国交省OB、旧建設省土木研究所の元次長の石崎氏の指摘は興味深い。
----国が一九九〇年代、想定以上の雨に備えた堤防強化策を始めながら、撤回した問題を指摘している。
九六年の旧建設省の白書には「計画規模を超えた洪水による被害を最小限に抑えるため、破堤しにくい堤防が求められる」と明記。
同様の記述は五年連続で白書に書かれ、五カ年計画では、決壊しにくい「フロンティア堤防」の整備が盛り込まれた。
フロンティア堤防とは、陸側の法(のり)面に遮水シートを入れるなどして水の浸食を防ぎ、川から水があふれても決壊しにくくする工法。
決壊を防げれば、市街地などに流れ込む水は堤防を越える分だけになり、被害も減らせる。
二〇〇〇年に設計指針が出先機関や都道府県に通知され、全国で計二百五十キロの整備を計画。
実際に四つの河川の計約十三キロで工事が実施された。しかし、〇二年に設計指針を廃止する通達が出された。
国土交通省は「効果が定量的にはっきりしなかったため」と説明するが、旧建設省河川局のあるOBは「ダムの反対運動の間で、代わりの治水策としてフロンティア堤防の推進論があったからだ」と証言。ダム建設を優先したい論理で方針が変更されたとみる。
石崎さんは今月、西日本豪雨で堤防が決壊した岡山県倉敷市真備町を視察。「鬼怒川と同じで、堤防が強化されていなかったのが第一の原因」と指摘する。「堤防内に遮水シートを入れるだけなら、それほど予算はかからず、一般的に被害は床下浸水程度で済む」と強化の必要性を訴えている。-----東京新聞引用----
ダム放流で洪水被害にあった愛媛の肱川、広島・野呂川など、ダム建設優先で堤防強化など河川改修を後回しにしてきた「人災」だ。
以下参考
時事通信 (2018/08/07-20:14)
鬼怒川決壊で国に賠償請求=茨城・常総市の住民ら-水戸地裁支部
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018080700124&g=soc
東京新聞 2018年8月8日
鬼怒川氾濫で集団提訴 常総市民29人ら
http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201808/CK2018080802000175.html
日本経済新聞 2018/8/7 13:24
15年茨城豪雨で国を提訴 鬼怒川被災者、3億超請求
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO33888120X00C18A8CC0000/
産経ニュース 2018.8.7 12:20
鬼怒川被災者ら、国に3・3億円賠償求め提訴 2015年の茨城豪雨
https://www.sankei.com/affairs/news/180807/afr1808070010-n1.html
茨城新聞 2018年8月8日(水)
鬼怒川決壊提訴 原告語る「あれは人災」/「責任認めて」
https://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=15336501726102
毎日新聞2018年8月7日 22時13分
鬼怒川氾濫:「掘削を放任」国提訴の茨城住民ら
https://mainichi.jp/articles/20180808/k00/00m/040/176000c
毎日新聞2018年8月7日20時48分
鬼怒川氾濫:茨城・常総の住民らが国に賠償求め提訴
https://mainichi.jp/articles/20180807/k00/00e/040/256000c
東京新聞 2018年7月17日
鬼怒川氾濫「国の管理に不備」 常総市民ら集団提訴へ
http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201807/CK2018071702000142.html
/////////////////////////////////////////////////////////
鬼怒川決壊で被災した流域の住民が国の管理責任を問い提訴した。
「掘削された自然堤防を国が放置したから水害が起きた。あれは人災だった」
「無堤防のまま放置し、掘削を放任したのは管理に明白な瑕疵(かし)がある」と訴えている。
洪水被害にあった住民の多くは、自然災害だとしてあきらめている。
住民側の弁護士は、「人災の面が強い。同じような水害で苦しんだり、問題を抱えたりしている全国の河川の近くに住む人々も治水の在り方を見直すきっかけになるのではないか」と提訴の意義を語っている。
ちょうど、西日本豪雨から1カ月。小田川等の堤防が決壊した倉敷市真備町の浸水被害。
堤防が決壊さえしなければ、被害は軽減できたのではないかと、思わずにはいられない。
堤防の強化について、国交省は、「効果が定量的にはっきりしない」として、何もてをうっていなかった。
「堤防決壊は人災だ」。
鬼怒川決壊の被災者を支援している国交省OB、旧建設省土木研究所の元次長の石崎氏の指摘は興味深い。
----国が一九九〇年代、想定以上の雨に備えた堤防強化策を始めながら、撤回した問題を指摘している。
九六年の旧建設省の白書には「計画規模を超えた洪水による被害を最小限に抑えるため、破堤しにくい堤防が求められる」と明記。
同様の記述は五年連続で白書に書かれ、五カ年計画では、決壊しにくい「フロンティア堤防」の整備が盛り込まれた。
フロンティア堤防とは、陸側の法(のり)面に遮水シートを入れるなどして水の浸食を防ぎ、川から水があふれても決壊しにくくする工法。
決壊を防げれば、市街地などに流れ込む水は堤防を越える分だけになり、被害も減らせる。
二〇〇〇年に設計指針が出先機関や都道府県に通知され、全国で計二百五十キロの整備を計画。
実際に四つの河川の計約十三キロで工事が実施された。しかし、〇二年に設計指針を廃止する通達が出された。
国土交通省は「効果が定量的にはっきりしなかったため」と説明するが、旧建設省河川局のあるOBは「ダムの反対運動の間で、代わりの治水策としてフロンティア堤防の推進論があったからだ」と証言。ダム建設を優先したい論理で方針が変更されたとみる。
石崎さんは今月、西日本豪雨で堤防が決壊した岡山県倉敷市真備町を視察。「鬼怒川と同じで、堤防が強化されていなかったのが第一の原因」と指摘する。「堤防内に遮水シートを入れるだけなら、それほど予算はかからず、一般的に被害は床下浸水程度で済む」と強化の必要性を訴えている。-----東京新聞引用----
ダム放流で洪水被害にあった愛媛の肱川、広島・野呂川など、ダム建設優先で堤防強化など河川改修を後回しにしてきた「人災」だ。
以下参考
時事通信 (2018/08/07-20:14)
鬼怒川決壊で国に賠償請求=茨城・常総市の住民ら-水戸地裁支部
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018080700124&g=soc
東京新聞 2018年8月8日
鬼怒川氾濫で集団提訴 常総市民29人ら
http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201808/CK2018080802000175.html
日本経済新聞 2018/8/7 13:24
15年茨城豪雨で国を提訴 鬼怒川被災者、3億超請求
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO33888120X00C18A8CC0000/
産経ニュース 2018.8.7 12:20
鬼怒川被災者ら、国に3・3億円賠償求め提訴 2015年の茨城豪雨
https://www.sankei.com/affairs/news/180807/afr1808070010-n1.html
茨城新聞 2018年8月8日(水)
鬼怒川決壊提訴 原告語る「あれは人災」/「責任認めて」
https://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=15336501726102
毎日新聞2018年8月7日 22時13分
鬼怒川氾濫:「掘削を放任」国提訴の茨城住民ら
https://mainichi.jp/articles/20180808/k00/00m/040/176000c
毎日新聞2018年8月7日20時48分
鬼怒川氾濫:茨城・常総の住民らが国に賠償求め提訴
https://mainichi.jp/articles/20180807/k00/00e/040/256000c
東京新聞 2018年7月17日
鬼怒川氾濫「国の管理に不備」 常総市民ら集団提訴へ
http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201807/CK2018071702000142.html
/////////////////////////////////////////////////////////
テーマ : 政治・経済・時事問題
ジャンル : 政治・経済