2018-08-10(Fri)
愛媛豪雨災害 肱川2ダム放流被害 ダム過信
避難計画なし 流域の浸水未想定 「水位周知河川」県未指定
「『ダムは安全』と言い続けた責任がある。逃げ出すことはできない」
野村ダムの着工当時、合併前の旧野村町町長が、自宅に1人残り、2階で暮らし続けているという。
今回の国交省のダム操作や避難の呼びかけ方に疑問はあるが、
「寂しさよりも責任を感じる気持ちの方が強い。『ダムがなければ……』と誤解を残したままあの世にはいけん」と話しているらしい。
この話は、ダムの「安全神話」が地域に蔓延していたこと、
安全なはずのダムの放流が、洪水被害拡大の原因であることを示しているように思う。
実際に、県が管理する肱川の野村地域区間を「水位周知河川」に県が指定していないという。
「水位周知河川」とは、洪水で重大な被害が発生するため氾濫水位を周知する河川のこと。
県が指定すると、市町村が流域の浸水想定区域図(ハザードマップ)の作成するよう水防法で義務付けられている。
野村ダムの下流、野村地域に西予市がハザードマップを作成していなかった理由がここにある。
なぜ、「水位周知河川」に県が指定してこなかったのか。「安全」な野村ダムがあったからということ。
この発想を根本的に変え、ダム直下地域の防災計画を直ちに作成すべきだ。
ハザードマップもない地域に、「異常洪水時防災操作」なる大量放流を伝達しても、どういう被害になるか想定されないだろう。
ダム管理者が地域の状態を把握して、操作や情報伝達を実施したのか疑問。ルール通りでは済まされない。
鹿野川ダム下流の大洲市の浸水被害もひどかった。
共産党の調査で、鹿野川ダムの副所長が、今回の大量の放流について「下流に被害が出ることはわかっていた」と述べている。
被害を軽減する管理責任が国交省にはあるはずで、想定外の記録的大雨だから仕方ない、という理由は通らない。
ダムによる洪水調整が不能になり、下流に被害が出る放流をしなければならない事態は、想定されてきた。
ならば、下流の浸水被害軽減対策はどれだけ進んでいたのか。
無堤防区域が多数残され、堤防強化や河道掘削もほとんどされていなかったようだ。
鹿野川ダム下流は、大洲河川国道事務所と愛媛県が管理しているが、
ダム管理事務所が下流の状況を把握していないでは済まされない。
被害を受けた住民の悲痛な叫び、無念さを真摯に受け止めるべきだ。
以下参考
NHK 2018年8月9日 22時17分豪雨 検証
国交省がダム放流直前に被害想定も共有せず 愛媛
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180809/k10011571321000.html
毎日新聞2018年8月8日 22時56分(最終更新 8月9日 00時16分)
西日本豪雨:「ダムは安全」説いた責任 元町長1人自宅に
https://mainichi.jp/articles/20180809/k00/00m/040/130000c
(愛媛新聞)2018年8月9日(木)
愛媛豪雨災害:肱川の西予・野村区間 「水位周知河川」県未指定
https://www.ehime-np.co.jp/article/news201808090042
毎日新聞2018年8月8日 大阪朝刊
西日本豪雨:ダム過信、避難計画なし 愛媛・肱川、流域の浸水未想定
http://mainichi.jp/articles/20180808/ddn/041/040/013000c
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しんぶん赤旗 2018年8月9日(木)
ダム放流操作ただす 愛媛 宮本岳・仁比・山添氏が調査
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-08-09/2018080904_01_1.html
しんぶん赤旗 2018年8月9日(木)
共産党などダム考えるつどい 愛媛・大洲市
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-08-09/2018080904_02_1.html
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「『ダムは安全』と言い続けた責任がある。逃げ出すことはできない」
野村ダムの着工当時、合併前の旧野村町町長が、自宅に1人残り、2階で暮らし続けているという。
今回の国交省のダム操作や避難の呼びかけ方に疑問はあるが、
「寂しさよりも責任を感じる気持ちの方が強い。『ダムがなければ……』と誤解を残したままあの世にはいけん」と話しているらしい。
この話は、ダムの「安全神話」が地域に蔓延していたこと、
安全なはずのダムの放流が、洪水被害拡大の原因であることを示しているように思う。
実際に、県が管理する肱川の野村地域区間を「水位周知河川」に県が指定していないという。
「水位周知河川」とは、洪水で重大な被害が発生するため氾濫水位を周知する河川のこと。
県が指定すると、市町村が流域の浸水想定区域図(ハザードマップ)の作成するよう水防法で義務付けられている。
野村ダムの下流、野村地域に西予市がハザードマップを作成していなかった理由がここにある。
なぜ、「水位周知河川」に県が指定してこなかったのか。「安全」な野村ダムがあったからということ。
この発想を根本的に変え、ダム直下地域の防災計画を直ちに作成すべきだ。
ハザードマップもない地域に、「異常洪水時防災操作」なる大量放流を伝達しても、どういう被害になるか想定されないだろう。
ダム管理者が地域の状態を把握して、操作や情報伝達を実施したのか疑問。ルール通りでは済まされない。
鹿野川ダム下流の大洲市の浸水被害もひどかった。
共産党の調査で、鹿野川ダムの副所長が、今回の大量の放流について「下流に被害が出ることはわかっていた」と述べている。
被害を軽減する管理責任が国交省にはあるはずで、想定外の記録的大雨だから仕方ない、という理由は通らない。
ダムによる洪水調整が不能になり、下流に被害が出る放流をしなければならない事態は、想定されてきた。
ならば、下流の浸水被害軽減対策はどれだけ進んでいたのか。
無堤防区域が多数残され、堤防強化や河道掘削もほとんどされていなかったようだ。
鹿野川ダム下流は、大洲河川国道事務所と愛媛県が管理しているが、
ダム管理事務所が下流の状況を把握していないでは済まされない。
被害を受けた住民の悲痛な叫び、無念さを真摯に受け止めるべきだ。
以下参考
NHK 2018年8月9日 22時17分豪雨 検証
国交省がダム放流直前に被害想定も共有せず 愛媛
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180809/k10011571321000.html
毎日新聞2018年8月8日 22時56分(最終更新 8月9日 00時16分)
西日本豪雨:「ダムは安全」説いた責任 元町長1人自宅に
https://mainichi.jp/articles/20180809/k00/00m/040/130000c
(愛媛新聞)2018年8月9日(木)
愛媛豪雨災害:肱川の西予・野村区間 「水位周知河川」県未指定
https://www.ehime-np.co.jp/article/news201808090042
毎日新聞2018年8月8日 大阪朝刊
西日本豪雨:ダム過信、避難計画なし 愛媛・肱川、流域の浸水未想定
http://mainichi.jp/articles/20180808/ddn/041/040/013000c
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しんぶん赤旗 2018年8月9日(木)
ダム放流操作ただす 愛媛 宮本岳・仁比・山添氏が調査
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-08-09/2018080904_01_1.html
しんぶん赤旗 2018年8月9日(木)
共産党などダム考えるつどい 愛媛・大洲市
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-08-09/2018080904_02_1.html
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